テーマのあるお料理・・・季節を感じながら文化を勉強できるお店
初めて訪問したのは2016年7月、祇園祭の時期だった。八坂神社での献茶式(表千家の当時の家元である而妙斎のお点前)を拝見し、一力茶屋で舞妓さんにお茶を振る舞ってもらって鼻の下を伸ばし、すっかり上機嫌になっての訪問。その際は4人だったこともあって個室で頂いたのだが、季節感溢れる趣向、いかにも今どきの京都料理を体現する華やかさ、とても丁寧で上品なお味・・・さすが桜田のDNAだなぁと思わせてくれて、それでいて合理的なお値段。特にその時に出されたオクラのご飯は(なんだかつまらない食材だなと最初は思ったのだが)驚くような塩梅の良さでその美味しさに驚かされたし、青紫蘇の練り切りのお菓子の夏らしい美味しさにも感心させられた。その後、折をみて伺っているが、器も素晴らしいので伺うのが本当に楽しみである。11代坂高麗左衛門のお重(自分が拝見したものとしては秋草重と夜桜重があった)の見事さはとりわけ素晴らしい。そのほかにも真葛焼きや永楽(和全や妙全など)などが惜しみなく使われる。
出町柳駅から歩くこと5〜6分という感じでお店に到着する。青い暖簾を潜ると奥に長い構造。お手洗いと個室を右に見ながら細い廊下を進んでいくと10名ほどが座れそうな長いカウンター。
まずは何かしらで喉を潤すことからスタートする。さっぱりした冷茶、桜塩漬けの香煎、柚子香る香煎、梅や蜜柑のジュースなどなど。
先付は、魚介類にジュレや黄身酢を掛けたものとか、冬であれば熱々の白子に餡掛けとか、カラスミと一緒になますの胡麻ダレ掛けとか。このタイミングで振る舞い酒として日本酒を一杯頂き、気分が盛り上がってくる。
お椀はその時々の季節を代表する王道の具材。アイナメ、甘鯛、松茸、鱧、車海老の身を残した真薯などに、玉子豆腐、胡麻豆腐などなど。しっかり出汁を取った吸地はとても美味ではあるが、この味に近いのは東京でいえば御料理宮坂さんくらいで、やはり東京の料理屋さんとは異なる。印象に残っているのは春先に出された蛤と帆立の真薯のお椀。真薯の上に乗せられた薄い大根のスライスで春の雪解けを表現したもので、その美味しさはもちろんのこと、春の到来を告げるそのプレゼンの美しさには感心させられた。
お造りはお刺身二つ。一皿に二種類をまとめてくることもあれば、一皿ずつということもある。鰹と鯛、鮪と鯛という王道コンビであることもあれば、雲丹や貝類ということもある。前者の場合には醤油、ジュレ、ちり酢などが添えられ、後者の場合にはレモン酢を掛けたりという一手間をかけたものであることが多い印象。
強肴は、自分は今年(2020年)から出してもらうようになったのだが、うなぎのタタキ
がスペシャリテになりつつあるようだ。甘みのある北海道玉ねぎ、大葉、茗荷などがあしらわれ、少しだけ七味が掛けられたそれは、野菜の香ばしさと鰻のパリッとした食感が印象的な逸品だ。これが八寸後の焼き物として出てくることも。
八寸は、いかにも京都という感じの華やかなもの。手の込んだものがたくさん供され、かつプレゼンにとても気を遣われておられる。この八寸で旬を感じさせるという前田氏の目論見が一つの頂点を迎える。
ご飯の前に焼き物と炊き合わせ。特に炊き合わせが美味。海老芋と茄子、鯛の蕪蒸しなど繊細さを呈すものもあれば、鴨と大根、豚と大根、牛肉のしゃぶしゃぶ仕立てに無花果とゴマだれなどといったものも。あるいは、栗を練り込んだ胡麻豆腐、キノコ類、小松菜を土鍋でグツグツと豪快に煮込んだものなど、とても多彩な顔を見せる。
ご飯は野菜を使われることが多い。大根と大根の葉、オクラ、タケノコと和布、椎茸など、シンプルな食材だがそれだけに塩梅が重要だ。10月や11月だと美味しく炊かれた白米。お漬物も季節によって違うのか、いつも異なるものが出て来る印象で、飽きさせない。鯖にゴマだれをかけたものか一緒に出てきてアクセントをつけるということもあった。
デザートは二つ。一品目に果物だったりクレームブリュレ、そして二品目に練り切りのお菓子。これがその時々の季節を映していて毎回素晴らしい。最後にお抹茶を頂く。
店名 |
Kokyuu(Kokyuu)
|
---|---|
类型 | 日本料理 |
预约・查询 |
075-746-4375 |
预约可/不可 |
仅限预订
電話の御予約は営業時間外にてお願い致します。 |
地址 |
京都府京都市上京区青龍町204 |
交通方式 |
出町柳町站步行4分钟 距離出町柳 358 米 |
营业时间 |
|
预算 |
¥40,000~¥49,999 ¥15,000~¥19,999 |
预算(评价总数) |
¥30,000~¥39,999¥8,000~¥9,999
|
付款方式 |
无使用卡 无使用电子钱 无使用二維码支付 |
座位数 |
10 Seats ( 吧台9席) |
---|---|
个人包厢 |
可能的 可容纳4人 |
包场 |
可能的 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
不可能 |
空间、设备 |
有吧台座位 |
酒水 |
有日本清酒 |
---|
此时建议 |
|
---|---|
位置 |
神秘不为人知的餐厅,家庭式餐厅 |
关于儿童 |
好像未满10岁的孩子是不可以的 (来自HP) |
网站 | |
开店日 |
2015.10.21 |
3月中旬にディナーで伺った。この日もカウンターは満席。予約したのは3週間ほど前。ギリギリ席が空いていた感じである。
この日のお料理も旬を感じさせてくれる塩梅の良いものばかり。その中でも記憶に残ったものを下記。
グジのお椀。下には(3月ということあるのでしょうか)菱形の卵豆腐。上には白髪ネギ。味わいの強いグジ。美しい輪島塗りのお椀は大将が特別に作られたものだそうだ。
紅菜苔のお料理。胡麻油、醤油、塩を使ってシンプルに炊いたもの。修学院離宮の中で育てられているらしい。見た目もお味もシンプルだけど、旬を感じさせてくれる一品。
ちらし寿司。「3月といえば貝合わせということもありますので貝を乗せています」と仰りつつ、乗っているのは立派なアワビ。大将らしいウィットではある。
下記はベース投稿
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初めて訪問したのは2016年7月、祇園祭の時期だった。八坂神社での献茶式(表千家の当時の家元である而妙斎のお点前)を拝見し、一力茶屋で舞妓さんにお茶を振る舞ってもらって鼻の下を伸ばし、すっかり上機嫌になっての訪問。その際は4人だったこともあって個室で頂いたのだが、季節感溢れる趣向、いかにも今どきの京都料理を体現する華やかさ、とても丁寧で上品なお味・・・さすが桜田のDNAだなぁと思わせてくれて、それでいて合理的なお値段。特にその時に出されたオクラのご飯は(なんだかつまらない食材だなと最初は思ったのだが)驚くような塩梅の良さでその美味しさに驚かされたし、青紫蘇の練り切りのお菓子の夏らしい美味しさにも感心させられた。その後、折をみて伺っているが、器も素晴らしいので伺うのが本当に楽しみである。11代坂高麗左衛門のお重(自分が拝見したものとしては秋草重と夜桜重があった)の見事さはとりわけ素晴らしい。そのほかにも真葛焼きや永楽(和全や妙全など)などが惜しみなく使われる。
出町柳駅から歩くこと5〜6分という感じでお店に到着する。青い暖簾を潜ると奥に長い構造。お手洗いと個室を右に見ながら細い廊下を進んでいくと10名ほどが座れそうな長いカウンター。
まずは何かしらで喉を潤すことからスタートする。さっぱりした冷茶、桜塩漬けの香煎、柚子香る香煎、梅や蜜柑のジュースなどなど。
先付は、魚介類にジュレや黄身酢を掛けたものとか、冬であれば熱々の白子に餡掛けとか、カラスミと一緒になますの胡麻ダレ掛けとか。このタイミングで振る舞い酒として日本酒を一杯頂き、気分が盛り上がってくる。
お椀はその時々の季節を代表する王道の具材。アイナメ、甘鯛、松茸、鱧、車海老の身を残した真薯などに、玉子豆腐、胡麻豆腐などなど。しっかり出汁を取った吸地はとても美味ではあるが、この味に近いのは東京でいえば御料理宮坂さんくらいで、やはり東京の料理屋さんとは異なる。印象に残っているのは春先に出された蛤と帆立の真薯のお椀。真薯の上に乗せられた薄い大根のスライスで春の雪解けを表現したもので、その美味しさはもちろんのこと、春の到来を告げるそのプレゼンの美しさには感心させられた。
お造りはお刺身二つ。一皿に二種類をまとめてくることもあれば、一皿ずつということもある。鰹と鯛、鮪と鯛という王道コンビであることもあれば、雲丹や貝類ということもある。前者の場合には醤油、ジュレ、ちり酢などが添えられ、後者の場合にはレモン酢を掛けたりという一手間をかけたものであることが多い印象。
強肴は、自分は今年(2020年)から出してもらうようになったのだが、うなぎのタタキがスペシャリテになりつつあるようだ。甘みのある北海道玉ねぎ、大葉、茗荷などがあしらわれ、少しだけ七味が掛けられたそれは、野菜の香ばしさと鰻のパリッとした食感が印象的な逸品だ。これが八寸後の焼き物として出てくることも。
八寸は、いかにも京都という感じの華やかなもの。手の込んだものがたくさん供され、かつプレゼンにとても気を遣われておられる。この八寸で旬を感じさせるという前田氏の目論見が一つの頂点を迎える。
ご飯の前に焼き物と炊き合わせ。特に炊き合わせが美味。海老芋と茄子、鯛の蕪蒸しなど繊細さを呈すものもあれば、鴨と大根、豚と大根、牛肉のしゃぶしゃぶ仕立てに無花果とゴマだれなどといったものも。あるいは、栗を練り込んだ胡麻豆腐、キノコ類、小松菜を土鍋でグツグツと豪快に煮込んだものなど、とても多彩な顔を見せる。
ご飯は野菜を使われることが多い。大根と大根の葉、オクラ、タケノコと和布、椎茸など、シンプルな食材だがそれだけに塩梅が重要だ。10月や11月だと美味しく炊かれた白米。お漬物も季節によって違うのか、いつも異なるものが出て来る印象で、飽きさせない。鯖にゴマだれをかけたものか一緒に出てきてアクセントをつけるということもあった。
デザートは二つ。一品目に果物だったりクレームブリュレ、そして二品目に練り切りのお菓子。これがその時々の季節を映していて毎回素晴らしい。最後にお抹茶を頂く。