昇り龍が如く : Ishimaru

官方消息

本店已登錄為TabeLog店家會員。本店相關營業資訊,是由店家人員所公佈。

Ishimaru

(いしまる)
此頁面上的文字已使用 Wovn.io 自動翻譯。請注意,翻譯中可能存在不準確之處。

此處的感想是根據消費者的主觀意見及感想而成,並非客觀評論餐廳的價值。請把它當作參考即可。 此外,此處的感想為消費者當時光臨餐廳的情況,内容、金額、餐點等可能會與實際情形有所出入,請在前往餐廳務必以電話或其他方式諮詢。更多資訊請往這裡
此頁面上的文字已使用 Wovn.io 自動翻譯。請注意,翻譯中可能存在不準確之處。

4.5

¥20,000~¥29,999每人
  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.5
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.5

4.5

JPY 8,000~JPY 9,999每人
  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.0
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.0
2023/12訪問第 7 次

-

  • 美食/口味-
  • 服務-
  • 氣氛-
  • 成本效益-
  • 酒類/飲料-
JPY 20,000~JPY 29,999每人

昇り龍が如く

ここ数年は年始にこちらのレビューを上げるのが恒例になっていたものの、今年は流石に書く気になれず。
さりとてこのままでは年度も終わってしまうと焦りつつも結局越えてしまい(既に今年に入り二度訪問してしまっておりますが笑)
例年に比べ大幅に遅れながらも筆を執ります。

ーーー
まずは今更ですが、こちらも恒例となりつつある提供内容の変更について。
昨今の度重なる、またとどまるところを知らない魚介類の値上げ、そして多様な顧客のニーズに応えるため、今年も以下のような内容に変更されております。

・お昼
◯16,500円(税込、以下同様)
お鮨のみ12貫(ウニ、車海老含む)
玉、味噌汁、水菓子

・夜
①25,300円
おつまみ5品+お鮨11貫(ウニ、車海老含む)
玉、味噌汁、水菓子

②16,500円
おつまみ2品+お鮨11貫(ウニ、車海老含まず)
玉、味噌汁、水菓子

『いしまる』は私のような(親方曰く笑)握り原理主義者や量を召し上がれない方などのために②の選択肢もご用意されています。
初めての方や量に不安のある方などは是非お昼や夜の②のコースから行かれてみてはいかがでしょうか。
ーーー

さて、昨年も無事にこちらで鮨納めをすることができありがたい限りです。
この日ばかりは私も握りのみではなくフルスペックのおまかせ(当時22,000円)を頂きます。
こちらもいつものごとく内容は写真の通り、供された順に掲載しています。

まず前半ですが、どのお皿も素材の味わいを活かす相変わらず素晴らしい塩梅。
特に海鼠と海鼠腸は甘さを控えた出汁の効いた加減酢が良く、牡蠣は昆布出汁、酒に僅かな薄口を微かに香る程度に足すのみ、雲子も見た目とは裏腹に味を付けに行くというよりも雲子の旨味に寄り添うような塩梅で本当に好みでした。
またこの時季の風物詩である勢子蟹も、今回から人数分を茹で立てで供するように変えられました。
いつも書いていることながら、この顧客目線が貫かれた仕込みの改善には本当に頭が下がります。

後半の握りについてもピンピンの種にキレッキレの仕事が冴え渡ります。
特に冒頭の白身類の身質の高さ、それに加えて脱水、塩〆の確かさは群を抜いています。 
また小鰭に加えて針魚もしっかりと〆るのがこちらの流儀。
個体によって甘酢に漬ける時間を変えたりと、個人的に針魚を〆させたら右に出る職人はいないのではないかとすら思うほどです。
そして年末ということもあり、赤貝に加えて値の張る海松食も仕入れられる親方の心意気。
これを原価も格も桁違いな波貝などと勘違いされた日には、お店の方もやってられないでしょう。(当然ですが、波貝が悪いということではありません)
とりわけ常日頃から大声でSNSに発信するような人間は、そうした事実関係くらいは最低限、確認すべきだと思いますね。
さて、少し話題が逸れましたが、最後はしっかりとした煮詰めが味を支える穴子に、毎回素晴らしい焼き加減の玉子焼きで一通りです。

こちらは私にとって、通えば通うほどしっくり来ると言いますか、一人でじっくり味わっていると沁み沁み旨いなぁと思える数少ない鮨屋です。
昨年までは僭越ながら毎回気になる点を書いてきましたが、最近はこれが特に無く(笑)
もしあるとするならば、気になる点ではなく唯一残された私の希望として、ぜひ潮汁に挑んでほしいということくらいです。
その理由は二つ。
いつも記載している通り、こちらの白身は抜群に美味しく、そのアラや骨をぜひ味わいたいというもの。
そして格式ある老舗は潮汁を供される(またはお椀はない)からというもの。
もちろん立地や文化が異なるため、すぐにという訳には行かないでしょう。
しかし親方とは私が美味しいと思う潮汁を一緒に頂いたこともある仲(笑)
いつの日か頂ける日を夢見て、こちらに残しておきます。

最後に毎年同じようなことを書いておりますが(笑)
今年は辰年、龍が天に昇るが如く、さらなる高みに到達されますことを心よりお祈り申し上げ、また私自身もそれにしっかりと着いていけることを願いつつレビューを終わります。

  • Ishimaru - 九絵

    九絵

  • Ishimaru - 海鼠

    海鼠

  • Ishimaru -
  • Ishimaru - 香箱蟹

    香箱蟹

  • Ishimaru - 須満

    須満

  • Ishimaru - 蛸

  • Ishimaru - 牡蠣

    牡蠣

  • Ishimaru - 雲子

    雲子

  • Ishimaru - 鮟肝最中

    鮟肝最中

  • Ishimaru - 松川鰈

    松川鰈

  • Ishimaru - 平鱸

    平鱸

  • Ishimaru - 白甘鯛

    白甘鯛

  • Ishimaru - 鮪

  • Ishimaru - 鮪手巻き

    鮪手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 針魚

    針魚

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 海松食

    海松食

  • Ishimaru - 海老

    海老

  • Ishimaru - 滑子お味噌汁

    滑子お味噌汁

  • Ishimaru - 穴子

    穴子

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

  • Ishimaru - あまりん

    あまりん

2022/12訪問第 6 次

-

  • 美食/口味-
  • 服務-
  • 氣氛-
  • 成本效益-
  • 酒類/飲料-
JPY 20,000~JPY 29,999每人

今年もお伺いするのが楽しみ!

今更の投稿ではありますが、今年初の訪問を控え久々に筆を執ります(笑)

大変ありがたいことに一昨年に引き続き、昨年もこちらで鮨納めをすることができました。
昨年は同行者の方々が投稿してくださったり、訪問回全てをレビューしてしまうともはや通年の内容が分かってしまうなどということもあり、最近はすっかり投稿をサボっておりました。
しかし年に一度は感謝の意を表し、私自身の振り返りのためにも投稿しておきたいと思います。

ーーー
まず昨年の12月より内容が多いという一部の声に対応し、また追加で好きなものを食べて欲しいというお考えからコース内容を見直され、
今までの
・通常のコース:20,000円(いずれも税別)
・お鮨のみのコース:15,000円
・軽めの鮨コース:9,000~10,000円程
から↓
①通常のコース(7品+12貫+味噌汁+玉+水菓子):20,000円
②おつまみ少なめのコース(3~4品+11貫+味噌汁+玉+水菓子):18,000円
③お鮨のみのコース(先付+14貫+味噌汁+玉+水菓子):15,000円
④軽めの鮨コース(先付+9~10貫ほど):9,000~10,000円程
へと更に食べ手の選択肢が増えることとなりました。
※③④の鮨のみコースは当日受付のみで空席状況による
(コース内容を追記)
ーーー

これは昨今止まらぬ"おまかせ"もとい"押しつけ"・"お仕着せ"一本の潮流に明らかに逆行することです。
またこちらは一斉スタート制も取っていません。
そのためこれがお店として如何に食べ手想いの選択なのか、そしてお店自らに様々な制約を課す如何に厳しい選択なのか、それらが分かる方々には既にこちらの素晴らしさが犇々と伝わっていることと思います。
こうした人に優しく自分に厳しくのような、客に優しく店に厳しくという姿勢に益々魅力を感じます。
実際、私も昨年は夜でも握りのみ、または軽めの握りのみで訪問したことがありますし、本当に使い勝手が良くなったと思います。


さて、この日は年末で鮨納めという方も多かったようで、皆さん大いに御料理とお酒を楽しむべく2万円のコースを楽しんでおられました(笑)
写真はそのコース内容を提供順に掲載しており、玉子焼き以降のお鮨は追加の内容です。
なお御料理の内容は写真を参考にしていただくこととし、感想は部分的にしておきます。

まず前半のつまみ部分は昨年の鮨納めと被る品もありますが、香箱蟹では蟹酢のジュレからより甘さを控えたあっさりとした蟹酢へと変わっていたり、牡蠣はすり流しから酒蒸しへと変わったり、鮟肝最中はさらに滑らかになったように感じられたりと、より素材の味を引き立てる、握りへの架け橋へとなるように変更されているのではないだろうか?と感じました。
個人的にはお鮨屋さんにおいて、握りの前にゴチャゴチャと手の込んだ料理を食べたいとは全く思わず、あくまでお鮨を楽しみたいと考えているためこうした軽やかでシンプルなつまみは大歓迎です。
なお誤解しないでいただきたいのですが、つまみは手を抜けば良いなどと言いたい訳ではありません。
つまみにおいては鮨屋としての領分をいかに守るのか、その塩梅をどうするのかという悩みや試行錯誤にこそ親方やお店の哲学が表れると思っています。
例を挙げれば、一品目の蕪は鮑と蛤の出汁で炊かれており、個人的にはその辺りに鮨屋としての領分や塩梅を感じる訳です。
以上のことから、私は昨年よりも敢えて引き算をされたのかなと好意的に解釈しました。
また最近の鮨職人はつまみに力を入れる傾向が強く、和食店に在籍していたことなどを売りにされるケースも多いようですが、個人的には全く惹かれず鮨職人として他に学ぶことがあるように感じる店の方が多いです。

さて肝心の握りについてですが、まずは酢飯について。
配合を変えられたこともありますが、何より酢飯の安定感が増したことが昨年一番の変化だと思っています。
一昨年は新米の時季以降、(大変僭越ながら)乾燥や水加減などにご苦労されておられたように感じておりましたが、昨年の後半はそのブレの幅が徐々に狭くなったように感じられ、ほどけ具合や粒立ちの良さが際立っておりました。
またそれらの結果、食後感も大変軽くなりました。
何ならそのせいで食べ過ぎる程です(それは自分のせいですが笑)

次に今回唯一感じた点を記録に残しておきます。
それは酢橘から取り除いた種の入れられた手酢を伝い、ほんの僅かに酢飯に酢橘の香りが移っていたこと。
と言っても本当に些細なことで、酢飯を多めに用いる手巻きでほんの僅かに感じた程度です。

さて素晴らしい点についてはこの日も鮃や九絵など白身が良かったこと、鮪も美味しいこと、墨烏賊や貝類などの魅力を引き出していることなどなど数多くありますが、敢えて一貫に絞り針魚についてだけ。
針魚を握るお店も減り、また握ったとしても大きさや鮮度だけで勝負するお店が多い中、今回はその逆へ行くかのような仕事ぶりに心を惹かれました。
詳しくは他の投稿なども参照していただければ良いかと思いますが、針魚一種とってもこれだけの変化があるんです。
意地悪に捉えいつまでも最適な仕事を決められないだけなどとも言う人もいるかもしれませんが、実際に頂けばその都度に違った美味しさや魅力を堪能させてくれる圧倒的な技量だと思います。


私が『いしまる』さんに初めてお伺いしたのは忘れもしない2020年9月のこと。
その時の驚きたるや凄まじく、間髪を入れずに再訪を重ねた事は今となっては良い思い出になりつつあります。
当時は立ち飲みからカウンターへと変えられて間もない頃だったかと記憶しておりますが、綺麗な設え以外、良い意味で全くそのようには感じさせなかったことが印象的でした(詳細は過去のレビューをご参照ください)。
また緊急事態宣言などにも翻弄された2021年は8回ほど訪問し、その度に供されるお料理の変化や改良の気配を感じながら親方のセンスと研究熱意な姿勢に驚歎したものでした。
そして2022年は『いしまる』さんに行ってみたいとのお声も多く頂くようになり、様々な方とご一緒させていただき、この鮨納めを含め都合7回ほど訪問を重ねました。
何より嬉しかったことは、お連れした方々が皆一様にまた行きたいとおっしゃっていただいたことです。
これも偏に親方を始めとする『いしまる』の皆さんが着実に高みへとのぼられている成果なのだろうと思っております。
今年は改装後三周年を迎えられる『いしまる』さん、まさに卯の如く、さらなる飛躍を果たされますことを心よりお祈り申し上げレビューを終わります。

  • Ishimaru -
  • Ishimaru - 蕪

  • Ishimaru - 香箱蟹

    香箱蟹

  • Ishimaru - 牡蠣の酒蒸し

    牡蠣の酒蒸し

  • Ishimaru - 鰆のたたき

    鰆のたたき

  • Ishimaru - 蛸

  • Ishimaru - 姥貝の貝柱、紐

    姥貝の貝柱、紐

  • Ishimaru - あん肝最中

    あん肝最中

  • Ishimaru - 鮃

  • Ishimaru - 九絵

    九絵

  • Ishimaru - 鮪

  • Ishimaru - 鮪の手巻き

    鮪の手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 針魚

    針魚

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 姥貝

    姥貝

  • Ishimaru - お味噌汁

    お味噌汁

  • Ishimaru - 海老

    海老

  • Ishimaru - 煮蛤

    煮蛤

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

  • Ishimaru - 鮃

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 鮪細巻き

    鮪細巻き

  • Ishimaru - 巻物

    巻物

  • Ishimaru - いちごさん

    いちごさん

2021/12訪問第 5 次

4.5

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.5
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.5
JPY 20,000~JPY 29,999每人

2021年もお世話になりました

2021年最もお世話になったお店の一軒からレビューを始めます。
本来は昨年中にあげるべきところ、また他にもあげなければならないお店が山ほどあるところではありますが、ご容赦いただきたいと思います。
そして2022年からメニューに変更があるようですので、まずはその概要を記載しその後レビューをすることにします。

ーーー
・メインのコース:20000円(税別)
・鮨のみのコース:15000円(税別)
※夜の鮨のみコースの予約は当日席に空きがある場合のみ。
※なお雲丹に関しては当面別料金。(追加の場合だいたい3000〜5000円)

大きな変更点としては週末のランチのみならず、夜も握りのみを楽しめようになったこと、そして雲丹がコースには含まれなくなったことでしょうか。
個人的にはこちらの原価率の高さは承知しているつもりですし、雲丹もおこのみでは決して頼むことのない種の一つですので全く問題ないという感想です。
むしろ食べ手としての選択肢や視野は広がると考えますので、様々な意見や考え方はあるのでしょうが引き続き『いしまる』さんの挑戦を影ながら応援したいと思います。
ーーー

さて、本題のレビューは昨年末、久々の夜にお伺いした内容です。
全体的な感想としてはやはり親方の料理、握りの進化・変化には、毎回驚きと新しい美味しさがあるということ。
季節の移ろいや客の感想をしっかりと自らの仕事に落とし込まれ、お伺いする度にまた美味しくなったと思うのは、偏に親方の飽くなき探求心と熱意によるものだと思っています。
以下、各料理の感想をざっとではありますが残しておきます。

①香箱蟹
丁寧にほぐされ盛られた上に、蟹酢をジュレにしてかけてあります。
この蟹酢、甘さを抑え酢を効かせている塩梅が素晴らしいです。
調味において、甘味に逃げないという親方の姿勢には大いに共感するところで、一口頂き、だから通いたくなるんだよなあとしみじみ再認識。

②鰹
最近一気に有名になったと感じる迷い鰹、しかし親方は他所とは異なる観点から捉え料理されています。
料理法の詳細は伏せますが、敢えて迷い鰹の脂の部分ではなく、青い部分と言いますか薫りや爽やかさの部分を活かし供されました。
そこに今度は甘めの玉葱醤油を合わせることにより味わいの幅を広げ、鰹の青さを滑らかに着地させています。

③蛸
まず切りつける時から薫りが素晴らしい。
そして次に箸で持った段階で炊く時間を極力減らされていると推察されるも、噛んだ時の柔らかさに驚きました。
確認すると炊く時間はやはり短かかったものの、蛸の薫り、弾力、柔らかさ、身の水分量など、それぞれの魅力を引き出すため論理的に下拵えと料理をされ、更に供するタイミングまで逆算されていることが分かり脱帽です。

④牡蠣
まず火入れをしても全く縮んでいる様子のない立派な牡蠣を蕪のすり流しに。
あくまで主役は牡蠣であり、すり流しの調味は旨味は感じるものの優しく仕上げられており滋味深く美味しかったです。
冬なので最初に供されても良いところですが、最初は繊細な薫りを鮮明に出し、蛸から徐々に温度帯を上げつつ旨味の強い料理へと移行しているのかなと推察しました。

⑤目鯛
こちらは西京漬けかなと思いつつも味噌の薫りや旨味は穏やか、確認すると味噌ではなく味噌だまりを用いて漬け地を作られているとのこと。
相変わらず優しい調味で心が安らぎます。
一点、上記の推察が当たっているとするならば、この焼き物はもう少し温かい状態で供した方がより良いのではないかと思いましたが、別の意図があったのかもしれません。

⑥鮟肝最中
以前より味の輪郭が少しはっきりとしたように感じられお伺いしてみたところ、作る方が変わったようです。
相変わらず鮟肝の炊き加減は良く、中の柿とのバランスも悪くないですが、親方曰くタレの詰め具合などまだ改善できると思っているとのこと。
ここら辺がこちらに通う楽しみの一つですね。

⑦鰯鯨
尾身の部分で脂が綺麗に回っており食感は滑らか、その脂も清らかでサラリと溶けとても美味しかった。
気になったのはあたり葱について、鯨にも用いられるのであれば上記の鰹には無くても良かったのではないか、と思わないでもありません。
ただこれはお酒の有無など好みの範疇の問題だとも思います。

ここからは握りです。
いつものように冒頭は白身から始まり、鮪そして小鰭などの〆物という前半です。
一貫目の平鱸は十分に寝かされ旨味がすごく、酢飯と溶けるように馴染んでいきました。
白甘鯛は平鱸よりも弾力を残してあり、対比を意図されておられるのだろうと推察。
縞鯵は珍しく漬けにされていたので確認したところ、こちらもしっかりとした根拠と共に漬けを選択されていました。
そしてこの日の赤身はとにかく柔らかく、切りつけを拝見している段階で美味しそうでした(笑)
見た目は裏切らず、脂が乗っているものの爽やかで酢飯との馴染みも抜群、とても美味しかったです。
小鰭は歯が入った時にいつもと比べて若干の緩さを感じましたが、諸事情を存じ上げているためよくぞここまで!と思うほどの仕上がりでした。
むしろ親方の想定されている小鰭の〆具合がきちんと再現されているところに技の確かさと凄味を感じました。
次の閂もいつもより長めの〆、しかしまた違った観点と根拠から仕事をされていることが分かり、勉強になりました。
後半は墨烏賊、貝類、海老など、こちらもいつも通りの流れですが、雲丹の大盤振る舞いにはビックリ。
これはほとんど利益が出ていない、むしろ赤字クラスだと思うので、どうしても食べたい人は追加で、というのはよく分かります(笑)
雲丹と同様、墨烏賊も高かった種の一つ。
この日のものはとりわけ大きく、珍しく包丁を入れられます。
見る方が見れば分かると思うのですが、この包丁もある意図を持って入れられており、つくづく惰性で仕事をしていないなと再認識します。
次の白海老は個人的に少し柚子が多かったかなと思います。
赤貝は食べ終わり親方と見るからにあの産地と笑い合い、以前ある方も交え鼎談した内容がやはり合っていることを確認することができました。
とはいえ赤貝の下拵えも他所とは異なり勉強になりました。
そういえば貝類にまで熟成とやらが流行っていますが、本当に心から美味しい、従来の供し方に比べ明らかに向上していると思っている方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。
私はこの点に限らず供されたものをただ受け入れているだけ、まるで作り手にインタビューしているだけという、昨今の店と客の関係性はつまらないなぁと思うのですが、それも世の流れなのでしょう。
少なくとも『いしまる』の親方は食べ手と積極的にコミュニケーションを取り、独善的な仕事にならないよう気をつけておられるように感じます。
その最たる例が車海老、見る方が見れば写真からもその変化がお分かりいただけるのですが、火入れと供し方を大幅に変更されました。
今までとはまた違った海老の魅力を引き出すことに成功されており、美味しく頂きました。
また最後の玉子焼きも食感が変わったように感じ確認したところ、材料の配合を変えられたとのこと。
過去の写真を振り返っても焼く技術は格段に上がり、安定感が増しており、更に味わいでも常に向上を目指しておられること素晴らしいなあとしか言いようがありません。


『いしまる』さんには2020年に初めてお伺いし、2021年は片手に収まらない回数ほどはお邪魔しました。
(なお訪問回の全てはレビューしておらず、ご一緒させていただい方のレビューがある訪問回は、こちらの進化と変化を感じていただければと思いとりあえず写真のみを登録しました。)
初めてお伺いした頃に比べ、お店の方の人員も増えこれから益々飛躍されることは間違いないことと思います。
そこで一点だけ申し上げると、山葵をおろす回数を増やしていただきたいと思います。
少なくとも親方が酢飯を舎利櫃に移す回数(今回であれば3回ほどでしたでしょうか)、出来ることならば5回ほどおろされれば更に美味しくなるのではないかと思います。
こちらは鮨種だけでなく山葵の品質も極めて高いものを使われているため、勿体ないと思う次第です。
ただ誤解のないよう申し添えておくと、過去のレビューにも記載している通り、親方ご自身はさび猪口を返され、きちんと気を配っておられます。
とはいえ忙しくなってくると人間誰しも完璧にはいかないはずで、そこを周りの皆さんにフォローしていただき、親方がより握りに専念できる環境を作っていただけたらと願います。
なお、強調しておくと周りの皆さんが何もしていないということでは決してなく、お茶の差し替えなど大変こまめで、その頻度は私の知る鮨店の中でも一二を争うレベルです。

以上、いつもながら好き勝手に書き連ねてきましたが、こちらが既に相当なレベルにあることは間違いありません。
私自身も更に勉強し、こちらにお伺いしなければならないと思っています。
2022年も引き続きお世話になります。

  • Ishimaru - 香箱蟹

    香箱蟹

  • Ishimaru - 鰹

  • Ishimaru - 蛸

  • Ishimaru -
  • Ishimaru - 牡蠣、蕪の擂り流し

    牡蠣、蕪の擂り流し

  • Ishimaru - 目鯛

    目鯛

  • Ishimaru - 鮟肝最中

    鮟肝最中

  • Ishimaru - 鰯鯨の尾身

    鰯鯨の尾身

  • Ishimaru - 平鱸

    平鱸

  • Ishimaru - 白甘鯛

    白甘鯛

  • Ishimaru - 縞鯵

    縞鯵

  • Ishimaru - 鮪

  • Ishimaru - 鮪手巻き

    鮪手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 閂

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 白海老

    白海老

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 玉珧

    玉珧

  • Ishimaru - 馬糞雲丹、紫雲丹、虎河豚の白子

    馬糞雲丹、紫雲丹、虎河豚の白子

  • Ishimaru - 馬糞雲丹、紫雲丹、虎河豚の白子

    馬糞雲丹、紫雲丹、虎河豚の白子

  • Ishimaru - お味噌汁

    お味噌汁

  • Ishimaru - 海老

    海老

  • Ishimaru - 穴子

    穴子

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

  • Ishimaru - あまおう、シルキーベリー、ル・レクチェ

    あまおう、シルキーベリー、ル・レクチェ

2021/03訪問第 4 次

4.5

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.0
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.0
JPY 8,000~JPY 9,999每人

仲卸のために買い、お客のために握る

私にしては珍しく定期的に訪問を続けている『いしまる』さん、この日は応援のため尊敬する鮨通の方をお誘いし訪問させていただきました。
事前のアナウンスではお昼は【鮨のみコース】で、お鮨11貫に玉、味噌汁、かんぴょう巻で9,000円(税別)とのことでした。

まずは独活の胡麻和えから。
菜の花から独活へ、先付でも手を抜くことなくしっかりと季節をおさえられています。

ここからは怒濤の握り。
まず舎利はお昼なので夜よりも大きめに握られており、より一層の満足感があります。

1貫目の白甘鯛から相変わらず素晴らしい種質と親方の手当てが光ります。1.4kgの魚体を血抜きし、〆てから10日という甘鯛は味と薫りが濃厚で噛みしめると旨味が溢れます。確認をしませんでしたが、食感や引き出されている旨味の濃さから〆る過程で強く塩を当てていると思われます。
2貫目の金目鯛は2㎏の魚体、皮目をしっかりと残されており、そこからジワジワと旨味が広がります。
3貫目の紅瞳は炙り方が素晴らしく、薫りが良い。こういう舎利と種との相性を考え抜いて施された"仕事"であって初めて炙るということに意味があると感じます。
4貫目からは鮪三連発。
赤身は柔らかい身質で口に運ぶと一気に舎利と馴染む美味しいもの。
珍しく供された中とろは素晴らしかった。薫りが良く、旨味がありながら筋が残ることもなく、舎利と一緒にストンと喉の奥へ落ちました。私は常々、とろの部分は脂は乗っていても筋が当たったり、舎利だけが先に無くなってしまったりと、意外と握りとしての完成度が高いものは少ないと思っています。しかし親方の鮪は握りとして美味しいか、その一点を突き詰めておられるような仕上がりでいつも唸っています。
名物?の手巻きは美味しい舎利に鮪、海苔の三拍子が揃えば美味しくない訳がありません(笑)
7貫目の小鰭も相変わらず素晴らしい〆加減で、美味しい鮪から後半への架け橋になっています。
8貫目の針魚はいつもより長めに甘酢に浸けているなと感じたため確認すると、終わりかけで脂が抜けてきたため敢えて長く漬けられたとのこと。この塩梅が親方の真骨頂です。同じ種で同じように供されているように見えて、その日の種質、コースの流れなどによって的確に微調整をされます。何度も書くと怒られそうですが、本当に修行歴がないとは思えません。
9貫目の鯖は棒寿司に。鯖の〆具合と上に巻かれた白板昆布の甘味が絶妙なバランスで私の好みの味わいです。
なお、こちらの写真だけを見て安易に銀座『鮨 鈴木』の真似事だとおっしゃる方がおられますが、せめて実際に食べてから判断されるべきではないでしょうか。少なくとも私は両方を知っていますが、まず根幹の舎利が異なる以上、同じものになるはずがありません。当然のことながら、写真からは分かることと分からないことがありますので、食べ手はそこのところをよく峻別して物を言うべきだと思います。
10貫目の墨烏賊も相変わらず肉厚で良い物を使われています。また広島の藻塩と酢橘による調味も塩梅が良く美味しいです。
11貫目は赤貝。型が良く、ぬめり、旨味がありこちらも美味しいものでした。なお、赤貝の産地について少し鼎談しましたが、私の考えがあながち間違っていなかったことが分かり大いに勉強になりました。
12貫目は紫と馬糞の合い盛り。相変わらずたっぷりと盛られます(笑)こちらも『鶴八』イズムを継承しているのでしょうか?(←実際は関係ありません笑)
13貫目の車海老はこれでもいつもより小さいサイズとのこと。やはりこの海老だけは改善の余地があろうかと思うのですが、、、好みの問題も大きいですし、今後の楽しみとしたいと思います。
14貫目は煮蛤、普段より柔らかくなるよう意識したとのことでしたが、素晴らしい火入れです。しかも火入れをお褒めしたところ「まだまだ柔らかくできるのではないかと思っているのでこれからも楽しみにしてください。」とのこと。この謙虚さと探求心はどこから来るのか、修行先の名前だけで客を集めている若手に、、、(以下、省略笑)。
最後はいつもの木の芽を入れたかんぴょう巻に玉子焼きで一通りです。この玉子焼きも通い始めた頃に比べると凄まじく美味しくなっています。写真をご覧いただいても、これだけの玉子焼きを焼けるのは老舗で10年単位の修行をした中堅クラス以上の職人くらいではないでしょうか?
本当にお伺いする度に、次の訪問が楽しみになります。

そして振り返れば、事前のアナウンスとは異なる大盤振る舞い。
協力金の出ない仲卸のためにと思いきった仕入れをされ、それをお客に還元する、どこも大変な昨今なかなか出来ることではありません。
また尊敬する方とご一緒すると言った私の顔を立ててくださったのでしょうか。
いずれにせよ謙虚さや探求心だけでなく、こういう男気のあるおもてなしをされるため、益々心を掴まれます。
これからもできる限り、『いしまる』さんに通い続けたいと思っております。

  • Ishimaru - 独活の胡麻和え

    独活の胡麻和え

  • Ishimaru - 白甘鯛

    白甘鯛

  • Ishimaru - 金目鯛

    金目鯛

  • Ishimaru - 紅瞳

    紅瞳

  • Ishimaru - 赤身

    赤身

  • Ishimaru - 中とろ

    中とろ

  • Ishimaru - 鮪の手巻き

    鮪の手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 針魚

    針魚

  • Ishimaru - 鯖

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 紫雲丹、馬糞雲丹

    紫雲丹、馬糞雲丹

  • Ishimaru - 車海老

    車海老

  • Ishimaru - 煮蛤

    煮蛤

  • Ishimaru - 蛤の潮汁

    蛤の潮汁

  • Ishimaru - かんぴょう巻

    かんぴょう巻

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

2021/01訪問第 3 次

4.5

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.0
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.0
JPY 8,000~JPY 9,999每人

緊急事態宣言を受けてお昼の営業を開始

年明け早々の緊急事態宣言に伴い、週末のランチ営業を開始された『いしまる』さん。
情報があまり出ていないため、今回は食事の内容よりもお店の情報に重きをおいてレビューします。

まず現在の営業は前日までの予約制で17:00~の一回転、週末*は17:00~に加え、その週の金曜日までの予約で13:00~のランチ営業もなさっています。
17:00~の夜のコースは【肴と鮨】15,000円(税別)。
また当日の空席状況により平日の夜18:30~に【鮨のみコース】(鮨12貫、玉、汁物)12,000円(税別)を頂けるようです。
なお、こちらは行政からの要請にしっかりと応じておられ、お酒の提供はなさっておりません。
しかしながらお茶やノンアルコールドリンクにもこだわり美味しいものをご用意されているので、お酒がないからと訪問を躊躇したりキャンセルすることなく、ぜひ美味しい握りと合わせて楽しんでみてください。

さて、肝心のお昼の内容ですが、お店からのアナウンスでは【鮨のみコース】で、お鮨11貫に玉、味噌汁、かんぴょう巻で9,000円(税別)**とのことです。
なお、仕入れや予約状況によっては、あくまでもお店のご厚意ではありますが、以上の内容プラスαのものが供されることがあります。
今回はベーシックな内容のみを掲載しますが、プラスαがなくとも十分にお得な内容、品質のものが供されていることは写真をご覧いただければお分かりいただけると思います。
ぜひお腹を空かせて訪問されてください。

頂いた内容は以下の通り(提供順)です。
・先付
菜の花
・握り
魴鮄
白甘鯛
赤身
中とろの手巻き
小鰭

墨烏賊
赤貝
雲丹
海老
・味噌汁
穴子
・かんぴょう巻き
・玉子焼き

以上の内容でお支払いは9,900円(税込)です。
金額だけ見ますと大宮でのランチにしてはあまりに高額かと思われる方もいらっしゃることと思いますが、豊洲から仕入れられる魚介類は銀座などで使われているものに負けず劣らず、中には勝るとも劣らないような品質のものが使われています。
したがってお値打ち感、満足度は極めて高いと思います。
夜の会食が難しい昨今、まずはこちらのお昼から訪問なさってみてください。

* 現在、日曜日の夜はお休みされています。
** 4月以降、ランチは10,000円(税別)になっています。

  • Ishimaru -
  • Ishimaru - 魴鮄

    魴鮄

  • Ishimaru - 白甘鯛

    白甘鯛

  • Ishimaru - 赤身

    赤身

  • Ishimaru - 鮪手巻き

    鮪手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 鯖

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 雲丹

    雲丹

  • Ishimaru - 車海老

    車海老

  • Ishimaru - 味噌汁

    味噌汁

  • Ishimaru - 穴子

    穴子

  • Ishimaru - かんぴょう巻

    かんぴょう巻

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

2020/12訪問第 2 次

4.5

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.8
  • 氣氛4.0
  • 成本效益4.8
  • 酒類/飲料4.5
JPY 10,000~JPY 14,999每人

2020年は"いしまる前"か"いしまる後"か

皆様、昨年も大変お世話になりました。
日付を越えてしまいましたが、2020年の締めくくりとして、やはりこちらのお店を最後に上げて終わろうかと思います。
なお、こちらのレビューは2020年、私の鮨納めです。

初訪問で衝撃を受けて以来、何度か再訪させていただいております。
その中で、お伺いする度に『いしまる』さんの凄まじい進化や成長を感じ、とても驚くと共に嬉しくなり、また私自身も大変勉強をさせていただいています。
とりわけ訪問時に感じた舎利の完成度、この進化には目を見張るものがありました。
やはりご主人は大変研究熱心でありながら、客の感想や声に真摯に向き合う謙虚な姿勢をお持ちであり、一食べ手として敬意を表したいと思います。

さて、この日の内容にも触れておきます。
前半で印象に残ったものは九絵のしゃぶしゃぶに鰆の幽庵焼きです。
前者は厚く大振りに切りつけられた九絵を程良く火入れし、赤酢ベースのタレがかけられておりました。
身の手当てや火入れが良いのはもちろんのこと、好みに合ったのはタレ。
通常であればただポン酢をかけたくなるところを、敢えて酸味をおさえて九絵の甘味、旨味、滋味を引き出すまろやかな味に仕立ててあります。
この塩梅とセンスが本当に素晴らしく、私が通うことになった理由の一つです。
後者にもそのご主人のセンスが光ります。
幽庵焼きとは言うものの、決して甘ったるい味付けではなく、添えられた黒七味と合わせてなお、鰆の優しい味わいを損なわない塩梅で仕上げられています。
またこちらの火入れも抜群で、身がふんわりと焼かれており素晴らしい!
両者に共通するのは素材の持ち味を引き出す調味であり、決して酒を飲ませようとか、調味料の味の濃さで誤魔化そうといった邪な気持ちなど微塵も感じさせないことです。
そしてそれを可能とするのは、確かな物を仕入れているというご主人の矜持でしょう。
自信があるからこそ供することのできる、引き算の料理だと思います。

後半は握り、こちらも相変わらずレベルが高い。
まず舎利はボソボソ感が全く無くなり、粒の立った炊き加減、そして赤酢でありながら多くの種に合う塩梅に仕上げられています。
そのことを強く印象づけるのが一貫目の鮃です。
程良く弾力を残した鮃と舎利を噛みしめると、鮃の旨味、米の甘味が口に広がっていき、鮨を食べている醍醐味と魅力を最大限に感じることができます。
私は種への手当てと舎利が合わさることによる相乗効果、それこそが江戸前の仕事であり真骨頂だと思っているので、胸を打たれました。
そして次の金目鯛も旨味が凝縮されていながら、身がダレておらず美味しかった。
鮪も今年は脂の乗りがいまいちなことが多かったですが、舎利、山葵、海苔が美味しいため、鮨としては大変美味しく頂けます。
その後の〆物三連発。
最近の若手に多い中途半端な〆ではなく、しっかりと〆て旨味を引き出している小鰭に、少し身は薄いものの甘酢と朧で旨味を補い握りとして完成度を高めている針魚、そしてようやく脂が乗り思う存分〆られた鯖とそれぞれの種の状態に合わせた仕事が施されており魅了されます。
さらにここからは『いしまる』さんの仕入れが光る種ばかり。
江戸前の墨烏賊に薫り、甘味、歯応えと三拍子揃った赤貝、高値の続く雲丹も馬糞と紫を二種たっぷりと、海老も立派な大車で火入れの加減も素晴らしいです。
そして穴子も柔らかく上手に炊かれており、濃厚な煮詰めと相俟って老舗で食べているのかと錯覚します。
最後の玉子焼きは前回より中心に水分が残っており、物凄く好みな仕上がりでした。

以上、大まかにコメントしましたがご主人の細部へのこだわりも素晴らしいものがあるように思います。
握りに入る際には別途新しいおしぼりが用意されますし、お茶の差し替えもこまめです。
また前回のレビューで触れていないところで言いますと、柑橘の使用が控えめであり好感が持てます。例えば墨烏賊、通常酢橘を搾るお店が多いですが、こちらでは切った断面を用いて烏賊に塗る程度です。その結果、皮のえぐ味は出ず、握る順番による仕上がり(後になるほど果汁の出が悪くなる)の差は無くなる訳です。
こうしたご主人の仕事ぶりを眺めていると本当によく考えられているなぁと感心することしきりです。

とはいえ、このまま終わってしまいますと私の通う楽しみが無くなってしまいますので、いくつか気になった点も書いておきたいと思います(笑)
まず一点目は鮟肝の最中。
鮟肝の炊き加減や柿と合わせること自体は好みに合っていてとても気に入っています。
しかしながら香ばしい最中を合わせることによって、その絶妙な炊き加減で仕上げられた鮟肝の淡い仕上がりが掻き消されてしまい少し勿体ない気がするのです。
したがって上の最中を外すか、または(見た目の演出上必要だと理解もしているため)上の最中にも少し鮟肝を塗っておくと更に完成度が上がるのではないかと思います。
ただし、こちらは好みの問題の範疇でありますし、食べ手側の食べ方(私は上の最中だけを先に食べました)の工夫で対応できるため些細なことかもしれません。
二点目は牡蠣の火入れ。
こちらも好みの問題の範疇だと思いますが、ほんの僅か火入れが強いように感じます。
ただ滅菌の意味からも限界があるのだろうか、とも思いますので難しいところなのかもしれません。
三点目は握りの成型について。
私も細かなことは勉強不足で大変恐縮ではありますが、仕上げる段階で握りの底面の(下駄皿に触れる)部分にほんの少し指を効かせて成型した方が良いのではないかと推察します。
おそらくこちらの握りは"俵型"の形になるのではないかと思いますが、握りがコロッと横に転がりそうな時があるように感じます。
とはいえ、この点はそもそも写真など撮っているお前が悪いというごもっともなご指摘があり得ますので、分が悪いですね(笑)

と、ここまで好き勝手書いてきましたが、『いしまる』さんが2020年の食べ歩きの中で最も印象に残り、かつ魅了されたお店であることに違いはありません。
正直こちらに伺って以降、すなわち"いしまる後"は"いしまる前"に比べ他所の鮨店で感動することが減りました(笑)
2021年からは値上げ(というよりも今までが新装開店セールのような金額でした)をされるようですが、ここからが本当の勝負になるのでしょう。
はたして『いしまる』さんがどこまで高いところまで行くのか、私自身も置いて行かれないよう勉強を続けながら、末永く応援させていただきたいと思います。

皆様、本年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

  • Ishimaru - 鞍掛豆

    鞍掛豆

  • Ishimaru - 九絵のしゃぶしゃぶ

    九絵のしゃぶしゃぶ

  • Ishimaru - 鰤

  • Ishimaru - 菜の花

    菜の花

  • Ishimaru - 鰆の幽庵焼き

    鰆の幽庵焼き

  • Ishimaru - 鮟肝最中

    鮟肝最中

  • Ishimaru - 牡蠣の酒蒸し

    牡蠣の酒蒸し

  • Ishimaru - 長須鯨

    長須鯨

  • Ishimaru - 鮃

  • Ishimaru - 金目鯛

    金目鯛

  • Ishimaru - 赤身

    赤身

  • Ishimaru - 鮪手巻き

    鮪手巻き

  • Ishimaru - 小鰭

    小鰭

  • Ishimaru - 針魚

    針魚

  • Ishimaru - 〆鯖

    〆鯖

  • Ishimaru - 墨烏賊

    墨烏賊

  • Ishimaru - 赤貝

    赤貝

  • Ishimaru - 雲丹

    雲丹

  • Ishimaru - 車海老

    車海老

  • Ishimaru - なめこのお味噌汁

    なめこのお味噌汁

  • Ishimaru - 穴子

    穴子

  • Ishimaru - 玉子焼き

    玉子焼き

2020/09訪問第 1 次

4.0

  • 美食/口味4.0
  • 服務4.0
  • 氣氛3.5
  • 成本效益4.0
  • 酒類/飲料-
JPY 10,000~JPY 14,999每人

再掲・大宮鮨業界の至宝

新しくレビューしようと思っていたら遂にページが新しくなっている!
ということで、初訪問時のレビューがリニューアル前のページに残されてしまったため、再掲しておきます。

ーーー以下、再掲ーーー

こちら『いしまる』さんは大宮において、素晴らしい素材を使われているという情報を得て訪問に至りました。
聞くとこちらは以前、居酒屋を営業されていたようですが、店内を全面改装し先月鮨店としてオープンされたばかりのようです。
なお結論としては、素材の良さはもちろんのこと何よりご主人の人柄と丁寧な仕事に魅了されましたので、応援の意味も込めて普段より少し詳しくレビューしたいと思います。
この度は初めてでしたので、メニューはおまかせ12,000円(税別)でお願いしました。

まずは温かいお出汁と共に鞍掛豆が。最近一気に気温が下がりましたので、お酒を飲む飲まないに関わらず一品目からご主人の心遣いを感じます。
続いて九絵と螺貝のお刺身。噂に違わず良い素材が使われています。添えられる山葵ももちろん本山葵、鋼鮫でおろされます。
鱒之介の塩焼きは私の好みからしますと若干火入れが強く感じられましたが、味の加減が優しく塩が別添えになっているのは飲まない人間にとっては有り難い限りです。
無花果の白和えは立派な無花果が丸々一個供され、掛けられた白和えのソースは優しいお味。
ご主人は素材が良いだけですと笑っておられましたが、鮟肝はとろとろな炊き加減と程よい味付けで美味しい。
最後の長須鯨も匂いは一切なく澄んだ肉質で美味しい。また薬味には大蒜を思わせる香りのあたり葱をきちんと準備されているところが心憎い。

さて、ここからは握り。
朝〆の平目に笛鯛は赤酢の舎利に負けないようしっかりと手当てをされており大変美味しい。ご主人の魚へのこだわりと丁寧な仕事ぶりを感じます。
そして鮪は本鮪、赤身は即漬けにされ供されます。爽やかな旨味と香りを持つ美味しいものでした。また手巻きはきちんと新しい海苔を用いられ、中には脂の乗った中とろの叩きがたっぷりと。これは美味しくないはずがありません。
そして小鰭と魳には朧をかませて握られます。まさか大宮で朧の仕事をされる方がいらっしゃるとは(!)嬉しい限りです。また小鰭の〆方や魳の柵漬けなどこちらの手当ても素晴らしかったです。
またその後の種も値段を考えると十分すぎるものばかり。
肉厚な墨烏賊にはきちんと包丁を入れられ、玉珧もきっつけが厚く大満足。
いくらもネットリとした食感に漬けられ好みに合い、雲丹も最近の高値でこちらが心配になるほど盛られます。
車海老は茹で置きながら天然物で甘味も十分。
唯一穴子だけ少し脂の回りが少ないかなと思いましたが、煮加減や握る前の温めも好みの加減でした。

そして驚くべきはこちらのご主人、鮨店での修行歴がないということ。しかし彼の仕事を見ていますと手酢には氷を浮かべられたり、さび猪口を裏返されたり、(私の確認した限りでは)捨て舎利をされなかったりときちんとした丁寧さを感じますので、この点はほとんど心配がないように思われますし、むしろ今後の伸び代が楽しみに感じます。
唯一、舎利については炊き加減に斑があり、全体的に水分量が僅かに不足しているように感じました。
しかしながら以上、お値段と立地そしてご主人の真摯な姿勢を考慮しますと今後とも通いたい鮨店であることは間違いありません。
したがって評価は今後への期待も込めたものとご理解いただれば幸いです。
ぜひ今後とも再訪し、『いしまる』さんのこれからをずっと見てみたいと思います。

餐廳資訊

細節

店名
Ishimaru
類型 壽司
預約・查詢

048-871-7244

可供預訂

僅限預約

予約は電話かTableCheck、LINE@から
夜の予約は前日まで
昼の予約はその週の金曜日まで
※席状況次第で当日予約も可

地址

埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-305

交通方式

大宮站西口徒步10分鐘

距离大宮 527 米

營業時間
  • ■ 営業時間
    [月~金]
    18:00~19:30(最終入店)

    [土]
    13:00~ 一斉スタート・予約制
    18:00~19:30(最終入店)

    ■ 定休日
    日曜日、他
預算

¥20,000~¥29,999

¥15,000~¥19,999

預算(評價匯總)
¥20,000~¥29,999¥15,000~¥19,999

檢查支出金額的分配情況

付款方式

可使用卡

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

无使用電子錢

无使用二维码支付

收據 可開立符合發票規定的收據
註冊號碼T9810173514446

*有關最新的註冊狀態,請查看符合國務院發票系統資格的發票發行人發布的網站或聯絡商店。

服務費收費

なし

座位、設備

座位數

8 Seats

( 吧臺8席)

最大宴席可容納人數

8人(座位)
個人包廂

不可能

包場

可能的

可接受20人以下

禁煙・吸煙

嚴禁吸煙

有吸煙室

停車場

不可能

附近有投幣式停車場

空間、設備

平靜的空間,座位寬敞,有吧檯座位

選單

酒水

有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒,對日本酒講究

特點 - 相關信息

此時建議

一個人

許多人推薦的用途。

位置

神秘不為人知的餐廳

關於兒童

帶孩子咨詢

服裝規定

香水的香味強烈時,請去除香水後再進店。

備註

如需咨詢,請聯係LINE@。從這裡註冊。https://lin.ee/I7idLl4預約請在TableCheck上搜索“います”。