關於TabelogFAQ

河豚尽くしに蟹尽くしで冬の旬を大胆に満喫し舌が歓喜する : En Sui

官方消息

本店已登錄為TabeLog店家會員。本店相關營業資訊,是由店家人員所公佈。

En Sui

(炎水)
此頁面上的文字已使用 Wovn.io 自動翻譯。請注意,翻譯中可能存在不準確之處。

此處的感想是根據消費者的主觀意見及感想而成,並非客觀評論餐廳的價值。請把它當作參考即可。 此外,此處的感想為消費者當時光臨餐廳的情況,内容、金額、餐點等可能會與實際情形有所出入,請在前往餐廳務必以電話或其他方式諮詢。更多資訊請往這裡
此頁面上的文字已使用 Wovn.io 自動翻譯。請注意,翻譯中可能存在不準確之處。

4.7

¥40,000~¥49,999每人
  • 美食/口味4.8
  • 服務4.8
  • 氣氛4.6
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.8
2024/01訪問第 8 次

4.7

  • 美食/口味4.8
  • 服務4.8
  • 氣氛4.6
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.8

河豚尽くしに蟹尽くしで冬の旬を大胆に満喫し舌が歓喜する

■訪問日:2024.1.16(火)19時半〜22時半

■ご予約 前回の訪問時に店頭予約

■お料理 お任せ¥32,100税込
お酒含むお会計¥45,320税込

1.先付

⚫︎焼白子の白味噌仕立て
⚫︎河豚のお出汁

お出汁は水出しベースで白味噌を溶いてます。
河豚の鰭を香ばしく焼いたものを合わせており
此処で河豚の鰭のお話で盛り上がってましたら
伊藤店主より当然の如く鰭酒もご用意があります、
とのお話を受けて喜び勇む貸切会の皆々様でした。

焼き白子はシンプルに炭火にて焼いて
こんがりと皮が狐色の真鱈模様に変色
見ているだけで涎が垂れてきそうです。
プックリ膨らんだ焼き白子を直に齧る
ダイナミックかつトロンとする白子を
アチチッと厚手の皮を噛み砕きながら
しっかりと味わいを進めて珍味を満喫。

残りは軽く崩して中からトロ〜リ蕩ける
白子を白味噌に溶いて珍味と白味噌との
甘い味を合体させて頂く楽しさに溺れる
山理の白味噌とのお付き合いの有り様を
違う次元で楽しむお料理に出逢いました。

2.前菜-1

⚫︎3時間蒸しの富田林海老芋
⚫︎芹の胡麻和え

お料理は3時間ほど掛けてじっくり
蒸した季節の富田林からの海老芋様
実に咀嚼が楽しくなるお芋の質感で
柔らかく何処迄も優しい粘性を保ち
舌に穏やかに寄り添います。
噛めばほんのりとネチッこく舌へと
絡みつつ豊かな甘味をムッチリ放ち
お隣様に控える芹の胡麻和えと共に
繊維感が涼しげに戦ぎ胡麻の甘味と
海老芋の甘味が共鳴し合いながらも
互いの持ち味を出し合って味わいを
昇華させております。

なんと言う素敵な合わせ技かと感嘆
そして更にお料理に加え嬉しい物が
ご登場となり酒好きには堪らなくて
歓喜して仕舞います。

◉鰭酒の甲羅酒

此処で大変興味を惹かれるお酒の振舞い
大きな虎河豚の焼き鰭を使用した鰭酒は
アルコールをビシッと飛ばした後で蟹の
甲羅を焼いたものを器とし鰭酒を其処に
注いで甲羅の香り付けをふんだんに施し
甲羅酒を完成させてお玉で掬って酒碗に
注いで頂きます。
更に酒碗には新しい鰭が添えられて熱い
鰭酒が香りも気高く鼻腔をキュンと突き
そのツ〜ンと刺激する鰭酒の匂ひだけで
もう、うっとりしっぱなしとなります。
その甲羅酒を一口飲めばコク深いお酒の
味わいが舌に澱み無く染み渡り心身共に
ほっこりと穏やかな気分で満たされます。

3.前菜-2

⚫︎自家製唐墨の飯蒸し
⚫︎小角大根
⚫︎三福海苔

飯蒸しに乗せてある唐墨がかなりの大振り
それも3切れも乗せてあり内一枚を外して
取り置きとさせて頂き鰭酒のお摘みとして
チビチビとやるのが最高となりました。

唐墨からのしっとりネットリ感が半端なく
餅米との食感が見事に同調する歯触りです。
と言うのも
飯蒸しに使われてます餅米は最高峰である
新潟の『こがねもち』を使用。

唐墨珍味とご同行させて頂く栄誉を貰います。
その餅米の特性は米粒の粘りにコシも強くて
噛んだ時に舞い散る風味も香ばしく咀嚼時の
餅米からのコシや伸びに加えて舌触りが大変
滑らかに走る物でもっちりと伸びる歯切れの
良さや飯蒸しとして纏まってて煮崩れしない
そして
米粒の色の美しさやカタチの良さに見惚れて
噛む前から少し興奮気味となり噛めばお米の
糖度が高い故の甘美な味にも感銘を受けます。

その飯蒸しにしっとりと絶妙な塩味と珍味を
漂わせて寄り添って来る唐墨が餅米と共鳴し
途轍もなく美味しいを連発して堪らなくなり
とても印象に残った一品となりました。

◉黒龍 2024 辰年

4.お椀

⚫︎坂井商店[本枯本節]削り立ての鰹節

鹿児島指宿の坂井商店より本枯本節を
鉋で伊藤大将がシャカシャカと引いて
その音色が耳に心地よく響いてきます。

鉋の切れがとてもシャープなのでしょう。
一回の引きでスルスル〜ッと巻物の様に
削り出されていきます。
まるで宮大工が4寸柱を仕上げている様
大将の美しい所作と引き際にうっとりし
本枯節の削り立ては鰹節の一面が艶々
かつ一枚が広くて長くクルクルしてて
フワッフワでお小皿に乗せられ美観も
鮮やかなピンク色で欲を誘って来ます。

お小皿に盛り付けられた本枯節の一枚を
味見にてお口に頂くサービスが嬉しい。
一枚を噛むとジワッと綺麗な鰹節の香り
香ばしい酸味に加えてソフトな食感とが
折り重なり本枯本節の一枚の尊さに舌が
衝撃を受けておりました。

⚫︎削り立て本枯節の一番出汁を小瓶でサービス
⚫︎奥井海生堂[蔵囲い昆布]のベースの出汁と共に

枕崎の本枯れ節の一番出しで張った吸い地
鰹の風味が途轍もなく気高さの伴う香りで
舞いながら鼻腔からスッと抜けて行く快感
一口啜れば
淡みの中に旨味の底味がしんみり舌に伝わり
味蕾に自然に広がるうま味の底深さに心から
納得する地味深さに感銘する。
この地味がお次の椀盛に繋がるのかと思うと
椀種は何を合わせて来るのだろうかと時めく。

⚫︎坂井商店[本枯本節]一番で引いた椀盛
⚫︎奥井海生堂5年熟成の昆布
⚫︎蛤
⚫︎和布
⚫︎焼ばちこ
⚫︎木の芽

水と
蔵囲昆布と
本枯本節と

その3つのエレメントだけで張った地の味わい
塩や酒などの料理調味料は一切未使用なのです。
故に地味深さと淡麗な地のうま味が真摯な迄に
横たわり舌を恍惚とさせて行くのでしょう。

潮汁の如く白濁しつつも穏やかに昆布鰹の
うま味が馴染み合う吸い地に蛤真薯からの
エキスがとても素直に地に写し出されつつ
同時に和布の磯風味がほんのりと漂う地へ
うま味の表情が自然に変わって行きます。

此処で意外と和布が良い味を出して来る
和布はしなやかにシャキシャキッとして
繊維質がとても元気に踊ってくれるので
噛み心地の良さが自然に弾んで仕舞う程
咀嚼が進んで堪らない地味深さを加える

そして更に

蛤の艶やかなる食感と豊かな旨味に
舌がご執心となって仕舞います。
その外連味の無い戯れ方に驚き弄ばされ
全く雑味の無いピュアな蛤様をご用意し
蛤の身肉が見せるピュアな味わいに舌が
うっとりして心に染み渡る美味さです。
その蛤は綺麗に磨かれて滋味深さが溢れ
噛めばフワッと肉感と旨味が同時展開し
何とも味わい深くジッと染み渡る味覚の
深みにのめり込んで仕舞う。

そしてお椀を堪能している中でもう一つ
お楽しみが有りお出汁のうま味に合わせ
冷酒をチビリとやるのが最高の嗜みにて
温かいと冷んやりの交互にうま味が交差
冷酒との会話が進み実に見事な味わいを
煌めかせてくれました。

5.お造り

⚫︎茨城県大洗の天然虎河豚の鉄刺
⚫︎鮟肝ポン酢
⚫︎鉄皮にポン酢と卵黄

本日は大洗の5kg upの天然虎河豚より
捌かれてのご提供となります。
鉄刺には酢橘を絞ってお塩を振ってます。
山葵とご一緒にお召し上がりください、
とのお話を頂き鉄刺の一枚は山葵で他の
切り身はお薬味たちとご一緒に頂きます。

中でも
秀逸な味わいで鉄刺を盛り立てましたのが
鮟肝ポン酢となります。

余市の鮟肝はそのままで摘みとして頂いても
鮟肝をポン酢で崩して鉄刺を浸して頂いても
お好みに合わせてとのお薦めとなります。

とは言え此処は両方の味覚を頂きたい誘惑に
駆られて最初に鉄刺の生命力を歯でしっかり
受け止めてもうパンと跳ねる様な弾力が漲る
虎河豚鉄刺のしなやかさと弾力感を満喫する。
そして内一枚の鉄刺をしっとり鮟肝の甘味で
染めてやり堪能して舌が大喜びしてます。
而して

鮟肝ポン酢はポン酢とかき混ぜてしっかり
乳化してから鉄刺を浸してトロッと口内へ
滑らせて官能的に耽美なアクセントを添え
鉄刺のダイナミックな旨味と逞しい食感を
グッと引き立ててくれ申し分の無い絶品の
味覚を完成させております。
もう、堪らなく美味しいを遥かに飛び越え
究極の美味さに到達しており感動が連打し
衝撃的な味わいが脳天へと一気に突き抜け
記憶に残りました。

更に鉄皮の方もこれまた乙なあしらいにて
何と鮫皮身皮とうとうみの全部揃えに卵黄
と言う粋な計いは河豚珍味のフレッシュで
エネルギッシュな食感にまろ味を施す様な
ニュアンスにてシュッと虎河豚鉄皮からの
珍味を際立たせておりました。

この後のお話が大将より少し有り興奮の中
お刺身の後は虎河豚料理全開で焼き河豚に
唐揚げ迄とフルラインナップでのご用意に
ワクワクどきどきが止まりません。
もう、ヤバイくらい舌が興奮の坩堝と化し
てんてこ舞いになりそうです。

6.焼物

⚫︎焼河豚
⚫︎尾の身 胡麻だれ
⚫︎とうとうみ

焼き河豚に使用される前の生の河豚の部位を
見せて頂きます。
部位的に横隔膜に近い所と頭のカマの部分の
中間の様相で生のものを見せて頂きましたが
お魚とは思えない肉肉しさを讃える逞しさを
併せ持つ筋肉が漲っている感じに見えるもの
とてもダイナミックな装いに驚きます。
やはり5kgもの姿態は身肉も力強い様相で
見た目の逞しさに惚れ惚れして仕舞いました。

さて、焼き河豚の方は
酢橘醤油で河豚を潜らせて下味とし炭で
焼いておられます。

元々河豚の身は脂が全く無い筋肉質なので
焼き河豚を噛むと肉感が素晴らしく漲って
プリッと跳ねて歯応えが小気味良く着地。
明るく元気な噛み心地と言う感じに纏まる。
素晴らしく歯が喜んで仕舞う食感を堪能し
此処迄プリンと潔く弾力するフレッシュな
焼き河豚にはかつてお目に掛かったことが
無いかと思う。

焼き河豚第二弾は尾の身です。
胡麻だれを添えてのご用意なのですが
普通の大きさの河豚だと尾の身が小さ過ぎて
食感も寂しく食べる部分も無いくらいですが
流石5kgの虎河豚となると尾の身も大きくて
しっかりと逞しい肉感を覚える。
これ程の逸材となると様々な河豚料理を表現

焼き河豚の締めにご用意されてましたのが
何ととうとうみです。
斯様に大きなとうとうみは頂いた事が無く
ごっつい肉感がドンと寄せてくる食感との
交流が楽しくて仕方が無い。

焼き河豚でこんなに多面展開して頂けますと
舌が絶え間なく喜び続けて嬉しくなりました。

7.揚物

⚫︎河豚の唐揚げ
⚫︎和の香辛料の下味を纏わせて
(黒七味と柚子胡椒のスパイス)
⚫︎南蛮漬けのお野菜

伊藤版ケンタッキーフライドチキンとでも
言いたげな逞しい食感とスパイシーな身肉
唐揚げの進化系とでも言いたくなる逸品。

少し食べ進んだところでお野菜を間に挟んで
味変を楽しみながら少し河豚の脂っこさから
離れて舌を諌め再びガッツリと向かう緩急の
付け方に敬服しちゃう。

サクッと歯を入れようと思って噛んだら
ザクンッて肉まわりの粗い揚げ衣が唸る
このザクッと噛み答え十分な歯触り感に
ゾクゾクしちゃって揚げ衣からの鮮烈な
破砕感に痺れてしまう。

部位的には頭のカマの辺りでゼラチン質と
筋肉質が豊富に含まれ肉の繊維が集まる所
唐揚げにすると恐らく最高に美味しくなる
部位の様で虎河豚の唐揚げには此の部位が
ベストだそうです。

然も衣の完成度が高く脂質感がほぼ無い衣
故に

全く飽きが来ず重たくならない軽やかな衣で
衣だけでもお酒のお摘みになってしまう程の
美味さが衝撃的。

そして衣でしっかり河豚を閉じ込めてるので
旨味エキスがギュッと詰まっており衣の後に
続く河豚の身肉が飛んでもない美味さで炸裂
この二段構えの美味の展開に脱帽してしまう。

最初お箸でチマチマと齧ってましたが此処は
手で持ってガブリと齧り付く方が美味しいと
感じ手掴みでグワっと河豚の肉を引き千切り
ダイナミックにザクッと鳴る衣を押し除けて
唐揚げの肉片に歯をガツンと食い込ませる。
その瞬間に
ジュゥワ〜ッと河豚肉のエキスが鳴り
唐揚げの筋肉をギュゥッとしならせて
河豚の旨味がブンと勢い良く弾け飛ぶ
美味い!堪らん!激うまうまですよ。
下味のスパイスがパンチ効いてるゥ〜
咀嚼時にはスカッとする爽快感が走り
衣と同期して唐揚げの肉片が妙味広げ
ザクッガリッと齧り付く度に黒七味の
刺激がスパイシーに口内に炸裂する。
お食事前にドカンとやられましたね。
此奴は衝撃度と高揚感に溢れた一品。

8.お口直し

⚫︎辛味大根のおろし蕎麦
⚫︎白神山地の蕎麦粉
⚫︎手打ち
⚫︎牛蒡
⚫︎小さい板海苔
⚫︎三つ葉

かえしは流石と思う滋味深きお出汁の味が
広がるものでかえしに使う素材は

宗田節
鯖節
伊吹島のいりこ
鰹節

辛み大根のおろし蕎麦はかえしの効いた
蕎麦つゆにおろしの辛味がよく馴染んで
其の儘お蕎麦にサラ〜ッと絡み霙の様な
感じの舌触りとなり蕎麦つゆと蕎麦との
一体感が醸成されつつ絡み合い心地良く
舌を慰めてくれる美味しさでした。

9.炊合せ替り

⚫︎島根の松葉蟹のしゃぶ鍋
⚫︎鍋野菜〜原木椎茸
⚫︎湯豆腐
⚫︎小豆島のオリーブオイル
⚫︎長崎県の藻塩

蟹様は島根県隠岐の島の松葉蟹
最初に脚の方をしゃぶして頂いたものを
蟹のお出汁とご一緒に中鉢へ小分けして
純白な松葉蟹の脚が綺麗に垂れてる所を
パクッとお口に挟んでツルル〜ッと頂き
あぁ、淡麗なる蟹の甘味がしゃぶされて
和やかに口内に行き渡る快感を満喫する。
んん、この何とも言えない蟹の旨味から
和みを頂き蟹の甘味が誠に穏やかに舌を
撫でて行く時の食感と味わいが心身共に
ほっこりさせる。

素直に蟹のしゃぶ中毒になりそうな気配
必死に堪えながら次の爪のしゃぶも相当
身が大きくて今度は味変を施したっぷり
蟹味噌を纏わせての甘味と珍味のコラボ
此れは違法行為かと思える絶品さで蟹の
身肉の旨みを蟹味噌で磨いてくれちゃう
こんなん届いてしまったら脳天まで衝撃
走り抜けしゃぶされた温感がvividに
蟹の甘味を膨らませてるし其処に珍味度
抜群の蟹味噌和えと来てはもう降参です。
此れもたっぷり蟹味噌に浸して爪の身を
パクッと頂いちゃいます。
むふふ、でござりますよ。
もう頬っぺた綻びっ放しなので有ります。
感極まる味覚に興奮冷めやらぬなのです。
残った蟹味噌が丁度よく酒のアテとして
有効活用させて頂き全部食い尽くします。

そして一呼吸置いて蟹を堪能した後には
冬子椎茸のうま味エキスを炸裂する妙味
こいつが良い味を出して冬子椎茸からの
うま味エキスが滲み出て口内では慈愛に
溢れるうま味で舌が満たされてました。

しゃぶ鍋の締めは東京あらいやの本絹豆腐
お豆腐まで拘りの逸品のご用意をされてて
此奴も吃驚仰天です。
最高の本絹豆腐かと思えるプヨンのツルン
食感も優れものならお豆腐としての透明感
見事なまで外連味の無い真っ直ぐで素直な
お豆腐の味わいに少しのオリーブオイルを
滴らせて酸味を絹豆腐に添えてて湯豆腐に
煌びやかな美味さをキリッと引き立つ様に
アクセントを施す心憎い演出が秀逸でした。

10.お食事

【一膳目】

⚫︎島根の松葉蟹の焼蟹の炊き込みご飯
⚫︎お米は岐阜県産米[はつしも]

ご飯はしゃぶ鍋の後半戦の椎茸や湯豆腐と
ほぼ同時に進む様饗される様に仕上がりを
見計らっておりウマミが旺盛な冬子椎茸に
湯豆腐とご一緒に焼蟹ご飯を頂く事が出来
大変美味しいご飯のお供となっております。

炊き込みご飯はベースが昆布だしで炊かれて
ほんの少しの塩と酒だけで整えて蟹の旨味と
甘味と香りを引き出しお米の持ち味と素直に
馴染ませて蟹との味覚が同期して共感が走る
そんな味わいを作り出しております。
純粋に蟹とお米と水が溶け合う感じの仕上げ
蟹も米も互いに邪魔をしない作り手の仕掛け
其処に覚醒するのは昆布と蟹からの旨み要素
お米自身と水自体が持つ自然の豊かさを感じ
互いの旨みを高め合い乍ら昇華した美味しさ

それらが焼蟹の炊き込みご飯を咀嚼した時に
口内で一気に開いて来て味わい深さに感銘。
ガツガツと食べて仕舞いました。

【二膳目】

⚫︎河豚雑炊
⚫︎秋田の芹
⚫︎星貝柱のお出汁
⚫︎卵とじ
⚫︎ポン酢

このお雑炊バカうまい
河豚のお出汁で炊いたリゾットと言う感じで
卵の黄身の鮮度も品の良さが感じられて実に
見事な河豚雑炊と卵の甘味が良く似合ってる。
卵掛け雑炊の様で有り河豚雑炊の力強さとの
コラボする味わいに舌が唸りました。
卵の旨味と河豚のお出汁とが共鳴し合いながら
その旨味を進化させてる様な美味しさでかなり
感動もの
更に二段構えとなってる事に吃驚してポン酢を
雑炊を食べ進んだ所で加える仕掛けとしており
ポン酢雑炊にして2回お雑炊を楽しめます。
お雑炊を食べた後に心地良く響く余韻がとても
嬉しく感じられました。

11.甘味

⚫︎苺の薄造り

苺は埼玉のあまりんを使われてます。
牡丹のお花に見立てた美観を整えており
見て楽しく食べて美味しい甘味なのです。

2023/05訪問第 7 次

4.4

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.5
  • 氣氛4.5
  • 成本效益4.2
  • 酒類/飲料4.2
JPY 40,000~JPY 49,999每人

金色に輝く本枯節から出ずる地の美味さと炭の力で素材を存分に活かすお料理

◆訪問日 2023.5.9(火)19時半〜21時

◆ご予約 前回訪問時にお店にて

◆お料理 お任せ¥27,500税込
お酒含むお会計¥47,350税込

[飲んだもの]
黒龍 純米大吟醸 四号瓶
黒龍 しずく 四号瓶
黒龍 石田屋 四号瓶

【皐月のお料理】

①前菜-1

○帆立香煎揚げ 三陸
○アスパラ炭火焼き

炭火で焼き立てのアスパラガスと
お米の粉を原料にした米粉を衣に
纏わせた帆立の揚げ物
その下には空豆とずんだを敷いて
春の香りを纏わせてます。

帆立には細やかなあられを粉砕した
感じの粒子を纏わせている香煎揚げ

繊細な揚げ物であられ粉揚げみたい
表面が誠にサラサラ食感が膨らんで
咀嚼が堪らないくらい爽快に進んで
サクッと帆立を噛んだ瞬間に歯触り
肌理細やかにパチパチンと当たって
其の儘ホクホク帆立が歯をフワッと
招き入れて肉布団の中に抱き寄せる
この妖艶な迄に艶かしい甘味と食感
此奴は只者じゃ無いぞと直感しつつ
ゆっくり帆立を咀嚼しあられ揚げの
衣との一体感を楽しみました。

一呼吸置いてから

所々黒く焦げ面が目立つアスパラガス
炭の香りを纏ってザクッと歯を入れる
アスパラガスの表皮からザクンと潔く
繊維質の破砕感が歯にダイナミックに
振動し其の儘アスパラの芯まで噛むと
ジュワァッとアスパラの甘いエキスが
口内に飛び散り清々しい甘味が溢れる

アスパラガスの咀嚼を満喫していると
ずんだの若々しい緑色が目に留まって
箸先で摘んで一口を頂いてみます。
サラサラ食感の快適な居心地の良さに
舌が喜び勇んで運ばれた甘味を存分に
堪能して春の香りと甘味に感動でした。

中でも緑の味わいはシンプルに素材の
持ち味を良く引き出している濾し方で
サラリとした舌触り感が全く嫌味なく
舌の上をスルゥッと滑らかに駆け抜け
空豆の甘味がジンジン染み入って来る。
空豆にこんなに気品溢れる美味たちが
居たのかと思えるほど品の良い甘味に
驚いちゃってます。
無垢なる空豆の甘味が素直に美味なる
魅力で舌を惹きつけ帆立の香煎揚げと
絡み合いながらこの一品の妙味を繋げ
完成度を高めておりました。

②前菜-2

○浜中根室 馬糞海胆飯蒸し
○ヤングコーン
○有明の青海苔

海胆の名産地 北海道浜中産の馬糞海胆に
餅米を合わせて焼いたヤングコーン添えて
温かい飯蒸しにお海苔を香り付けして用意

飯蒸しの温感が馬糞海胆に伝わり海胆珍味
ジンワリ舌へと艶かしい味わいで染まって
実に趣きのある飯蒸しとなる上にお海苔が
香り高く舞いうっとりとなってしまいます。

③お椀

○奥井海生堂【蔵囲昆布】
○酒井商店【本枯節】
○丸茄子煮浸し
○徳島県白甘鯛
○木の芽

[一番出汁]

本日の蔵囲昆布と本枯節の鰹節を合わせた
一番出汁で御座います。
鹿児島県指宿の本枯節を使った鰹節です。
今し方大将がシャカシャカと桔梗鉋にて
丹念に削ったばかりの鰹節数枚を小皿に
乗せてテイスティングさせて頂きます。
フワッと飛んで行ってしまいそうな鰹節を
数枚齧って見ると高貴な酸味が瞬く間の内
口内にサッと広がり芳しさで満ちて来ます。

そして次にご用意されてるのは一番出汁。
ベースに2018年のビンテージ蔵囲昆布で
引いたお出汁に鰹節を合わせて張られた地
そのうま味破壊力は凄まじくもエレガント
見るからに金色に輝くお出汁で盃に顔近く
匂ひを嗅ぐとプワァンと鰹の芳しさが舞う
この優雅な匂ひに温かく囲まれながら嗜む
地のうま味は格別にてお出汁の上澄だけを
頂く口福に感謝でいっぱいになります。

蔵囲昆布は熟成昆布でワインセラーの様な
熟成蔵の部屋で寝かせうま味と昆布臭さや
海藻っぽさを消す事を狙いとした熟成方で
昆布のうま味をじっくりと引き出してます。

此処でお椀に使う一番出汁を一杯の盃に
注いで頂き嗜む事になります。

伊藤大将ドサッと削り立ての本枯節鰹節を
昆布出汁のお鍋に放り込んで一番を取って
その上澄みの最も綺麗な部分を白い陶器に
注いで一杯を頂きます。
蓋を空けるととても良く薫ります。
フワァンと鰹の最高に優雅な匂ひ鼻腔漂い
その匂ひの気品誇る香ばしさに陶酔します。
ボウっとしつつ雑味の無い一番出汁を啜り
クッと一気に飲み干します。
んん、何と気高いお出汁なのかと舌が感銘
美味いより慈味深くも至福の味わいが舞う
舌の味蕾一つ一つにジンジン浸透して来て
誠に真摯に向き合って然るべきお出汁かと
口福感が膨らみ恍惚してしまうひと時です。

[お椀]

椀種に徳島の白河
椀づまには丸茄子
刻み大葉を散らし
口には茗荷の香り

白河の身は薄く塩して下味を付けてあり
一方皮の鱗はパリパリに焼いて持ち味を
上手く生かした椀種に仕上げて地に佇む
一番出汁の吸い地のうま味に白河からの
塩味が味わいを深掘りする感じとなって
白河から浮き上がる塩気が舌にジンワリ
寄せて身質が吸い地と程よく絡んで美味。
そして白河の身質は膨よかな食感を携え
ハラリと解ける身から淡白な甘味が佇む
皮目からのパリッと弾ける鱗が吸い地に
徐々に馴染んで来て鱗が柔らかく萎びて
皮裏のゼラチンの脂質と共に舌を撫でて
鱗の破砕感と皮目の艶かしさが交錯して
味覚のコントラストが嬉しくなる味わい。

更に

素揚げした丸茄子がやんわり煮立てられ
椀づまとして焼き茄子の様な香りを纏い
甘味が瑞々しくジュワ〜ッと口内に溢れ
茄子の実の持つ個性的な無垢な味わいに
舌が溺れそうになります。
白河の淡白な旨味と茄子のジューシィな
妙味がコラボする味わい深さに感嘆です。

④お造り

○虎魚 明石
○墨烏賊
○天然車海老 愛知
○三つ葉海苔の佃煮添え
○山葵
○ちり酢 虎魚胃袋
○鰹節を含ませたお醤油

そして虎魚です。
夏のお魚の王様ですね。
とっても艶かしい
お椀の中に泳いでる虎魚は品格を保ちながら
威風堂々たる佇まいを見せていました。
虎魚の淡白な甘味が吸い地に浸りながら
お椀にぷかぷかと浮かぶ純白の身からは
滲み出る旨味が吸い地に写って
昆布のうま味を深掘りして行く様でした。
虎魚の逞しい白身がホロリと椀の中で崩れ落ち
その断片を箸先で弄りながらお口に含みます。
すると、柔らかいヌメリ味が舌を艶やかに撫でて
淡いうま味が虎魚を穏やかに纏いながらも
虎魚の白身が気品溢れる美味を演じてくれて
お椀の一品の中にもストーリー性を感じる
仕立て方に感銘してしまいました。

しなやかなかみ心地で

ちり酢の大根おろしを乗せながら食べる

虎魚は夏の河豚と言われるだけあって
身肉がぎっしり詰まってる肉感で漲り
全くその身が水っぽくなく栄養十分に
そして虎魚は全く寝かせずの身の儘で
モッチリ感が豊かに弾力してる身質の
鮮度の良さに感銘を受けてしまいます。
虎魚は船上で活け締めされて此処まで
運ばれてるのかと推察したら何とまぁ
伊藤大将が自ら此処で朝締めしてます。
故に鮮度品質が飛び抜けて良好な状態
気持ち良く清々しさ伴う咀嚼感が走り
これぞお造里の醍醐味と満足しました。

そしてお造りの2品目は見た目も麗しい
ベネチアングラスに盛られた天然車海老
湯引きしてあり山葵醤油がよろしいかと
プリンと弾力する身肉がきちんと反発し
車海老の天然の鮮度の良さを感じました。

⑤焼き物

○長崎県 鼈 炭火でタレ焼き
○酢橘 大根おろし

鼈のタレは頭や骨や甲羅で取ったお出汁に
酒醤油味醂を加え更にざらめで甘みを整え
ジックリ熾火で鼈の肉に火を通し仕上げは
炭との距離を調整しつつ燻す様に煙で纏い
炭火の香りを鼈に満遍なく付ける事も大事
咀嚼が進み鼈の身肉から溢れる迫力の肉感
そして噛んだ途端に発散される肉肉しさと
炭の香りの気高さに圧倒され続けました。

⑥箸休

○茨城県産常陸秋 二八蕎麦
○蓴菜
○山葵

贅沢な蓴菜蕎麦が用意されてました。
常陸秋の蕎麦粉の打ち立て茹で立て
二八の細麺で秋田の蓴菜を浮かばせ
仲良く鰹の効いた蕎麦汁とご一緒に
佇んでおられます。
先ずはかえしの良く効いた鰹が香る
うま味たっぷり感じられる地味深き
お出汁を啜って舌をジンワリと染め
染み入る美味さに惚れ惚れします。
その蕎麦つゆを絡ませつつツルンと
エッジの効いた細麺を喉越し快適に
滑らせて常陸秋の麺のコシの強さも
同時に堪能して常陸秋蕎麦を満喫。
其処に蓴菜がプルンと食感豊かにも
絡んで艶かしい噛み心地で舌を訪問。
お蕎麦と蓴菜が互いに気遣い乍らも
美味しさを広げておりました。

[かえしと蕎麦湯]

ここでお蕎麦を頂いたので蕎麦つゆの
かえしはどんな原液を拵えているのか
興味本位で関心が湧いて来て少量だけ
頂戴してからついでに蕎麦湯も所望し
ご一緒に嗜む事に致しました。

ベースは勿論本枯節を厚めに削り出して
サバ節を加えてお醤油と味淋にお砂糖で
調整して生のかえしを作られてます。
生のかえしをチョット飲むと甘くて濃厚
鰹節のうま味切れ味鋭い感じで蕎麦湯を
入れるとお出汁のうま味の原液みたいな
そんな感じの濃度の高さを誇る妙味との
蕎麦湯の交流がほっこり舌を癒してくれ
一番出汁を合わせて美味しい蕎麦つゆに
仕上がって行くのが目に浮かぶ様でした。

⑦炊合

○徳島県 鮑
○若芽
○高野豆腐
○漉し油
○九条葱

徳島県産の鮑を6時間蒸し煮にしたものを
しゃぶしゃぶする感じで浸し地とご一緒に
楽しむ一品となります。
若芽が添えられており大海のうま味存分に
味わい乍ら春の山菜と葱のシャキッとする
繊維感が加わり食感も楽しみつつ鮑を堪能
若芽が地に甘味を写してきておりジワンと
舌に侵食して来て鮑の旨味を抱き込む様な
カタチとなり旨味と甘味が丁度良い塩梅で
ハーモナイズしてくれました。
春らしい海の幸と山の幸を交えた味覚から
口福紀行を楽しませて頂いた至福の一品。

⑧お食事

○岐阜県産米 はつしも
○鹿児島県産のざき牛のヒレ肉
○伊吹島いりこ出汁の赤出汁
○蕪 もろきゅう辛子漬け 山椒昆布
○レフォール醤油

はつしもの米粒と南部鉄器の釜との
相性がピタリと一致してるのでしょう。
炊き上がったばかりのご飯を眺めると
艶々に輝く白米の美観に釘付けとなり
キラキラする白米様を見てるだけでも
空腹感が増して来てしまいます。
お茶碗に盛って頂き一口を咀嚼すると
はつしもの粒が元気に立ち甘味が漲り
ふかふかの食感が舞い上がり実に美し!
何度も咀嚼が自然に進んでしまってて
香の物の蕪や山椒昆布の塩味がさらに
ご飯への欲望を唆って来ます。
やはり南部鉄器の特性か米粒への熱の
伝わり方が芯まで解して甘味をグッと
引き出している様に感じられます。
浸水時間もたっぷり掛けて炊いており
南部鉄器の能力を如何なく発揮させて
極上に美味しい炊き上がりなのです。
その極上ご飯に華麗なお供をするのは
のざき牛のヒレ肉にレフォール醤油を
チョコンと浸けて頂く赤身の旨味です。
ご飯をフガフガと食べ柔らかヒレ肉を
一緒にお口に含むと肉汁がジュゥンと
唸って零れ出しご飯を巻き込みながら
お肉との旨味コラボが見事に完成して
舌が翻弄されっ放しとなり美味しさに
溺れてしまいました。
食べ切った後も素敵なヒレ肉の余韻が
印象的に残ってとても幸せなひと時を
頂いたのであります。

⑨卵かけご飯

○削り立て鰹節
○卵黄
○山葵醤油

鰹節は少し細やかに削り出したものを
卵かけご飯に掛けて頂きご飯の熱量で
フワッと細目に削られた鰹節が自然に
溶けていく感じとなりお口の中に含み
其の儘卵かけご飯の甘味とドンピシャ
タイミング良く口溶けして鰹節からは
優雅な酸味が口内で舞い踊り卵と同調
誠に舌を魅了する味わいで頬っぺたが
素直にストンと落ちる美味しさでした。

⑩甘味

○埼玉 完熟いちご あまりんの薄造り

2022/05訪問第 6 次

4.2

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.2
  • 氣氛4.2
  • 成本效益4.0
  • 酒類/飲料4.0
JPY 30,000~JPY 39,999每人

拘りのお出汁の滋味深い旨味が佇むお椀に陶酔

◆2022.5.8(日)夕餉

◆ご予約 前回訪問時にお店にて

◆お料理 お任せ¥27,500
お酒消費税含むお会計¥35,420

①前菜

○枝豆の擂り流し
宮古島の新物の枝豆を裏漉しして
鰹昆布のお出汁で伸ばして擂り流しに
仕立てておられます。
とても円やかかつピュアな枝豆の甘味が
芳しさを伴って口内に流れて来ます。
ほんのりとスモーキーっぽくて
渋い甘さが浮かびます。
枝豆の地の味覚から浮かび上がってる様です。
サラサラとして冷んやりとした舌触りが
気持ちの良い食感を流し続けて
とても爽やかな清涼感を頂ける擂り流しでした。

○長崎の煮蛸
蛸が柔らかくて煮汁も蛸の身質全体に
染み渡ってる味わい深さが舌に滲む美味さ
咀嚼すると蛸がプルンと揺れてぷよんと
弾力してくる反撥する感触が心地良く響く
そして蛸の旨味がジワリ染み込んで
煮蛸の味わいを深めておりました。

○唐墨大根
お大根の短冊とまん丸い半生唐墨の組合わせ
塩味漂う珍味が広がる唐墨は
噛んでしっとり身質が膨らみます。

②蛍烏賊の茶碗蒸し

○ホワイトアスパラの小角
○蛍烏賊炭火焼き
○漉油素揚げ
○湯葉

茶碗蒸しの中には炭火で焼いた蛍烏賊が
炭の香りを振り撒きながらワタの苦味と
蛍烏賊の甘味を調和させて玉地に馴染み
玉蒸しの甘味の中に澱みなく浮き上がる
蛍烏賊の味覚を和やかに表現しております。

漉油のほろ苦さが小気味良いアクセント
玉地の甘味に仄かに寄り添う素敵な苦味

そして玉蒸しがプルンと揺れる中から
湯葉がジンワリと甘美な味覚を漂わせ
舌を惑わせて妙味を広げておりました。

③毛蟹の飯蒸し

毛蟹たっぷりに織り交ぜた銀餡を掛けて
温かい飯蒸しが舌を優しく宥めてくれる
僅かに潜ませている煎り胡麻が
芳ばしく毛蟹の甘味を後ろから
膨らませる良い仕事振りです。
毛蟹の餡掛けと一緒に飯蒸しを掬うと
蟹の甘味が誠に穏やかに佇み
トロ〜リ蕩けて行く毛蟹餡の食感が
駆け抜けて行き舌をキュンとさせながら
飯蒸しの旨味の中に惹き込んで行きました。

④お出汁

大将が力強く桔梗かんなで指宿の本枯節を
シャカシャカ削りボールに山盛りに
積んで行きます。

奥井海生堂の蔵井昆布を見せて頂きながら
その昆布で引いたお出汁に
たった今削ったばかりの鰹節をどさっと
合わせて一番出汁を引きます。

引かれたばかりの一番出汁の上澄みを
湯呑みのような感じの真っ白い可愛い器にて
ご用意頂きます。
蓋を開けますと芳しい一番の匂ひに
うっとりします。
そのお出汁をゆるりと煎茶を飲むように
舌を温めて頂き
一番出汁を味見して
ほっこり舌を癒やして頂き
うま味の滋味深い味わいに酔い知れます。
お出汁の優しい味わいは奥行きが広がり
気品溢れる香りが口内にまで充満して
うっとりする気分を満喫させて頂きました。

⑤お椀

○舞鶴の鳥貝
○蓮根餅
○このこ
○木の芽

今仕方味見をさせて頂いたばかりの
一番出汁が滋味深く佇む吸い地
誠に淡麗なうま味が舌を心身共に
癒す様に広がります。

吸い地にフワリと馴染んで浮かぶこのこが
まるで錦糸卵の様に
細く刻まれた様相を見せて
鮮やかな色合いで椀盛の美観を飾りながら
塩味を仄かに忍ばせて来て吸い地に深みを
写して行きます。

更に鳥貝を焼きしゃぶ風に施して
サラッと火を入れ余分な旨味が
お出汁を邪魔しない様に
鳥貝を優しく仕上げてから椀種に
施してます。
鳥貝の大海の恵みを受けた旨味も
お椀の中に流れてお椀全体を丸い味わいに
和めて行きお時間の経過とともに
吸い地の表情がどんどん変わります。

鰹昆布がベースのうま味に加えて
この子の塩味
鳥貝の旨味
蓮根餅の油脂が

巧みに吸い地に写って
優れた味覚エレメントたちが集い
旨味を完成させてる椀盛に感銘を覚えました。

⑥お造り

○真子鰈
○山葵
○酢橘
○藻塩
○出汁醤油

鰹節を一枚だけお醤油に浸して
ほんのりと鰹節の香り付けとうま味を
浮き上がらせたお醤油の味わい深さに
舌が嬉しくなりますね。
コクが芽生え出しているお醤油に
真子鰈を浸すと淡白な旨味がくっきりと
浮かび上がり
シコシコする弾力感がフレッシュな旨味を
口内に広がり真子鰈の妙味を満喫させて
頂きました。

⑦お造り

○淡路の赤貝
○長万部の北寄貝
○胡瓜
○プチトマト
○新わかめ
○土佐酢ジュレ

赤貝がプリプリなのも良い
赤貝の紐が元気良くて
土佐酢ジュレの酸味が素材全体に纏い
赤貝も北寄貝もキュッと引き締まり
其々の身質の鮮度を高める感じの
フレッシュさを押し出して来て
貝の甘味を伸ばしてくる

更に北寄貝はグニュ〜ッと柔らかい食感が
伸びてヌメリを含んだ滑らかな舌触り感が
重なり合って艶めかしい美味さを放って来ます。

貝を咀嚼する合間にわかめが
うま味豊富にヌルヌル〜ッと
舌を撫でながらも土佐酢ジュレを
絡ませながら酸味を舌に染み入らせるのが
爽やかでチョット不思議な味覚を
体験させて頂きました。

⑧鰹の藁焼き

この時期にして身質のしなやかさと
旨味を芳醇に含んだら鰹に吃驚する
咀嚼すると
油油してなくてかなり筋肉質で
元気に弾力して来る
赤身はしっかり鉄分旺盛な旨味を放ち
しっとりさが豊満に感じられる
全体的に塩叩きされて
巧みな脱水を掛けている様で
身がキュッと引き締まってるのも
咀嚼感を快適に感じさせてます。

その身に藁で薫香を芳しく漂わせて
口腔内に薫らせる藁の臭ひが
ふんわりと鼻に抜けて行く心地良さを
満喫できる

一方、皮目はしっかりと塩を当てて
カリッと焼き上げてる故
歯に当たった時のパリパリ感が
清々しいほどに伸びて
しっとり身質とのコントラストが
クリアに広がり
この一品の美味しさを極上のレベルに
高めておりました。

⑨魚介類のあら汁

本日使われた魚介類のあらで
出汁を取った白味噌汁
ベースの白味噌は京都の山利商店
此れはグッと舌に攻め入る濃厚な
白味噌のうま味スープです。
然も山利さんですよ。
山利の白味噌赤味を超えるお味噌には
未だ出逢った事は無いです。
このコクの深み、旨味の濃度、穏やかな塩味
どの味覚要素も完璧に働いている山利の白味噌に
魚介類のあら汁と来ては
舌がその深淵なる妙味に溺れてしまいますね。
ふぅ、グッと飲み干してフッと我を忘れます。
素敵なお口直しでした。
つい、一口だけ触れるつもりが
美味しすぎて飲み干した後に写真忘れてる事に
気が付きました。

⑩焼物

○千葉県竹岡 赤睦
○キャベツの胡麻和え

胡麻風味がフワフワ〜ッと漂い
皮も一緒に柔らかく蒸されてて
炭火の優しい火入れが
赤睦全身に通ってます。

炭の火入れで脂質を適度に飛ばしており
脱水の塩梅も良く
しっとり柔らかい身質に仕上がってる赤睦
身質のしっとりさが突き抜ける美味しさを
作り出しており
咀嚼してるとジンワリ浮き上がる底味が
赤睦の旨味をより一層膨らませてきます。

皮の裏目に付いたゼラチン質が甘くて
とても美味しいのも嬉しい。
ふっくらとした赤睦の脂質溢れる身と
一緒に皮を食べると
甘味と旨味のマリアージュが進み
華麗なる美味が舌に着地して
舌はその美味さに舞い上がってしまいます。

睦の下に敷き詰められたキャベツが
睦の脂質と調和して良い塩梅で
赤睦の脂質を宥めてくれてます。
正に身も心も
赤睦にゾッコン惚れまくりで
これ程エレガントな旨味を味わえて
舌が震えっ放しでした。

⑪鼈煮麺

○煮麺
○鼈のラビオリ
○焼き茄子

鼈出汁のおつゆをゴクリ一口飲んで
喉に潤いを与えながら
鼈出汁のうま味がジンワリ口内に留まり
ジワジワ浸透する味わいを楽しむ

煮麺を啜ってみる
煮麺は
鼈のうま味が写し出されてるおつゆを
絡めながらツルツル〜ッと喉越しも滑らかに
通り過ぎて行く。

鼈肉が詰まったラビオリをおつゆと一緒に
パクッと頂くと
皮がふにゃッとなって潰れた瞬間に
鼈肉の旨味がかなり濃厚に弾けて
おつゆの優しさと鼈の強さの浮き沈む感じが
広がって
この妙味を作り出している巧みな合わせ技に
感心してしまいます。
更に
炊いたお茄子を焼いて上手く茄子の旨味から
焼き茄子のほろ苦さを浮き立たせている味の
整え方にも感銘してしまいました。

小さな一品なのに詰まってる美味しさは
色んな方向から美味が飛んで来る
楽しくて美味い煮麺でした。

⑫お食事

○岐阜の初霜の白ご飯
○土佐赤牛のヒレ肉の炭火焼き
付け合わせはもやし、豆苗です。
○炒子出汁の赤出汁
具は海苔に三つ葉
○香の物

ヒレ肉用に
○山山葵
○お醤油

一膳目 シンプルに白ご飯とお肉で頂きます。

南部鉄器で炊いた初霜は
米粒が生き生きとして輝き立ってます。
初霜の真っ白い艶々の米粒は
大粒で甘味も潤沢
とてもピュアな甘味を
歯にしっとりと馴染ませて来る甘さが
堪りませんね。
白ご飯を咀嚼してると
ジユッジユッと甘味を振り撒きながら
口内で乳化する感じが
美味しさを深掘りして行きます。
その米粒にヒレ肉が脂質分を旺盛に
撒き散らしながら
白米さんとはしゃぐのです。
此れは堪らん美味さです。

フライパンで焼いてから
炭火と薪火で二段階の火入れを施したヒレ肉は
炭火でヒレ肉の旨味を凝縮させて
薪の香りで芳しさを纏わせて
肉自身の持つ美味しさを引き出しており
舌が唸ります。

其処に
豆苗の繊細なシャキシャキ感が
お肉のガツンと来る旨味に心地良く
響いて来ます。
そして肉塊を
噛めば噛むほどに肉汁が旨味を乗せて
舌を攻めてきます。
更にグッと食い込むとフワッと
肩透かしされて肉布団の中に歯が招かれて
舌は官能的な赤身肉に
抱き込まれてしまいました。

二膳目 鰹節振り掛けご飯にお醤油を滴らせて

ご飯のお供には香の物と赤出汁だけで
合わせてみました。
鰹節の香りがプワ〜ンと立ち昇り
元祖おかかご飯的な感じがするも
高級感漂う鰹節のお陰で香りと
鰹節の気品ある酸味とご飯の甘味が
見事にマッチングする美味しさで
溢れ返っておりました。

⑬デザート

○苺の薄造り
○牛乳プリン

小さなガラスのカップに収められてますのは
お造りの薄造りの盛り方をフルーツに施して
本日は苺を薄造りにして
プリンの上に敷き詰めたものでした。

⑭甘味

○苺大福最中

最中生地の中に求肥と漉し餡で
コーティングされた苺が射込んであり
お淑やかな漉し餡に
和やかな甘さの求肥が苺の酸味を後ろ立て
しておりました。

2021/10訪問第 5 次

4.2

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.2
  • 氣氛4.2
  • 成本效益4.0
  • 酒類/飲料4.0
JPY 30,000~JPY 39,999每人

香りのグラデーションを楽しませてくれる伊藤料理

◆ 2021.10.17(日)夕餉

◆ご予約 前回訪問時にお店にて

◆お料理 お任せ¥27,500
お酒消費税含むお会計¥35,596

◆拘りという事

最初に
香りへの拘り3品が出されて
香りを楽しむお料理が饗されます。
次に
香りから味わいを深めて行く流れに引き継がれ
お水への拘りからお出汁の香りと味わいを
楽しむものに引き継がれ
お料理は火入れの妙に繋がるものたちへと
登りつめて行きます。

①先付

牛蒡の擂り流し
刻み葱

青森県産の牛蒡を肌理細やかに擂り流しに
お葱の香りを合わせて拵えてます。
鰹出汁をベースにほんの少量のお塩で
味を整えてます。
スプーンで掬ってお口に含みますと
温感も優しい暖かさで
円やかな牛蒡の甘味に滑らかな舌触り感が
舌一面に広がります。
グッと飲み込むと擂り流しが
喉元に届くまでに鰹出汁のうま味が
仄かに写った牛蒡の甘味が滋味深くジ〜ンと
染み入ります。
牛蒡の温和な甘味と人肌の温感が
何となくこっくりとした味わいに
舌が癒されておりました。

②茶碗蒸し

と松茸の茶碗蒸し
玉蒸しの表面には和歌山県の松茸を
細かく刻んだ小角状のものが
ぎっしりと敷き詰められて
松茸の香りが良く蒸しへ写ってます。
松茸は刻んだ後に良く炒めて
香り立ちを引き出す様に仕込まれてます。

炎水さん名物の鰹のお出汁が
とても巧みに玉地に忍ばせており
玉地を啜ってもプルルンと揺れる蒸し玉を
食べても心地良いほどのお出汁のうま味が
舌をジンワリと慰めてくれて嬉しい味わい。
其処に松茸の香しさが同居して来ます。
香りとうま味と優しい食感が三位一体となり
味覚を昇華させてる素敵な茶碗蒸しでした。

◉九頭龍

③揚げ物

松茸のフライ
酢橘

この季節のメインイベント的なお料理
蕾の松茸を丸ごと一本フライにてご用意

目の前には堂々の松茸フライが皿上に
控えております。
揚げ衣がカリカリに跳ねてるみたいで
元気なお姿を曝け出してます。
堪らず揚げたて松茸のコロをザクッと齧り付き
ギュッと噛んでみます。
コロの断面には澄み切った透明の松茸の露が
うっすらと滲み出てキラキラ輝いて
おります。
噛んだ途端にフワンと立ち上がる高貴で
気高く香る松茸の匂ひに暫し呆然です。
更に
ザクッと噛むと
其れはもうジューシィに松茸のうま味エキスが
ジュウ〜ッと口内に溢れ出てきました。
あぁ、なんと言う快感
これぞ愉悦の極み
芳醇な旨味の発散に我を忘れますね。
無我夢中で黙々と齧るのみ
カウンターがひと時静まり返り
何方のお客様からもザクッと齧る音のみが
響き渡ります。
チュルッと松茸の清純なエキスが舌を染めて
何にも汚されない淡いうま味の甘露が
溢れ出て舌を無邪気に撫でて行きました。
ご満悦に陶酔に陥るひと時を頂きました。

④お出汁

興奮を少し冷ますようにご用意されましたのが
一番出汁です。
奥井海生堂の蔵井昆布を見せて頂きながら
その昆布で引いたお出汁に
本枯節の鰹出汁を引いて合わせた一番出汁を
湯呑みのような感じの真っ白い可愛い器にて
ご用意
蓋を開けますと芳しい匂ひにうっとりします。
そのお出汁をゆるりと煎茶を飲むように
舌を温めて頂きほっこりします。

⑤お椀

噴火湾の毛蟹真薯
松茸

今しがた飲ませて頂いた一番出汁のお椀
雑味の無い綺麗な吸い地に舌はうっとり
毛蟹真薯が吸い地に解けだして
甘味が段々と写り過ぎていく
一口吸い地を啜り昆布のうま味漂いつつ
鰹のうま味が重ね合わさる奥行きの深さ
舌にジワァ〜ンと響き心に染み渡る様な吸い地
この上無く清く澄み渡り洗われてる様な気持ち

段々と松茸が吸い地に浸され香りが写る
真薯が解けて少し白濁っぽくなる頃
吸い地も松茸に染まり始めて
口内にも松茸の香りがほんのりと浮かんで来る

まぁ、何とも地のうま味と香りが澱みなく
綺麗に調和を重ねる気品感じるお椀でした。

⑥焼物

鱧の焼き霜 淡路
焼き松茸 和歌山
山葵

炭火の上に直に鱧の白身を置いて皮目を
直焼きされます。
活きが良いのか炭の上でクネクネと
鱧の白身が蠢いてます。
お料理直前まで活きていた鱧を捌いたので
名残の命が炭火で踊るのでしょうね。
この時期の鱧は脂が乗ってるので
焼くと鱧から脂が滴り落ち
其れが煙となって鱧の煙が鱧自身に纏わりついて
甘い香りが鱧の身の美味しさを膨らませます。
食べてみますと鱧の香りと身質の甘味が
同時に口内に届いて開きます。
食べた時の鱧の肉質の躍動感と鱧の甘い香りが
重なり合い実に美味なる舞を踊って来れます。

更に松茸も直ぐに炭火で焼いて
松茸からの香りもフワフワァンと立ち上ります。

鱧松を組み合わせた焼物ですが
焼物料理と言うよりも焼いた時の香りを
楽しむお料理です。
焼き鱧の香りと焼き松茸の香りの相乗効果を
楽しませてくれるお料理ですね。
お料理のテーマに沿って素材を扱い
味覚も香りも景色も楽しませてくれる伊藤料理に
脱帽です。
鱧に添えてあるキラリと光る粒は
青ヶ島 ひんぎゃの塩で
鱧の甘味をグッと引き立てていました。

⑦蒸し鮑

下田の黒鮑
肝醤油
豆苗とモヤシを胡麻油で和えたもの

鮑はかなり大きくて900gの重さを誇るもの
黒鮑の身厚なスライス

スライスを食べ終わったら
今度はぶつ切りで追いアワビをポトンと
小鉢に落として来れました。
何とまぁ、サービスの良い事。
嬉しくなっちゃって舌が燥いでますよ。
肝醤油にほんのり染まった鮑の甘味が
コク深さで染められて珍味が広がりますね〜。
こんなの出されたら凱陣にお付き合い頂き
キュッと勢い良く飲み干してしまいますね。

◉純米吟醸 悦 凱陣 無濾過生

⑧お造り

迷い鰹のたたき 京都
大根サラダ

藁で燻した後に炭で皮周りを叩いてます。
藁焼きと炭焼きを重ねた後に
鰹の赤身表面に辛子醤油の刷毛塗りで染めて
鰹の旨味を膨らませる施しを加えてます。

その鰹を先ず一切れお口に落としますと
藁の芳しさ纏うしっとりした身質に
炭の香りもフンワカと重なって来て
誠に食感と香りの妙味がマッチするいい味わいを
広げて来れます。
鰹の外側から齧り付くと
皮目がめちゃくちゃ美味い!

皮目のパリッとした食感に付き纏う薫香が
パッと開くし
其の儘赤身まで齧ってmogmogしてみると
赤身の艶かしいしなやかな身質とのギャップが
舌を悩ますほどに美味い!
激うまなのです。
此れはヤバイ、となり慌てて凱陣を煽って
しまいます。
凱陣の切れ味良い淡麗な味わいに染められて
鰹の甘味旨味がスッキリ味に変化して行く
この快感に痺れますね〜。
そして
パリッとした皮目の食感が先行する中
鰹カツオした滑らかな脂質がパッと浮き上がり
舌を良好に刺激して艶かしい旨味が舌を撫でる
舌が狼狽えて仕様が有りませんでした。

⑨焼物

喉黒の炭火焼き 京都江尻

京のどぐろのタグが付いてる延縄の喉黒
脂質が
焼いてても燃え上がらない
漁港で締めてる
活け締め
寝かせて脂を回して

脂質がたっぷりなのにサラサラしてて
くどく無い脂質感
身がキュンと引き締まる感じでは無い

脂質が良質なので
飲める脂みたいな感じで
〆にパンでなぞりたくなりますね


◉黒龍 しずく

⑩はりはり鍋の煮麺

此処で温かい麺が登場です。
はりはり鍋
煮麺
焼き茄子
さえずり

水菜

はりはり鍋との事ですが
お出汁ごと飲んでズルズル〜ッと啜って
さえずりの脂をコトコト炊いて
鰹出汁と合わせてます。
この鯨のさえずりの脂質の甘味が写された
鰹のお出汁が至高の美味さ
極上の穏やかな甘味と厳粛な鰹風味漂う
至福のウマミを浮かばせている
その地に浸された煮麺がお出汁に染められて
絡み合いながら喉越しをツルツル〜ッと
旨味芳醇なままに通り過ぎて行く
この美味極まる快感に悶絶し震えてしまう
一言では計り知れない美味さに驚く

さえずりの仕込みに掛ける手間暇も半端無いもの
糠炊き8時間
米炊き6時間
湯炊き2時間かけて
さえずりを仕上げてます。
その後お出汁で炊いて味を整えます。
糠炊きで鯨の臭みと脂臭さを取り除いて
今度は糠臭さを除くためにお粥に浸して
最後にお米の澱粉質を抜いてあげる為に
湯炊きをして綺麗なさえずりの甘味にて
鰹出汁で炊いて味覚を整えておられます。
唯一無二のうま味を引き出しているかと
感じました。

そのさえずりのお出汁に頂くのに最適な
素材が煮麺とのお考えから
ご用意されたとの事

さえずりの脂質分を徹底的に洗って
極上のウマミを引き出した滋味深き料理
付け合わせる焼き茄子の香りと
ほろ苦さが地の甘味に程良いアクセント
これ程迄にウマミを探求したお出汁は
唯一無二に相応しい感動的なコク深さが
舌に訪れておりました。

⑪焼物(お肉)

北海道産黒毛和牛のヒレの炭火焼き
銀杏素揚げ
茹でた落花生
エリンギのチップ
生山葵のお醤油

フライパンで焼いてから
炭火と薪火で二段階の火入れを施したヒレ肉
炭でヒレ肉の旨味を凝縮させて
薪の香りで芳しさを纏わせたもの
面白いのがあしらいとしての落花生
お肉に落花生のコリコリ感佇む甘味
お肉のガツンと来る旨味に心地良く響く
あしらいは伊藤料理の素敵なアクセント
落花生が綺麗に薄皮が剥けてるのに驚き
お肉以上に落花生が気になりました。

⑫お食事

白ご飯は岐阜県の初霜
鰹の天パと腹身
蒟蒻を炊いておかかを塗したもの
イクラ醤油漬け
白甘鯛の若狭焼き
有明のお海苔
鱧出汁の赤味噌汁

初霜は米粒が大粒で甘味も潤沢
とてもピュアな甘味を
歯にしっとりと馴染む甘さが応えられない
ジユッジユッと甘味を振り撒きながら
口内で乳化する様が美味さを膨らませる
その米粒に鰹が脂質分を旺盛に撒き散らしながら
白米さんとはしゃぐのです。
此れは堪らん美味さです。

白甘鯛の若狭焼きの風味が良くて
お出汁に醤油とお酒を馴染ませた若狭焼き
白甘鯛迄お付き合い頂き大変喜びに満ちた
焼物のご飯のお供となり
鱗の食感と白甘鯛のハラリと解ける肉質感に
合わせてピュアなお米の甘味が膨らんでました。

ご飯のお供の締めにイクラ乗せして
イクラが卵黄の様な甘味を投げかけて来て
まるでTKGでした。
イクラは出汁醤油で漬けた後に
お出汁45度くらいで緩く温感を足して
ご飯の温感に合わせてます。
故に正にTKG的な穏やかな甘味が
イクラから零れ落ちて来るのでしょう。
美味しすぎて二杯三杯とご飯を重ねて
しまいました。

⑬甘味
小さなカップに収められてますのは
自家製作りたてのバニラアイスクリーム

お皿には
石川県金沢の黒無花果の黒蜜姫
練り胡麻と和三盆と葛粉を合わせた桃源餅

無花果の糖度
原種がフランスの無花果と合わせて
胡麻風味が上品な桃源餅でした。

2021/07訪問第 4 次

4.2

  • 美食/口味4.5
  • 服務4.2
  • 氣氛4.2
  • 成本效益4.0
  • 酒類/飲料4.0
JPY 30,000~JPY 39,999每人

中目黒で唯一無二の名店に脱皮しつつある伊藤料理

◆ 2021.7.7(水)夕餉

◆ご予約 前回訪問時にお店にて

◆お料理 お任せ¥25,000
お酒消費税含むお会計¥38,500

◆拘り

最初に
香りへの拘り3品が出されて
香りを楽しむお料理が饗されます。
次に
香りから味わいを深めて行く流れに引き継がれ
お水への拘りからお出汁の香りと味わいを
楽しむものに引き継がれ
お料理は火入れの妙に繋がるものたちへと
登りつめて行きます。

①お口慣らし

蜆汁です。
奥井海星堂の利尻昆布と
宍道湖の蜆だけ

客人2名に対して250個の蜆を使って
お出汁を取る濃厚な蜆汁
汁が白濁しており濃度の鮮やかさが
目で見てもわかるくらい
一口啜ってみます。
蜆の純度100%だとこうなるのかと
その雑味の無い無垢な蜆の味わいに感銘する
塩もお酒も醤油とかも全く皆無の
蜆だけの飲み物
奥行きの深き慈味広がるうま味にうっとり
ジワ〜ンと舌に染み入り心に響く味わいに
暫しボゥ〜ッとしてしまいます。
沈黙が訪れて静かにそのうま味を味わう
至福のひと時を頂きました。

②先付

蓮根餅と
徳島県産の新蓮根を醤油漬けして焼いたもの
新蓮根を2通りの仕立て方でご用意です。

ずんだ風に
群馬県のブランド枝豆の味緑をすり潰したもの
塩のみで味を整えてます。

何方も夏の風情を豊かに表現して
蓮根餅のモチモチッとして食感に
焦がし醤油の風味を整えた一品と
ずんだ仕様の涼しげな色合い等が
お料理としての夏の季節を物語り
視覚味覚嗅覚を喜ばせて頂きます

中でも味緑の味わいはシンプルに素材の
持ち味を引き出しており
ザラッとした舌触りが嫌味なく
舌の上をスルゥッと滑らかに流れて
枝豆の甘味がジンジンと染み入って来ます。
枝豆にこんな気品溢れる美味さが有ったのかと
思えるほど品の良い甘味に驚いちゃいます。
無垢な枝豆の甘味は素直に美味なる魅力で
舌を惹きつけていました。

③玉蜀黍の茶碗蒸し

千葉県産朝獲れの恵みゴールド
利尻昆布を食べて育った
利尻の蝦夷馬糞海胆
干しエビと鰹節を合わせたお出汁のジュレ
甲殻の風味
海のうま味
玉蜀黍の甘味
馬糞海胆の珍味
味わいと共に訪れる身の食感

本来、鰹のお出汁と卵で玉地を作りますが
玉蜀黍に昆布を合わせたお出汁と卵で
玉地のベースを作り
玉蜀黍のピューレを蒸し焼きにして
玉地に合わせてます。

この玉蜀黍の茶碗蒸しの糖度が
単純に高いのではなく品の良さを伴う
上質な甘味が舌を訪れてプヨンと気持ち良く
揺れながらプルプル震えて上品な甘味を口内に
振り撒いて踊り散らして行きます。
その玉地がプヨンプヨンと馬糞海胆に絡みながら舌の上で揺れ動くたびに
雑味の無い昆布のうま味に糖度たっぷりの甘味が
ハーモナイズして至高の美味を
作り出していました。
然も此れだけの糖度の高さを誇る玉地に塗れた
馬糞海胆の珍味が玉地の冷感の中で一体化して
舌の上で人肌の温感が伝わると共に
一緒に蕩けて行くものだから
その甘味と珍味の融合と食感とが同居して
至福の珍味に繋げて行きます。
最後の玉地をツルンと飲み干して
茶碗蒸しを食べ尽くした後には
ジ〜ンと甘味が僅かに名残惜しく後を引いて
うっとりする余韻に浸ってしまいました。

④お椀

一番出汁

お椀に使う一番出汁と
削り立ての本枯節を頂きます。
鹿児島県指宿の本枯節 雄節を
大将が先ほどから
シャカシャカと桔梗鉋で削って
ドサっとお鍋に炊いてある昆布出汁へ
放り込んで
その上澄みの一番を可愛い湯呑みの陶器に
注いで一杯を頂きます。
薫ります
フワァンと鰹の最高に鮮烈な匂ひが鼻腔を周り
その匂ひの気品溢れる香ばしさに陶酔してして
ボウっとしながら雑味の無いお出汁をゆらりと
飲みます。
んん、何と気高いお出汁なの
美味いより慈味深く至高の味覚が
舌の味蕾一つ一つにジンジン浸透して来ます。
誠に真摯に向き合って然るべきお味かと。
口福感が膨らみ陶酔しますね。

さて、椀種と椀づまがセットされた
お椀に先程のお出汁に吟醸酒を少し合わせて
お椀のお出汁を仕上げて
お玉で上澄みを掬ってお椀に注いでいきます。

虎魚を葛打ちしたもの
炙りばちこ
賀茂茄子
木の芽

ばちこをお椀を頂いてる途中で
少し間を入れて噛むと口内に塩味が走って
その余韻で吸い地を嗜むとまた格別な味わいが
芽生えてうま味に深みが増して来ます。

賀茂茄子は素揚げして煮立てる
オランダ煮を施したものを椀づまに
煮汁のうま味をたっぷりと吸い込んだ
賀茂茄子からは吸い地の優しいうま味も
染み渡り口内でジュワンとうま味が
弾け出します。

そして虎魚です。
夏のお魚の王様ですね。
お椀の中に泳いでる虎魚は品格を保ちながら
威風堂々たる佇まいを見せていました。
虎魚の淡白な甘味が吸い地に浸りながら
お椀にぷかぷかと浮かぶ純白の身からは
滲み出る旨味が吸い地に写って
昆布のうま味を深掘りして行く様でした。
虎魚の逞しい白身がホロリと椀の中で崩れ落ち
その断片を箸先で弄りながらお口に含みます。
すると、柔らかいヌメリ味が舌を艶やかに撫でて
淡いうま味が虎魚を穏やかに纏いながらも
虎魚の白身が気品溢れる美味を演じてくれて
お椀の一品の中にもストーリー性を感じる
仕立て方に感銘してしまいました。

⑤お造り-1

徳島の真鰈
おろし檸檬ポン酢
鮟肝にレモンの皮を振って
香り付けしたもの

鰈のお造りには
檸檬や青柚子等の柑橘類を使ったポン酢で
涼しげな味覚を拵えてます。
また、
鮟肝の練り物は色合いが美しく
混ざりげの無い甘味を感じます。
恐らく仕込みが丁寧なのでしょう
血が綺麗に抜ける温度に浸して血抜きをして
身綺麗な鮟肝を仕込んでから
お酒と味醂に鰹節でコトコト炊いたものを
叩いてます。
この鮟肝が秀逸なコクのある甘い旨味が広がり
舌にじっとり艶かしく絡んで来るわ
しっとりと寄せて来るわで
酒なしに嗜むのは苦しい
鰈にこの魅惑の鮟肝をチョコンと漬けても
旨旨だし
鰈自体には柑橘系の酸味漂うポン酢が
品の良い感じで纏わせており
鰈の身質のしなやかな食感と相まって
檸檬の柑橘風味が切れ味の良い爽やかさで
爽快感抜群の風味が纏った鰈の美味さに
吃驚です。

⑥お造り-2

釧路の毛蟹
カニ酢のジュレ
酢橘

毛蟹は昆布出汁でボイルして
昆布のうま味に染めてから
キュッと真薯みたいに纏めてます。
昆布のうま味を含ませた蟹の身を
二層にしてのご用意
一層目は胴体の身を蟹味噌で和えて纏めてます。
二層目には脚の身を丸めて重ね合わせてます。

ほぐし身のホロホロと崩れる優しさに舌が
慰められて昆布のうま味がほんのり感じられる
蟹味噌和えの味噌を和えた比率が完璧
毛蟹の身の甘味を邪魔せずしっとり
落ち着かせつつ蟹の持ち味を引き出しながら
蟹味噌の珍味な味わいも佇ませていた
此の味覚は舌妙と言っていいコク深い味わい
共すると味噌だけの味に染まりがちですが
此方の味噌和えは蟹味噌の割合が付かず離れず
良い塩梅なのです。
而して旨味も甘味も秀でて来る所となります。

⑦お造り-3

島根の黒鮑の蒸し物
鮑の肝醤油
山葵

この蒸し鮑、
鮑の身に含まれた身汁で蒸してるんです。
お水さえも使わず
鮑自身の水分だけでその身を蒸した
名残のお出汁で
うま味を詰め込んでます。

更に肝で和えたお醤油のご用意

鮑の身
鮑の出汁
鮑の肝醤油と正に鮑尽くしの一品

先ずは黒鮑3切れの内
一枚目を何もつけずに頂きます。
ん、うんま。
鮑色の鮑味に染まった鮑のうま味が
その身に詰められた上に
名残の煮汁のうま味が移って
無茶苦茶に美味。
鮑のコリッとした嫋やかな噛み心地も
食感宜しく歯を迎えてくれてます。
飛んでもない奴を仕上げて来ましたね。
そしてその鮑の身に肝醤油をチョコンと浸して
肝の濃厚なコクが鮑にペッタンコと付き添って
とても味わい深く濃厚なうま味を脳裏に
刻んで行きました。
ふぅ、この鮑の肝醤油だけを酒のアテにして
チビチビやりたくなりました。

⑧あら汁の白味噌仕立て

お造りの鰈とお椀の虎魚の
あらで取ったお出汁に白味噌で味を整えた
あら汁
かなり濃度の奥行きが広がるお出汁のうま味を
活用して白味噌で溶いたあら汁
飲んでみるとこっくりするうま味に
舌がホッと落ち着き払って癒される

⑨サラダ

夏野菜をお浸しにして
シャキッとサッパリ感を楽しませて
頂きました。

冬瓜
オクラ
ズッキーニ
ラディッシュ
豆苗
芋茎
ヤングコーンの炭火焼き
エリンギのチップス
周りに鰹節のパウダーが散らされて
多用多種なサラダのシャキシャキ感に
フワフワと彷徨う鰹風味がサラダの
瑞々しい味覚を味わい深いものに
仕上げておりました。

⑩焼物

天竜川の鮎
蓼酢

生きたままの鮎に串撃ちして炭火で焼き上げる
焼き方は3種類の食感が頂けるように焼いてます
頭の部位はカリカリにして唐揚げ状態に
お腹の部位はふっくらと塩焼きに
尻尾の部位は干物状態の様に仕上げて
部位により個性豊かなテクスチャーが
浮き出る様に焼き上げてます。
また、おすすめの食べ方として
頭からお腹を食べた後で
尻尾を食べる時に
赤い蓼酢の紅蓼を漬けて頂いて下さい
とのお話があり
鮎の香りや旨味を打ち消さず
活かしたままナチュラルに鮎を楽しめる
優しい紅蓼がお勧めとの事でした。

食べてみると
仰る通り頭はカリッカリに焼き上がり
サクサクッと歯を進めてほろ苦い触感が
口腔内に広がるもエグさは微塵も無い
次にお腹です。
ふぅっくらしてて塩加減も好ましく
甘塩っぱさが伝わり塩焼きの醍醐味を満喫
然も小骨感は一切その存在感が皆無で
殆ど消滅してる
骨に此処まで火が通ってるので
やはり身は少しパサつく
このバランスは如何ともし難い
そして尻尾に辿り着いて紅蓼酢を漬けて頂く
尻尾のカリッとした部分は
少し焦げ目の付いた狐色の箇所から
ほろ苦さが滲み出し舌に届いて
紅蓼の酸味がフォローして来た。

頭から尻尾まで3つの味覚を頂けて
鮎シーズンの締め括りに相応しい
ダイナミックな鮎の焼き物を頂きました。

⑪炊き合わせ


海老真薯
鶉の卵

円柱の竹筒から飛び出てる串刺しが
手元に届きました。
竹筒の中には
じっくりと炊き込んだ一本のおでんが
入っております。
おでんの炊き合わせも珍しい趣向です。
お出汁には1時間ほどコトコトしてるそうです。

最初の蛸がホロホロで
身質のプニュ〜ッと弾力する柔らかみと
皮がグニュゥッと踊って来る舌触りとが
艶かしく食感を豊かに感じて楽しい
お出汁が良く浸透してて
グニュッて噛んで唸らせると
その身からジュッと鳴ってうま味が
滲み出す。
そん時に蛸自身が持つ甘味がポンと
吹き出して甘いのと旨いのが共鳴し合う
お出汁の妙も冴え渡るが
蛸自身の味わい深い柔らか味が
何とも堪らなかった。

串の中でも蟹真薯の慎ましく
味わい深き旨味が染み込んだものに感銘を
受けました。
鶉の卵もおでんのお出汁が
良く染み込んでいて美味しい。

もう、兎に角
おでんのお出汁がジュンと鳴って
舌に響いて来て染み渡るうま味に
グッと来ちゃいました。
おでんのお出汁がこんなにも
コクの広がりを持った慈の味わいに
仕上がるものとは
感心してしまいました。

⑫鴨料理

北海道滝川の鴨肉
鴨肉を藁で燻した後、炭火で仕上げてます。
付け合わせは
青森の蕪を焼いたものと
クレソンと長葱と海苔のサラダ
長葱は一度サッと鰹出汁を潜らせてます。
ニュージーランドのシーソルト
山葵醤油

サラダに添えてあるお海苔の芳香が素晴らしく
厳かなほどの磯風味が纏い
鴨肉の力強い旨味と相対する美味さがある

で、鴨肉がヤバヤバに激うまで
その麗しき美味なる味覚に
衝撃が脳天までドカンと突っ走るくらいで
旨さを超える美しい味わいが口内にジッと
佇んで絶え間なく滴る鴨の上品な旨味に
一目惚れでした。
こんな憂いを含んだ旨味を醸し出す鴨肉が
世の中に有るんだと言う事を
改めて知らされて
自分の舌を疑わざるを得なかった。

この一皿に使われている鴨は
チェリバレー鴨を北海道の大雪山の自然の恵みを
受けつつ育てた野生の鴨らしく
伊藤料理長の知り合いの職人さんから
開店時のお祝いの時に頂いたものを
焼いてみたら此れは行けると直感したそうです。

合鴨でもなく真鴨でも無く熟成鴨と
言いたくなる様な肉質感が膨よかで
かと言って野性味は痩せてて癖がなく
咀嚼するとフワッと肉が静まり返り
非常に上品で艶やかな肉質が返って来た。

兎に角、
身肉のロゼ色に染まった肉肌の色合いが
欲を唆るもので
随分と見惚れてしまい箸が一時
止まってしまいました。
飽きずに眺めていたくなる
見事に綺麗な艶々の肉肌で
ゆっくりと持ち上げてお口に
そっと鴨肉が乱れない様に置く
その赤く染まった鴨肉は
モチモチの柔肌食感が何とも艶かしく
舌にスゥッと吸い付いて来て
肉肌が自然に舌を抱きこんで来るのだ。
鴨肉から滴り落ちる旨味が
舌一面を染めて来る。
赤身肉はキュンと引き締まり
繊維質がとても繊細な柔らかみを持っており
レア感が膨らんで豊満な肉感が舌に寄り添い
横たわる
何、この肉自身の美味さ
何も漬けずにこの美味さは半端無しに感動もの

肉付きの良い肢体が口内に
項垂れて来た瞬間に驚きに満ちた美味が展開し
此れは何だ?
鴨肉ってこんなにピュアなものか?
じっと黙って旨味だけがジュゥ〜ッと
鴨肉の内側から忍び込んで来る
鴨肉は炭火が良く通りながらも
肉質のレア感が豊満で肉肌が艶かしく
歯に抱きついて来た。
もう、ワオ〜でございまするな。

塩もスッと肉体に溶けて沈む
塩した後に食べると肉の膨よかな繊維質から
底味となってジワリ浮き上がる感じで
塩味が肉に馴染んで旨味を素直に膨らませ来る

山葵醤油もヤバいよ
鴨肉の旨味が誠にエレガントで
お上品な脂質が浮き上がって来るので
舌に脂が滴り落ちて来た時に
マロンの様な甘味が仄かに感じられ
山葵醤油の辛味と対照的な妙味が展開して
メリハリが効いた旨味となって来る

mogmogし続けていると鴨肉の
甘味
旨味
肉質感
香りの全ての要素において
国内産の最高峰ではないかと感じた
上品な旨味をたたずませてる肉質感
エレガントなパンチ力が脳天を突き抜けて行き
圧倒的な美味さに絶句し
舌が快感で溺れてしまいました。

⑬お食事

鰻重
赤出汁
香の物
和歌山のぶどう山椒

浜名湖の天然鰻の蒲焼きは
皮目がパリパリの焼き加減で
江戸焼きでしっかりと蒸された鰻は
咀嚼感がしっぽりと歯を包み込み
身質の豊満な膨らみは
ご飯との一体感が出てとても心地の良さを
感じるもの
白焼きの時点で鰻をしっかり攻めてるのでしょう
江戸焼きと言いつつも皮目が地焼きっぽく
パリッと爽快に駆け抜ける美味さです。
かつ、江戸焼きの本領発揮する蒸しの状態で
ギュッと旨味を身の中に閉じ込めて
膨よかな身質を実現させてます。
此奴は美味いの何の、激うまであります。

鰻が無茶苦茶旨い美味いの大行進
身からフワフワな肉質を感じつつも
力強い弾力感も兼ね備えて歯を招き寄せる
歯がグニュッと踏み込むと
其れを待ち望んでいたかの様に
フワッと中に誘い込み
今度はフッと筋肉の力で突き放す様に
ブンと跳ね返す。
その両方の食感に懐柔されて
舌がメロメロとなるも
鰻ダレの濃厚な甘味に染まった鰻の肉に
我を忘れ舌を委ねてしまう。
そして味覚のお供に付き添うぶどう山椒は
突き抜けるほどの爽快な香りを放ち
ピ〜ンと鰻の甘味に対して
張り詰めさせて脳天を突き破ります。
この対照的なアンバランスな味わいが
鮮烈に走り抜けて行き
極上の妙味を作り出してます。
更に
鰻はホクホクのご飯をも惹き込み
そのエネルギーをご飯ともども極上の妙味が
渦巻く中へ誘い込み舌を完全に沈黙させて仕舞う
舌を蠱惑する美味の中で
興奮と陶酔が交錯する至福のひと時が
佇んでいた。

⑭甘味

皮ごと食べれる巨峰の長野パープルを
和三盆のジュレを纏わせて
酢橘の香りを添えてご用意です。
もう一品は
きな粉餅と和三盆
黒ずんでるのは和三盆が溶けてきてるからです。
お淑やかで大人の甘味に酔う。

⑮フルーツ

薄くスライスしたマンゴーを重ね合わせて
菊の紋章にカタチ作り
その真ん中に
パッションフルーツのゼリーを配置
下層にはココナッツゼリーに
牛乳プリンを重ね合わせてます。

薄切りにする事で親和性が高まり
プリンとの一体感が醸成されて
甘味の広がりや奥深さの差から
甘さのグラデーションが芽生えて
甘美な味覚の舞に舌が溶けてしまいそうでした。


2021/04訪問第 3 次

4.0

  • 美食/口味4.2
  • 服務4.0
  • 氣氛4.0
  • 成本效益4.0
  • 酒類/飲料3.8
JPY 30,000~JPY 39,999每人

心地良い春風に乗って春の香りを春菜と春の味覚と共にお届けする伊藤料理

◆ 2021.4.9(金)夕餉

◆ご予約 OMAKASEにて

◆お料理 お任せ¥25,000
お酒消費税含むお会計¥36,300

①先付

北寄貝の若竹椀仕立て
花山椒

北寄貝をしゃぶしゃぶして
若竹汁に浸してます。
上に花山椒を散らして

北寄貝は30分ほど炊いただけだそう。
其れでこんなに柔らか味が出るのかと
思えるほどフンワリしてて噛むと静かに
北寄貝の身の中に歯が吸い込まれる様。
ジューシーな甘味が身質から汁に滲み出してて
長岡京の筍の甘味と一緒になって若竹汁の
甘味が増して来ている
また筍がとても繊細なお味を出していて
繊維が優しく舌と触れ合う
とても穏やかに甘味を佇ませていて
北寄貝の美味さを素直に引き出してる作品。

②焼物

北寄貝の炭火焼き
山葵

汁物の次に食感を変えて焼物でのご用意
表面が
ベロのもっこりした部位を
お醤油で少し味を付けてから
炭の強火で焼き切ってこんがりと狐色に
ふっくらとさせて
中はレア感を残すように炭火との距離感を
身計りながら焼き加減を丁寧に調整してます。
この辺りも伊藤料理長のセンスが出ますね。
噛むとギュッと
北寄貝の肉感がクリアに引き出されていて
貝のうま味成分がジュワッと溢れ出して来ます。
ズ〜っと噛み続けてるとそのうま味がどんどん
舌を染めて来て何度も噛みたくなります。
北寄貝の肉質を堪能した一品でした。

③アスパラガス

佐賀県産のアスパラガスを
穂先と穂の部分を分けて調理
穂先は炭火で焼き物にあしらい
穂の部分は鰹出汁で軽くしゃぶしゃぶして
此れを胡麻ペーストと和えて頂きます。

アスパラの食感と胡麻の香りを楽しむ作品
胡麻のペーストの甘味と胡麻の味自体が美味で
煎った胡麻の塩梅が良いのでしょう。
当たり鉢で擂っただけでトロンとペースト状に
なってます。
故に純度も高く胡麻風味濃厚な甘味が
アスパラにネトっと絡んで来るのですが
涼しい絡み方なので
舌触りも軽くアスパラと全く喧嘩せず
味覚同士が仲良しになっちゃいますね。
此れは香り高き胡麻を活かしたお上品な一品。

④お椀

奥井海星堂の昆布でベースのお出汁
其処に削り立ての本枯節で取った一番を
合わせられます。
昆布は最低でも一年熟成との事
お出汁には一塩入れてうま味を引き締めてます。

徳島の鯛

大葉
茗荷

香りとうま味のバランスが絶妙なのです。
この微妙に均衡するお出汁のうま味の中で
火入れされた鯛が更に甘味を吸い地の方へ
写し出してきて
椀種が一口ハラリ解けながら
鯛が溶け込んでいく姿を見ては
吸い地を嗜むのが楽かなります。
するとまた、吸い地の表情が変わり
鯛の脂質分が吸い地に溶けていく中で
筍の芳しさが吸い地にも折り畳まれて
香りとうま味のデュエットが完成して行きます。
この味わいの変化とうっとりしてしまう
気高い香りに舌が翻弄されてしまいました。

⑤お造り

淡路の鯛 腹カミと背側の2種

藻塩
酢橘
本山葵
丸中醤油に鰹節

腹側の方の鯛を一切れ頂くと
ぶりぶりな鯛の食感が生き生きとして
元気の良いしなやかな肌触りを運んで来た。
背側の鯛の方は身質がネトッとした感じとなり
艶かしい淡白さをお運びです。
で、結構脂質分が豊富に纏ってる鯛の身で
お醤油と合わせて鯛を少し甘く染めてやると
鯛の旨味が一気にお口の中で膨らんじゃう
この醤油が優れもので
鯛の淡白さとマッチして美味しさを
引き出していました。

⑦お造り

三重県 泥障烏賊
粒子の粗いニュージーランド産の
フレーキーシーソルトお塩
塩分濃度は低く酢橘塩にして
烏賊を浸して頂くと美味しい。
烏賊の飾りが繊細な線を描いていて
飾りの細やかさ故に泥障烏賊の粘性が
サラサラと蕩けて行き
静かに芳醇に甘味を散らして行きます。

塩自体がサクサクしてて
ミネラル分たっぷりのお塩が
抜群の切れ味を携えて大人しいくらいの塩味で
烏賊の甘味を浮き立たせてきて
烏賊に甘味の輪郭を添えてました。

⑧お造り

閖上の赤貝
海鼠腸
振り柚子

赤貝が漬けみたいな感じの仕上げ方と
舌で感じてましたら
赤貝の血の中に漬け出るんだそう。
時期的にも鮮度の良い赤貝なのでしょうが
しっとりと甘さが佇んでいてうまい。
赤貝の下には海鼠腸が潜めてあって
海鼠腸の瀞みと珍味が赤貝の甘味と
ご一緒して来て下さいます。
その珍味から淡く塩味が抜けてきて
赤貝の甘味に混じる
赤貝をコリッと齧ると
塩味混じりの甘味がお口の中に広がって来て
とても楽しい味わいとなりました。

⑨焼物

蛍烏賊の炭火焼き
一度中の肝を湯掻くようにして火を入れて
下味をほんのり薄く付けてるだけ
肝自体がおソースの役割をしてて
肝の香ばしさとホロリと来る甘苦さが
堪んなく舌を唸らせますね。
ワタの美味さに脱帽です。
ほろ苦さから甘味が佇んでいて
濃厚な味わいだけどサラリと舌を馴染ませる
見事な焼き加減
炭火の威力以上に備長炭との間合いなのかなぁと
色々想像してしまう。
この蛍烏賊はお酒も進むし
珍味度満点で頗る蛍烏賊のエッセンスが
お口の中でスマートに弾け飛び
珍味広がる焼物でした。

お造りから小出しに一品ものが続いて
丁寧な施しで味わうものばかり
何れもお酒のアテにピッタシで
九平次がクイッと進んでしまいますね。

⑩雲丹蓮根

蓮根餅
馬糞雲丹は根室から

シンプルに素材の珍味を楽しむ作品
蓮根餅のモチモチ感漂いながら咀嚼してると
優しい甘味が舌を訪れる
蓮根餅の味覚を訪問中に
雲丹の珍味がトロ〜リ蕩けて蹲る様に
どんどん舌一面に広がって行った。
何も足さない引かない
素材自身の美味しさを前面に出した作品
モチモチ感の中に雲丹の粒々がトロンと
蕩けて行って一緒に溶け合い消えて行く
その感覚がとても不思議な妙味を
作り出していました。

⑪お口直し

本日のお刺身たちのアラを使って
お出汁を引いたものを白味噌で
お味噌仕立てにして纏めたもの
濃度を感じるうま味たっぷりの温かいお飲み物
この一品迄をお造りの一環としての
お料理として構成を考えてるんだそうです。
飲んでみますと貝のうま味が濃厚に感じられる
飲み物で貝を感じてから後にお魚さんたちの
うま味が続いて浮き上がり
お味噌の濃度がまったりと伸びて来て
銀餡の様な食感にも感じ入ってしまいました。

⑫サラダ

お造りたちに添えられていた色んなつまの
お供たちをサラダ仕立てにしたもの
ラディッシュ
黒大根
白大根
茗荷
大葉
鰹節
薄口醤油でほんのりと味付けしたもの

シャキシャキと噛む事を楽しませてくれる
重なり合うつまたちがサッパリとお口の中に
溜まった雑味をお掃除してくれてリセットです。

⑬焼物

金目鯛を炭火焼きで
長岡の筍を木の芽焼きで
エリンギのチップを添えて

炭火でじっくり焼かれた金目鯛は
身と皮と脂質の塩梅が絶妙で
舌が悶舌しました。

皮目はパリッパリで
真っ黒に焦げ付いてるかと思うほど
焼かれているのですが
見た目はそうでも無く美しく金目の鱗色に
狐色のお焦げがパラパラ散ってる感じです。
そしてその皮目の一片だけを一齧りすると
炭火の香りが奥深く佇んでいて香ばしさを
振り撒いておられます。

その身質はどこまでも温和に火が入り
淡くしっとりと姿態をしならせています。
薄くピンク色にほんのりと
恥ずかしそうに染まる肉肌は
程よく脂が浮き上がり旨味が
しっぽりと舌を抱きついて来て
悩ましいお姿を披露してました。

⑭炊き合わせ

串刺しのおでんです。

鶉の卵
さえずり〜鯨の舌〜
鳥貝

円柱の竹筒から飛び出てる串刺しが
手元に届きました。
竹筒の中には
じっくりと炊き込んだ一本のおでんが
入っております。

この串の中でも関東ではお目にかかれない
鯨のさえずりが串に打たれており
この味覚に感動しちゃいます。

さえずりの仕込みは大変そうで
ナガスクジラの舌の乾物を10時間ほど
油抜きして乾燥させてから
ぬか炊き8時間して更に段階を経て仕込みを
行うとの事ですが
説明を聞いてるだけで大変な作業をされて
この串に刺さってるのかと
少し感動してしまいした。
その仕込みの結果の旨味が凝縮されたさえずり
弾力感が富むぷるぷる感も素晴らしいし
出汁が染み込んだ旨味甘味のほど良さに
舌が悶絶して殺されちゃうほど
飛び抜けて美味しい。

鳥貝さんや鶉の卵もおでんのお出汁が
良く染み込んでいて美味しいですが
さえずりを頂いてしまいますと
比ではありませんね。

もう、兎に角
さえずりの食感とお出汁がジュンと鳴って
舌に響いて来て染み渡るうま味に
グッと来ちゃいました。
このうま味の深さは何のお出汁?と聞きますと
さえずりを仕込むときに出る
さえずり自身からのお出汁にうま味が
たっぷり含まれてるので
おでんを作って仕上げる際に
さえずりのお出汁を合わせるそうです。
そうするとこんだけのコクの広がりを持った
吸い地が出来上がるものなんだと
感心してしまいました。

⑮花山椒しゃぶしゃぶ

宮崎牛のサーロイン
木の芽
花山椒
アスパラガス
うるい

長葱
九条葱
熱々のお出汁を掛けて

この時期だけの短い合間に饗される花山椒と
サーロインのしゃぶしゃぶ
お肉の旨味にスカッと爽やかに清涼感を齎す
花山椒との相性はどんなお料理にでもマッチして来ますね。
やはり花山椒の威力は素晴らしい。
付け合わせてます春の緑たちも
初々しいものばかり
瑞々しくも食感がシャキシャキと広がり
お肉の合間に歯触り心地良く
小気味良いほどにサーロインの旨味との間を
行き来して舌を喜ばせてくれます。
誠に伊藤さんらしい繊細なお肉の使い方と
お出汁の施し方に脱帽してしまいました。

⑯お食事

南部鉄器で炊いた岐阜県の初霜
真鯛の卵黄和えは
卵黄と練り胡麻を合わせてます。
味噌汁
香の物
板海苔
鯛のお頭を炭火焼きにして解したもので
作った自家製振りかけ

初霜の甘味と少しくモチっとした舌触りが
ご飯を麗しくさせてて
つい、いつの間にか咀嚼を
繰り返したくなります。
このモチモチでホクホクご飯の甘味に
特製振りかけで軽く一膳は行けちゃいます。
振りかけが素晴らしく美味。
此れだけで結構な馳走です。
その次に触手を伸ばしたくなるのは
やはり真鯛の卵黄和えのご飯掛け
半分TKG風にもなるし
鯛めし気分も漂います。
一石二鳥的なお得な気分で
鯛が卵黄に絡みまくり黄身の甘味濃厚に
かつ、胡麻風味までご一緒頂いて
メッチャ滅茶美味しくmogmogしちゃうので
有ります。んん!
正しくご馳走様だ。
此れ、お腹に余裕が有れば
絶対お代わりしたくなるご飯です。

⑰甘味
高知県のフルーツトマト 狼桃
和三盆とトマトのジュレを掛け合わせたもの
酢橘で香りをつけて

⑱甘味
あまおうの薄作り
和三盆の牛乳プリン

2021/02訪問第 2 次

4.6

  • 美食/口味4.8
  • 服務4.6
  • 氣氛4.6
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.5
JPY 30,000~JPY 39,999每人

静かに心和む伊藤料理

◆2021.2.11(木)夕餉

◆ご予約 OMAKASEにて

◆お料理 お任せ¥25,000
お酒消費税含むお会計¥37,380

①先付

温かい前菜よりスタートです。




蕪と塩のみを使ったお料理
全く余計なものは何も足さない
お水も一切使用せず
シンプルに蕪を蒸して
蕪を擦りおろして搾った水分で
作ったスープ
其処にほんの少々お塩を足して
甘味をグイッと引き出しています。
全く淀みなく澄み切った蕪の甘味が美しい
全くクリアな甘味が浮かぶ
究極の蕪のお料理

◉エビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ

②蒸し物

鮑の蒸し煮
鮑の肝豆腐
鮑肝ソース
山葵
お出汁を張って

徳島の黒鮑を蒸し煮にしたものと
玉子豆腐に鮑を裏漉ししたものを溶け込ませて
お作りした肝豆腐
肝豆腐の天には肝ソースを添えておられます。

鮑には何も足さず地のままのお味を生かして
蒸し煮を施しただけ
全くお出汁に漬け込んだりとかしてないのに
うま味を感じます。
真空調理を丸一日掛けて蒸した賜物かと
鮑自身から蒸されたお出汁が噴いて出るから
鮑自身で鮑を炊いてる事になるそうです。
正に引き算の美学を地で行くものかと感じます。
鮑からは
磯風味漂う大海の恵みを受けた自然な旨味
肝豆腐からは
玉子豆腐ベースのゆったりとした甘味に鮑のコク
其処に肝ソースの甘苦さが滲む珍味
鮑の旨味をあくまでもベースに添えて
その鮑をコリッと齧ってしなやかに弾力する
鮑の身質の歯応えを感じながら
肝豆腐がプヨンと舌に呼び掛けて来て
穏やかに甘味を忍ばせる
この絶妙にハーモナイズされた味わいに
うっとり浸り切ってしまいました。

③温かい胡麻和え


胡麻
九谷焼の小鉢に盛り付け

目の前にて胡麻を煎ってます。
煎ったばかりの胡麻を当たり鉢に入れて
すりこぎ棒をグルグル回して潰されます。
パチパチパチンと鳴き声を上げながらも
パァッと胡麻が香り立ちして
その芳しき匂ひを発散させて鼻腔に届き
もう、ふわんふわんな気分に浸ってしまいます。
当たり鉢の擂り胡麻に
温められた蕗をささがき状に細切りしたものを
入れて良く和えます。
煎り胡麻で和えられた蕗を九谷焼の器に
盛り付けて目の前に

1品目で蕪の香りと味わい
2品目で鮑の滋味の味わい
3品目で芳ばしい蕗の香り
お椀に入る為の仕掛けを施していて
味と香りを重ねる事で塩味を落として
静かにお出汁をより深く味わう事が出来る様に
仕掛けて行く流れを作られてます。

お箸で蕗の胡麻和えを摘んでお口に
運びます。
蕗に纏わり付いた胡麻の粒子と一緒に
蕗を噛み砕きますと
あぁ、コレが春の香りとほろ苦さなんだなと
感慨深くなってしまいます。
そして煎り立てのごもの香りも気分を
高揚させてくれますし
蕗のほろ苦味と胡麻の気高き甘味が
見事に香りと味を交錯させて
春の妙味へと昇華させてます。

◉黒龍 九頭龍 燗酒

④お椀

鹿児島県指宿の本枯節を引いた一番だしを
利尻の昆布で引いたお出汁に合わせます。

本枯節を削る際に使う鉋は
店主拘りの鉋で店主の家紋が桔梗との事から
桔梗鉋をご使用されてます。

その桔梗鉋で伊藤店主がシャカシャカと
本枯節を削ってます。
削り立ての鰹節が香り高く舞って
鰹節の一本一本の幅が広くて長いのです。

鰹節削り立ての香り
同様に削り立ての鰹節を食べて
お椀にする前に引いたばかりの一番出汁を
嗜ませて頂く
鰹節の一番出汁をお猪口に入れて頂き
少し飲ませて貰います。

そして
一番出汁を昆布出汁に合わせてお椀に仕上げる
4段階のストーリー性を持ったお出汁の工程を
楽しませてくれます。

椀種は青森県の鮎魚女を朝締めしたもの
椀づまにはうるいを浮かばせて
吸い口に茗荷と木の芽を散らします

膨よかに引き締まってる鮎魚女は
ヌメリ味も優しく
ホロホロと解けて
舌に艶かしく絡んでくる
鮎魚女の脂質がクリアに吸い地に流れ
綺麗な脂なのでお椀に自然なままに溶け合う
そして何より吸い地のうま味の滋味深いこと
昆布で引いたお出汁のうま味が淡く漂いつつ
鰹節のうま味が昆布を優しく纏う感じで
オーバーラップする
然もお互いが邪魔せず見事に融合し合う
其処からコク深い味わいがジ〜ンと滲み出す
昆布出汁もしっかり引いてますが
昆布の強さを上回る本枯節のうま味が昆布に
絶妙に重なって調和してます。
その淡く澄んだうま味に舌が
惚れ込んでしまいました。

◉まつもと

⑤お造り

千葉県大原 4kg超えの虎河豚のてっさ
酢橘
鮟肝をお供に添えて

てっさを楽しむためのお薬味の
バリエーションに感無量です。

藻塩と山葵

鮟肝ポン酢
此れだけでお酒の当てになってしまう
ポン酢の酸味が
鮟肝のしっとりした身質の舌触り感と
少しこってりする甘味が美味い
鮟肝の身質がサラサラとした粉質感で
ポン酢に溶け込んで行き
鮟肝ポン酢の妙味を際立たせています。
しっとりとポン酢の中に蕩ける鮟肝が
舌にピタッと吸い付いて来て鮟肝の珍味が
甘酸っぱく表情を変えてめちゃくちゃ美味

白子醤油
天然の河豚の白子を裏漉しして
お醤油を少しだけ合わせたもの

ポン酢
紅葉おろしと刻み葱

皮ポン酢
紅葉おろしと河豚の紐皮混じりのポン酢

てっさの身の厚みに驚く
プリップリでぷるんぷるんしてる
噛むと咀嚼感の潔さ
クリアに跳ね返して来て
エネルギッシュな旨味を振り撒いて来る

先ずは素直に紅葉おろしポン酢で
酸味とおろしの辛味をてっさに馴染ませて
舌に程良い刺激を走らせて頂く

お次にてっさを白子醤油にたっぷり浸らせて
お口に入れてみます。
ん〜、不思議な味覚にちょっと狼狽える
白子っぽい甘味が淡く寄せる感じで
てっさを纏って妙味を添える味わいとなります。

シンプルに塩山葵が以外性のある美味しさを
奏でます。
てっさの力強い旨味を塩山葵の鹹味と塩味が
クリアに輪郭を際立たせて来て
これぞてっさの醍醐味といった感じの
表情に変えさせて
てっさを何度も噛み砕いて旨味を味わいたくなる
誘惑に走らせます。

そして何と言っても秀逸なのは
やはり濃厚に鮟肝の珍味が溶け込んだ鮟肝ポン酢
此奴をたっぷりとてっさに浸して頂くと
お口の中でてっさが勢いよく暴れ出す様な珍味を
振り撒いてコク深い酸味が
駆け抜けて行きました。
此れは絶句するてっさの味わいを満喫出来て
鰭酒が進んでしまいました。

◉鰭酒

⑥焼き白子

焼き立て熱々の大きなまん丸くプックリと
膨らんだ焼き白子さんが二つも登場しました。
中皿の容積満載に盛った白子さんが
ぷるぷる震えております。
もう、如何にも此奴は舌が唸るやつだと
言わんばかりの様相を示しています。

振り塩も塩梅良さそうに点々と散って
こんがり狐色した皮のお焦げも
真鱈模様にお化粧されて
見るからに欲望を掻き立てております。

白子さんの薄皮を少しずつ齧りながら
半生で熱々でプルプルンと揺れてる白子を
舌にポトリと落とします。
ショッキングな塩加減が舌を襲います。
何と滋味深い塩加減なのか
しかも薄皮の面積に応じた塩味が広がります。
そして白子のプルプルンとした濃厚な珍味が
口内を蹂躙して行きます。

この白子を
お薬味がたっぷり色々有りますので
チョコンとポン酢だけを付けても美味しく
焼き白子に鮟肝ポン酢を合わせても愉快で
鮟肝の珍味
白子の珍味
ポン酢の酸味
珍味と酸味同士が共鳴し合って
舌が震えちゃってます。

更にスンバラしいのが
贅沢にもてっさに
焼き白子のプルプルな白身を巻き付けて
ぷよぷよの珍味
てっさのしなやかな身質
温感と冷感のコントラスト
此奴らを同時に舌に落とし込んでみると
珍味妙味が爆発だ、もう堪んないほど
美味しすぎて衝撃的な珍味が
脳天突き抜けて行きました。
こんな口福な合わせ技に出会ったのは
初めてです。

⑦とうとうみと身皮の焼物 酢橘

河豚尽くしの御料理に唸りっぱなしです。
とうとうみが極太です。
相当にでかい!
こんなにビッグなとうとうみは
4kg超えの河豚の個体故に取れるものかと
思います。
その豊潤なゼラチン質の弾力感が
妖艶なほど舌に抱きついて来ます。
また、
身皮が薄皮でなくて分厚くて刺激的な美味さ
全く河豚の白身と変わらないくらいの厚みのある
身皮で
身の部分の白身の厚さに吃驚でした。
共に弾力感が半端なく噛みだすと
とうとうみのゼラチン質はプヨンプヨンに
飛び跳ねて来るしこの珍味たちに
悩まされっぱなしでした。

⑧お口直し

大根の和え物
茗荷
大葉
鰹節

鰹の香り纏う和え物
香りも楽しいし
茗荷のシャキッとした食感が
お口をスッキリさせてくるし
お大根が瑞々しく舌を洗い流していく
嗅覚触覚味覚が三位一体となるお口直しでした。

⑨焼物

金目鯛 銚子 炭火焼き
葉玉ねぎ

炭火でじっくり焼かれた金目鯛は
身と皮と脂のバランスが絶妙で舌を唸らせます。

皮目はパリッパリに焦げ付いてるかと思うほど
焼かれて炭火の香りを奥深く佇ませていた。
その身はどこまでも温和に火が入り
淡くしっとりと姿態をしならせている。
薄くピンクに染まる肌合いからは
程よく脂が浮き上がり穏やかな旨味が舌に
滴り落ちて来ていた。

咀嚼し始めて更に感動する
皮目の香りは焦げた面からほろ苦さが漂い
身は堪らなくしっとりした舌触りを見せて
落ち着き払って佇み
味覚のコントラストも豊かに
舌を妖艶に誘い込んで来る
淡く振られた塩味が舌にジワリ滲みいる
身質
脂質
皮目が其々の旨味のエレメントを呼び覚まし
金目鯛の妙味をどんどん広げていた。

⑩炊き合わせ

車海老
蓮根餅
ちぢみほうれん草
湯葉の餡掛け
餡は鰹出汁と星貝柱のお出汁の銀餡としてます。

湯葉から甘ぁ〜い香りがフワフワと漂う
んん、良い匂ひですね〜。
温かい舌触りも良いしうっとりしちゃう

銀餡の和やかなうま味を纏った蓮根餅を一口
蓮根餅のモチモチモッチリ食感が頬っぺたを
崩して噛んでると歯にぺたんと引っ付いて
甘く舌を誘い込んできます。

対して車海老のプリプリ感が余計
目立って来るのですが
餡の瀞みが柔らかくプリプリ食感を
和ませてくれます。
その奥ゆかしさが美味を膨らませてます。
食感の楽しさが深まる中で
湯葉がとても穏やかな甘味を銀餡と一緒に
浮き上がらせてほっこりと
舌を癒してくれました。

⑪河豚の唐揚げ 黒七味

揚げ衣がパンチ力のある鮮烈な刺激を纏うもの
お手元に運ばれた瞬間から
フゥッと立ち登るスパイシーな香り
唐揚げの下地は
お醤油とお酒を割ったものに浸してから
黒胡椒を塗した衣でサクッと揚げてます
咀嚼するとカリッとするくらいに揚げられた衣が
ダイナミックで河豚の生命力溢れる旨味に匹敵する力強い揚げ衣なのです。
そして身は
河豚の中でも稀少部位の砂ずりの部位で
うぐいすを頂きます。
筋肉質で河豚の旨みが最も詰まってるもの
一尾から一つしか取れない貴重品でも有ります。
唐揚げのサイズも大きいので
片身はそのままで
残り半分の片身は黒七味を付けて
ガブっと齧り付きます。
歯がザクザクッとした食感を噛み締めて
更に踏み込みますとカリッと歯応えしてくる
躍動感溢れる香味が口腔内を充満して
うっとりです。
ウグイスを噛み進むとグゥーッと弾力感が溢れて
衣の中で凝縮された肉肉しい旨味が
パチンと弾けて拡散する
んん、うんメェ〜だし
このお肉の躍動感いっぱいに弾ける美味さよ
舌が歓喜に打ち震えますね。
大大満足の河豚の唐揚げでした。

⑫お食事

お米は岐阜県の初霜

北寄貝の炊き込みご飯
佐賀牛頬肉の餡掛け
香の物
赤出汁

ベースはお出汁で炊かれたご飯に
大きな北寄貝を醤油漬けして炭火で焼いたものを一口サイズにカットして
30秒間南部鉄器の釜の中に入れて蒸します。
更に
茗荷
生姜
木の芽を
炊き込みご飯に散らしてます。

ご飯の粒が結構大粒で咀嚼感がクリアで
お米の旨味をダイレクトに感じる
お出汁で炊いてるのでうま味が馴染んだ
美味しいご飯
そのご飯に北寄貝の甘味と醤油焼きされた
風味が移っていて
とってもウンマイです。
勿論、北寄貝自身の甘味も膨よかに寄り添うもの

そしてご飯のお供は
黒毛和牛の頰肉 佐賀県
餡は炊き汁で玉葱をトロトロになるまで
炊いたものを餡状にして頬肉に掛けてます。
此れも肉の旨味が炊き込みご飯に
ピタッと忍び寄るもの
お肉と貝の妙味が通い合い
極上の美味ご飯を完成させてました。

⑬お食事

お雑炊
刻み葱
振り柚子

河豚の脅しで炊いたご飯に
卵とじを施した雑炊

河豚ってお出汁を取っても素晴らしく
穏やかなうま味が湧き出る物なんですね
お雑炊がとっても滋味深い旨さで
卵とじの甘味をも凌いで来る
でもきちんと卵の甘みや瀞みをも受け止めて
懐の深いお出汁の味わいを
楽しめるお雑炊でした。
此奴は是非お勧めしたい逸品と言えます。

⑭温かい甘味

苺善哉

あまおうを使った善哉です。
北海道産の新小豆を炊いたものを敷き詰めて
小豆の甘味とあまおうの酸味に加えて白玉餅の
モチッとした食感もナチュラルに楽しめる様に
苺の中をくり抜いて白玉餅を鋳込んでます。
見て楽しく可愛い作品
そして甘味が和やかに舌を誘惑する
嬉しくなっちゃいましたね。

⑮甘味

特製プリンはお土産にして頂きました。


2021/01訪問第 1 次

4.6

  • 美食/口味4.8
  • 服務4.6
  • 氣氛4.6
  • 成本效益4.5
  • 酒類/飲料4.5
JPY 30,000~JPY 39,999每人

炎のカタチ 水のカタチを創造するお料理

◆2021.01.04(月)夕餉

◆ご予約 OMAKASEにて

◆お店
開店 2020.12月
住所 東京都目黒区中目黒1-5-12 ATRIO1F
お席 カウンター8席 個室 6席
電話 03-5860-7530

◆お料理 お任せ¥25,000
お酒消費税含むお会計¥35,810

◆炎水について

38歳の伊藤店主曰く

当店の店名「炎水」に込められた意図

炎は”炭火”
水は”出汁”を表現しており
店主が日本料理をつくる上での原点で
日本料理人が繋いで
継承してきた賜物との認識に立って
その素晴らしい技術を生涯もっと探究し
究めていきたいと言う想いを屋号に
込められたものとの事だそうです。
10年後 20年後にどの様に極められているのか
行く末を見守りたいとたいと思わせるお料理人
と感じました。

◆カウンター

関ヶ原樹齢250年の天然檜一本もの
檜のあの良い匂ひが薫る香る
それだけでもうっとり気分に浸れて
高揚感が高まります。
厨房側との高さも面一となっており
拘りの設えと感じました。
外壁を造作する前にこの一枚板を
納入したそうですが
かなり苦労したとのお話にも
聞き入ってしまいました。

①先付〜穏やかに心身を和ませる〜

静岡の海老芋の孫芋と
鹿児島県の垂水の温泉水を使ったお粥とを
炊き合わせたもの

孫芋を使用してるのは繊維質が少なく
サイズも丁度一口サイズなモノで
味覚も甘味が詰まってる食材との事で
此方の温物に合わせられてます。

寒い時期に身体と心を暖めてもらおうと
言う趣旨と
先付からお食事に繋げて行く為の位置づけとして
白湯をイメージしてから描く事で
孫芋とお粥の組み合わせに至ったとの事。
心身共にほっこりと暖まり
お腹にも優しい食感と温感で
こっくりと癒されます。
お匙でお粥を掬って飲むと
粥の優しさにお腹が和んで喜んでるのが
分かります。
少し暖かくなったところで
粘性もクリーミィな孫芋がまったりとした
食感の漂う穏やかな甘味で舌を包んでくれて
とても嬉しいお出迎えとなってます。
極自然に舌もお腹も馴染ませてくれて
本格的なお食事に進む準備が
さり気無く整いました。
こう言う嬉しい気遣いには
素直にありがとうございますの気持ちを
お伝えしたい。

②お凌ぎ〜香りを楽しむ〜

芹の胡麻和え

先付からお椀までが
香りを楽しんで頂くお料理構成としてます。
此方の胡麻和えも含めて
煎りたての胡麻
引きたての鰹節〜お椀にて〜
焼きたての諸子〜焼物にて〜
揚げたての唐揚〜揚物にて〜
などなど芳ばしさの鮮度に拘りを持って
お料理と向き合う事を心掛けて
いらっしゃいます。

そのトップバッターが胡麻を煎って風味を
纏わせた胡麻の和え物
和える食材は旬の野菜 仙台の芹です。

目の前では当たり鉢に
すりこぎ棒を持って今煎った胡麻を当ててます。
鉢の中からとっても胡麻胡麻した甘い香りが
ふわふわふんわりと
この胡麻自身も先程の垂水の温泉水で
一晩浸して一度伸ばしており
胡麻を膨らませてから擂ってるので
胡麻のプチプチする食感がとっても
vividな感じになり胡麻の味わいも深みを
増してます。

そして小鉢には胡麻のペーストを
先に底に落としておきます。
湯がきたての仙台の芹を
当たり鉢の中で擂りたての胡麻と和えます。
程よい和えた芹を小鉢に盛り付けて
お手元にご用意です。

2度楽しめる芹の胡麻和え
芹の天にはサラサラの胡麻が和えられて
擂り胡麻風味たっぷりに甘い香りと
胡麻の甘味が絡んだシャキシャキの芹を
楽しみます。

次に胡麻ペーストを芹にねっとりと絡ませて
甘味の糖度が凝縮されて濃いめの胡麻味を
芹に乗せて頂きます。
サラサラの胡麻和えの表情が
今度はねちっこい質感が伴う胡麻の甘味に変わり
その甘味の濃度も薄味から濃い目の甘味に変わる
この表情が芹に絡んで舌にジンワリと浸透して
食感の楽しさと甘味の変わりゆく味覚の変化が
同時に訪れてとても良く出来た仕掛けと感銘
してしまいます。
たった胡麻と芹だけの一品なのに
香りと擂りたての鮮度が素晴らしい
賜物なのですね。
ホント、
お見事な程に
擂り立て
茹で立て
和えたてのお料理は
香り映えのする驚きの一品でした。

③焼物〜炎の醍醐味と奥行きを堪能して〜

諸子 中津川 炭火
少しだけ塩されてますが
ほぼ素材を其の儘炭火で火を入れてるだけ
その炎の威力を遺憾無く発揮した作品です。
で、頭から丸ごと齧ります。
ウン!納得する火入れだ。
とても香ばしく軽快なサクサク感
薄衣で揚げた唐揚げみたいな食感が先に
走り抜けて行く
その爽快感に導かれて歯が更に諸子の身質を
招こうとする
此処で一旦グッと我慢だ。
先ずはこのサクサクの頭の部分の甘味を
逃さず食したい。
苦玉とか全く無し
小骨のチクチク感も皆無
全体にこんがりと火が入っており
何処かが焦げてほろ苦いとか言うのも無し
此れはかなり技術的に火入れの匠の技が
秀でてると感じる一品。
腹の方を齧り白身に進む
フワッとする優しい食感に惑う
直ぐにフッと身が甘味を持ち出して来る
小さな身なのに諸子が頑張っている
精一杯にふっくらとした質感が充満する
膨よかさが小さな魚体から浮き上がってきて
諸子の甘味の品格が感じられる
小さな諸子は炭火が強いとカリカリになり
皮も身もパサパサに乾きやすい
この諸子は全然レベル感が違う
乾くか乾かないかのギリギリで身質の
しっとり感を止めてて
かつ
サクサクに仕上げている
それも頭から尻尾までほぼ均整が取れてて
ムラが無い焼き加減
そして本日大切に感じてる炭の香りが
フワンと匂ってうっとりなのですよ。
参っちゃうな此れは。
更には唐揚げされてるかの様な
衣の舌触り感が纏ってて
諸子と炭火の対話の中で
諸子自身が蒸発する脂質で
唐揚げっぽくしているかと思うが
囲炉裏に対しての傾斜角度の
コントロールの技術が優れてるからこそ
仕上がる質感なので
かなり驚くべき焼物にて感動の焼き物語でした。

④珍味〜大海の恵みを香る心で纏う〜

ボイルした浜坂の勢子蟹
蟹の殻でお出汁を取った銀餡
炭火焼きの甲羅〜後で焼き蟹として使います〜
酢橘

此れはこの時期だけしか味わえない勢子蟹料理を
茹でと焼きの両方を頂けるご用意なのて
贅沢感半端無いです。
茹で蟹の方は蟹風味たっぷりの餡掛け
焼き蟹の方は焼いた甲羅をご用意して
香りを茹で蟹に映しての趣向

なんの変哲もない甲羅では無いのですね。

最初に優しい蟹の味覚を楽しみます。
勢子蟹に掛けられた銀餡がとても良くて
銀餡が甲殻のコクが感じられます。
勢子蟹の中身を全部捌いた後に
剥き残しの身がへばりついたままの殻を
一緒に炊き込んでギュッと煮詰めたもので
餡を拵えてます。
故に勢子蟹の旨味が餡に乗り移ってて
甲殻の旨味浮き上がる銀餡と勢子蟹の身との
相性が抜群に美味しく感じられます。
また、その穏やかな温感にも助けられて
蟹の身が馴染み易くなる旨味の表情に変化してて
舌が味覚をとても優しく受け入れます。
銀餡を纏った勢子蟹を堪能した後、
器を変えて焼いた甲羅に
蟹の身と外子と内子と蟹味噌も移します。
この甲羅を表裏両面焼く事で
香りがスッと映される所が
素敵な味覚作りとなってます。
普通は焼き蟹と言っても
甲羅の表だけを焼くか
蟹の身を盛りつけたまま焼き上げて
しまいますので
そうすると身が甲羅に引っ付いてしまって
一部美味しくなくなるんですよね。
この作品は
焼き蟹として甲羅の香り付けが施され
力強い風味を纏った甲殻の香りを楽しめて
更に
酢橘を絞る事で柑橘系の香りが一層
蟹の風味を引き立てています。

面白かったのは
芳ばしく焼き上がった甲羅に
自分の才覚で勢子蟹をセットし直すと言う
チョットお料理人気分を味わせて頂ける趣向に
興味津々となります。
これ結構ワクワクしちゃう。
ま、下手こいても自分の所為ですから
文句は言えないですが
其れがですね、
盛り付けはお写真の通り下手なのですが、
甲羅焼の香り付けは
勢子蟹の内子外子蟹の身を移し替えるだけで
自然に甲羅のお焦げの芳しい匂ひが映ります。
ほんとにすごぉ〜い
こんなに香り付けされちゃうものなのか?
この芳ばしい風味が自分で盛りつけた勢子蟹全体に纏ってるゥ、無茶感激ぃ!なのでした。

⑤お椀〜奥深く慈しむ味覚に溺れて〜

車海老

湯葉で玉子豆腐に仕立てたもの

鹿児島指宿の本枯節を使用されてます。
シャカシャカと鰹を引く音色が
耳に心地よく響いてきます。
引いたばかりの本枯節
面が艶々で一枚が広い
鉋の切れがとてもシャープなのでしょう。
一回の引きでスルスル〜ッと巻物の様に
削り出されていきます。
まるで宮大工が4寸柱を仕上げている様な
美しい所作と引き際なのです。
山盛りの本枯節から一枚を
味見に頂くサービスが嬉しい。

利尻昆布を水出しで取った一番に
たった今御主人が引いたばかりの本枯節を
煮立った昆布出汁の中にサワサワ〜ッと
放り込みます。
鰹節がフワンとお出汁の中に解けて行きます。
香るわぁ
その一番出汁を小さなお猪口に注いで頂き
一口頂きます。んメェ。堪りませんね。

此処で店主からご指示を頂きます。
冷酒の鳳凰美田と合わせてお出汁を
飲んでくださいとの申し付け
鳳凰美田を一口含みます
美田が深みを持たせて余韻がまだくっきりのうちにお出汁を頂きますと
お出汁のうま味がフゥ〜ッと膨らんで
凄く美味しくなります。
んん、鳳凰美田の甘味と吸い地のうま味が
ピタッとハーモナイズして慈の味わいが
深まるに連れて
舌にジ〜ンと切なくなる様な味覚が訪れます。

さて、お椀に静かに佇んでます車海老
優しい甘味を含んでいます。
吸い地と良くお似合いで
炊き具合が繊細です。
そして蕪に箸先をチョコンと触れる
ハラリと解けて割れる
吸い地にたっぷり浸った蕪のうま味が
お口の中でジュウ〜っと広がって美味い。
玉子豆腐を湯葉で作り上げる
伊藤店主のお料理人としての
センスに脱帽します。
湯葉のまったりとした甘さを含んだ
玉子豆腐の滋味深き甘味がゆらゆらと
揺れながら寄り添って来る
其れがまた楽しくなる。

⑥お造り〜命かけて繋いできた者たちに感謝〜

下関の4.8kgの大虎河豚のてっさ
余市の鮟肝
酢橘
ポン酢
紅葉おろし
刻み葱

てっさには鮟肝のお供が付き添いです。
鮟肝をそのまま摘みながらでも
鮟肝をポン酢で崩しても
お好みに合わせてとのお薦めです。
此処は両方の味覚を頂きたくて
最初にてっさの生命力を歯でしっかり受け止めて
漲る河豚のしなやかさと弾力感を満喫
合間にしっとり鮟肝の旨味を堪能
てっさを紅葉でポン酢と和えて頂いちゃう
舌がてっさに馴染んできた頃合いを見計らって
鮟肝ポン酢にてっさを浸して
蕩けた鮟肝の旨味とポン酢の酸味と
てっさの淡白な味わいとが交錯して
三巴の味が氾濫して乱舞し
舌は錯乱状態に近いが
とても喜んじゃいます。
薬味の美味さも手伝ってか
てっさの力強い味覚を満喫した一品です。

⑦温かいお造り〜てっちり仕立て〜

河豚の身皮
柚子
長葱
白髪葱

身皮と言うより肉の部分がたっぷり
付いて来てます
薄皮に削ぐのではなく
ダイナミックな身皮でのご用意に感謝
うま味深きのお出汁にしやぶしゃぶされた
てっちりは滋味深さも手伝って頗るうんまい
滋養分が豊潤に感じられる身皮は
ゼラチン質ぷよぷよのコラーゲンも
へばりついていて
舌が肉肌を舐めた時に感じる艶かしさが
堪らなくて噛んでしまうのに
躊躇してしまいます。
勇気を出してグッと噛み込むと
茹で上がってるのに
肉質の柔らか味が歯をソフトタッチで
招き入れてくれる
フッと歯が沈む
沈んだと思ったら跳ね返す
このエネルギッシュな動きに旨味が膨らむ
身皮を楽しんでいると御葱さんたちが
シャキシャキッと言って追いかけて来る
んん、此奴は楽しい
河豚からの旨味がお出汁にも流れてて
とても奥行きを感じるてっちりなのです。

⑧焼物〜ほろ苦さが舌をお酒に誘う葉大根〜

白甘鯛炭火焼き 徳島
鬼おろし
静紫

焼物は白甘鯛です。
淡く漂う塩味が白甘鯛の膨よかな甘味と
肉質感にそっとソフトに寄り添う
其処がまた奥ゆかしくて舌を唸らせます。
此れも見事な焼き上がりに塩味の施し方
皮目も炭火の通りが素晴らしくパリッと
歯応えをストレートに感じる仕上がり
身はしっとりと落ち着いた火入れ
店主の言われる炎が白甘鯛のポテンシャルを
限りなく美味さを引き出している一品。

静紫
ほろ苦さがピシッと走って
鳳凰美田の甘味に決まると言う表現が
よく似合う京野菜でした。

⑨きんぴら蓮根

先程頂きました甘鯛のあらを使ってお出汁を取り
そのお出汁で煮付けの風味を施した蓮根
甘辛の匙加減が舌妙と言いたくなる味付け
箸休め的なものでしょうが
休む所がお酒進んじゃいました。

⑩炊き合わせ〜串に凝縮された感動のうま味〜

鶉の卵
真蛸
さえずり〜鯨の舌〜

円筒に串が伸びてる竹細工が手元に届きました。
じっくりと炊き込んだ一本のおでんが
入っております。
何と、この串おでんが炊き合わせなのです。
変わり種で楽しい感じです。

この串の中でも関東ではお目にかからない
鯨のさえずりが串に打たれており
この味覚に感動しました。

さえずりの仕込みは大変そうで
ナガスクジラの舌の乾物を10時間ほど
油抜きして乾燥させてから
ぬか炊き8時間して何とかかんとか
説明を聞いてるだけで気が遠くなりました。
その仕込みの結果の旨味が凝縮されたさえずり
弾力感が富むぷるぷる感も素晴らしいし
出汁が染み込んだ旨味甘味のほど良さに
舌がウルウルしちゃうくらいうんまぁい。

真蛸のぷよぷよする繊維質の柔らか味も
素敵でしたが
その後に味わった
さえずりの食感とお出汁がジンワリと
舌に響いて来て染み渡る旨味の淡さに
グッと来ちゃいました。
このうま味の深さは何のお出汁?と聞きますと
さえずりを仕込むときに出る
さえずり自身からのお出汁にうま味が
たっぷり含まれてるので
おでんを作って仕上げる際に
さえずりのお出汁を合わせるそうです。
そうするとこんだけのコクの広がりを持った
吸い地が出来上がるものなんだと
感心してしまいました。
このさえずりメニューが有るうちに
再訪したくなりました。

⑪河豚唐揚げ〜これぞ河豚のダイナミズム〜

黒七味
酢橘

此処で揚げ物が出て来ちゃう
然もかなりごっつい唐揚げの大きさです。
手で持ってガブリと齧り付く
グワっと肉を引き千切り
ダイナミックにザクッと鳴る衣を押し除け
肉片に歯を踏み込ませる
ジュゥワ〜ッと肉が鳴る
筋肉がギュゥッとしなる
河豚の旨味がブンと飛ぶ
美味い!うまうまでござる
黒七味がパンチ効いてるゥ〜
スカッとする爽快感が走る
更に齧り付く
衣と肉片が脂切って旨味を散らす

唐揚げ全部を底上げしてる黒七味の
絶妙なスパイシーさが
唐揚げ全体を引き締めていて
ザクッ!ガリッと齧り付く度に黒七味の刺激が
シュッシュッシュッと走り抜ける
んん、お食事前にドカンと来ましたね。
此奴は満足感と高揚感に溢れた一品。

⑫お口直し

リンゴのガリ
ほんのりと甘くて酸っぱくて
お口を優しくリセットしてくれました。

⑬お食事〜お米を紡ぐ人々に感謝〜

南部鉄器で炊いたご飯
お米は岐阜県の幻のお米ハツシモ
因みにランクは特A
鹿児島県黒毛和牛ハラミの炭火焼き
和芥子

流石は南部鉄器で炊いたご飯は艶々度が違う
粒の立ち方も潔く噛み答えがストレートに
響きます。
ハツシモは白米の硬さが程良い感じで
噛んだ時に口の中で解けて
甘味がジュウ〜となってくるし
乳化時間が結構長続きして甘味が
消滅しないでいてくれるのが嬉しい。
また、噛んでいる間だけでなくて
ご飯を飲み込んだ後も
フワンとした甘味が残って余韻が楽しめます。
このご飯に炭火で焼いたハラミの旨味が
重なって来るのですよ。
更にハラミステーキに添えてます和芥子が
肉汁の旨味にピリリと気が利いた刺激で
舌を誘惑して赤身肉の旨味を
広げて膨らませて絶品の妙味を演じてます。
んん、此れはぺっぴんさんのご飯に
ハンサムなお連れさまと言う感じで
ピタッと美味同士が寄り添うお食事です。
んん、〆のご飯まで香りと旨味が見事に
奏でるメロディに陶酔してしまいます。

⑭河豚雑炊


河豚の身質

このお雑炊バカうまい
河豚のお出汁で炊いたリゾットと言う感じで
黄身の鮮度も品の良さが感じられて
卵の旨味と河豚のお出汁とが共鳴し合いながら
その旨味を進化させてる様な美味しさで
心地良く響く余韻が楽しかったです。

⑮甘味

冬柿の熟したもの
和三盆のジュレ
酢橘の香りとともに

⑯甘味

バニラビーンズのプリン
甘味の品格
キャラメルの濃度と苦甘さに感動
後引く甘さ
お持ち帰りしたい!


餐廳資訊

細節

店名
En Sui
類型 日本料理
預約・查詢

050-5872-4577

可供預訂

可以預訂

ネット予約は下記公式ホームページ内の「OMAKASE」よりお願い致します。

地址

東京都目黒区中目黒1-5-12 ATRIO 1F

交通方式

○乘電車前來的客人請從東京地鐵日比穀線中目黑站步行5分鐘前往目黑學院。是對面的建築物1樓。○計程車、開車來的顧客請告知司機“中目黑1丁目目黑學院前”。

距离中目黑 315 米

營業時間
  • 星期一

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期二

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期三

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期四

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期五

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期六

    • 17:00 - 19:40

      (L.O. 21:40)

  • 星期天

    • 定期休息日
  • ■ 定休日
    月に一度以上連休有
預算

¥30,000~¥39,999

預算(評價匯總)
¥40,000~¥49,999

檢查支出金額的分配情況

付款方式

可使用卡

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

无使用電子錢

无使用二维码支付

收據 可開立符合發票規定的收據
註冊號碼T1011001156143

*有關最新的註冊狀態,請查看符合國務院發票系統資格的發票發行人發布的網站或聯絡商店。

服務費收費

サービス料10%頂戴いたします。

座位、設備

座位數

14 Seats

( 吧臺8席包廂6席)

個人包廂

可能的

可容納2人、可容納4人、可容納6人

是帶門的完全單間。

包場

可能的

可接受20人以下

禁煙・吸煙

嚴禁吸煙

全席,店內全部禁煙。店鋪玄關、租戶用地內、店鋪正面的目黑學院用地內、周邊公寓道路也嚴禁吸煙。請在理解的基礎上進行預約。

停車場

不可能

空間、設備

平靜的空間,有吧檯座位

選單

酒水

有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒

特點 - 相關信息

此時建議

服務

可自帶飲料,有品酒師

關於兒童

僅限可享有與成人相同套餐的人士(預約前請洽詢)

服裝規定

我想要在常識範圍內的時尚休閒。

網站

https://nihonryori-ensui.com/

開店日

2020.12.15

電話號碼

03-5860-7530

備註

由於我們提供 omakase套餐,因此請您在預訂時告知我們任何食物過敏或無法進食的情況。如果您在未提出請求的情況下來到我們的商店後再提出請求,我們可能無法滿足您的請求或可能會產生額外費用。也請您和您的同伴確認一下。 「湯汁的香味」和「食材的香氣」非常細膩。在我們店裡,味道很重要。請不要帶香水來店。我們可以根據店主的判斷拒絕進入商店。感謝您的理解與合作。