真のプロにあらず : Yagi chaya

2020年9月
「山塩ラーメン 税込800円」
　景勝地「八木ヶ鼻」に近い小さな食堂。2003年に思いついたという山塩ラーメンが看板メニューの一つだ。山塩とは、古代の海水が地殻変動で内陸に閉じ込められ、温泉に溶け出してくる塩水を煮詰めたもの。海水とは成分比率が違い、塩分以外のミネラル成分が海水よりずっと多いらしい。メニュー考案時には、話題先行であまり評判が良くなかった。でももう15年以上たつし、つい先日chokuさんが旨いとレビューしていたので、じゃあ間違いないだろうとドライブがてら来店。うーん、八木ヶ鼻、見ごたえあるなあ。
　山塩ラーメン自体のクオリティは悪くないのだが、提供スピードがびっくりするくらい遅かった。店内20人くらいの客が、誰一人料理を食べずに待っているという状態で10分くらい経過するのだ。オーダーがバラバラなわけでもない。サイドメニューは出るにしても、ほとんどの客が山塩ラーメンのオーダーだ。なのに、ラーメンが6杯出ると、また25分ほどアイドルタイムが続く。ラーメンを提供された客は全員食べ終わり、一部の客が入れ替わって、また誰も何も食べていない時間帯が10分ほど続く。
　あまりに気になって厨房をガン見していると、ちゃっちゃっと麺上げの動作が判別できた。しかしその後何をしているんだかやたらと時間が経過して、5分以上してから提供された。出てきた16番平打ち太麺は、絶望的に伸びていた。
　申し訳ないが、ラーメンの味をうんぬんするレベルにあらず。