ミシュラン☆クオリティの料理の数々に、料亭らしい設えと女将さんとの楽しい会話 : Shougetsu

この日は大磯でかみさんとディナー。

やって来たのがこちらの料亭。

場所は、JR大磯駅を降り立つとすぐ右手。徒歩0分の距離にあります。

私の経験上、ここまで鉄道の駅に近い料亭を知りません。
しかしながら大磯だからそれでもしっくりと来るんだと思います。

政治家、伊藤博文の料理長として活躍した創業者が、伊藤公から「松月」という屋号を拝領し、
1903年(明治36年)に開業した老舗料亭になります。

こちらの料亭は、2013年～2015年までミシュラン☆を獲得し続けていました。
2015年を最後にミシュランが神奈川県を評価しなくなりましたが、
☆を落としたわけでは有りませんので私はいまでもミシュラン☆だと思っています。

聞くところによるとミシュランは自治体からの協力金が無いと評価をしません。
東京都は区ごとに協力金を支払っているという情報もあります。
それが本当であれば中央区とか港区は相当払ってるんだろうなあ。
協力金が多ければそれだけ審査を受けるお店が増えるわけで、
結果的には☆を獲得するお店が増える確率も高まると思いますので。

そんな伝統と格式、実力のあるお店ですので当然ながらBMしていました。
そしてやっとこさ大磯の切り札ともいえるこちらの料亭に伺うことにしました(〃^▽^〃)

ランチは、

・懐石 梅　5000円
・天重　4000円
・鰻重　5500円

という料亭とは思えない手軽なメニューがありますが、
料亭の本領発揮ともいえる利用をしたかったのでディナーでの訪問。

ディナーは、

・椅子席 ディナー 月コース　8800円
・懐石 13200円(サービス料別)
・懐石 16500円(サービス料別)
・懐石 19800円(サービス料別)
・懐石 22000円(サービス料別)
・懐石 27500円(サービス料別)
・懐石 おまかせコース 時価

というラインナップ。ディナーでもそれほど敷居が高いわけではありません。

前述した通り、本領発揮のものを頂きたかったのと、ミシュラン☆の実力があることから、

・懐石 27500円(サービス料別) × 2人前

を予約しての訪問になります。

さて、予約時間ジャストに到着。まずは外観写真を収めてと。

引戸を開けるとすぐに4代目女将さんに迎えられます。
ちなみに現当主は3代目になりますのでそのご令嬢ということになります。
この後、4代目女将さんと色々とお話をさせて頂いたのですが、
4代目候補ばかりか5代目候補もいらっしゃるそうで、松月は向こう何十年は安泰(〃^▽^〃)

靴を脱いで上がると左手が我々の部屋。
京間の12畳ですので江戸間の12畳と比べると広く感じますよ。
掛け軸や生け花などの設えも有り、これぞザ・料亭という雰囲気です。

席に着くと女将さんからドリンクメニューを渡されます。
さすがはこのレベルのお店になると日本酒もしっかりとしたものを揃えています(〃^▽^〃)
ここは女将さんのオススメに従って頼んだ方がいいだろうなと考えて、今宵の晩餐のスタート。

この日に頂いた懐石 27500円(サービス料別)の内容は以下になります。

・伝心 凛 純米大吟醸　2200円
　　私のオーダーです。
　　福井県勝山市に蔵を構える、一本義久保本店の造る純米大吟醸。
　　奥越前固有の希少酒米「越の雫」を全量使用した、通年伝心シリーズの最上級酒。
　　白桃やライチを思わせる甘みありますが、フルーティーな酸味も同時にあって美味しいです。

・梅酒ソーダ割り　1100円
　　かみさんのオーダーです。
　　程良い甘さ。わりと度数濃い目の仕上がりですね。
　　なのでかみさんはゆっくりと飲んでいました。ある意味お得。

・先付
　　蛍烏賊、赤貝、筍、アボカド、あさつき、わらびの黄身酢仕立てです。
　　大根で桜の花を象って散らしていて春爛漫な一皿。
　　赤貝の鮮烈な旨味に筍の春の香り。黄身酢が甘さを抑えていて好みの加減。
　　これは美味しい。期待通りで私もかみさんもニコニコです(〃^▽^〃)

・椀物
　　蛤真薯の煮物椀です。久しぶりとなるくちこに、ウド、若芽、木の芽を添えて。
　　吸い地も含めて透明感のある美味しさです。
　　ちなみにくちことは、ナマコの生殖巣を干して乾物にしたもので、
　　日本三大珍味とも言われている高級食材。

・林 純米吟醸 生原酒 五百万石　1650円
　　私のオーダーです。
　　富山県下新川郡朝日町に蔵を構える、林酒造場の造る純米吟醸。
　　生酒らしい酸味と甘みのバランス。
　　滅多に入荷出来ない林の生酒でしたので女将さんのイチオシでしたが
　　オススメするだけあって美味しいです(〃^▽^〃)

・向付
　　平目、鮪、イサキの刺身盛合せです。醤油で頂きます。
　　平目は熟成された旨み。これらも期待通りの美味しさ。
　　この時点で私の中では4.0ポイントを超えました。

・伝心 雪 純米吟醸　1650円
　　私のオーダーです。
　　福井県勝山市に蔵を構える、一本義久保本店の造る純米吟醸。
　　こちらは純米酒のような米の旨味を感じますね。

・梅酒ソーダ割り　1100円
　　かみさんのオーダーです。同じものをお代わり。

・八寸
　　籠に乗っての登場。
　　車鯛のカラスミ包み、鱒の小寿司、鯛の白子と里芋の炊き合わせ、
　　翡翠豆、イイダコと蕗の煮物の盛合せです。
　　車鯛とは北陸地方での呼び名で関東だとマトウダイと言った方が通りが良いかも。
　　こちらの料亭は金沢に縁があり、女将さんも含めて金沢で修業をされているそうなんです。
　　椀物で出てきたくちこも能登の特産なんですよ(〃^▽^〃)

・林 純米吟醸 火入れ 山田錦　1650円
　　私のオーダーです。
　　富山県下新川郡朝日町に蔵を構える、林酒造場の造る純米吟醸。
　　今度は山田錦で火入れをしたもの。
　　生酒とは違ってコクのようなものを感じますね。

・焼物
　　甘鯛の若狭焼き 浅利添えです。
　　その名の通り甘鯛の若狭焼きに浅利を使った贅沢な出汁を張った一品。
　　甘鯛の若狭焼きらしい身のしまった味わいに浅利の旨味の相乗効果。

・冨久端 純米大吟醸　2200円
　　私のオーダーです。
　　福井県福井市に蔵を構える、吉田金右衛門商店の造る純米大吟醸。
　　全てのバランスを兼ね備えた王道の美味しさ。

・強肴
　　北寄貝、細魚、アサツキの酢の物です。
　　大好物の北寄貝の香りと旨味が素晴らしい(〃^▽^〃)

・食事
　　これまた大好物の筍の炊き込みご飯(〃^▽^〃)/
　　香の物と味噌汁も付けて。
　　当然ながら土鍋の中身は空っぽにさせて頂きました。

・お菓子
　　和菓子と水菓子が同時にサーブ。
　　和菓子は蓬餅、水菓子は苺と柑橘ゼリーの盛合せ。

・お薄
　　懐石ですので最後は抹茶で〆ます。

この内容でサービス料金20% 13310円を加えて、〆て79860円。一人当たり39930円。
まさかの料亭ですがタッチレスのPayPayでのお支払いです。

ミシュラン☆を獲得した料亭ですので期待をして伺いましたがその期待通りの結果に(〃^▽^〃)

女将さんは大船にも縁がありましたので地元話にも花が咲いて(*￣∇￣*)b
結構いろんなお話を楽しませていただくことが出来ました。

現当主は3代目ですが5代目まで安泰の老舗料亭。
大磯ではトップクラスのクオリティを誇る料理の数々に、
料亭らしい設えと女将さんとの楽しい会話。

料亭と書くとハードルが高そうに思えるのですが、
無茶苦茶サービスと雰囲気の良い食事処と思えば。
特にランチタイムの椅子席であればふらっと立ち寄ることも出来ますので(*￣∇￣*)b

ご馳走様です！（2024/3現在、3.51ポイント）