官方消息
本店已登錄為TabeLog店家會員。本店相關營業資訊,是由店家人員所公佈。
〜 優雅な遊び心の先にあるもの 〜
追いスモークされたシガー
注射器でザクバニールを注入したパニプリ
卵を使わないエッグベネディクト
真空低温調理された甘鯛のムニエル
スポイドでソースを注入する生春巻き
マンダリンアプローチ
始まる前のティータイム
注射器のサグパニールとパニプリ
シェパーズパイ
アルギン酸で球体化したグーラッシュ
酔っ払い鶏
調理順序を変えたパエリア
サーロインとヒレ
骨のないTボーンステーキ
天ぷら
液体窒素につけた暖かいトロピカルフォンダン
本物はどっち?
弁当箱かと思いきや
カトラリー
メジャーのメニュー表
シガーケース丸ごとスモークガンで瞬間燻製
泡が消えたムニエル
割った後
リモンチェッロ
店名 |
Tapas U Morakyura Ba
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類型 | 創新、餐飲酒館、西式料理 |
預約・查詢 |
050-5593-6424 |
可供預訂 |
僅限預約
ご予約日の2日前よりキャンセル料金を申し受けます。 |
地址 |
東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリン オリエンタル 東京 38F |
交通方式 |
地下鉄東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅(A7・A8出口)直結。徒歩2分。 距离三越前 85 米 |
營業時間 |
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預算 |
¥20,000~¥29,999 |
預算(評價匯總) |
¥20,000~¥29,999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Diners、JCB、Master、AMEX) 无使用電子錢 无使用二维码支付 |
服務費收費 |
サービス料: 15% |
座位數 |
8 Seats ( 1回につき8席限定) |
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個人包廂 |
不可能 |
包場 |
不可能 |
禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 |
停車場 |
可能的 |
空間、設備 |
時尚的空間,平靜的空間,有吧檯座位 |
酒水 |
有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒,有雞尾酒飲料,對葡萄酒講究 |
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此時建議 |
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位置 |
風景優美,能看到夜景,飯店內的餐廳 |
服務 |
可提供慶祝・驚喜的服務,有品酒師 |
網站 | |
開店日 |
2005.12.2 |
電話號碼 |
03-3270-8188 |
夕暮れに包まれるマンダリンオリエンタルホテルは美しい。
でも、西の空にはうっすらと雲がかかり、美しい夕陽には包まれていない。マンダリンのエントランスには和をモチーフにした暖簾がかかり、ラグジュアリーな外観と相まって日本橋の今と昔を物語っているようだ。その横には千疋屋本店があり、長く続く歴史を感じさせる。
もう何度も見た景色だが、まだ一度もマンダリンホテルに足を踏み入れたことがない。名門というバリアに守られて、僕みたいなやつを寄せつけないのだろう。
それでも僕はすんなりと暖簾の下をくぐる。ここを抜けなければタパスモラキュラバーにいけないのだからしょうがない。そのまま僕は上層階に昇る奥のエレベーターまで進む。磨かれた石張りの床に朱の絨毯を敷き、照明を落とし、高級感あふれる空間をつくっている。
やっぱり僕はホテルのアプローチが好きだ。特にエレベーターを昇り、降りた瞬間に街の景色が広がるあの感じが。エレベーターを降りてお店に向かうと、時間までラウンジで待つように言われる。
僕は窓際のソファーに腰掛けて、ティーカップを優雅に傾ける。まだ陽は暮れていないが、いずれ暗い景色に街灯が灯り、美しい夜景が現れるだろう。移ろいゆく東京の景色を眺めているのも、贅沢なひとときかもしれない。
18時になるとカウンターに呼ばれる。僕ら以外は全て海外のひとたちで埋まり、英語と日本語の両方で最初の説明が始まる。目の前には弁当箱が置かれており、バンダナをほどけば工具箱が現れる。そのまま蓋を開けると、カトラリーが姿を現す。
この中にメジャーが入っているが、何だろうと引き伸ばしてみると、この日のメニューがつらつら書かれている。面白い。デザートまで見ようと思い切り伸ばすが、手が届かない。ロックすれば簡単に見れることを僕は後から知る。
この日のコースは世界中の料理をモラキュラバー流に提供するという趣向であり、その内容は以下に。
1.グーラッシュ
ハンガリーのシチューであり、このシチューをアルギン酸で膜をつくり球体化させている。バーナーで炙った宮崎牛サーロインを付け合わせて、球体の上にトマトとサワークリームを載せる。
一気に口に入れると、球体の膜が弾けて、酸味が効いたシチューが広がっていく。分子料理の始まりだ。
2.生春巻き
次はベトナムの生春巻きであり、備長炭で燻製したマグロのほほ肉のソテー、大葉、コリアンダー、いぶりがっこを巻いている。ここにスポイドに収まるニョクマムソースを注入する。口にすると、エスニックな香りと甘みが広がり、美味しい。
3.サグパニール
次は注射器を使ったインド料理であり、ほうれん草と菜の花のカレーを、ひよこ豆を使ったパニプリという中が空洞の揚げ物に注射する。
サグパニールには花きゅうり、コリアンダー、フォアグラ、モッツァレラチーズが含まれており、重厚感のある味わいであり、これまた美味しい。
4.酔っ払い鶏
次は中国。紹興酒でマリネした酔っ払い鶏を、目の前でフランベする演出を加えて、さらに酔っ払わせる。酒粕と味噌に漬けた茄子を付け合わせる。鶏のもも肉がとても柔らかく、ナスが甘くて、美味しい。
モラキュラバーの肉は真空パックに入れて湯煎で低温調理する分子料理であり、根本的に肉が柔らかい。鶏肉は細かく筋を抜いているという。
5.シガー
次は葉巻をモチーフにしたキューバ料理であり、本物の灰皿の上に葉巻に見立てたサンドイッチが置かれる。カウンターに供される前には、シガーケースに収まる葉巻を瞬間燻製させて、煙があふれるという演出が入る。
シガーの中には、燻製の香りとともに24時間蒸した金華の肩ロース、ピクルス、チーズ、じゃがいも、リンゴのジュースが加わり、ハニーマスタードソースにディップしていただく。意外にも甘くて美味しい。
6.エッグベネディクト
次はアメリカ。一番下にブリオッシュを敷いて、黄身の代わりに南瓜を使ったオランデーズソース、卵白の代わりに豆乳をエスプーマしたものを合わせて、トリュフを散らす。ポーチドエッグは南瓜を球体にしてつくったというから面白い。
ほのかにトリュフの香りが鼻を抜ける中、柔らかいブリオッシュに、南瓜の黄身がとろけるように絡んでいき、美味しい。
7.パエリア
続いてスペイン。サフランと魚介の出汁で炊き上げたバレンシア米に、ホタテ貝、マイクロトマト、ディル、オリーブオイルでつくったキャビア、アサリ、ロブスターを載せて、ナージュソースに浸していただく。出汁はロブスターの殻、甘エビの殻、甘鯛やアサリからとる。
大好きな魚介のエキスが詰まったパエリアであり、その旨味が口の中いっぱいに広がり、たまらなく美味しい。
8.魚のムニエル
次はフランス。まずすり鉢で、ケッパー、クルトン、ブリオッシュを自分で擦っておく。甘鯛はメダル状にして真空低温調理し、仕上げにオーブンで表面だけを焼きあげる。甘鯛の上にはかつおの出汁の泡をふわっと載せて、エシレバターを使ったヴァンブランソースを合わせる。最後に擦ったものを後がけして完成だ。
表面がカリカリで中がふっくら柔らかい甘鯛に、ヴァンブランソースがよく絡み、美味しい。
9.シェパーズパイ
続いてイギリス。ベビーラムの肩肉をマリネして2日間65度の真空低温調理をし、ウースターソースとデミグラスソースを合わせる。そこに、ビーツとハーブを散らしたマッシュポテトを付け合わせる。
ラム肉が柔らかくて歯触りが良く、ほのかな甘みを帯びており、これまた美味しい。
10.Tボーン
そして再びアメリカ。Tボーンステーキを模した宮崎県産のサーロインとヒレ肉であり、骨の部分はオニオンピューレでつくられている。これも面白い。
ヒレはケイジャンスパイスでマリネして低温調理をかけ、仕上げに炭火に火入れする。サーロインは低温調理した後、フライパンで油で揚げるように仕上げる。そこに、ボルド酒の赤ワインとポートワインのソースをかけ、ブロッコリーとアイスプラントをつけ合わせる。
脂が抑えられたちょうどいい肉質であり、オニオンピューレも甘く、美味しい。
11.天ぷら
そして日本へ。梅酒に一晩漬けた山梨県産の白桃の天ぷらを、梅酒の天つゆにつけていただく。その後、残った天つゆを、大根おろしに見立てた桃のソルベにかけて、かき氷のようにしていただく。
12.アプフェルシュトルーデル
次はオーストリア。赤いリンゴが出てきたと思いきや、こちらは砂糖菓子でつくった偽物であり、下に敷いているのが、液体窒素で凍らせた本物のリンゴのパウダーだ。この赤いリンゴを割ると、アルギン酸で球体化したリンゴが現れる。これも面白い。
13.トロピカルフォンダン
次はタイ。温かいマンゴーとココナッツのムースを液体窒素の中につけて、表面だけを凍らせる。表面が冷たく、中は温かいままのデザートであり、口の中の熱の違和感が面白い。
14.リモンチェッロ
最後はイタリア。液体窒素で凍らせた一口サイズのメレンゲを口にして、鼻から冷気を出すというデザート。ひとりひとりやっていき、海外のひとたちと一緒に盛り上がる。
以上だ。
どの料理も知的好奇心をくすぐる面白いものばかりであり、たいていがカウンター前での演出が入り、楽しく、陽気に過ごせた。まだ足を踏み入れる前のマンダリンオリエンタルの印象からすれば、高級感は損なわれていないが、ずいぶんと気軽になり、遊び心に富んでいた。
憧れのエルブジ発祥の分子料理については、アルギン酸、真空低温調理、液体窒素、注射器、瞬間燻製など、今となっては当たり前になっているのだから時代の移り変わりの早さは恐ろしいとしか言えない。
どのように料理を科学しようが、結局は料理人の感性で提供されるものは決まるような気がする。
かなり多くの場面で、今はここにはいない橋本シェフの幻影が映されているような気がした。最後のリモンチェッロは盛り上げ方まで一緒だ。
橋本シェフはエルブジやノーマにいた後、ここタパスモラキュラバーで料理長を務め、現在はセララバードで自分の好きな料理を振舞っている。セララバードでは、この分子料理に、自然な美しさを加えている。ノーマの影響だろうか、あそこは本当に美しい。
モラキュラバーはよりエンターテイメント性のほうを追求しているのかもしれない。しかも、数多くの楽しみが生まれるように、少量多品種の提供を心がけている。文字通り、タパスモラキュラバーだ。
どのような遊び心があったとしても、その向こう側に絶対的美味しさがあればそれでいい。
大きなガラス窓向こう側では、すっかり陽が落ちて、きれいな夜景が浮かんでいる。ぼんやりと窓には自分の姿が映されている。この向こう側にいったらどんな世界が待っているのだろう。いや、ただ38階の高層階から落下して、ジ・エンドだろう。
夜空を自由に飛べたらな......