何事も前向きに捉えたいと思いますが・・・
今回の湯河原温泉へのプチトリップは、湯河原温泉郷にあるこちらの宿を利用しました。
湯河原温泉は、もちろん名前はよく知っていますが、子供の頃に家族で一度来たことがあるくらいで、しかもその時の記憶は全く残っていません。
東京から向かうのには、箱根以上に便利な場所にありながらこれまで素通りしてきた場所なので、今回ようやく訪問が叶ったことになります。
こちらの宿については、特に事前に情報をキャッチしていた訳ではなく、ネットで口コミ情報などを調べて良さそうな感じがしたので、予約したものです。
この日は平塚で途中下車し、ランチ(@うな新)とランチ後のコーヒータイム(@フランス菓子 葦 平塚駅西口本店)を済ませましたが、共に素晴らしいお店でしたし、天気も絶好の日よりでしたので、宿にも大きな期待をして湯河原に向かいました。
平塚から湯河原まではJRで40分ほどで到着。
湯河原駅では、まず観光案内所に立ち寄り、駅近の名所を調べます。
それで向かったのが、城願寺というお寺。
平安時代末期から鎌倉時代初期にこの一帯(土肥郷)を治めていた豪族土肥氏の当主土肥実平の草創と伝わる曹洞宗のお寺です。
この辺りは、平家打倒を目指して決起した源頼朝が石橋山の合戦で敗れて潰走してきた場所にあたり、頼朝は土肥郷にある杉山に逃れ、山中の洞窟に身を隠して敵将大庭景親の目を眩まして岩村の海岸から漁船に乗って房州に落ち延びたと言われています。
この時に洞窟にいる頼朝を見つけて見逃したのが、梶原景時というのは有名な話ですよね。
そして、落ち延びる船に同船したのが頼朝以下主従七騎であったことから、後に源頼朝の「七騎落ち」と呼ばれることになり、こちらの寺の境内にはそれを祀る七騎堂という御堂が建立され、中には七騎落ちの七武者の像が祀られているそうです。
また、境内には土肥実平の御手植えと伝わる樹齢900年のビャクシンの木もあって、その威容は見事なものでした。
この話が来年の大河ドラマの「鎌倉殿の十三人」でどの程度取り上げられるかは分かりませんが、ちょうどいいタイミングで訪れたような気がします。
城願寺見学の後は、湯河原駅の2番乗り場から奥湯河原方面行きのバスに乗り、宿に向かいます。
このバス、1時間に4〜5本と割と本数があるので、時間などを調べなくてもサッと乗ることが出来ますが、地元民と思われる方々で思いのほか混んでいたのは意外でした。
見附町というバス停で降りるとすぐそばにこちらの宿がありました。
外観はかなり古い旅館という感じで、事前に読んだ口コミ情報で宿は古めということは承知していましたので、特に驚きませんでしたが、リニューアルされているとの情報もあったので、正直、見た目では、予想以上に老朽化しているなと感じざるを得ませんでした。
入館すると初老の男性が出て来て、所定の手続きを済ませて部屋へ案内してくれます。
部屋は、当宿に2室ある露天風呂付きの客室の一つです。
部屋は、テーブルが配置されている間(7.5畳)とちょっとした囲炉裏が置かれている間(10畳)から成り、露天風呂は裏の小川沿いにこじんまりと設置されています。
こちらで入浴を済ませ、お決まりのマッサージを終えた後はお楽しみの夕食タイム。
予め18時スタートで予約しておきました。
食前酒はりんご酒で、その後生ビールで乾杯して夕食のスタートです。
最初に出された料理は、先付け(菊花、なめこ、青菜)、前菜3点盛り(さつまいものゼリー寄せ、くるみ豆腐、アナゴ)、お造り盛合わせ(あじ、タイ、いさき、カンパチ、クロムつ、ホウボウ)です。
この中では、やはりお造り盛合わせでしょう。
見た目も豪華なら、鮮度も抜群。
ボリュームもあってとても美味しかったですが、特に身の厚いアジは絶品でしたね。
奥湯河原とは言っても、海沿いの湯河原温泉の奥座敷ですので、海の幸には期待していましたが、このお造りは期待通りでした。
ホタテのお椀を挟んで、今回の予約プランの目玉の一つである鮑の肝ソースステーキが出されます。
フランスパンが添えられた鮑ステーキですが、これはかなり残念な一品。
鮑も加熱し過ぎとも思われ、サイズも貧相でしたが、それ以上に肝ソースなるものの味が全く感じられません。
フランスパンも美味しくありませんでしたし、お造りとの落差もあって全くの期待外れでした。
続く金目鯛の煮付けはなかなか美味しかったのですが、その後の秋鮭の塩焼きは、湯河原まで来て食べる料理とは言えないですね。
もっと地場色の強い料理を求めたいですからね。。
これらの後、国産牛のステーキをメインに据えたごはんセットが出されます。
さすがに家内は、ここまででかなりお腹が一杯になっていたようで、ステーキとごはんはかなり私が手伝いましたが、それでも少し残してしまいました。
ステーキの部位はサーロインと思われ、柔らかくて美味しかったですし、添えられていた湯葉といくらの酢の物、漬物、味噌汁を含めなかなかの内容でした。
デザートは、パイナップル、キウイフルーツ、巨峰、オレンジという内容ですが、巨峰を除いて季節感が感じられなかったのは残念。
このことで、質よりも品数、見た目を重視する姿勢があるのではないかと感じられたのはちょっと残念でした。
夕食全体としては、明らかに期待を上回ったのはお造りだけで、後は良くて期待レベルという感じで、この日の食べログのバイオリズムの好調さもあって期待が高かっただけにちょっとがっかりしたのも正直なところです。
おまけに、詳しくは書けませんが、夕食後に予期せぬトラブルがあって、これにはビックリ。
これはもちろん宿のせいではないのですが、がっかり度が増したのは紛れもない事実でした。
もっともトラブルのあった間、宿の方は、若女将を始め、頻繁に報告に来てくれるなど、突発事態に真摯に向き合ってくれていたので、この点は評価したいです。
会計の時にはお詫びということで地元名産のジャムまでいただいてしまいました。
これらの点も含めて忘れられない思い出になったのは事実ですが、いい経験をしたと前向きに捉えることにしたいと思います。
Restaurant name |
Uo han
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Categories | Ryokan、Japanese Cuisine、Seafood |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0465-63-3737 |
Reservation Availability | |
Address |
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上458 |
Transportation |
2,321 meters from Yugawara. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥10,000~¥14,999
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Private dining rooms |
OK |
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Non-smoking/smoking |
− |
Parking lot |
OK |
Food |
Particular about fish |
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Occasion |
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Website |
今回の湯河原へのプチトリップの宿となったこちらでの一夜は、予期せぬトラブルに見舞われたこともあって、ちょっと忘れられない一夜になりました。
夕食は必ずしも大満足というわけでは無かったのですが、温泉は、部屋付き露天風呂と大浴場の両方を楽しみました。
大浴場は露天風呂は無く、結構熱めのお湯(43度くらい?)でしたが、サラリとした湯当たりのお湯で肌がすべすべになる感じ。
部屋付き露天風呂は、こじんまりした風呂ではあるものの、水を入れてちょっと温め(41度くらい)にしてゆったり浸かりました。
夜の風呂はランタンで照らしながらの入浴となり風情満点でしたし、朝風呂では浴槽に虫が浮いていたのもまた一興です。
前夜、トラブルが解消したのは21時半を回っており、それからひと風呂浴びてすぐに眠りに落ちてしまいましたので、夜は何となく悶々とした感じになってしまいましたが、いつものように朝は早起きをして、温泉街を小一時間散策し、朝風呂を楽しんだ後に朝食となります。
こちらの宿の朝食は、チェックイン時に時間とメニューを選べるようになっています。
時間は8時と8時半からのチョイスだったので、8時にしましたが、メニューは干物とサザエのチョイスがあります。
干物はアジ、イボダイ、カマスから一品を選び、サザエはお造りか壺焼きを選びます。
私は、イボダイとお造り、家内はアジと壺焼きにしました。
食事は、夕食も朝食も部屋食で、予約時間の15分くらい前から仲居さんが来て支度をしてくれます。
朝食のラインナップは、魚の干物、サザエ料理、だし巻き卵、サラダ、かまぼこ盛合わせ、きんぴらごぼう、がんもの煮物、漬物、味噌汁、ごはんです。
こちらの旅館は、隣りで干物専門店(ひもの専門店魚判)を営んでおり、そのこだわりもあってか、干物は前記の通り前夜に選択する形をとっているようです。
その干物、私はイボダイでしたが、これは期待通りの逸品。
頭から尻尾まで、骨も含めて丸々食べられ、しかも脂の乗りも素晴らしく、とても美味しかったです。
やはり朝ごはんのお供は魚の干物に限りますね。
サザエのお造りは、朝からこんなもの食べていいのか?という罪悪感がまたいいものです。
量は少量でしたが、コリコリして美味しかったです。
だし巻き卵は、黄色味が強くてなかなか味が濃厚でしたし、自家製ドレッシング付きのサラダは生ハムも乗っていてフレッシュでした。
かまぼこ盛合わせは、青魚のかまぼこを入れてあるところが秀逸で、なかなか美味しかったです。
それから、やはり朝ごはんではごはんが美味しいのが大前提になりますが、こちらのごはん、ふっくら炊かれており、とても美味しかったです。
食後にはコーヒーも出されるので、ゆっくり寛ぐことが出来、朝食としてはかなり満足できる内容だったと思います。
コーヒーブレイクの頃には前夜のトラブルも過去のことと感じられるようになり、まあこれもいい思い出かなと。
ただ、今回の宿泊プランは、2人で税込み54,800円でしたので、建物や諸設備の古さなどを考えると決してコスパが良いとは言えませんでした。
ただ、トイレなどポイントになるところはきちんと手当してあったので、基本的に居心地が悪いということは無かったです。
後で改めて口コミ情報などを眺めてみると、当宿の本当のところが見え隠れしている口コミもあったのですが、ついその口コミを好意的に解釈してしまったところに失敗もあったと思います。
ネット予約では口コミ情報を丹念にチェックしないと期待外れになってしまうことを改めて学習しました。
それはさておき、緊急事態宣言解除後の最初の旅行でしたので、日常の喧騒から逃れて静かな湯河原の地でゆっくり過ごすことが出来ましたので、その点は良かったと思います。