「みやざき地頭鶏　鳥刺し」、「鶏の炭火焼き　大（350g）」、「みやざき地頭鶏　たたき」、「冷汁」 : Tori no Sato

　お店の公式サイトで席を予約して平日17時に二人で訪問。三階の入れ込みの座敷に通された。予約時には残席数わずか二卓という状況だったが、さすがにまだこの時刻の来店客数は少ない。18時45分に退出するまで、三階の入れ込みの座敷は我々の貸切状態だった。おかげでいわゆる「避密」の食事ができた。窓が開けられていて、換気も良好。暑くも寒くもない季節につき、快適だった。

　まず、タレがかかった生キャベツの鉢と、苦瓜と海藻を和えた突き出しが提供された。特に文書でも口頭でも説明がないが、会計後に明細を見るとこれに二人で550円計上されていた。

・「ウーロン茶」（220円）
　気前よく大きなビールジョッキになみなみと注がれていた。

・「ビンビール（大）」（660円）×2
　大瓶のキリンビールをいただいた。

・「みやざき地頭鶏　鳥刺し」（880円）
　宮崎の地頭鶏（じとっこ）という地鶏の刺身である。おそらくモモ、ムネ、ササミ、スナズリの盛り合わせだろう。おろし生姜が添えられていた。客席に「こいくち醤油」「あまくち醤油」「ポン酢」が用意されていて、こいくちかあまくちの醤油で食べることが勧められていた。あまくち醤油でいただいた。新鮮さと甘みを帯びた旨みを味わった。スナズリを刺身でいただくのは数年ぶりかもしれない。こちらのは抜群においしい。

・「鶏の炭火焼き　大（350ｇ）」（通常1,540円⇒食べログのクーポン利用で1,100円）
　これは宮崎では「モモヤキ」と呼ばれることも多いもの。
　このお店には少しお高い「みやざき地頭鶏　炭火焼　大（350ｇ）」（通常1,980円⇒食べログのクーポン利用で1,540円）もある。もともとモモヤキは、卵を産まなくなった廃鶏の硬さを楽しみおいしく食べる方法として考案された料理らしいから、上等で柔らかい銘柄鶏を使うそれではなく、ただの「鶏の炭火焼き」のほうを選択してみた。
　炭火に脂が落ちて上がる煤を纏って黒っぽい色調なのはお約束。その香りは強いが、それでも他店よりは控えめで上品かもしれない。内部はレアの部分も多く、自分好み。強靭な弾む噛み応えが楽しい。このお店では骨から完全に外した状態で出されるので、お箸だけで楽に食べられて手を汚さずに済む。お店によっては気になる強すぎる脂っ気や塩気も、こちらでは程よい誂えだったと思う。
　これには柚子胡椒が添えられていた。

・「みやざき地頭鶏　たたき」（880円）
　これは、表面（皮）を炙ったもの。モモとムネだろうか。これにはもみじおろしとニンニクが添えられていて、ポン酢で食べることが勧められていた。でもこれは、あまくち醤油と、鶏の炭火焼から流用した柚子胡椒との組み合わせが自分には最良と感じられた。香りと噛み応えと旨みは期待通りだった。

・「スープ」（220円）×2
　鶏でダシをとったスープ。こまかい油滴が浮いているのが見てとれる。旨み豊か。

・「冷汁」（550円）×2
　魚の擂り身と味噌を擂鉢に塗り付けて炙り、出汁で展ばし、胡瓜、大葉、胡麻などを加えた冷たい汁。これを温かいごはんにかけていただく、というもの。これも宮崎料理。このお店のは、炙った香ばしさと魚の風味は控えめで、味噌は濃いめのやや塩鹹さを覚える一品。

　しめて6,490円。PayPay可。