ジョン照井の食べ歩き録【蜃気楼】 : Shinkirou

新板橋駅。生まれて初めてこの駅に降りた。
アド街にて予約の取れない人気店として紹介されていたこのお店の名は蜃気楼。四川料理を中心とした中華料理店だ。
こちらは1日1組(4名)限定で、新規予約は不可能である。
故に、常連さんに連れて行ってもらうほかこちらに行く手立てはない。
店内は小上がりにちゃぶ台の1テーブルのみ。周りに4枚座布団が敷いてある。極々シンプルである。
今回は初めての来店だが、聞くところによれば、こちらでは利用する上でいくつかのルールがあるという。
例えば、乾杯でグラスをぶつけてはならない、立ち上がる際にちゃぶ台に手を着いてはいけない、オーナーシェフの事は隊長と呼ぶなど。ほら、ルールがあると身構えるが、どれもが簡単なもので『クセが強い…！！』という訳ではない。あと、隊長はずーっと喋っているので、それに関しては好みの分かれるところだと思うが、別に話していて辛いとかはなかった。むしろ、個人的には日頃の悩みなどを中心とした心地の良いトークだった。
さて、肝心の御料理の方はというと、どれもが絶妙なスパイスが効いており、なんともワインにマリアージュする。食べた事のないような物ばかりで、自身の食べ込みの足りなさを感じざるを得ない。そう感じさせてくれるようなお店に出会えた事は幸せだなあと思った。