渋谷で夢見心地 : Chainizu Beddo

南青山『Essence』で8年間修行し副料理長まで経験した上笹氏がシェフを務める高級中華レストラン。

予約は向こう半年以上先まで埋まっており、実質新規予約はほぼ不可のような状況でしょうか。
今回は貸切会にお呼び頂き有難く伺えました。

場所は私が大の苦手な渋谷。
人混みを掻き分けつつ道玄坂を上がり切ったところにあるので結構疲れます。

勿論一歩入ってしまえばここが渋谷だと言うことを忘れるくらいシックでスタイリッシュなカウンターと厨房が広がり、仕込みをせっせと行う上笹シェフを眺めながらほっと一息。
はんにゃの金田に似てるな。
上笹シェフの方が格好良いけど。

ちなみに何故『中華寝台(Chinese bed)』という名前かと言うと、
B=Bar
E=En(&)
D=Dish
お酒も食事も、でそれぞれの頭文字を取ってBED。

発想が凄まじいですよね。
自分が10年考えても出てこないアイデア。
1度聞いたら忘れない、キャッチーでお洒落な店名。

コースは基本税込13,200円ですが、干し鮑が食べたい！などあればその辺は柔軟に対応。
勿論価格は上がりますが。

ペアリングは税込8,800円とコースに対し比較的高価格帯の設定なのですが、実質フリーフローで質の高いワインや日本酒をじゃんじゃん飲めるので、アルコール好きならマストで付けるべきでしょう。
今回はド平日且つ年末の超繁忙期だった為、私は泣く泣くちょいと啜る程度にしました。

前菜の盛り合わせから上笹シェフの実力の高さを存分に感じます。
蒸し鶏の上に乗ってる葱すら美味しい。
どれもハズレが無く、もう一周しても良いなと思える魅惑のラインナップ。

ハタの揚げ蒸しは、超高温の油に2,3秒サッとくぐらせてから蒸す事でもっちりとした食感を演出。
銀杏と腐乳のソースがめちゃくちゃ美味しい。
新鮮な味わいで表現が難しいのだけれど...。

上海蟹もあるとの事で全員即挙手。
紹興酒を強めに効かせていますが、それでもなお色褪せぬ上海蟹の爆発的な旨味。
本当にこいつは麻薬だ。

鶏では無く蝦夷鹿を活用した"よだれ蝦夷鹿"。
発想は面白いのですが、タレやピーマンの香りや味わいにクリアな味わいの蝦夷鹿が押されており、それぞれ単体で頂くと美味しいのですが全体としては少し奇をてらい過ぎたか。

更にフカヒレの姿煮まで出てきました。
豚のゲンコツ、背ガラ、鶏ガラをじっくり8時間煮込んだスープがうっとりする濃厚な旨味。
これに白米ぶっ込んで食べても最高だろうなあ。

〆の炒飯は自分史上最もパラパラの質感。

さて、ここからが本格的な〆(?)
麻婆豆腐、汁なし担々麺、チキンカレーお好きなものをどうぞ！スタイルで、正直割とお腹は膨れていたのですが意を決して全部ください。
他のメンバーも全員同じ。
こういうグルメ会的なの参加させて頂くといつも思うけど、みんな本当によく食べてよく飲む。

この〆がどれも素晴らしく、辛味と濃厚な味わいの塩梅が絶妙な麻婆豆腐に、酸味と少し甘味のある汁なし担々麺、そしてニンニクと生姜をたっぷり入れパンチ抜群のチキンカレーと、様々な味覚へのアプローチで良いフィナーレだったと思います。

ちなみにこの後デザートとして出てくる杏仁豆腐とココナッツ団子も実は結構美味しい。

本当にお腹一杯食べて私のお会計は約22,000円。

上海蟹やフカヒレ、北京ダックと言った王道な高級食材を網羅しつつ、上笹シェフのクリエイティブな感性を存分に受けられるラインナップを堪能してこの価格は個人的にはお値打ち。

ペアリング&追加メニュー制覇したメンバーも30,000円は超えていなかったので、銀座とかで同じクオリティを経験するよりは絶対的に安いでしょうね。

かなり良かったです。
本当はまた是非伺いたいのですが、いかんせん人気過ぎて難しいかな...。
誰か誘ってください！

お会計 約22,000円/1人
ディナーコース 税込13,200円
◇中国茶
◆前菜盛り合わせ
　-ピータン豆腐
　-じゃがいも からすみ
　-焼豚 ブルーチーズ
　-蒸し鶏
　-帆立の湯引き キャビア
　-鯨 坦々風胡麻ソース
　-子持ち昆布 醤油漬け
◆ハタの揚げ蒸し 銀杏と腐乳のソース
◆大根餅 つぶ貝 菊の花の餡掛け
◆上海蟹の紹興酒漬け ※追加
◆牛蒡とセリの薬膳スープ
◆北京ダック 梅のソース
◆よだれ蝦夷鹿 干し無花果と赤ワインのソース
◆フカヒレの姿煮
◆金華ハムの炒飯
◆麻婆豆腐 ※追加
◆汁無し担々麺 ※追加
◆チキンカレー ※追加
◆チキンカレー おかわり ※追加
◆杏仁豆腐
◇台湾茶
◆ココナッツ団子

◇モリンガ
◇紹興酒 グラス