自身が目指す場所を見つけてほしい : Nácar

◉ グリンピースとコンソメ風茶碗蒸し

たっぷりのグリーンピースに合わせた餡がやや塩味が強く驚いた。メキシコ料理は塩味が強いものが多いのかと少しばかり不安になってしまった。


◉ アボカドソース トルティーヤ

パリッとした薄いトルティーヤの中にはたっぷりのアボカドソース。ソムリエが合わせてくれたきゅうりとライムの特製ドリンクがこの料理ととても良い相性が◯。


◉ 鯵 トルティーヤ

厚みと旨みがしっかりある鯵とトルティーヤ。
食感の対比が面白い。


◉ 平貝 ココナッツ オリーブオイル

貝の旨みが優しく表現された一品。
強い主張が何かあるわけではないもののその優しさが◯。


◉ 賀茂茄子 メキシコのほうれん草乗せ

油で揚げ柔らかくした加茂茄子にメキシコのほうれん草をそのまま乗せたもの。
賀茂茄子はしっかりと美味しいけれど生のほうれん草との組み合わせにはやや疑問。


◉ 鴨肉のロースト メキシコ唐辛子ソース チリトマト酢

この日一番印象に残った一皿。愛知県産の雌との事。
鴨のローストも美味しいがメキシコ唐辛子ソースのほんの少し感じる辛さやあっさり滑らかな舌触りに感動。これは凄い。


◉ キンキのリゾット

リゾットはキンキと毛蟹の骨からとったブイヨンで作ったとの事。そのリゾットの上には身が柔らかでふっくらなキンキ。
美味しく素材はどちらも素晴らしいのだがどちらの特に目立った旨みが感じにくく表現に迷いの感じてしまった。


◉ バニラアイスと葡萄

アルコールに漬けた葡萄とバニラアイス。さっぱりいただけた。


正直な感想、全ての料理に疑問と迷いを感じた。
素材のどこを、何を活かした一皿なのか・何を感じて欲しいのか・ブランドンさんは自分の料理のどこが好きなのか。

ブランドンさんの人柄の良さも感じられるし料理は丁寧で素晴らしい。

師である古田さんの料理をいただいて分かったが間違いなくその影響を受けたものを作っているのだと感じた。
良いか悪いか判断は難しいが個人的にはそれが中途半端さを思わずにはいられなかった。

アボカドとトルティーヤに合わせたきゅうりとライムのジュースのマリアージュは斬新でとても面白かったのでそういった表現や組み合わせの料理がもっとあると嬉しい。

日本にはないメキシコ料理の新たな美味しさを開拓し表現できる感性を持っている方だと思うのでこれからも応援し続けたい。