一人食いしん坊の会「京都編その⑤」完全に自分のミスで入店に遅刻、お店へ多大なご迷惑をお掛けし、大変、申し訳ございませんでした!!!
【2020.12.17 初訪問】
昼食後、ホテルの部屋にて、レンタルDVDを鑑賞しながら、時間を潰す。
んー、観光もいいけど、美味しいモノを食べるだけのためのゆっくりした旅行も癒やしがあり楽しいもんだね!
で、そろそろ時間だなー、と思い、京都烏丸口のバス停A3へ。
今回は、自家用車でなく、GoToトラベルでの旅行のため、京都の地理感を覚える事も含め、市バスを多用しようと。
とは言え、京都は数回旅行でしか来た事ないので、不慣れな土地。
事前に、何処からどのバスに乗ればお店に着くのか、調べておいた。
いよいよ市バスが来たので系統を確認し、乗り込んだのだが、、、どうやら山手線のように環状線のようになっており、内回りと外回りがあるみたい。
本来は、左回りが最短なのだが、乗り込んだ市バスは右回りのよう。
まぁ、時間に余裕をもって出たため、気にせずにスマホを触り、翌日、どうしようか?など調べていたが、、、どんどん街中から離れる景色に不安を覚える。
心の中では、アレだけ下調べして出掛けたので間違いはないはず!と自分の行動を肯定し始めるのだが、バス内に響き渡る次の停留所の名前を、市バスの系統図と照らし合わせても、自分が今、何処にいるかさえ分からず。
バスに乗り込んで、一時間近く経った際、余りにも可笑しいので、市バスの運転手さんに、行き先など確認すると、全然方向違い!!
慌てて、此方のお店へ連絡し、遅れてしまう旨をお伝えし、快く気を付けてお越し下さい。とのお優しいお言葉を頂く。
乗っている市バスは、とんでもない場所へいるため、折り返し地点から、最寄りの大きな道路までそのまま乗り続け、千本北大路で降車。
タクシーを捕まえようとするが、帰宅ラッシュのためか、この辺り全然タクシーが走ってない!!
仕方なく、同じ名前ながら別の停留所へ走り、再度、系統を調べ直し&停留所に並んでいた女性にも確認し、ようやく東山安井停留所へ辿り着く。
ここからお店までまた距離があるのよ!泣
急いでお店へ向かうと、なんと店員さん、此方の慌ててる様を知りつつ、とっても丁寧な対応をして頂き、感謝の言葉しかございません。
ご主人に「遅れてすみません。」と謝り、カウンター席に着座。
飲み物メニューから
△生ビール
を注文。
此処から、祇園にしかわの圧倒的な料理劇場の幕開けとなる。
カウンター席には、既に、お盆が置かれており、酒杯と箸も置かれており、食前酒として下記が振舞われた。
⚫︎梅酒
⚫︎こっぺ蟹(せいこ蟹)の蕪蒸し
何度も、せいこ蟹を食べて来たが、なんだろ?蟹の嫌な匂いが全くせず、食欲を掻き立てる良い香りしかしない。
⚫︎熊肉と淀大根と水菜のお椀
いや、まさか!と思う。淀大根の下処理(事前の下茹で)が少し塩味が強いものの、下手に柔らか過ぎず、ちゃんと食感を感じれる歯応えと、やはり熊肉!抜群に旨い!
⚫︎炙り鯖寿司
ちゃんと目の前で、一人ずつに、海苔を炭火で炙り、鮨屋のように手渡ししてくれる。また京都=鯖の棒鮨という概念があるためか、ひとしお旨く感じるんだよね!
⚫︎明石産鯛と根室産雲丹、煎り酒
単なる刺身を此処まで昇華させるか!数年前から煎り酒ブームはあったが、結局、今は、素の醤油に戻りつつある中、今も煎り酒使われてるのを見ると、単なるブームでなく、昔から提供してたんだろうなー、と推測できる。
⚫︎鰤、キャビア、卵黄の醤油漬け、ご飯
これがね、キャビアの塩味が強いので少し塩っぱく感じるが、卵黄の醤油漬けがその塩味をまろやかにしてくれ、且つ、旨味が怒涛に押し寄せて来るの!
しかも、キャビアの量をケチケチせず、かなりの量を乗せてくれてる様に、感謝感激しかなし!笑
⚫︎鰤はらみのハム仕立て
少し薫香もしつつ、魚の良い香りを引き出しながら、旨味も引き出す!みたいな。一見すると、単に魚が干からびただけに見えるが、これどうやって作ってんやろ??
⚫︎焼きすっぽん、すっぽんのスープ
これはね、抜群に旨い!すっぽんの臭みが全くなく、ただただ、すっぽんを焼いた香ばしい香りと甘目のタレにむしゃぶり尽くすだけ。
⚫︎九絵の素揚げと焼いた蕪、黄韮、山椒オイルソース
もうね、どれを食べても洗練されてる。京料理って懐石料理なので、慣わしとか伝統とかを重要視してる部分もあるが、此方のお料理は、伝統を活かしつつ、更に、料理を昇華させようとしてる様を感じ取れるの。
⚫︎あん肝金柑大徳寺納豆、鮪の焼豚風、海鼠と生このこ
あぁ、生のこのこを食べるなんていつ振りだ??日本酒飲みたい!が、遅刻して来た身。急いで周りの皆さんと同じペースになるまで我慢!(ご主人はとても気を遣って頂き、気楽にお過ごし下さい。と仰ってくれてたんだけど、、、ね。)
△白ワイン(グラス)
最初の生ビールもなくなり、流石に、お酒がないと口が寂しくなるので、、、本当は、日本酒を頼みたかったが、白ワインもいいかな?と。
⚫︎唐墨餅
唐墨餅は、何度も食べた事ある品。でも、此方の唐墨餅は、これでもか!ってなほど、唐墨をふんだんに使ってます。
まず炙った餅の上に、擦り砕いた唐墨を目一杯乗るだけ乗せる。
次に、1cm近く分厚く切った唐墨を炭火で炙り、擦り砕いた唐墨の上に乗せ、提供してくれるの。
んー、やはり日本酒飲みたい!笑
⚫︎伊勢海老の具足煮、海老芋コロッケ、白味噌仕立て
伊勢海老って、刺身だと旨いけど、火を通したもので旨い!と思えたのは、志摩観の伊勢海老のスープぐらい。
それがさ、こうすれば旨いよ?ってなお手本みたいな具足煮で、伊勢海老の下処理と火の入れ方も抜群やけど、白味噌と合わせる事により、旨味や香りが何倍にも膨らむのに驚いた!
⚫︎鰻の蒲焼き
⚫︎香の物(胡瓜、柴漬け、べったら、大根)
⚫︎お吸い物
⚫︎にえばな
どれもこれも旨いだけ。既に、お腹いっぱいなのだが、あまりの旨さに、思わず、ご飯をお代わりしてしまった、、、。笑
⚫︎TKG
板前さんより、「お代わり如何ですか?ご飯だけでなく、TKGやちりめんなんかもございますよ?」とのお優しいお言葉に、思わず、「では、TKGをお願いできますか?」と応えてしまった。
⚫︎蕨餅と百合根と餡子の最中、ラフランスのシャーベット、ラフランスのコンポート、バルサミコ酢掛け柿
最後の最後まで手を抜く事なく旨いのねー。京都らしい和菓子の最中(但し、蕨餅を入れて、ヌプヌプした食感もプラス)と、ラフランスの豊かな香りとの相性の良さを活かし、最後に口の中をさっぱりさせるとはね。
⚫︎お抹茶
ご主人自ら抹茶を点てて頂き、心より、リラックスして美味しい食事を頂けました。
何点か塩味が強く感じるものがあったが、総じてどれもこれも素材の使い方や魅せ方など、とても奥が深く、旨かった!!
前回、訪問した京懐石と某料亭とは雲泥の差で、こういうお料理を頂きたい!と、ずっと願ってました。
本当に旨かった!
しかも、単に、料理が旨いかどうかだけでなく、遅刻して来た私をリラックスさせるため、他のお客様との談笑でも、冗談やジョークを交えて会話されてる様は、とても有難かったです。
こういった表面だけとは違う心遣いこそ、本当のサービスじゃないかと。
また是非、此方へ伺いたいと思います。
ご馳走様でした。
Restaurant name |
Nishikawa
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Categories | Japanese Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
075-525-1776 |
Reservation availability |
Reservations available |
Address |
京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町473 |
Transportation |
Near Kodaiji Temple, Yasaka Shrine, and Higashiyamayasui bus stop 775 meters from Gion Shijo. |
Opening hours |
Hours and closed days may change, so please check with the restaurant before visiting. |
Average price |
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999 |
Average price(Based on reviews) |
¥30,000~¥39,999¥15,000~¥19,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX、VISA、Master、Diners) Electronic money Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
昼、夜共サービス料10% |
Number of seats |
27 Seats ( 11 seats at the counter, 1 room for 6 people in a tatami room, 1 room for 10 people at a table) |
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Private rooms |
Available For 2 people、For 4 people、For 6 people、For 8 people 10 people available |
Private use |
Available |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables The seats are non-smoking, but there is a smoking room inside the restaurant with a view of the garden. |
Parking |
Unavailable |
Space/facilities |
Relaxing space,Counter seating,Tatami seats,Horigotatsu seats,Wheelchair access |
Drink |
Sake (Nihonshu),Shochu (Japanese spirits),Wine |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
A house restaurant |
Family friendly |
Private rooms only |
The opening day |
2009.1.22 |
Remarks |
Taking pictures with a mobile phone is OK, but taking pictures with a camera is prohibited. |
【2024.1.26 二回目】
2020年12月のお一人様京都旅行の際、此方での食事が忘れられず、今回のお一人様京都旅行でも、此方ありきで旅行のスケジュールを組む程、非常に楽しみにしていた!
が、先に結論申し上げますと、、、前半から後半直前までの料理は半端なく素晴らしかったものの、後半の数品は、えっ?此れ、同じ料理人が作ったもの?と、頭の中が混乱する程のチグハグさがあり、なんとも言い難い結果に。
前回は、大幅な遅刻により、ご迷惑をお掛けしてしまったが、それでも全てのスタッフさんの素晴らしい接客に此方の負い目が癒されたが、今回は、お店に入っても、どなたのお迎えもなく、奥へ進み、バッタリ会った料理人の方へ声を掛けるものの、以前とは比べものにならない程の接客内容に、とても同じお店とは思えず面食らう。
後に知るが、最近、お店のスタッフがかなり大幅に入れ替えがあったようで、その影響なのかね?(入れ替えの実態は分からず終い。)
席へ案内頂き、まずは飲み物を。
今回は、帰宅後、車に乗る予定があるため、お酒は断念し、ソフトドリンクを。
△釜炒り緑茶IRIKA
〈食前酒〉
△柚子酒
〈先附〉
⚫︎数の子磯部巻き、牛蒡鯛でんぶ松の実射込み・菜の花・唐墨和え
約4年振りに、此方の料理を頂くが、相変わらず、素晴らしいと思える始まりの品やった!
〈椀物〉
⚫︎花びら餅白味噌仕立て
昨年末で終わってしまったNHKドラマ10「大奥 Season2」でも、話題となった〝花びら餅〟。
先日、別のお店で、白味噌仕立ての味噌汁頂いたが、此方の白味噌仕立ての方が一枚も二枚も上手。
△Queen of Blue
〈向附〉
⚫︎キャビア・平目・芽葱・花穂紫蘇和え
キャビアの塩気、平目の淡白な味わい、芽葱の食感、花穂紫蘇の香り、全てが必要であり、これぞ和の真骨頂である引算の美学。
(メニュー記載外)
⚫︎氷見の寒鰤脱水熟成・藁の燻し
簡単に言えば、鰤のハム。
口に入れると、藁の燻した香りが口中に広がる。
△玉露ほうじ茶KAHO
⚫︎河豚ぶつ・白菜・辛味大根・葱 白子ソース
此れも、旨かった!!
食感、辛味、河豚の旨み、白子ソースのふくよかさとねっとり感、全てが計算し尽くされてる感がある。
〈凌ぎ〉
⚫︎鯖寿司
全く魚臭さがなく、これなら魚が苦手な欧米人でも美味しく頂けると思う。
〈温菜〉
⚫︎若竹煮
先日も筍頂いたが、やはり京都のはしりは早いねー。
日本料理の定番である若竹煮であるが、これも抜群に旨かった!
(メニュー記載外)
⚫︎白甘鯛の若狭焼き
京都の魚というと、鯖か甘鯛という印象。
自分的には、甘鯛=松笠焼きという構図が出来上がっているので、出来れば、鱗も上手く焼いて頂ければ、もっと嬉しかったかな。
で、ここ迄は、本当に素晴らしい料理の数々!流石やわー!と感心してたが、この後から、、、首を傾げる料理のオンパレード。
〈焼物〉
⚫︎ローストビーフ、牛しゃぶ、ミニトマトの甘酢漬け、柴漬け入り海老芋サラダ
ローストビーフというより牛ステーキって感じやったかな。自分、牛肉は、サシ(脂)が多いと胸焼けするので、牛しゃぶは一枚残した。
海老芋を使った柴漬け入りのポテトサラダは、自分には合わなかった。
△Foll in Love
〈強肴〉
⚫︎浜茹で蟹の蟹味噌和え・茹で法蓮草、赤貝醤油ジュレ
蟹好きやし、蟹そのものは旨いけど、志向も深みも感じさせない蟹料理やったのが、非常に残念。
また醤油ジュレは、、、塩辛くて食えたもんじゃなかった!高価な赤貝が可哀想に思えた程、残念な料理やった。
〈鉢物〉
⚫︎にしかわ流ブッダジャンピングスープ(佛跳牆)
最近、彼方此方のお店で、佛跳牆(フォーティオチャン)を、無理筋、英語読みした料理名で出すお店増えてるよね。
一年程前は、和食屋さんやフレンチレストランで、突然、春巻ブーム起きてたし、ブッダジャンピングスープも、今、流行りなのかね?
自分、本家本元の佛跳牆は大好きです。
その分、メニューに、この料理を発見した際、喜びと期待感が半端なかったのだが、、、実際、頂いてみると、味が濃過ぎる!
料理って何事もバランスやと思うの。
塩気がキツ過ぎても、素材を殺すし、逆に、薄過ぎても、素材を活かしきれない。
今回の〝にしかわ流〟ブッダジャンピングスープは、鼈、干貝、鱶鰭、鮑、鱈白子、蛤、椎茸、枸杞の実が使われていたが、出汁を吐き出すものばかり使われていたのが原因かと。
料理の文化って、思想と風土が密接に関わっているから、旨いもん掛け合わせたら、超絶旨いもんが出来上がるって訳じゃなあんだな!と、改めて思わせてくれた。
先人が築き上げてきた伝統を守り抜くだけでは、新たな味の発見は出来ないし、その文化は停滞衰退するだけだけなので、自分のような食いしん坊は、その料理人が追い求める独自性を味わいたい欲張りが多い。
文化の垣根を越えて、新たな事に挑戦するのは大歓迎やけど、出来上がったものが、素晴らしいかどうかは、俯瞰な立場で一考して頂きたいかな。
〈御飯物〉
⚫︎にえばな
前回も、にえばな出されたっけ。
△緑茶
⚫︎大和芋鼈甲餡掛け御飯、赤出汁、香の物(胡瓜、すぐき、日野菜)
大和芋と鼈甲(鼈に甲と書いてるから、エンペラ主体なのかな?)の餡掛け御飯、これは旨かった!!
〈水菓子〉
⚫︎苺・キウイ・蜜柑ゼリー、餅入り最中
△御抹茶
御主人が、御抹茶点てている際、お知り合いから譲り受けたらしく、ヴォーヌロマネを使った金平糖「ROMANEE-CONPEITO」を、お裾分けして頂いた。
「弘法も筆の誤り」という諺もあるし、一料理人としてでなく、スタッフの育成やお店の経営等、単に、料理を作るだけではないので、色々あるのかな?と、勝手に推測。
また機会があれば、伺いたいと思います。
ご馳走様でした。