A5ランクというだけで美味しさの保証にならないことを学びました : Nikuryouri Fukunaga

毎年恒例の余呉湖ワカサギ釣り。今回も前泊で、お楽しみはこちらの夕食です。半年前の鮎釣りの時トライしてダメだったので、やっとという気持ちです。

きっかけは銀座しのはらで大将が滋賀県内でここは美味しい、と言及されていてBMしていたものです。後に大将の高校の同級生という追加情報も得ました。

普通は牛肉をあまり好まない我が家では、このご推薦がない限り伺うことはなかったと思います。

そういう意味で、こちらと出会えて本当に良かった。牛肉の概念が全く変わりました。A5とは美味しさの代名詞ではないことも学びました(長くなるので、気になる方は調べてみてください)。サシが入っていても良質のサシでなければ、石鹸を食べているようなもので、胸焼けするのも当たり前とのご主人のお話。納得。

ご実家のマルキ牧場で丁寧に育てられた正当な近江牛の美味しさを最大限に引き出されたお料理を堪能させて頂きました。マルキ牧場のお肉は市場へ卸さず、特定の直注文しか受けていないそうです。こちらのお店以外では、有名どころとして「ステーキハウスぽうる」「くいしんぼー山中」「稀凡」などがお取引先。

さて、頂いたものですが、予約時は半信半疑でしたので、手始めにと9,900円のコースでお願いしておきました。我々には量もちょうど良く、十分満足でした。これ以上の品数だと素晴らしいご飯も楽しめなかったと思います。

＜前菜＞
⚪︎ カメノコのたたき
⚪︎ センマイの洋風ソース和え
⚪︎ カメノコ細切りガーリック和え
⚪︎ 牛肉のブーダンノワール風
⚪︎ セロリの醤油漬け
⚪︎ ラディッシュ　タプナードソース載せ

　最初の一口、カメノコのたたきでノックアウトされました。お肉の味も質感も最高でした。生に近いお肉でこの食べやすさ、素晴らしい。

　せんまいもこんなお洒落な調理法があるんだと感心。

＜蓋物＞
⚪︎ 肉入り蓮根饅頭　生姜餡

　寒いので暖かいものをという、嬉しいお心遣い。

＜しゃぶしゃぶ＞
⚪︎ ヒウチの出汁しゃぶ　白菜　昆布

　ヒウチはシンタマ上部と内股のさらに奥のお肉。火打石のような形状からついた名称。または、トモサンカク。

　素晴らしいしゃぶしゃぶ具合で、本当にお肉を楽しめました。

＜スープ＞
⚪︎ マッシュルームのビーフストックスープ

　ホワイトマッシュルームだけど、濃縮しているので、ブラウンになっています。丁寧にとられたビーフストックで、濃厚、美味。

＜グリーンサラダ＞
　ドレッシング多すぎないところが、とても好き。

＜ハンバーグ＞
⚪︎ 超レアのハンバーグ　最後の肉汁を土鍋ご飯で
⚪︎ 追って牛脂で揚げたフライドポテト

　ハンバーグとは言っても、ひきにくを丸めてレアで味わう、言ってみれば少し暖かいタルタルステーキでした。肉汁でご飯がまた良い。

＜ステーキ＞
⚪︎ 美味しい赤身(部位聞いた気もしますが忘れました)
⚪︎ ミニコロッケ
⚪︎ 牛蒡　菊芋　ブロッコリー

　ステーキは肉質といい、焼き加減といい、完璧です。ミニコロッケがまた美味しい。

＜ご飯＞
⚪︎ 土鍋ご飯
⚪︎ ご飯のお供に、大根醤油漬け　高菜ナムル　かめのこ酢醤油

　お米は南丹市美山町、大嘗祭用の献上米キヌヒカリを作っている隣の畑の「ヒカリ新世紀」で特別に作って頂いているようです。まあ、とにかくご飯そのものがツヤツヤで甘過ぎずお肉によく合います。お供も充実しているので、珍しくたくさん頂きました。

＜デザート＞
⚪︎ パンナコッタ

　輸入牛が入ってくる時期に、ブランド牛で差別化を図った和牛。全てが良質とは限らないと確認できたお話と体験でした。

　これでもかこれでもか、とこんなに牛肉を頂いて、ああ美味しかったと幸福感に浸れるお店は、我々にはまずないと思いました。また必ず伺いたいです。