Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Akordu(Akordu)
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Categories | Innovative、Spain |
Phone number (for reservation and inquiry) |
050-5456-4090 |
Reservation Availability |
Reservations Only |
Address |
奈良県奈良市水門町70-1-3-1 |
Transportation |
Approximately 10 minutes walk from Kintetsu Nara Line "Nara Station" Approximately 20 minutes walk from JR Nara Line "Nara Station" 753 meters from Kintetsu Nara. |
Opening hours |
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Budget |
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥10,000~¥14,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX、Diners、VISA、Master) Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
サービス料10% |
Number of seats |
26 Seats ( Dining 20 seats Private dining 6 seats) |
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Maximum party size | 26people(Seating) |
Private dining rooms |
OK For 4 people、For 6 people If you request a private room, 15% service charge |
Private use |
OK For 20-50 people |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Stylish space,Comfortable space,Wide seat,Free Wi-Fi available |
Drink |
Wine,Particular about wine |
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Food |
Particular about vegetable,Particular about fish |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Beautiful scenery,Secluded restaurant,House restaurant |
With children |
Children of junior high school age and older can enter the store. |
Dress code |
*Please refrain from wearing casual clothing such as T-shirts, shorts, sandals, etc. when visiting our store. |
Website | |
The opening day |
2016.12.10 |
Phone Number |
0742-77-2525 |
近鉄奈良駅から登大路を東方向へ歩き、県庁東交差点で左折し(地下通路利用)二つ目の信号、登大路町を右折して少し行くと左側にお屋敷のような門があります。
その門をくぐって通路を入り、奥右側にブルーのドアがあるのでそこがお店の入口となっています。
ブルーのドアの右側に小さく‘akordu’と書かれているのでそれが目印。
平日18時半に予約して伺いました(夜の予約はこの時間のみ)。
入口入って左側のウェイティング・スペースに通され、準備ができるまで待っていると、温かいハーブティーが運ばれて来ました。
レモングラスをベースにしたハーブティーは円やかな飲み口で、夜風に冷えた身体をすうっと解してくれるようでした。
通路を通って右側がオープンキッチンの厨房、左側に広々とした木目を活かしたスペース、そこにテーブルが配置され、壁の下から漏れる柔らかい灯りが間接照明となって空間を浮かび上がらせていました。
テーブルごとに順次案内され、私は厨房に向かって左側のテーブル席に通されました。
広くとった窓からは(夜なのでライトに照らされた部分しか見えませんでしたが)、木々に覆われた自然の景観が楽しめるようになっており、モダンな木のテーブルと椅子はどこか温かみがあって落ち着く空間となっています。
テーブルの上に置かれたスプーンのオブジェが変わっていて目に留まりました。
コースは3種類ありましたが、特に牛肉に拘りがなかったので季節のメニュー(15,950円(サービス料10%別))を事前予約し、ドリンクは搾りたてのみかんジュースを注文しました。
みかんジュース: 奈良産のみかんを使った搾りたてのフレッシュジュースだそうです。
心なしかオレンジ色が濃く感じます。
甘味が非常に濃く、程良い酸味が後から、そして最後に果肉感があります。
ゆっくりいただいたので最後は氷が解けましたが、それでも味が薄まった感じがしなかったほどでした。
テーブルに置かれたカードを一枚ずつホールスタッフがめくっていき(先に見ないよう言われました)、料理が運ばれて来るスタイル。
無月: 丸みを帯びた黒い器の上にのっていた黒い紙をスライドするとスモークが出てきました。
中にはバターナッツかぼちゃのスープが入っています。
スープはオレンジ色で甘く、さらりとしていますがクリーミィーな舌触り。
以前奈良を訪れた際に初めて知った野菜だったので、懐かしくなりました。
パン: 正方形でお店の焼印が上に押されていました。
スペインとイタリアのブレンドのオリーブオイルが一緒に運ばれて来ました。
周囲がしっかり、中がもちっとした食感で、全粒粉らしい素朴な風味があります。
オリーブオイルはとろりと滑らかで、わずかな辛味と苦味があり、パンにつけると香ばしさが際立ちました。
奈良の黒米と焼いたウナギ ハーブグラニテと柑橘のエア: 白いプレートの上にひんやり冷えたグラニテと焼いた穴子が盛り付けられ、緑と赤のソースが印象的な一皿。
(予約時鰻が苦手と伝えていたので穴子に変更していただいたのですが、私的に実はどちらも苦手。。。でも、小さいポーションだったので全く問題ありませんでした。)
穴子は蒲焼のように甘く、少しむっちりとした仕上がりで、下に敷いてあった黒米はプチプチもちもちした食感で楽しかったです。
ハーブのグラニテは苦味があり、柑橘のエスプーマの上にはピンクペッパーがのっています。
酸味と香り、全体として感じる青臭さは後味をさっぱりとさせてくれました。
緑のハーブとキュウリのソースは苦味があって瑞々しく、赤のビーツのソースは甘酸っぱく、そのコントラストが秀逸。
カカオの大地と小芋: 小芋に大和まなの根とフレッシュハーブがトッピングされ、土のように仕上げたカカオとオリーブオイルが敷かれ、ラルドが添えられていました。
淡いグレーの円形のプレート上部に料理が盛り付けられ、余韻を感じさせます。
運ばれて来た瞬間、ハーブの香りがふわっと立ち上がって鮮烈な印象!
素揚げされた小芋はほくっと舌触りが優しく、こちらも素揚げされた大和まなの根は香ばしさの後に苦味がありました。
オリーブオイルで円やかになったカカオの甘味、根の苦味に香り良いハーブの苦味、ラルドの脂と塩味・・・一体となった香りと風味を楽しみました。
宇陀の栗 帆立とオリーブの山並み: 長方形のプレートに焼き色のついた帆立の上に生に近い栗の薄切りがのっていました。
栗は奈良県宇陀産で、山に足を踏み入れた時のような感覚を味わう料理だそうです。
帆立は半生で旨味が凝縮され、オリーブは苦味がしっかり。
栗は硬めでしゃくしゃくした面白い食感で、噛んでいると甘味がじんわりやって来ます。
甘味のあるソースに、オリーブオイルの良い香りが鼻から抜け、深まりゆく秋を感じる一品となっていました。
獣と木の実 秋のオノマトペ: 豚肉の上にスライスした椎茸、スプラウト、エディブルフラワーが綺麗にトッピングされ、ブラウンと白のソースが添えられていました。
ブラウンのソースの端に添えられていたのは榧(かや)の実で、和製アーモンドとも呼ばれ漢方薬としても使われる木の実だそう。
口に含んだときに秋の森の風景を思い描いて欲しい料理とのこと。
運ばれて来るや否やスモークした良い香りが立ち上がってきました!
ブランドポークは柔らかく脂が上質で、スモークした椎茸が香り良く、榧は香ばしく不思議な風味があります。
ブラウンのソースはコーヒー?の風味に甘味と苦味、白いソースは甘味がありました。
柑橘のパスタとエスケシャーダ: 大和橘の果汁を練り込んだパスタの上に解したタラの身と大和まながのり、ハーブがトッピングされ、大和まなのソースが下に敷かれていました。
丸い椀の中の黄色と緑色が非常に鮮やかです。
エスケシャーダはタラの身をほぐしたスペイン料理だそう。
少し平打ちの麺はコシが非常に強く爽やかで、タラの旨味にシャキシャキで瑞々しい大和まながよく合います!
トッピングされたハーブが非常に良い香りで、伺うとタイバジルだそう。
一緒に混ぜて食べると和の味になると仰っていましたが、私はもっと香り高く違った印象を持ちました。
青い旨味と魚 秋茄子とサザエ: 兵庫産のスズキに奈良産のニラのソースを合わせ、下に秋茄子が敷かれ、サザエが添えられていました。
緑色のソースが白いプレートに見事に映えます。
スズキは皮目が香ばしく、厚みのある身はむっちりとして、火加減と塩加減が絶妙。
茄子はとろりと柔らかく焼け焦げた風味がのり、サザエはコリコリした食感。
ニラのソースはとろりと滑らかな舌触りながらニラの風味と辛味もしっかり残っていて、スズキの旨味を不思議に際立たせていました。
大和肉鶏のコンフィタード ハーブとトンカ豆のコンソメ: 盛りつけられた鶏肉、冬瓜、イチジクに、目の前でコンソメスープが注がれて供されました。
行き去った夏を感じる料理だそうです。
鶏肉は皮目がパリッと香ばしく、柔らかい肉から旨味がしっかり感じられます。
冬瓜はシャキシャキした食感で、フライにされたイチジクは果肉がとろりとして青臭さもある独特な香りが口に広がります。
フレッシュハーブとトンカ豆のコンソメスープは後味にわずかに苦味があり、素材の味を際立たせつつさっぱりといただくことができました。
奈良のケソ: 奈良県にあるラッテたかまつの酒蔵の酒酵母を使用したカマンベールチーズに胡桃を合わせ、宇陀産のブルーベリーソースがかけてありました。
ケソとはスペイン語でチーズの意味。
カマンベールチーズは程良い塩味でほろ苦さもあり、ハチミツの入ったブルーベリーソースのせいか胡桃が軽い味わいに感じました。
ミカンと大宇陀のサフラン 甘い雪: ミカンの上に雪に見立てたココナッツがのっていました。
甘味の強いミカンと果肉感あるパイナップルを、クリーミィーなココナッツが淡雪で包み込むようにふわっと口解けします。
アコルドゥ ティラミス 分解再構築: 2種類のクリームの上にエスプレッソのメレンゲがのり、エスプレッソソースが敷かれ、ココアパウダーがかけられていました。
マスカルポーネを使わず卵だけで作ったティラミスで、一度分解したものを組み立て直す料理だそう。
サクサクと軽いエスプレッソのメレンゲ、酸味あるチーズ風味のクリーム、洋酒が効いた濃厚なクリーム、苦味あるエスプレッソソースを一緒にいただくと確かにティラミスに!
滑らかで口解け良くこっくりしたクリームの甘さにしっかりとコーヒーの苦味を合わせ、香り高い大人味のティラミスになっていました。
和紅茶: デザートの前に、やぶきたの煎茶、“月光”という名のほうじ茶、月ヶ瀬の和紅茶の3種類の中からドリンクが選べるとご紹介がありました。
ネーミングが素敵だったのでほうじ茶も気になったのですが、和紅茶が一番人気とのことでスタッフからのお勧めもありそちらを。
スペインのお菓子ポルボロンと共に供されました。
口の中で崩れないうちに、「ポルボロン」を3回唱えられたら幸せになれるという言い伝えがあるそうです。
茶水は通常の紅茶より薄く、すっきりとした苦味があり、香りが後からやって来ます。
ポルボロンは周囲が粉で包まれ、ナッツのような香ばしさがありほろほろと崩れるような不思議な食感でした。
最初のスープから最後のお茶まで、鮮烈な色、香り、食感、味・・・五感で楽しむお料理だったような気がします。
計10皿以上と少しずつのポーションでも素材の一つ一つに拘り、一番良い方法で昇華させた料理の数々でした。
色合いや盛り付けはシンプルですが印象に残る色使い、料理が運ばれて来た瞬間から香り立つ、あるいはいただいているときに感じた香りはとても深く、食材や料理に合わせた食感は絶妙でした。
最も印象に残ったのは、苦味やややクセの強い香りをあえて残し旨味として転化させていたこと。
料理名とシェフが料理に込めた思いを想像するに、彼はアーティストなのではないかと思った次第。
一枚一枚トランプをめくっていくような演出も次の料理を待つ楽しさと高揚感に繋がり、料理の提供と説明も淀みなく丁寧でした。
普段あまりいただく機会のない食材を味わえ、奈良独自の食材や野菜が多かったことも個人的にとても嬉しかったです。
当日は4組程と比較的空いていたのでよりゆったりとした時間の流れを体感することができました。
料理が一通り終わってみたら既に21時を回り、予約時間が18時半開始のみということも納得できました。
お値段的にそう頻繁にいただける金額ではありませんが、何か特別な記念日やデート、接待に最適なお店。
アコルドゥとはバスク語で“記憶”の意。奈良にアコルドゥあり。
又機会があれば是非とも再訪して川島シェフの世界に浸りたいものです。