とにかく良心的 : La Saetta

ある方のブログで見て、とても良さそうな店だなぁと思い、少し前から気になってましたが、最近妻をどこにも連れて行ってなかったこともあり、家庭内接待を兼ねて行ってみました。
場所は路地裏で、確かにわかりにくい場所にありますので、初めて行く時は地図の持参が必須かと思います。
このロケーションのせいか、土曜日の夜という、店によっては最も混み合う時間帯に訪れたにも拘わらず、客の入りは半分程度でした。

アラカルトでもリーズナブルな価格設定ですのでアラカルトにしようかとも思いましたが、コースのメニューの方が｢春｣を感じさせる季節感溢れるものでしたので、4,800円のコースを選択。
コースは、前菜・パスタ・メインを共に２種類のどちらかを選択するプリフィクス・スタイルです。
前菜の前に、突き出しというかフランス料理でいうところのアミューズみたいなものが出ます。今回はイカのフリットでしたが、これも立派な料理になっていて、最初から好印象。
そして、このあとの前菜が圧巻でした。
特に、妻の頼んだカルパッチョに生ウニを合わせたものは、盛りつけが非常に美しく、イタリアンと言うよりはフレンチのような美しい一皿でした。
さらに、次のパスタもかなりの力作。
とにかく具だくさんで、タケノコ・ウド・菜の花・ミル貝・ホタテがこれでもかというほど入っている上に、パスタそのものも手打ちでトマトが練り込まれたものと、非常に凝った一皿でした。もちろん、抜群に季節感を感じさせるという意味でも、とても印象に残りました。
前菜・パスタが非常に素晴らしかったので、それと比べるとメインはやや凡庸かな？
ただ、この辺はお値段を考えると、素材的に厳しいと言うこともあるのでしょうが。

このあと、デザートとコーヒーが出てくるまでにかなり間があり、すでにお腹いっぱいだったこともあり、さっさとコーヒー飲んで帰りたいなぁなんて感じだったんですが、出てきたデザートの皿を見て、またびっくり。
これも、その盛りつけの美しさといい、ポーションといい、普通のイタリアンのデザートの域を遙かに超えたものでした。
デザートは５～６種類から選べるというのもポイント高いところです。
そのあと更に小菓子の皿が出てきて、再度びっくり、満腹かつ大満足で帰りました。
全体的に、野菜中心の料理が多く、油も控えめで、食後感がさっぱりしているので、かなり満腹にはなりましたが、全くと言っていいほど胃にもたれたりはしませんでした。

立地条件を考えると、集客には結構厳しいものがあるかとは思いますが、この場所だからこそ、あの内容をあの価格で出せるのだと思いますし、料理人の良心を感じさせる店だと感じましたので、今後もリピートしたい店です。