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耳を澄まして静けさの中から奏でられる真摯な調べを聞いてるかの様な淡麗な秋味を頂きました。 : Τρεῖς

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Τρεῖς

(トレイス)
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4.5

¥40,000~¥49,999per head
  • Cuisine/Taste4.8
  • Service4.6
  • Atmosphere4.6
  • Cost performance4.0
  • Liquor/Drinks4.4
2023/10Visitation3th

4.5

  • Cuisine/Taste4.8
  • Service4.6
  • Atmosphere4.6
  • Cost performance4.0
  • Liquor/Drinks4.4
JPY 40,000~JPY 49,999per head

耳を澄まして静けさの中から奏でられる真摯な調べを聞いてるかの様な淡麗な秋味を頂きました。

■訪問日:2023.10.6(金)18時〜21時10分

■予約:会員向けサイトにて

■お料理:お任せ¥25,000税込
ペアリング含むお会計¥43,725税込

本当に一品一品の味覚が研ぎ澄まされ
極上かつ繊細に磨かれた逸品の数々。

河島シェフの素材の味や香りを如何に
扱い真摯にその持ち味を引き出すかに
取り組んで極めている姿勢には感嘆を
覚えて感極まりました。

■ 本日のお料理 ■

①枝豆のスープ

最初のお飲みものの定番的な調理の技もの
どの様な季節の素材を使いスープにするか
素材自体は余り重要では無くどんな素材を
使おうが平常心でシンプルに塩と水だけで
素材を濾したものと合わせて極上スープに
仕立て上げる潔さの固まりみたいな旨味の
エキスだけを抽出した温かいお飲み物です。

シンプルに枝豆と塩とお水だけでお作りの
味わい深く気品溢れる枝豆スープです。
身も皮も全部の枝豆エレメントを包含して
ミキシングを施した枝豆の濃厚なスープに
変貌を遂げております。

お椀を両手でゆるりと持ち上げ枝豆スープを
唇に触れて温かみを感じながらお口に含むと
胃に染み染みジワァンと温感が伝わって行き
舌からは飲み込む度にまったり感が着地して
円やかな舌触りにうっとりとしてしまいます。

河島シェフとしては
皮と身と両方を酷使して濾してこそ枝豆の
本来の味を楽しめるのでは無いかとの発想
そして結果をきちんと出している心意気に
感謝したくなります。

そうしたお考えに基づいて作られたスープ
濃度もコクも甘味もレベチの品質を誇って
枝豆の甘味が正当に凝縮されて鮮やかさが
くっきり浮かび上がり濃厚なのにサラサラ
これぞ枝豆純正スープと言えると思います。

②塩フォアグラとパン

またぞろ鳥インフルの影響により仏蘭西から
生フォアグラは輸入禁止となり手に入り難く
この環境が暫くは続きそうとの事、付いては
河島シェフは冷凍フォアグラを使用する故に
たくさん買えるだけ買い込んだ様です。

さて、お料理の方は
定番の一品であり素材ポテンシャルを
完全に100%引き出している完成度の
高きお料理で崇高な迄にフォアグラを
美しく味わえる状態に昇華させた作品。

本当はシェフのお気持ちですとパン等
何も加えずにフォアグラだけを単純に
味わって頂きたいそうです。
偶々お客様のご要望でパンを加えた所
これが好評であった為に継続となって
塩だけでマリネしたフォアグラ自体を
トーストパンに乗せる事にした様です。

フォアグラからは耽美なる甘味が
舌を酔わせて仕舞うほどの濃厚な
味覚を放つ素材な為に香りの強い
スパイスや甘味濃いリキュールで
マリネしたりする事が多いもの。
其れは本来フォアグラは内臓系の
食材なので血の成分が回り匂ひ等
残した状態のものでの調理が多い。

故に元来フォアグラは内臓系の食物ですし
従って血の成分が染み付いてるものなので
それなりに生臭かったり地の匂ひが残って
その嫌味を打ち消す為にリキュールの甘味
或いはスパイスの刺激等を纏わせて調整し
舌をある程度誤魔化せるカタチを取るもの
と言う事だそうです。

然し本日のフォアグラに関しては殆ど血が
回って無い状態のものに塩だけでマリネし
味も肉感も整えての一品となってます。

是非、フォアグラの本来の味覚を存分に
楽しんで下さい、とのお話でした。

トーストの上に艶めかしくキラ〜ンと
テカテカ光るフォアグラが3枚付けで
どっしりと乗せられております。
見るからに艶めかしい色素を放たれて
欲望を唆って来るフォアグラ様です。

その塩フォアグラとパンを先端より歯を
沈めながら齧って行きます。
んん、艶やかでマイルドな舌触りに驚く
一瞬冷やッと冷感が走るも人肌の温感で
直ぐに身溶けが始まり肉肌の円やかさが
舌にトロンと寄せて来て陶酔感を呼んで
虜になってしまいますね。
艶かしさのトーンが基調高く伸びて行き
正にこれぞフォアグラの醍醐味かと言う
香りと味わいが品格を持った深みを与え
もう、正にトロトロ〜ンと舌が意識せず
極自然に耽美な味わいが口溶けする中で
口腔内の空間に芳醇な味覚が充満します。
フォアグラの本来の耽美で深い味わいを
感じつつお供のパンの甘味酸味と抜群の
一体感を自然に形作っている一品に感動
あっという間に目眩いを起こす程快感に
惹き込まれてしまいました。

③キノコのフラン

○占地
○エリンギ
○舞茸
□松茸

言わば茸でお出汁を引いた洋風茶碗蒸し
茶碗蒸しと言いつつ卵黄は使わず卵白を
活用した茶碗蒸し風フランなのである。

占地、エリンギ、舞茸、松茸の4種類の茸
此等の茸をミキシングして一度ミンチ状に
してからお水を加えて沸騰させて沸騰した
瞬間に直ぐに濾してお出汁を取って濾した
お出汁を半分くらいになる迄煮詰めてから
卵白だけ加えて蒸し上げてます。
此処で大切なのは
沸騰させて直ぐにお出汁を取ることにより
茸たちの嫌味や苦味などが写るのを防いで
無垢なうま味を抽出する事が出来るとの事
要は
短時間でお出汁を取っているのでキノコが
本来持っている苦味や嫌味とエグ味の様な
匂ひとか要素が出汁に一切付かない無垢な
キノコのお出汁を作り上げる事が出来ます。
更に
此処でシェフが拘ってる点が有りお出汁に
卵黄を入れてないと言う所だと思います。
このキノコの茶碗蒸しに卵黄使わずなのは
あくまで主役はキノコなので卵黄を使うと
勝ってしまいキノコの旨味もコクも負けて
脇役になるので卵黄は敢えて使わずのまま
キノコの香りや味があくまで主役となる様
卵白だけの茶碗蒸しに仕立ててます。

茶碗蒸しと言うと外観上は玉蒸色に染まり
黄色っぽい色合いの玉地を思い起こします。
この茶碗蒸しは純白のキノコスープと言う
感じでスープに卵白で少しだけプリン的な
弾力を持たせて舌への滞在時間を伸ばして
スープ寄りから少し距離を置いてるだけの
上質で品の良い蒸し物のお料理と言う感じ。
なので然程茶碗蒸しと言う食感とは異なり
その様な卵黄を感じる的なものから離れて
キノコポタージュみたいなプリン仕立ての
不思議な第一印象を受けるお料理なのです。

キノコの茶碗蒸しをお口に含んでみますと
舞茸の酵素の働きで解けるような口溶けが
生まれて其処からは穢れの無い全く無垢な
キノコ達の良い所だけを抽出したエキスの
旨味とキノコの芳しい匂ひ立ちとが交差し
柔らかく穏やかな丸みが口の中で膨らんで
その芳醇さと膨よかさで口内を満たします。
そして茸の風に囁かれて透き通る様な松茸
その味わいの奥行きの広がりと香りに舌が
感銘して仕舞います。
暫し呆然とし乍ら少しずつスプーンで掬い
じっくりと舌へのキノコのうま味の滞在を
楽しみながら秋味の喜びを頂きました。

④ランプ肉のタルタル

佐賀県にあるカテクオーレと言う拘りの
レストランで飼育された牛のランプ肉を
細かく刻んで塩と沸騰したお湯を足して
作ったタルタル仕立ての一品

伊万里牛として大人になる前のものにて
成牛直前の16ヶ月の牛を偶々頂く事が
出来たので使われたそうです。
中々巡り会えない逸品である事は確かで
仔牛らしさも有り成牛の熟成感も含まれ
お肉としての秀逸な身質感が満喫出来る

タルタルをお口に含みますと何かソフトな
肉感との触れ合いに艶かしさを覚え肉肌の
お淑やかさが伴う柔らか味にも感銘を覚え
咀嚼を進めるとお肉自身の旨味は意外にも
サラリとしており口内で優しくふんわりと
着地する
その上旨味はじんわりと舌に馴染んできて
実に無垢なお肉の美味しさに惚れ惚れする
噛むと言うより舐め尽くしたくなる食感と
ほんのり浮かび上がる温かい甘味には舌が
懐いて上手い具合に甘く肉感が浸透する

肉感のまったりさと舌に絡むタルタルとの
エレガントな絡み具合に舌が翻弄されつつ
実に優雅な旨味が舌を訪れ満足度MAXに
到達する快楽を齎しておりました。

⑤KFP(河島フライドピジョン)

所謂KFCを捩った遊び心旺盛なトレイスの
名物料理の一品で河島シェフが手でKFPの
円筒ボックスを抱えてるお姿が有名ですが
その格好をお客様全員の目の前で披露して
暫し撮影タイムとなって仕舞うユニークな
お食事のひと時を頂きます。

そしてこの鳩料理にも河島流拘りの技術が
ふんだんに詰め込まれており舌が感動です。

鳩肉をローストする料理は皮目をしっかり
焼いて肉に留まった熱量を落ち着かせる為
1時間ほど焼いた後に寝かせるとの事です。
そうしてしまうと熱は落ち着きますが逆に
旨味成分の肉汁も垂れ流しとなってしまい
折角の美味しさが逃げてしまうと河島氏は
考えられた様です。

そこで考案したのが此方の料理と言う事で
鳩胸肉を生の状態から揚げでやるのですが
揚げるお時間はほんの5分ほどと言うので
此れには吃驚です。
その5分間だけでローストと同じ肉質感の
ミディアムレアに仕上がり鳩からの肉汁も
逃さずに揚げ衣の中で閉じ込められて外に
零れて行かず鳩肉と一緒に旨味を伸ばして
相乗効果が得られると言う成果に繋がって
この方法が鳩肉の料理の一番の美味しさを
引き出す方法なのではと思い至った様です。

更に感心してしまった事はシェフが両手で
抱えてますKFPの円柱のケースは本物の
KFCのもので広尾駅近くのお店にて購入
勿論中身のチキンも頂いてるとの事でした。
KFCへのリスペクトを欠かさず食事して
その空き箱を有効活用しているスタンスに
敬服しちゃいます。

そんなシェフのお話を面白く聞かせて頂き
眼前に控えし熱々のKFPを手で掴みつつ
一瞬アチチッとなるもガブリと噛みついて
グッと迫る熱々ジューシィな肉感を頂く。
齧った瞬間にガリッと揚げ衣が歯に当たり
抵抗を見せるも其の儘ザクッと噛み進むと
堪らない破砕感が歯を通じてvividに震え
咀嚼の勢いを俄然促して来ます。

齧った途端に鳩肉は血湧き肉躍る旨味が漲り
瑞々しいくらいのジューシィさで肉汁が踊り
力強く肉肉しさを口内に投げ掛けて来ます。

噛めば噛むほど柔和な身肉は歯と触れ合うと
鳩の繊維が優しく解けてシルキー感が芽生え
ストレスフリーの心地よい食感が広がります。
更には肉感から広がる無垢なテクスチャーと
純度高く旨味優雅に踊る鳩肉の味わいが交差
肉肌への一ロー噛みが舌を翻弄し惑わす。

堪らなく欲望が渦を巻き次の咀嚼を獰猛にも
促して仕舞う極上の肉感と肉汁を浴びせられ
胸肉の柔らか味と共に訪れるクリアな美味は
感動もので咀嚼を止めたくなくなります。

そして揚げ衣に潜ませたスパイスの刺激が
心憎い味覚の演出で鳩肉の旨味をキュンと
締めつける様に鳩胸肉の旨味の輪郭を鋭く
抉り出してクリアな美味さに整えて鳩肉の
美味しさをギュ〜ッと詰めて深掘りし乍ら
際立たせておりました。

鳩の胸肉が保有する一切旨味を逃すまいと
覚悟をしたお料理へと具現化し何処までも
ストレートに味覚を追求し続けてる鳩肉の
料理の逞しさに拍手喝采でした。

⑥蕪

2時間かけてローストした蕪だけの料理
河島シェフのお料理には単一の素材から
持ち味を極限に引き出して素材の持てる
ポテンシャルを心ゆくまで味わうと言う
カタチを取るお皿が度々登場します。
季節によって素材は変わりますが比較的
定番としてレタスだったり玉蜀黍くらい
何時も素材が一番美味しくなる様に準備
そして
私たちの舌を喜ばせて頂いてます。

本日の蕪のお料理も蕪をローストしてます。
故に蕪をまたミキシングして甘いスープに?
でもするのかなと推察してましたら全然外れ
蕪自体では無く何と蕪の本分は葉っぱに有り
とばかりに葉っぱが主役のお料理を頂きます。

シェフのお考えでは

蕪自体は根っこなので土の中から養分や水分を
吸い取って葉っぱに送る役割であるという事を
考えた時に蕪の主役は葉っぱなのでは無いかと
推察して作った一品になります。

ローストした蕪の方はオリーブオイルを足し
少しのお塩を振るだけで味を整えてます。

このお料理の主役はあくまで葉っぱであると
言うお考えの元
蕪の葉っぱをピューレ状にしてソースとして
綺麗なグリーンでお皿を染めてます。
一口スプーンで掬って葉っぱのソースを含む
んん〜、凄ぇ青みが濃厚かつ優しい味わいで
この葉っぱのおソースが絶品な味覚を呈して
舌に極上の感動を与えて来ております。
コレは素晴らしい!
葉っぱに繋がる茎の部位も柔らか〜く解けて
歯にシャクッと繊維感を残しつつ甘味と苦味
入り混じる美味さが絶妙に広がるしソースも
実に鮮度に優れた菜っ葉の様な緑のうま味が
舌にジンワリと浸透して来て鮮烈な葉っぱの
味を舌に残して行きます。
全く雑味無く葉っぱらしさが滲み出る甘味と
苦味の調和が完成されていて蕪本体は脇役と
なってしまい葉っぱの方に寄り添う脇役にて
終始葉っぱのお供となっておりました。

⑦プレサレのコンソメ

フランスのモン・サン・ミシェルで育まれた羊
誉高きプレサレの羊をどの様に調理されるのか
興味津々で有ります。

昨年までは手に入らなかったものが今年から
手に入る様になったとの事で早速実践投入し
河島メニューへ参上となりました。

プレサレの仔羊肉を骨から切り離し脂身や皮を
取り除いた身肉だけの部位にお水を足してから
ミキシング致しますと綺麗なピンク色の液体が
ドロっとした状態で出来がります。
そのペースト状になったプレサレを丁寧に濾し
スープに仕立て上げてます。

お出汁は短時間で取れるものの香りがやはり
逃げてしまうので、其処で焼いた骨を入れて
骨の香りを移してやるとローストした羊肉の
肉汁に近いものにうま味が高まるのではとの
お考えで焼いた骨をポチャンとカップの中に
注いで頂きます。

嬉しいおまけが有って小骨には焼かれた肉片が
少しだけ剥がれずにへばりついてて
カリッとした肉感と共に香ばしく旨味が溢れて
齧って引っ剥がすと実に美味い!
スープの合間にコリッと骨を齧って食べるのは
ほんの少しだが肉の旨味も味わえる事が出来て
小さな喜びを味わえて嬉しい。

嫌味も雑味も全く感じないラムの澄んだ香りと
お口に含むと肉からは雑味を取り除いたような
そしてシンプルにミネラル感が馴染んだ旨味の
スープがパッと口内を浸して行きフハァ〜ッと
溜息が出てしまうので有ります。

⑧お米のリゾット

秋に入って新米が美味しい季節です。
その新米でリゾットのご用意ですね。
このリゾットが琴線に触れる本日の白眉!
お米とお水とお塩だけで作ったリゾットは
最高の日本のご馳走と改めて痛感します。
因みにお米は高知の香り米を使われてます。

河島シェフ曰く

リゾットと言うイタリア語はお米の料理
と言う意味の言葉なのでその名の通りに
お米の味がするリゾットを作りたいとの
思いからこのお料理に行き着いたらしい。

では、お米の味とは何かを探究した時に
お米をホクホクに炊いて甘味が立つ事が
先に思いついくが甘さと言うのは砂糖を
加えて仕舞えば良い訳でお米本来の味と
違うのではないかと考えられて其れ以外
お米らしい味は何かと考えた時にやはり
お米の香りなのでは無いかと思い至って
その香りをお米から如何に引き出しつつ
活かし切るのかと言うリゾットにしたい
と思われた様です。

此処でリゾットを作った時のポイントは
何だったかと言う事を思い起こしますと
鍋の中に油を引いて其処にお米を入れて
炒めてから魚介類等のお出汁を足し乍ら
沸騰させて蒸発させて行く中でお米へと
出汁の旨味を染み込ませると言う過程を
通して作りますが蓋をしないので湯気と
一緒に香りは逃げて行く事になります。

其処で河島シェフの場合はお鍋には蓋を
して湯気や蒸気が逃げない様にして香り
諸共リゾットの中に閉じ込める様にして
香りを鍋の中で対流させる施し方にして
香りを大切にリゾットに吸わせるものに
されておられます。

リゾットがお口に入る時に一番ベストな
状態でお米の香りが舞う様に仕上げてて
確かにお米感の存在がくっきりと浮かび
リゾットをスプーンで掬い上げ啜る度に
お米の香りがプワぁンと芳しく立ち昇る。

更にジワッと舌に染み入るリゾットから
仄かに底味が浮き上がり甘味を引き立て
クリアで麗しい美味が舌に舞い降ります。

その美味しさに舌を委ねながら恍惚感に
暫し浸っておりました。

⑨松茸のスープパスタ

□カナダ産の松茸
□パスタ

松茸が国内産が今年未だ入手困難との事
カナダ産松茸は見た目かなり白っぽくて
肉厚な感じで香りは国産松茸に近いので
カナダ産を本日はご使用との事。
来週から国内産を使われるそうで少しね
タイミングが外れましたね、とのお話し。

さて、お料理ですが
温かい松茸スープにパスタ麺のご用意です。

カナダ産の松茸を河島シェフが
パカッとカットしていきます。
コロは全くキズのカケラも無く
純白な身がとても美しいです。

カットされた松茸のコロや蕾の細切りは
カットした途端に気高い匂ひがプワァン
と立ち上がり気分が高揚しちゃいますね。

その松茸のカットをミキシングした後の
松茸スムージーを見せて頂くと真っ白な
液体となって眼前に登場します。
その松茸スムージーを肌理細やかに濾し
松茸のうま味が漂う無垢なスープに施し
其処にパスタを投じてます。

白湯スープみたいに美しさが溢れている
白濁のスープの輝きにも見惚れながらも
シェフ曰く
狙いはもっと透明な濃し方にする予定で
カナダ産を扱うのも初めてとの事なので
ミキシングと水分量の割合が少し異なり
予想とは違って白濁してしまいましたと
申し訳なさそうに仰っておられました。
河島シェフでもそう言う事があるのかと
少し驚きとそれでも挑み続ける姿勢とに
感心致します。

そしてスープを一口含んでみるとですね
もう夢心地の食感と香りと甘さと優しさ
此等の素敵な味覚エレメントたちが集い
互いに寄り添い乍ら崇高なうま味を作り
松茸スープの味わいを昇華させています。

口内に入った途端に旨味エキスと香りが
舌にvividに響き渡り美味炸裂し乍ら
パスタ麺に絶妙な絡みを見せてパスタの
味を慈しみ育ててるかの様に膨らませて
舌が必死にその味わいを受け止めようと
奔走しておりました。
然るに松茸スープパスタはすばしっこく
ツルツル〜ッと口内を素通りし駆け抜け
あっという間に旨味を散乱させて消えて
儚さを漂わせながら気高く余韻を残して
行きました。

⑩メイン料理

○山口県 見蘭牛イチボのロースト
○藻塩

ソテーしてる時からバターが溶ける時の
芳しい匂ひがカウンター越しまで飛んで
とってもうっとちゃいました。

皮目はパリッとフライパンでソテーして
赤身の部位はやんわりとローストしつつ
肉感も旨味もギュゥッと詰めて火を入れ
繊細な肉質かつ大胆な旨味を同居させる
そんな火入れを施された技もののイチボ

お肉を咀嚼すると肉汁も勿論いいのですが
脂質がしっとりと穏やかに大人しい感じで
とてと優雅な旨味を醸し出してます。

肉感の柔らかさも飛び抜けて居ます。
ホルスタイン同士で掛け合わせてる牛の為
身質にブレが無いのでこう言う焼き方でも
柔らかみが全くブレず均整の取れた身質に
なる様です。
そのソフトなタッチ断面の舌との触れ合い
正にシルキーなくらい滑らかかつ艶やかな
舌触りに溺れちゃいますね。

本日のメイン料理となります。
山口県の見蘭牛いちぼを炭火でじっくりと
6時間掛けてローストし適度に水分が抜け
ロゼ色の赤身の塊から芽生える旨味が凝縮
見るからに綺麗な繊維質が微塵の乱れ無く
美しさを誇り脂汗がしっとり浮き上がって
舌を誘惑して来ています。

見ているだけでも涎が出て来てしまい舌が
物凄く疼いて来て喉に渇きを覚えて仕舞う。

一応頂く前に肉感を確かめに行きます。
フォークでイチボを刺しますとプヨンと
跳ね返りその辺にナイフを入れてみると
フワッと自重で沈んでって仕舞う感じの
柔らかさと膨よかさが同居する身質感を
浮き上がらせて来ており肉片をナイフで
グサッとカットすると肉肌に吸い込まれ
ナイフからのカットとの触れ合いだけで
肉片がフワリと肉塊から剥がれて来ます。

カットしたイチボの肉片を噛むと肉塊の
繊維に乱れとか歪み等が一切無く肉感の
膨よかさが明瞭に感じられる噛み心地に
舌がうっとりしてしまってます。
一口噛んだだけで訪れる滑らかな舌触り
イチボの肉の柔らかさとプリッと揺れる
弾力感に舌が虜になって仕舞います。

其の儘咀嚼を重ねると歯にプルンと反発し
圧巻の肉肉しさにどんどん誘われながらも
イチボを噛むと肉の繊維の隙間から溢れる
旨味豊富な肉汁が口内に零れてジュワ〜ッ
力強い旨味が放たれ肉汁の脂から浮き出る
甘味とがイチボ肉の美味しさをグワァッと
炸裂させて見蘭牛イチボの醍醐味を味わう。

その肉片を口に含んだ瞬間に迸る旨みと
肉汁がジュワワァンと滴り落ちつつ舌を
肉の甘味で染め出して来て咀嚼する度に
ジュワッジュワッと美味が唸りだします。
もう、堪らなく美味しく咀嚼が俄然進み
止まらなくなります。

このダイナミックかつエレガントな肉の
円舞だけが見せる見蘭牛と言う高品位な
肉質の成せる極上の味わいなのかと感動。
この圧倒的な美味を咀嚼する事の喜びに
舌が狼狽えるばかりでした。

此処で

デザートに入る前に食後のお飲み物の確認
珈琲と黒豆茶の用意が有り珈琲をチョイス

⑪デザート-1

□牛乳アイス

牛乳とお砂糖だけで作ったアイスです。
フレッシュで軽やかな美味しい甘さが
滑らかに広がってスゥッと口溶けして
美味し過ぎて食べ疲れしない飽きない
まさに食後のデザートに最適な甘味。

□ポリのオログロッパで味変します。

チョットしたアイスへのアクセントが
甘味を深めてました。

⑫デザート-2

□プリン

50分ほどかけてゆっくり焼いて。
キャラメリーゼ側の苦甘さと卵からの
柔らかな甘味との共演を堪能する一品。
まるで卵豆腐感覚で食べれちゃう
舌を途轍も無く蠱惑するプルンな逸品。

⑬デザート-3

□月に一度だけ作っているチーズケーキ

本日はその貴重な一回に偶然出逢えて
嬉しい日となりました。
トリュフシーズンに提供するケーキを
月一回練習されるそうでそのケーキと
なります。

これが素晴らし過ぎて良かった。
チーズ感がまったりと言えども
舌触りはしっとり落ち着いてて
甘味も優雅に品の良さが伝わる
レアなチーズケーキでした。

2023/07Visitation2th

4.6

  • Cuisine/Taste4.8
  • Service4.8
  • Atmosphere4.8
  • Cost performance4.2
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 30,000~JPY 39,999per head

突き抜ける素材感と何処までも昇華させようとする河島理論で妥協を許さないお料理

■訪問日:2023.7.28(金)18時〜20時40

■予約:会員向けサイトにて

■お料理:お任せ¥25,000
ペアリング含むお会計¥39,050

本当に一品一品の味覚が研ぎ澄まされ
極上かつ繊細に磨かれた逸品の数々。

河島シェフの素材の味や香りを如何に
扱い真摯にその持ち味を引き出すかに
取り組んで極めている姿勢には感嘆を
覚えて感極まりました。

■ 本日のお料理 ■

①玉蜀黍のスープ

焼き立ての玉蜀黍の皮付き少し焦げ目の
狐色が見える状態のものをプレゼンです。
その目の前で見させて頂いてる現物にて
調理を進めて行きますと言う潔さを感じ
調理前の素材をプレゼンテーションして
その素材感を如何に再構築して河島流に
素材の持つ本来のモーテイベーションを
活かすかと言う意味合いを考えて創作し
その素材の生き様を見せつけてくれます。

シェフのお考えでは
玉蜀黍からお出汁を取って甘味と旨味で
スープにしても100%引き出せる訳では
無いので、そうであれば玉蜀黍を丸ごと
全部使ってしまった方が良いだろうとの
事で皮だけ剥いた玉蜀黍を芯まで含んで
潰して濾してスープに仕立てております。

玉蜀黍の芯も一緒に丸毎ミキシングして
玉蜀黍の甘味は勿論のこと旨味や土臭さ
玉蜀黍に含まれてる要素を全部引き出す

ただ単に糖度を出した甘味だけではなく
大地の香りや土臭さなどを伴う奥行きが
感じられる旨味へと昇華させる味わいを
作り出しているスープの抽出なのです。
そうして抽出したスープほ塩と水だけを
使い外連味の無い無垢な旨味に仕上げた
スープとなっております。

玉蜀黍スープを飲む際には

両手でスープの入っているお碗を抱えて
顔を近付け直接唇を触れてグッと飲む様
ご指導が入ります。
そうする事のより一層香りが籠り匂ひを
ダイレクトに出来るだけ逃がさず流れず
色濃く味わえるカタチ取れるからとの事
なのでスプーンの用意は敢えて無しです。

お言葉に従いお顔を近づけて啜りますと
漂う香りから既にもう甘くて口に含むと
糖度の高さをほこる甘味と舌触り優雅に
まったりとしたスープが舌をなぞる様に
迫って来ます。
口内で青い香りが奥行きのある味わいで
旨味を感じ綺麗で印象的な余韻を残して
飲み干してしまうのが怖いくらいです。

とても玉蜀黍のピュア度が鮮烈に走って
持てる物全てを引き出したスープでした。

②塩フォアグラとパン

定番の一品です。

塩だけでマリネしたフォアグラを
トーストパンに乗せました。
フォアグラと一緒に楽しむお料理。

フォアグラ自体が耽美なる甘味が
舌を酔わせて仕舞うほどの濃厚な
味覚を放つ素材な為に香りの強い
スパイスや甘味濃いリキュールで
マリネしたりする事が多いもの
其れは本来フォアグラは内臓系の
食材なので血の成分が回り匂ひ等
残した状態のもので調理となる
その強味を消す為にも濃度の高い
リキュール等を合わせたりします。

さて、元来フォアグラは内臓系の食物です。
従って血の成分が染み付いてるものなので
それなりに生臭かったり地の匂ひが残って
その嫌味を打ち消す為にリキュールの甘味
或いはスパイスの刺激等を纏わせて調整し
舌をある程度誤魔化せるカタチを取るもの
と言う事だそうです。
然し本日のフォアグラに関しては殆ど血が
回って無い状態のものに塩だけでマリネし
味も肉感も整えた一品となってます。

是非、フォアグラの本来の味覚を
楽しんで下さい、とのお話でした。

トーストの上に艶めかしくキラ〜ンと
テカテカ光るフォアグラが3枚付けで
どっしりと乗せられております。
見るからに艶めかしい色素を放たれて
欲望を唆って来るフォアグラ様です。

その塩フォアグラのパンを先端より歯を
沈めながら齧って行きます。
んん、艶やかでマイルドな舌触りに驚く
一瞬冷やッと冷感が走るも人肌の温感で
直ぐに身溶けが始まり肉肌の円やかさが
舌にトロンと寄せて来て陶酔感を呼んで
虜になってしまいますね。
艶かしさのトーンが基調高く伸びて行き
正にこれぞフォアグラの醍醐味かと言う
香りと味わいが品格を持った深みを与え
もう、正にトロトロ〜ンと舌が意識せず
極自然に耽美な味わいが口溶けする中で
口腔内の空間に芳醇な味覚が充満します。
フォアグラの本来の耽美で深い味わいを
感じつつお供のパンの甘味酸味と抜群の
一体感を自然に形作っている一品に感動
あっという間に目眩いを起こす程快感に
惹き込まれてしまいました。

③キノコの茶碗蒸し

○占地
○エリンギ
○舞茸

占地、エリンギ、舞茸の3種類のキノコを
一度ミンチ状にしてお水を加えて沸騰させ
沸騰した瞬間に直ぐに濾して濾した出汁を
半分くらいになる迄煮詰めてから卵白だけ
加えて蒸しあげてます。
短時間でお出汁を取っているのでキノコが
本来持っている苦味や嫌味とエグ味の様な
匂ひとか要素が出汁に一切付かない無垢な
キノコのお出汁を作り上げる事が出来ます。

此処でシェフが拘ってる点が有りお出汁に
卵黄を入れてないと言う所だと思います。
このキノコの茶碗蒸しに卵黄使わずなのは
あくまで主役はキノコなので卵黄を使うと
勝ってしまいキノコの旨味もコクも負けて
脇役になってしまう為卵黄は未使用として
キノコの香りや味があくまで主役となる様
敢えて卵白だけの茶碗蒸しに仕立ててます。

茶碗蒸しと言うと外観上は玉蒸色に染まり
黄色っぽい色合いの玉地を思い起こします。
この茶碗蒸しは純白のキノコスープと言う
感じでスープに卵白で少しだけプリン的な
弾力を持たせて舌への着地時間を伸ばして
スープ寄りから少し距離を置いてるだけの
上質で品の良い蒸し物のお料理と言う感じ
なので然程茶碗蒸しと言う食感とは異なり
その様な卵黄を感じる的なものから離れて
キノコのポタージュ的なプリン仕立て的な
不思議な第一印象を受けるコンタクトです。

キノコの茶碗蒸しをお口に含んでみますと
舞茸の酵素の働きで解けるような口溶けが
生まれて其処からは穢れの無い全く無垢な
キノコ達の良い所だけを抽出したエキスの
旨味とキノコの芳しい匂ひ立ちとが交差し
柔らかく穏やかな丸みが口の中で膨らんで
その芳醇さと膨よかさで口内を満たします。
その味わいの奥行きの広がりに舌が驚いて
暫し呆然とし乍ら一気にプチッと鳴らして
食べ尽くして仕舞い喜びに溢れてました。

④KFP(河島フライドピジョン)

所謂KFCを捩った遊び心旺盛なトレイスの
名物料理の一品で河島シェフが手でKFPの
円筒ボックスを抱えてるお姿が有名ですが
その格好をお客様全員の目の前で披露して
暫し撮影タイムとなって仕舞うユニークな
お食事のひと時を頂きます。

そしてこの鳩料理にも河島流拘りの技術が
ふんだんに詰め込まれており舌が感動です。

鳩肉をローストする料理は皮目をしっかり
焼いて肉に留まった熱量を落ち着かせる為
1時間ほど焼いた後に寝かせるとの事です。
そうしてしまうと熱は落ち着きますが逆に
旨味成分の肉汁も垂れ流しとなってしまい
折角の美味しさが逃げてしまうと河島氏は
考えられた様です。

そこで考案したのが此方の料理と言う事で
鳩胸肉を生の状態から揚げでやるのですが
揚げるお時間はほんの5分ほどと言うので
此れには吃驚です。
その5分間だけでローストと同じ肉質感の
ミディアムレアに仕上がり鳩からの肉汁も
逃さずに揚げ衣の中で閉じ込められて外に
零れて行かず鳩肉と一緒に旨味を伸ばして
相乗効果が得られると言う成果に繋がって
この方法が鳩肉の料理の一番の美味しさを
引き出す方法なのではと思い至った様です。

更に感心してしまった事はシェフが両手で
抱えてますKFPの円柱のケースは本物の
KFCのもので広尾駅近くのお店にて購入
勿論中身のチキンも頂いてるとの事でした。
KFCへのリスペクトを欠かさず食事して
その空き箱を有効活用しているスタンスに
敬服しちゃいます。

そんなシェフのお話を面白く聞かせて頂き
眼前に控えし熱々のKFPを手で掴みつつ
一瞬アチチッとなるもガブリと噛みついて
グッと迫る熱々ジューシィな肉感を頂く。
齧った瞬間にガリッと揚げ衣が歯に当たり
抵抗を見せるも其の儘ザクッと噛み進むと
堪らない破砕感が歯を通じてvividに震え
咀嚼の勢いを俄然促して来ます。

齧った途端に鳩肉は血湧き肉躍る旨味が漲り
瑞々しいくらいのジューシィさで肉汁が踊り
力強く肉肉しさを口内に投げ掛けて来ます。

噛めば噛むほど柔和な身肉は歯と触れ合うと
鳩の繊維が優しく解けてシルキー感が芽生え
ストレスフリーの心地よい食感が広がります。
更には肉感から広がる無垢なテクスチャーと
純度高く旨味優雅に踊る鳩肉の味わいが交差
肉肌への一ロー噛みが舌を翻弄し惑わす。

堪らなく欲望が渦を巻き次の咀嚼を獰猛にも
促して仕舞う極上の肉感と肉汁を浴びせられ
胸肉の柔らか味と共に訪れるクリアな美味は
感動もので咀嚼を止めたくなくなります。

そして揚げ衣に潜ませたスパイスの刺激が
心憎い味覚の演出で鳩肉の旨味をキュンと
締めつける様に鳩胸肉の旨味の輪郭を鋭く
抉り出してクリアな美味さに整えて鳩肉の
美味しさをギュ〜ッと詰めて深掘りし乍ら
際立たせておりました。

この鳩胸肉が保有する一切旨味を逃すまい
と言う覚悟をお料理として抱いて具現化し
何処までもストレートに味覚を追求してる
鳩肉料理の凄さに拍手喝采でした。

⑤レタス

定番の一品です。
近くのスーパーハナマサで買ってきたレタス
ですとのご説明が冒頭に有りビニール包装の
レタスがパッケージごと目の前に登場します。
外見的には本当にスーパーハナマサで主婦が
普通にお買い求め頂いた野菜商品と言う感じ
ビニール包装を解きレタスを単純にお客様の
数量分にカットしてお皿の上に乗せただけの
何も手を加えていないお料理?に見えます。

ホントに今し方買って来たばかりレタスを
カットだけ?
そんな訳無いじゃんと思い直してよ〜く見る
ん?見つめ直したら何かが掛かってる様にも
見えるし分からずに齧って見た。
ん、やっぱり何かドレッシングみたいなのが
纏わりついてて瑞々ししと初々しさが同時に
歯に浴びせかけられたシャキッとする食感が
ワイルドにフレッシュさを伴い気持ちの良い
甘味にレタスが纏われており食感の快適さを
キュンと健やかに伸ばしていました。

此れも河島シェフならではの探究の賜物です。

レタスが持つ本来の良さとは何かを求め
追求して行くとやはり端切れの良い食感
瑞々しさとの触れ合いでは無いかと考え
その鮮度を再構築すると言う作業を施し
ご用意されたものがこの一品だそうです。

レタスの葉っぱを一枚ずつ全部剥がして
その葉っぱにドレッシングのゼラチンを
溶かしたゼリー液でレタスの一枚一枚を
甘いゼリーでコーティングして再度元に
戻してやってレタスを再構築してます。
一個のカタチにと戻されたレタスを再び
冷やし固めてやって今見た状態に戻した
レタスを縦にカットしてやってのご用意。
食に饗すればミルフィーユの様な食感に
近い歯触りで瑞々しさも同時により一層
演出効果の高い味わいが楽しめると言う
そう言うお料理を作り上げてます。

確かに

レタスをザクッと歯で咀嚼するとその
食感の心地良さとコーティングゼリー
効果も手伝って初々しい食感が膨らみ
香り高く程良く甘美なレタスを楽しみ
素敵なお口直しとなっていました。

⑥ロールキャベツ

レタスで驚かされた後は今度はキャベツ
此方も丸ごと買ってきたばかりと見紛う
そのまんまのキャベツが置かれてます。

目の前には丸ごと裸のキャベツが置かれ
何も無かったかの様に静かに佇んでます。
河島シェフがやおら表の一枚だけ剥がし
焼け焦げた表皮一枚だけ狐色に変色して
焦茶に染まったキャベツを6等分カット
各々のお皿にサーブされます。

キャベツを一口シャキッと齧ってみると
キャベツの瑞々しさとしっかり繊維感が
歯応え十分な食感と共にキャベツからの
旨味がジワッと口内に滲み出て来て別な
次元のロールキャベツの体験をしました。

普通ロールキャベツは中に挽肉が射込まれ
ソースやスープ等と一緒に煮込まれたもの
其れを食べ進んでいくと最後に気が抜けた
様なカスカスの挽肉の団子が残って余りに
味の印象がクライマックスにはならないと
感じてるので自分だったらどう作るのかを
考えたのがこの丸毎のロールキャベツです。

キャベツの皮を全部一枚ずつ剥がしてから
和牛の背脂を一枚ずつ丁寧に薄く纏わせて
コーティング後再度其れを元に戻してから
オーブンで3時間ほど焼き揚げてます。
ローストすると中に張り付けた背脂からは
味が滲みだしキャベツに染み込んで行って
キャベツの中に射込む筈だった挽肉の方は
スープのお出汁として化けてます。
挽肉だけを使って出汁を取ったスープで
この料理の主役であるキャベツの甘味を
超える事の無いようにソープには野菜を
使わず挽肉の旨みを引き出していて更に
キャベツと背脂だけだとまったりする為
輪郭がボヤけるので檸檬と柚子胡椒だけ
少し加えて味の輪郭を整えてました。

⑦郡上八幡の小鮎のビスク

ティーカップに注がれてるのは飲む小鮎
長良川の小鮎の温かいビスクとなります。

先程プレゼンして頂いた綺麗な銀色の小鮎が
真逆の温かいビスクになって登場する事とは
全く予想外のお料理にかなり衝撃を感じます。
苦味も腑も骨も頭も全部一緒に飲めてしまう

先ず鮎の頭をフライパンでカリカリ焼いて
その上から胴体をバラし塗して焼き上げて
お仕舞いに沸騰し立ての熱湯をザサ〜ッと
注ぎ込み一気に旨味エグ味を溶かしながら
塩だけで整えて仕上げたビスクとなります。

炭火で焼く以上に鮎の旨味エグ味苦味甘味
凡そ鮎が包含している味覚の全部要素から
小骨感までも含めてギュッと煮詰まらせて
焼物の鮎より全然鮎らしい香りと旨味とを
ビスクの中に閉じ込めて飲む時に解放する。

ビスクを口内に飲み込み鮎味覚要素全てが
パンと鳴って解き放たれた時には信じ難い
味わいが一気に怒涛のように押し寄せつつ
舌にその旨味やら甘味や苦味が立ち込めて
衝撃的な味が迫って来るけれども何処かで
優雅な味わいが踊っているのです。
驚くべきは鮎の全部の味覚要素が同期を取り
鮎の旨味甘味苦味等が同時に味わえてしまう
と言うのが凄い現象に思えて舌を戸惑わせる
普通塩焼きとかの場合は頭から尻尾迄順番に
齧って行き甘味→旨味→エグ味→苦味と来て
個別に鮎の味覚を味わうものですが其れ等が
同時に味わえてお口の中で一体となって巡り
全部が一緒に舌を訪れるもんだから吃驚する。

鮎のビスクをグッと口に含むと鮎全部の味が
グワァッて主張して来て鮎感が迫力伴い漲る
頭をカリカリに焼き焦げた苦味や腑のエグ味
鮎全身から漂う香魚らしい香ばしさも含んで
味覚のトーンが味わい深さを伸ばして小鮎の
力強い旨味と繊細な苦味がビスクの中で同居
鮎感が途轍もなく濃厚に広がりを見せる一品

こんな鮎料理があったのかと思い自分の舌を
疑ってしまいました。

⑧玉蜀黍のリゾット

お米に水と塩のみのリゾットに玉蜀黍を
散らしたもの
粒の大きな米は香り抜群で糖度も十分に
リゾットの周りに散らされた玉蜀黍の粒
一粒一粒の薄皮の手剥き作業をお一人で
熟されると言われてます。
玉蜀黍を齧る時に嫌な部分は粒の薄皮が
歯の隙間に引っ掛かる事が有ります。
これだけは粒から如何に甘い味が届いて
美味しくともやはりマイナスの部分です。
其処で今回はこの玉蜀黍の粒皮を一粒毎
剥いてやります。
時間は2〜3時間を集中して只管剥く
皮が無い事で繊維感が丸く粒感も鮮烈
シャキシャキ感がダイレクトに伝わり
そしてお米にもシームレスに馴染んで
甘味x甘味の重なり合いがスムーズに
運んで豊かな食感が増幅されてました。
お米の粒感と玉蜀黍の粒感が同調して
柔らかさが同じ質感を持ち相乗効果が
発揮されて極上の味わいを頂きました。

河島シェフ曰く

リゾットと言うイタリア語はお米の料理
と言う意味の言葉なのでその名の通りに
お米の味がするリゾットを作りたいとの
思いからこのお料理に行き着いたとの事。

では、お米の味とは何かを探究した時に
お米をホクホクに炊いて甘味が立つ事が
先に思いついくが甘さと言うのは砂糖を
加えて仕舞えば良い訳でお米本来の味と
違うのではないかと考えられて其れ以外
お米らしい味は何かと考えた時にやはり
お米の香りなのでは無いかと思い至って
その香りをお米から如何に引き出しつつ
活かし切るのかと言うリゾットにしたい
と思われた様です。

此処でリゾットを作った時のポイントを
思い起こすと
鍋の中に油を引いて其処にお米を入れて
炒めてから魚介類等のお出汁を足し乍ら
沸騰させて蒸発させて行く中でお米へと
出汁の旨味を染み込ませると言う過程を
通して作りますが蓋をしないので湯気と
一緒に香りは逃げて行く事になります。

其処で河島シェフの場合はお鍋には蓋を
して湯気や蒸気が逃げない様にして香り
諸共リゾットの中に閉じ込める様にして
香りを鍋の中で対流させる施し方にして
香りを大切にリゾットに吸わせるものに
されておられます。
同様に玉蜀黍も無垢な粒の状態を作って
米粒と一体になる様に一緒に閉じ込める
そうする事によりリゾットが一体化する

リゾットがお口に入る時に一番ベストな
香りが立ち感じられる様に仕上げており
確かにお米感の存在がくっきりと浮かび
リゾットをスプーンで掬い上げ啜る度に
お米の香りがプワぁンと芳しく立ち昇る
更にジワッと舌に染み入る玉蜀黍の粒は
リゾットから優しく糖度が滲み出て来る
そして振り塩効果が此処で本領発揮して
仄かに底味が浮き上がり甘味を引き立て
クリアで麗しい美味が舌に舞い降ります。

その美味しさに舌を委ねながら恍惚感に
溺れて仕舞う極上リゾットを頂きました。

⑨鰯の冷製カッペリーニ

鰯スープに浸した冷製のカッペリーニ
このお料理の主役はあくまでもスープ
なのでズルズル〜ッと口で啜り細麺に
スープをたっぷり絡めるのが美味しく
味わえます。

生の鰯から頭と内臓と骨を取り除き
皮付きの鰯の身だけとお水を混ぜて
スムージーに作り上げてます。

潔いスープなのである。
邪魔するものは無し
何も足さない
純粋に鰯の香りが漂いつつ澄んだ鰯のスープが
味わえる

その鰯のスムージーをフィルターに
掛けて丁寧に濾して行き鰯の純粋な
エキスだけのスープへと仕上げます。
綺麗な琥珀色をしております。

啜って欲しいカタチが結果としてパスタ
と言うものになったと認識されてます。

此処で冷製パスタと言うものについての
考察が有り茹で上がったパスタを氷水で
当てたボールの中で冷やされたパスタを
置いた中に先程濾した琥珀色のスープを
投入して長い菜箸でぐるぐる掻き回して
スープに馴染ませてます。

を締めておソースに合わせる物
その時に温かい出汁の中に茹でパスタを
浸してやり一緒に冷やしてやると出汁と
パスタに一体感が出て来てパスタからの
粉っぽさが消えて出なくなりパスタ感の
有る料理としてではなくお出汁を楽しむ
料理として成立するのでは無いかと言う
観点でこのお料理を作っている様です。

んん、成る程なぁ、深〜い考察の結果が
この鰯から全ての雑味嫌味を取り除いて
純粋無垢な旨味のスープを完成させての
細麺パスタ料理に昇華させているのかと
舌で理解する前に頭できちんと咀嚼して
その深みにハマって行きながら啜るのを
存分に堪能させて頂きました。

⑩メイン料理

○山口県 見蘭牛イチボのロースト
○藻塩

本日のメイン料理となります。
山口県の見蘭牛いちぼを炭火でじっくりと
6時間掛けてローストし適度に水分が抜け
ロゼ色の赤身の塊から芽生える旨味が凝縮
見るからに綺麗な繊維質が微塵の乱れ無く
美しさを誇り脂汗がしっとり浮き上がって
舌を誘惑して来ています。

見ているだけでも涎が出て来てしまい舌が
物凄く疼いて来て喉に渇きを覚えて仕舞う。

一応頂く前に肉感を確かめに行きます。
フォークでイチボを刺しますとプヨンと
跳ね返りその辺にナイフを入れてみると
フワッと自重で沈んでって仕舞う感じの
柔らかさと膨よかさが同居する身質感を
浮き上がらせて来ており肉片をナイフで
グサッとカットすると肉肌に吸い込まれ
ナイフからのカットとの触れ合いだけで
肉片がフワリと肉塊から剥がれて来ます。

カットしたイチボの肉片を噛むと肉塊の
繊維に乱れとか歪み等が一切無く肉感の
膨よかさが明瞭に感じられる噛み心地に
舌がうっとりしてしまってます。
一口噛んだだけで訪れる滑らかな舌触り
イチボの肉の柔らかさとプリッと揺れる
弾力感に舌が虜になって仕舞います。

其の儘咀嚼を重ねると歯にプルンと反発
圧巻の肉肉しさにどんどん誘われます。

イチボを噛むと肉の繊維の隙間から溢れる
旨味豊富な肉汁が口内に零れてジュワ〜ッ
力強い旨味が放たれ肉汁の脂から浮き出る
甘味とがイチボ肉の美味しさをグワァッと
炸裂させて見蘭牛イチボの醍醐味を味わう。

その肉片を口に含んだ瞬間に迸る旨みと
肉汁がジュワワァンと滴り落ちつつ舌を
肉の甘味で染め出して来て咀嚼する度に
ジュワッジュワッと美味が唸りだします。
もう、堪らなく美味しく咀嚼が俄然進み
止まらなくなります。

このダイナミックかつエレガントな肉の
佇まいこそが見蘭牛と言う高品位な肉の
成せる極上の旨味なのかと感動の嵐です。
この圧倒的な美味を咀嚼する事の喜びに
舌が狼狽えるばかりでした。

⑪デザート-1

○桃

桃は其の儘で真空パックして真空調理を施し
真空パックされた桃の果実は齧り付くと香り
ブワァン甘味はジュワァンの身肉はトロォ〜
と言う感じで美味溢れ返り桃らしさが満ちて
果実から柔らかな酸味と甘味がジューシィに
口中にいっぱい広がる。
桃の果実味の中に更に桃の蜜の味を詰め込み
糖度も芳醇な甘味も尽きる事が無いくらいに
口の中に桃の味覚が満ち満ちておりました。

⑫デザート-2 牛乳アイス

キウイと砂糖とミルクだけのアイス。
フレッシュで軽やかな美味しい甘さが
滑らかに広がってスゥッと口溶けして
美味し過ぎて食べ疲れしない飽きない
まさに食後のデザートに最適な甘味。

⑬デザート-3 プリン

50分ほどかけてゆっくり焼いて。
キャラメル側の苦甘味さと卵の
柔らかな甘味とを堪能する一品。

2023/02Visitation1th

4.6

  • Cuisine/Taste4.8
  • Service4.8
  • Atmosphere4.8
  • Cost performance4.2
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 50,000~JPY 59,999per head

素材をとことん突き詰めて研ぎ澄まされた味覚を真摯に追求し続けた志向の料理

■訪問日:2023.2.9(木)Dinner

■予約:会員の方よりお招き

■お料理:お任せ¥25,000
ペアリング含むお会計¥58,300

本当に一品一品の味覚が研ぎ澄まされ
極上かつ繊細に磨かれた逸品の数々。

冷えた身体を心身ともにほっこり癒す
濃縮のカリフラワースープから始まり
塩だけでマリネしたフォアグラ乗せの
パンで愉快に舌を弄んで頂き乍ら次の
お料理にスムーズに繋がって行く所が
正真正銘の味覚マジックと思い感銘を
覚えました。

更に緩急自在な一品料理の構成に舌が
唸り続けKFPのPigeon料理の肉質に
保湿性を維持しつつ揚げる技ものには
河島シェフの巧みなる調理力の片鱗を
見せていただき感激の味覚を体験出来
舌が歓喜しておりました。

更には入荷した時だけコースに加えて
頂ける河豚のビスクの圧倒的な旨味に
未踏の領域へと舌が惹き込まれて行き
夢見心地の味わいにうっとりします。

そしてやはり日本人はお米が好きです。
シンプルに塩とお水だけで炊き上げた
リゾットの雑味の無い無垢な白米から
香り高い甘味が舌を虜にして放さずで
堪らない味わいで脱帽です。
フィナーレとなる見蘭牛ステーキでは
イチボ特性を最大限に活かし赤身肉の
身質を傷めず牛の香りも気高く身肉の
濃厚な旨味をギュッと凝縮させ肉汁を
逃がさない火入れの繊細さから生ずる
肉の美味なる舞に打ち震えてました。

河島シェフの素材の味や香りを如何に
扱い真摯にその持ち味を引き出すかに
取り組んで極めている姿勢には感嘆を
覚えて感極まりました。

■ 本日のお料理 ■

①カリフラワースープ

カリフラワーを軸まで全部を肌理細やかに
濾して後は水と塩のみで味を整えスープに

此処で本日のコース料理に使わらるお水は
全て南アルプスのお水との事
また、お塩はマルドンのみに統一してます。

軸ごと使ったカリフラワーは、
青い香りが膨らみ乍らお口にそのスープを
含むと舌触りはとても滑らかにまったりと
まるで碓井豆の様な甘味をグゥッと主張し
口の中に広がって行きます。
食堂を通る濃厚さは胃まで一気に落ちつつ
お腹はカリフラワー濃度で満ちて溢れます。
一雫の甘味の深さにフワァンとうつとりし
フゥ〜ッと溜息が出てしまいましたね。

スープは目の前で調理されてたった今
仕立てられたばかりの濃厚なエキスが
お椀の中に注がれ其の儘お口を付けて
グイッと勢いよく飲み干します。

舌触りと唇に心地良い温感が走り
素材感が旺盛に感じられる甘味で
舌を円やかに満たしてくれます。

こうしたお料理に一貫する取り組みは
新鮮な状態のお野菜をスープ仕立てに
仕上げる時にはストックしたりせずに
その場で温めて湯気の香りと共に用意
素材の生の新鮮な味を大切に再現する
そう言うお気持ちで臨まれている故に
召し上がる際にもスプーン等は使わず
其の儘お椀を傾けて頂き直接素材との
会話を楽しんで頂く為に器の方に唇を
直接当てて飲んだ方が美味しさを一層
感じられるとの事でした。

確かに直接口からスープを飲んだ場合
湯気が口内に立ち込め香りが満ちる為
美味しさが一層芳しく伝わって来つつ
食材の初々しさを楽しむことが出来る

作り立ての鮮度の良さや素材感を傷めず
其の儘お出しするのがベストな状態にて
香りも味覚も純粋に楽しめると考えてて
河島シェフとして拘り続けたい所ですと
仰っておられました。

②パンとフォアグラ

フォアグラの魅力を極限にまで引き出した
スーパー料理の一品でこれ程エレガントに
フォアグラに備わる本質的な魅力を抉ぐる
と言うに相応しい仕上がりで河島シェフの
拘りの一品かと感じ入ってしまいます。

さて、元来フォアグラは内臓系の食物です。
従って血の成分が染み付いてるものなので
それなりに生臭かったり地の匂ひが残って
その嫌味を打ち消す為にリキュールの甘味
或いはスパイスの刺激等を纏わせて調整し
舌をある程度誤魔化せるカタチを取るもの
と言う事だそうです。
然し本日のフォアグラに関しては殆ど血が
回って無い状態のものに塩だけでマリネし
味も肉感も整えた一品となってます。

その雑味の無いフォアグラをパンに乗せて
ご登場の一品となります。

パンと一緒に一口目を少し恐る恐る口にし
齧ってみます。
パンの甘味をほんのりフワッと感じ乍らも
圧倒するフォアグラの存在感が大き過ぎて
即トロンと口内の人肌温感でフォアグラが
口溶けし始めます。

溢れる高貴な香り纏う塩フォアグラからは
艶かしく綺麗な甘い味わいにパンの仄かな
酸味と甘味とが同期を取り一体化する美味
芳醇な美味しさがかなり継続し舌に留まる
その甘美な味覚が残り続けてうっとりとし
陶酔感が満遍なく訪れて舌をフワフワンと
浮かせて来て気分は夢心地となります。

もう、正にトロトロ〜ンと舌が意識せずに
極自然に耽美な味わいが口溶けする中から
口腔内の空間に芳醇な美味が充満して行き
脳内シナプスには陶酔信号が一気に流れて
あっという間に目眩く快感に惹き込まれて
しまいました。

③KFP(カワシマ フライド ピジョン)

本日は茨城県産の鳩肉料理です。

所謂KFCを捩った遊び心旺盛なトレイスの
名物料理の一品で河島シェフが手でKFPの
円筒ボックスを抱えてるお姿が有名ですが
その格好をお客様全員の目の前で披露して
暫し撮影タイムとなってしまいお食事の方
一時停止状態です。

そしてこの鳩料理にも河島流拘りの技術が
ふんだんに詰め込まれており舌が感銘する

鳩肉をローストする料理は皮目をしっかり
焼いて肉に留まった熱量を落ち着かせる為
1時間ほど焼いた後に寝かせるとの事です。
そうしてしまうと熱は落ち着きますが逆に
旨味成分の肉汁も垂れ流しとなってしまい
折角の美味しさが逃げてしまうと河島氏は
考えられた様です。

そこで考案したのが此方の料理と言う事で
鳩胸肉を生の状態から揚げでやるのですが
揚げるお時間はほんの5分程だけなのです。
此れには吃驚!
その5分間だけでローストと同じ肉質感の
ミディアムレアに仕上がって然も肉汁をも
中に閉じ込められて外には出て行かないで
二重の効果が得られると言う成果に繋がり
この方法が鳩肉を食べるには一番効率的な
調理方法なのではと思い至った様でした。

流石ですね、何事にも妥協せず味の追求?
或いは味覚への真摯な探検とでも言うのか
常に素材をベストな状態に持って来ようと
求める姿勢が一貫している所が一流プロの
天性の資質なのかなと感嘆してしまいます。

そして眼前に控えし熱々のKFPを手掴みで
ガブリと噛みついちゃいますよ。
んん、齧った瞬間にガリッと歯に当たって
抵抗を見せるも其の儘ザクッと噛み進むと
堪らない破砕感が歯を通じてvividに震え
咀嚼を俄然促して来ます。

噛めば噛むほど柔和な身肉は歯と触れ合うと
鳩の繊維が優しく解けてシルキー感が芽生え
ストレスフリーの心地よい食感が広がります。
その肉感から広がる無垢なテクスチャーには
堪らなくなりますね。
胸肉の柔らか味と共に訪れるクリアな美味さ
感動もので咀嚼を止めたくなくなります。

そして揚げ衣に潜ませたスパイスの刺激が
鳩肉の旨味をキュンと舌を締めつける様に
旨味の輪郭をクリアに整えて味覚を深掘り
引き立たせております。

更に地肉脇踊る赤身にグイッと踏み込んで
咀嚼に力を込めて深く進めて行くと鮮烈な
旨味を覚える肉汁が口内にジュワ〜ァンと
迸り出し衣の中に閉じ込められていた鳩の
旨味エキスが一気に噴出し衝撃的な美味で
口内を蹂躙して行きます。
一切の旨味を逃さないと言う調理手法での
河島料理の鳩肉の一品に拍手喝采でした。

④レタス

俎上に何処かのスーパーから買ったと
思われるビニール包装の儘のレタスが
ポツンと一個置かれてます。
コレが次のお料理と言われてポカン?
と口を開けてしまうのであります。

単純にレタス料理なのである。

直ぐ近くのハナマサで買って来たと言う
ビニール梱包に包まれたままのレタスで
ビニール包装を解いてザクッとカットし
お皿に盛り付けてハイお仕舞い!
と言う非常に単純なお料理なのかな?と
と思いきや、そんな訳無いじゃんと思い
良〜く見つめ直したら何か振られてるし
瑞々しいドレッシングが纏わりついてる

此れも河島シェフならではの探究の賜物

レタスが持つ本来の良さとは何かを求め
追求して行くとやはり端切れの良い食感
瑞々しさとの触れ合いでは無いかと考え
その鮮度を再構築すると言う作業を施し
ご用意されたものがこの一品なのである。

レタスの葉っぱを一枚ずつ全部剥がして
その葉っぱにドレッシングのゼラチンを
溶かしたゼリー液でレタスの一枚一枚に
コーティングして元に戻してやってから
今度は一個に戻されたレタスを冷やして
固めてやってから串切りで縦にカットし
食に饗すればミルフィーユの様な食感に
近い歯触りで瑞々しさも同時により一層
演出効果の高い味わいが楽しめます。

レタスをザクッと歯で咀嚼するとその
食感の心地よさと散らされたパクチー
効果も手伝って初々しい食感が膨らみ
香り高いレタスを楽しめました。

⑤虎河豚の唐揚げ

6kg以上の虎河豚が手に入った時だけの
限定メニューとなります。
河島流の河豚唐揚げは此れも拘りが反映
素材のあり方の研究成果

唐揚げは下味をつけてしまう事が多いので
浸透圧で脱水気味となり更に揚げ衣により
水分を呼んでしまい河豚の身肉がパリッと
揚がる頃には持てる水質成分を蒸発させて
中の水分が保湿されずカラッと仕上がって
パリッとするもパサつき気味となる。
勿論其の唐揚げ状態が悪いと言う事でなく
美味しい仕上げ方でもあるが河島シェフは
其う言う仕上げ方には満足せず鳩肉同様の
ジューシィさが通う河豚の唐揚げを目指す

優しく火を入れてお肉を高温でガッと揚げて
水分も逃さないように唐揚げの中に閉じ込め
河豚の唐揚げを鳩肉同様ジューシィなものに
仕上げられております。
揚げ衣の材質もオリジナルな仕込みかと感じ
厚手な衣ではと接触する度にザクザクとする
食感がナチュラルに伸びて破砕感が快く進む

河豚の身を噛むとホックホクで湯気立ちして
河豚の肉汁がジユッと唸り迫力の肉感が立ち
はだかり見事な肉質の旨味に舌が唸りっ放し
然も骨無しの白身だけを揚げてくれてるので
ストレスを全く感じる事なく咀嚼がどんどん
進み陶酔の渦の中に巻き込まれて行きました。

⑥空豆のニョッキ

そら豆の鞘を開けるとニョッキが
綺麗に一列に並んで入ってます。
スプーンで食べる事を勧められて
鞘に付着している白くて綿の様な
フワッとしたものを一緒に掬って
食べて下さいと勧められ頂きます。
その白い綿の様なのがソース代り
にとなる様です。

食感がとても美しくサワサワッと
唇に触れて優しく舌を包み込んで
モチモチとする粘りを伸ばし乍ら
そら豆の青い香りと同時に甘味を
口内へと振り撒いてくれます。

河島シェフ曰く
鞘から取り出したそら豆を一度蒸して
其れを潰して粉を塗してニョッキへと
仕上げて行くのですが
普通ニョッキは茹でて食べるものかと
思います。
ただ茹でてしまうと素材の旨味が出て
行って仕舞うと考え茹でずに一旦鞘に
ニョッキを戻してやりオーブンで焼く
そうする事で鞘にも元々備わっている
水分でニョッキが蒸される状態となり
ニョッキに火が入ると同時に鞘からの
香ばしさもニョッキに纏うので空豆の
本来の甘味がより再現できるのではと
考えられた様です。

そのニョッキを一口食べると青い香りが
浮き足立ちグッと力強く口内を満たして
そら豆本来の青い甘味が

いやぁ、この一品はほんと青々とした
初々しい青みを爽やかなる食感と共に
甘美に佇むそら豆の自然の恵みを頂き
大地の香りと甘味を存分に味わえての
大満足したニョッキの一品でした。

食べるとその香りがグッと力強く主張し
そら豆の持つ甘味も旨味もほろ苦さ迄も
全てを包含した膨よかな美味しさが舌を
鷲掴みにして離さず美味なる舞に浸って
素敵な高揚感に包まれ口福を頂きました。

⑦河豚の頭をミキシングしたビスク

次の一品も驚きの連続で興奮が冷めやらず
先ずはそのお姿のグロさに一瞬目が止まり
河豚の頭が眼前に迫って来た時には此れが
どう言う感じで化けてお料理となるのかに
感心が行ってしまいました。

そして一杯のグラスで登場したのが虎河豚の
真っ白いビスクでした。
お水とお塩と虎河豚の頭だけで作ったビスク
此れも河豚と言う逞しい素材の味を引き出し
河豚本来の味覚を味わうて欲しいと言う欲求
から生まれたお料理との事。
河豚料理を見渡すと鉄刺や鉄皮はポン酢漬け
ちり鍋には申し訳程度の河豚の身欠と紐しか
入ってない感じで河豚を味わえて無いのでは
と言う思いから水と塩だけで河豚を調理して
河豚本来のポテンシャルを楽しんで頂こうと
されてるのがこの純白のビスクだそうです。

河豚をしっかりお水でミキシングしてやると
河豚のゼラチン脂質と水が綺麗に乳化されて
とても円やかな味わいが出来上がる様です。
もう、ゴクンする度にそのシルキーっぽくて
乳液の様な食感と無垢な甘味に脱帽となるし
とても舌が震えてゴクリ一口飲む度に河豚の
生命漲るエキスを飲んでるんだぁ〜みたいな
河豚のエネルギーを頂き舌が狼狽える一品と
なり感激に震える味覚を頂きました。

⑧お米のリゾット

このリゾットが琴線に触れる本日の白眉!
お米とお水とお塩だけで作ったリゾット
因みにお米は高知の香り米

河島シェフ曰く

リゾットと言うイタリア語はお米の料理
と言う意味の言葉なのでその名の通りに
お米の味がするリゾットを作りたいとの
思いからこのお料理に行き着いたとの事。

では、お米の味とは何かを探究した時に
お米をホクホクに炊いて甘味が立つ事が
先に思いついくが甘さと言うのは砂糖を
加えて仕舞えば良い訳でお米本来の味と
違うのではないかと考えられて其れ以外
お米らしい味は何かと考えた時にやはり
お米の香りなのでは無いかと思い至って
その香りをお米から如何に引き出しつつ
活かし切るのかと言うリゾットにしたい
と思われた様です。

此処でリゾットを作った時のポイントを
思い起こすと
鍋の中に油を引いて其処にお米を入れて
炒めてから魚介類等のお出汁を足し乍ら
沸騰させて蒸発させて行く中でお米へと
出汁の旨味を染み込ませると言う過程を
通して作りますが蓋をしないので湯気と
一緒に香りは逃げて行く事になります。

其処で河島シェフの場合はお鍋には蓋を
して湯気や蒸気が逃げない様にして香り
諸共リゾットの中に閉じ込める様にして
香りを鍋の中で対流させる施し方にして
香りを大切にリゾットに吸わせるものに
されておられます。

リゾットがお口に入る時に一番ベストな
香りが立ち感じられる様に仕上げており
確かにお米感の存在がくっきりと浮かび
リゾットをスプーンで掬い上げ啜る度に
お米の香りがプワぁンと芳しく立ち昇る
更にジワッと舌に染み入るリゾットから
仄かに底味が浮き上がり甘味を引き立て
クリアで麗しい美味が舌に舞い降ります。

その美味しさに舌を委ねながら恍惚感に
耽溺してしまいました。

⑨鰯の冷製カッペリーニ

鰯スープに浸した冷製のカッペリーニ

生の鰯から頭と内臓と骨を取り除き
皮付きの鰯の身だけとお水を混ぜて
スムージーに作り上げてます。

その鰯のスムージーをフィルターに
掛けて丁寧に濾して行き鰯の純粋な
エキスだけのスープへと仕上げます。
琥珀色に輝く澄んだスープです。

そしてスープは常温より少し冷たく
感じられる温感に調整し鰯の香りと
旨味を存分に楽しめるように整えて
仕上げられております。

シェフ曰く特にパスタ料理を作りたいと
言う訳ではなく出汁と一緒に啜る料理を
召し上がって欲しかったとの事です。
啜って欲しいカタチが結果としてパスタ
と言うものになったと認識されてます。

此処で冷製パスタと言うものについての
考察が有り茹で上がったパスタを氷水で
冷やし麺を締めておソースに合わせる物
その時に温かい出汁の中に茹でパスタを
浸してやり一緒に冷やしてやると出汁と
パスタに一体感が出て来てパスタからの
粉っぽさが消えて出なくなりパスタ感の
有る料理としてではなくお出汁を楽しむ
料理として成立するのでは無いかと言う
観点でこのお料理を作っている様です。

んん、成る程なぁ、深〜い考察の結果が
この鰯から全ての雑味嫌味を取り除いて
純粋無垢な旨味のスープを完成させての
細麺パスタ料理に昇華させているのかと
舌で理解する前に頭できちんと咀嚼して
その深みにハマって行きながら啜るのを
存分に堪能させて頂きました。

⑩見蘭牛料理 藻塩

本日のメイン料理となります。
山口県の見蘭牛いちぼを炭火でじっくりと
火を入れたローストとなります。

見ているだけで涎が出て来てしまい舌が
物凄く疼いてしまい喉に渇きを覚えます。
圧巻の肉肉しさと魅惑的ロゼ色の仕上り
フォークでいちぼを抑えますとプヨンと
跳ね返りその辺にナイフを入れてみると
フワッと自重で沈んでって仕舞う感じの
柔らかさと膨よかさが同居する身質感を
浮き上がらせて来ており肉片をナイフで
ソフトタッチすると肉肌の中に吸い込み
そっと触れ合う様なカットのみで解けて
肉片がフワリと肉塊から剥がれるのです。
その一片を口に含んだ瞬間に迸る旨みと
肉汁がジュワワァンと滴り落ちつつ舌を
肉の甘味で染め出して来て咀嚼する度に
ジュワッジュワッと美味が唸りだします。
もう、此奴は行けません。
ヤバいやばいの連打が頭の中を駆け巡り
相当な混乱を来しております。

兎に角いちぼの柔肌がエアリーな感じで
仕上がっていて肉の繊維が口に入れると
フワンと浮いて来て旨味エキスが口内に
舞い上がってしまうので唸りっ放しです。
これが
いちぼの部位の所為なのか見蘭牛と言う
高品位な牛のなせる技なのか未だそこ迄
深く牛肉と言うものを自分の舌で理解を
進められてない故にこの圧倒的な美味を
きちんと咀嚼出来ず仕舞いとなって舌は
狼狽えるばかりのみでした。

⑪牛乳と砂糖だけで作ったアイス

⑫珈琲

⑬チョコレートアイス

溶かしたチョコレートにカカオティを
加えて作ったアイスで
口溶け感が別格で生チョコの様に口に
ペタ付かずサラ〜ッと自然に消えてく

カカオティと言う水分にチョコを入れる
当然の様に油脂性の物は分離してしまう
そのチョコが分離したままの状態の物で
冷やして固めて2時間ほど置いた状態が
この目の前のアイスと言う事だそうです。

で、そのチョコアイスをお口に入れると
人肌の温感で元々分離していたチョコに
戻るので濃厚なチョコの味わいとともに
口内に後を濁さず綺麗に消えて行きます。

最後の最後まで味覚の美学を大いに学び
味を占めるレアな体験を頂きました。
感謝を込めて御礼申し上げたいと思います。

Restaurant information

Details

Restaurant name
Τρεῖς(Τρεῖς)
Categories Innovative cuisine、French
Phone number (for reservation and inquiry)

Reservation Availability

Reservations Only

Address

東京都港区

Transportation

Nearest station: Hiroo Station on the Tokyo Metro Hibiya Line

Opening hours
  • ■ 営業時間
    18:00~

    ■ 定休日
    月ごとに定休日が異なります。
Budget

¥20,000~¥29,999

Budget(Aggregate of reviews)
¥50,000~¥59,999¥30,000~¥39,999

Check the distribution of amounts spent

Method of payment

Credit Cards Accepted

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

Electronic money Not Accepted

QR code payment Not Accepted

Seats/facilities

Number of seats

10 Seats

Private dining rooms

OK

VIP ROOM

Private use

OK

Non-smoking/smoking

No smoking at all tables

Parking lot

not allowed

Menu

Drink

Wine,Particular about wine

Feature - Related information

Occasion

Website

https://www.treis-tokyo.com/

The opening day

2020.4.1

Remarks

Member-only Restaurants