鱧在中津「筑紫亭」で、真鱧の醍醐味!
大分県中津市の料亭、筑紫亭。
明治34年創業の100年を超える老舗料亭で、建物は国の登録有形文化財。
それに惹かれて訪問したのですが…こんなに美味しい「鱧」が食べられるなんて!!
食材に感動したのは久しぶりです。
耶馬溪の清流が注ぐ豊前海。
3億年も昔の生態系が今も生きていて、森の植物性プランクトンが甘みある魚介を育てると言われます。
中津近海は遠浅の良好な漁場として知られ、中津市魚市場では毎朝セリ売りされる6割が地物という自然の恵み豊かな土地。
とりわけ鱧は通年水揚げされ、相場は中津で決まるとさえ言われており、消費量も日本一だとか。
中津産でも極上の真鱧だけを使う筑紫亭。その食材への拘りは素晴らしいものでした。
趣きある門をくぐり、敷地内に入ると苔が美しい前庭。
文化財となった建物に暫し見入ります。
食事のお部屋まで長い廊下を案内されるのですが、目に入るものに興味を持ち、立ち止まってしまいます。
この建物を維持管理されるのは、並大抵ではないでしょう。
明治で時が止まったような風情に感銘をうけます。
今回案内いただいた部屋は、畳の上にテーブルと椅子。
他にも待合と思われる畳の上にソファーのお部屋も見て通りました。
レトロ感が良いです。
お料理は、お昼膳を予約してました。
お昼は3000円と5000円の特別メニューが用意されています(税サ込、11:00~15:00)。
鱧のしゃぶしゃぶ付5000円の膳にしました。
最初に胡麻豆腐と先付けの重が出されました。
化学調味料を一切使っていない繊細な味。
一品一品が細胞に染み入るような気持ちになります。
鱧のお吸い物は薄味で、素材そのものの味が出ています。
次に、鱧のお造り。
鱧の刺身は、はじめていただきました。
皮を剥ぎ骨切りされた鱧の身は、淡白でプリプリとした食感。
弾力がとても良くて臭みなども全く無く、美味しい!
続いて、鱧しゃぶ。お造りと同じで生でも食べられる鮮度の良いものです。
皮が残してあり、出汁に潜らせると、骨切りしてある鱧は、クルッと丸く華が咲いたようになります。
紅葉おろしを溶いて葱を入れたポン酢でいただきます。
ん!何ですか、この美味しさは!刺身の状態より甘味を増し、フンワリとした身。
これが、女将さん自慢の真鱧!
鱧への価値観が変わりました。
隣県にこんなに良い鱧があるなんて。
鱧しゃぶの興奮が冷めた頃に、ご飯と味噌汁をいただきました。
ご飯も見るからに艶々で良い感じです。
柔らかめの美味い炊き立てご飯と、蜆の味噌汁に香の物。
最後に季節のフルーツと「巻蒸(けんちん)」。
羊羹や外郎とは違う、不思議な練り菓子です。
江戸時代、中津の医師であった田中信平氏が、中華料理の一品を発展させ、漢方料理の一つとして生み出したもの。
昔の中津では、祝の折りなどに必ず入っていたお菓子ですが、手間がかかるので次第に消えていったとか。
それを復活させた筑紫亭。中津の伝統の味を守られています。
葛に白大豆にキクラゲ。もっちりと重量感。甘さ控えめで、生姜も効いてます。
心筑紫(こころづくし)の名が付いたこの蒸し菓子も、ここでしかいただけません。
大満足でした!
ご主人亡き後、料亭を支える女将さんの志は素晴らしいです。
知識豊かで、食の本質を守り、公演依頼も舞い込むほど。
ビッグコミックス「美味しんぼ71巻」にも、実物モデルとしてチラッと登場されています。
鱧を食べなれた、京都・大阪の方にぜひ食べていただきたい鱧料理でした。
次に訪問した際は、女将さんお勧めの「鱧のにぎり寿司(二貫1000円)」を、ぜひいただきたいと思います。
お店利用の際は、必ずご予約を!
店名 |
Chikushi tei(Chikushi tei)
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類型 | 日本料理、海鮮、郷土料理 |
預約・查詢 |
0979-22-3441 |
可供預訂 |
可以預訂 |
地址 |
大分県中津市枝町1692 |
交通方式 |
從JR中津站徒步8分鐘 (500m) 從椎田道路「椎田IC」乘車30分鐘 (15km) 從宇佐別府道「宇佐IC」乘車35分鐘 (17km) 從社區巴士 (豐前·中津線) “圖書館入口”車站徒步1分鐘 (※僅平日運行1天4趟) 從大分機場乘坐大分交通“開往中津站前”90分鐘 (1天4趟) 在“中津站前” (終點站) 下車,徒步8分鐘 距离中津 414 米 |
營業時間 |
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預算 |
¥10,000~¥14,999 ¥5,000~¥5,999 |
預算(評價匯總) |
¥10,000~¥14,999
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付款方式 |
无使用卡 无使用電子錢 |
服務費收費 |
会席料理はサービス料20% |
座位數 |
80 Seats |
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個人包廂 |
可能的 可容納6人、可容納10~20人、可容納30人以上 大廳 (80人) 中大廳 (20人) 小房間 (6人) ×3 |
包場 |
可能的 |
禁煙・吸煙 |
抽煙與禁煙分區 有關被動吸煙對策的法律(修訂健康促進法)自 2020 年 4 月 1 日起施行,可能與最新資訊有所不同,請在光臨餐廳前確認。 |
停車場 |
可能的 5臺份 |
料理 |
對魚類料理講究 |
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此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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網站 | |
備註 |
建築物是國家註冊有形文化遺產 |
店鋪公關 |
這是一家成立於1909年的日本料理。請品嚐來自豐前海的極品海鰻。
這是一家成立於1901年的日本料理。我們提供超值午餐和各種懷石料理套餐。它還可用於婚禮、訂婚儀式和追悼會。該建築是國家註冊有形文化財產,也是城山三郎「指揮官特攻」的拍攝地。 |
大分県中津市枝町1692、筑紫亭。
1901年(明治34年)創業から百余年、歴史を彩る様々な文人の逸話が語り継がれている料亭。
耶馬渓の名付け親といわれる頼山陽、唐風練り菓子 巻蒸を創作した画人で漢方医の田中信平らが利用。
耶馬渓の自然を開発の手から守るために匿名で私財を投じた福沢諭吉の書簡や、広瀬淡窓の掛け軸があります。
訪れ集い料理を囲み座した人々の記憶が静かに佇む日本文化が集積された歴史ある店。
筑紫亭主屋と離れと塀は2003年(平成15年)に国登録有形文化財に。
日本遺産の筑紫亭で最上級の真鱧を百年の歴史と伝統の味で楽しめます。
JR中津駅徒歩9分。完全予約制。禁煙。駐車場あり(8台予約優先)。1万円以上のコースはカード利用可。
懐石料理12000円~(税サ別)、宴会料理10名以上8000円~(税・サ込)フリードリンク付で2時間。
お昼膳コース6500円(税・サ込)。
営業時間12:00~13:30(LO)、18:00~20:30(LO)。
(HP) https://chikushitei.com/
筑紫亭の予約は電話かfax。電話を入れました。
希望日のお昼に予約が取れ、食べ歩く予定の日だったので懐石ではなく「お昼膳コース」を。
予定時間に店に付き駐車場に車を入れ、百年料亭の姿を外から撮影。
仲居さんが出迎えてくれてます。
「西の博多か、東の中津」明治の鉄道唱歌に、そう唄われたほど賑わった中津。
軒を連ねていた中津の料亭でしたが、戦後解体されずに残ったのは筑紫亭一軒のみ。
ミシュランガイド熊本・大分の掲載店で、耶馬溪とともに日本遺産にも登録された筑紫亭。
門を潜ると玄関前の庭に石碑。
種田山頭火が筑紫亭で催された句会で初めて河豚を食べて詠んだ句が記されています。
竹筒を利用しての蚊取線香の立ち昇る煙にも風情。
靴を脱ぎ、案内されてお部屋へ。
敷地内に中津城の名残があり、場内と場外が分かれる水路が流れています。
水路を挟み町名も変わり、手前が枝町、奥が寺町。歴史を感じる場所です。
吹きガラスの窓や欄間など、創建当時の趣そのままの建物が素晴らしい。
らしく作られたものではない、時が育んだ歴史建築。
案内されて個室へ(別予約)。
セットされている席には、マスクホルダー。
温かなおしぼりが用意されて、飲物の確認。
本日はドライバーなのでノンアルビールを。
冷たい緑茶を供されるところから。
料理は都度、仲居さんより説明あり。
◆お昼膳コース 6500円(税サ込)
~お膳と「ハモのしゃぶしゃぶ」のセット~
筑紫亭ならではの大満足のお昼限定のコース。四季折々の旬の素材と中津名物のハモ。
・先付
・前菜…ヤングコーンのすり流し貝柱と蛤のジュレ、山桃、海老、鴨肉、ムカゴ、エリンギ、万願寺唐辛子
・鱧のにぎり寿司(二貫、別注)…薄塩とカボスが掛けてありそのままで
・季節の椀…車海老ずんだの吸物
・造り…カンパチ、大根おろし、ラディッシュ、鱧の真子の唐墨、むろや醤油(中津で三百年)
・鱧のしゃぶしゃぶ…昆布出汁、自家製のポン酢を最後に紙鍋に入れて楽しむ
・ご飯…しめじご飯はおかわりも、自家製イクラの醤油漬け、蜆の味噌汁
・香物…料理長の漬けた自家製
・果物…ほうじ茶、ドラゴンフルーツ、マスカット、ブルーベリー、蜜柑
・菓子…栗菓子、餡入、栗箸杉箸、栗の葉
・抹茶
・巻蒸(けんちん)
中庭を見ながらの豊かな時間。
畳間に赤い毛氈、テーブル席で清潔なテーブルクロスの上に膳。
丁寧に作られた料理をいただく口福。
鱧のにぎりを予約時に別注。
塩とカボスがかけられており、鱧の身の味が前に。山椒の葉の香りも。
小骨がとても多いハモ。薄刃の鱧切り包丁で細かく骨切りされていて骨を感じません。
一寸に25筋ほど包丁を入れる技法は、江戸時代に中津の料理人が始めたそうです。
活きのいい上質な鱧、脂がのっているのにさっぱり。
造りのカンパチの鮮度と歯応えが良くて、食材豊かな中津に居ることを実感。
紙鍋に火が点けられ、筑紫亭ぽん酢が用意されて、いよいよ鱧しゃぶ。
大分県豊前海産の鱧、鍋の中でふわっと花開きクルッと返る白身。
手早く引き上げてポン酢にそっと。
上品な白身の美味しさ。薄く舌の上に伸びてくる鱧脂。最高。
生で食べられる身をサッと火を通すことで、更に引き出される旨み。
鱧には梅肉の印象ですが、中津産の鱧には味が強すぎるそうで。
酢が勝ちすぎないように自家製のポン酢でいただきます。
鰹と昆布の出汁に、酒・味醂・厳選濃い口醤油、地元特産の橙、カボス等の柑橘類を加えられたもの。
しゃぶしゃぶ後は、そのポン酢を昆布出汁に入れ飲むことを勧められます。
自家製イクラが添えられたご飯も、とても美味しかったです。
漬物も豪華。料理長は招福楼で漬物を2年担当されていたようで。
食後は、水菓子と本菓子。それも嬉しいことに栗菓子。
抹茶の後には、郷土菓子の巻蒸も!
薬膳南蛮風蒸し菓子「巻蒸(けんちん)」。
江戸時代に中津藩出身の田中信平(田信)の考案から発展した蒸し菓子です。
白大豆をキクラゲなどと共に濃い口醤油と砂糖で煮込み、葛で固めて冷やしたもの。
醤油が軽く効いた上品な味わい、甘さの中にほんのりと醤油の香り。
料理長の土生 隆一さんは、招福楼での経験を経て筑紫亭に入られた方。
十数年前から伺っていますが料理長は同じく土生さん。
ミシュランガイド熊本・大分2018特別版にて一つ星を獲得されてからは、初の訪問となりました。
価格以上の内容です。お昼膳コースはとてもお得に感じます。
2時間ほどかけて、ゆっくりといただきました。
現在、JRの「36プラス3」にて、日曜日の大分別府→門司港間の個室では筑紫亭の料理を提供されています。
食後、女将とお話出来る時間がありました。
こちらに嫁いで56年、80歳になられる女将。肌艶美しくとてもお若いです。
ご主人が他界された後も、伝統文化を残すということに力を注がれています。
日本文化の継承者としても素晴らしいです。
秩序の中で生きる日本人の美意識を語られる、ずっとお話を聞いていたい方。
今回もお会いできて光栄でした(* ᴗ ᴗ)⁾⁾