瀬戸内海産「干しむきえび」の出汁で大根を炊く e 鳥取県産真鯵のひらき で伯耆国 <鷹勇> を楽しむ
鳥取県産真鯵のひらき
焼いた鯵に触らず、箸だけで解すと指に匂いが移らない。頭はバリっと齧る
瀬戸内海産「干しむきえび」
「干しむきえび」の出汁だけで大根を炊く。凄くおいしい!
大根に香りと甘味があるので調味料はコレだけ (©︎竹村健一氏)
大根の葉っぱは醤油漬けにして丸一日経つと汁が出てきておいしくなる
パリパリ
淡雪のような しらす
伯耆国 (鳥取県) 「大谷酒造」 <鷹勇> なかだれ
【おまけ】別の日に作った婆鰈/滑多鰈は、落とし蓋ではなく、切り蓋で仕上げると
【おまけ】真子も火が通りおいしく仕上がる
【おまけ】金沢の炊き方で調理すると優しい味でおいしい!
【おまけ】鎌田幸二作「天目盃」
礼文島の雲丹 (エゾバフンウニ) で「右アームの法則」(左利きの場合は、左アームの法則)
「オームの法則」:電気回路の二点間に流れる電流が I 、電位差が V、 電気抵抗が R であるとき、 V=IR で表される。
「アームの法則」:肴の旨さ D に比例して右腕もしくは左腕のひねり運動 M が繰り返されるとき、
その値(V) は V=DMc で表される。(c は主観的な係数であり、個人的嗜好の度合い)
左手首の動きの勢いは緩むことなく、まるで精密機械のように徳利を傾け、盃と口の往復運動が繰り返されない、事もない。(©︎MSSBHNSさん) これは "左アームの現象" です。えっ、まだ、四月一日(エイプリル・フール) じゃないって、シツレイ シマシタ。
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小津安二郎の映画「秋刀魚の味」https://www.youtube.com/watch?v=K1Za9TZg_ow に "男の冗談" とありますが、気心の知れた同士での酒席では「どうだ、手酌でやろうじゃないか。」と、なり、私もこれを好みます。尤も きれいどころの白魚のような指で酌をされるのを断る理由はありません。盃洗をしてから返盃すると互いに間接キッスをした ような 心持ちになるのも宜しいです。盃に付いた紅を懐紙で拭って「もうおひとつ、いかがですか。」を重ねる料亭文化をなくしてはいけません。この時、女性から盃を受けるときは姿勢良く、堂々とした方が互いに気持ち良いものです。
人に依っては「面倒だから、もっと大きいやつを持ってきてよ。」と、仰る方もいます。盃の大きさは、いつの頃からこんなに大きくなったのでしょうか。確かに手酌でやる時に小さ過ぎる盃だと「なんだか、忙しくなってきちゃったね。」と、なりますので、ぐい呑みの大きさまではなくとも ふた口しても盃の底に酒が残るぐらいのものが宜しいです。飲み干す行為は "やけ酒" ですから、懐石料理のお代わりご飯をする時のように少し残した方が "粋" というものです。トンと盃を卓に放った時、酒がゆらっと揺れるのも格好良いです。
そんなことを言っている私ですが、一升瓶から "ひや(常温)" をぐい飲みやもう少し大きな湯呑みのような酒器でやることがあり、ワイングラスのボウルの効果と同じく、酒器の空間に溜まった酒の揮発性成分に因る芳香を楽しみます。
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「魚谷清兵衛商店」の酒肴は少しずつ味わうのが良く、今回のレビューは何日にも亘るものを載せています。料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
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礼文島の雲丹 (エゾバフンウニ) 6,000円(税別)
箱にご案内書
原材料はウニと塩のみ、MSGは使われていない
昼酒は隠居の特権
御開帳
ぐい飲みよりも少し大きな湯呑みのような酒器でやる
礼文島の雲丹 エゾバフンウニ
酒盗
淡雪のような しらす
とじそば を作ってアタマで酒を飲む
これも鯵と塩だけ
別の日の 長崎県産 真鯵のひらき
表を
返すときれいな焼き加減、凄くおいしい!
【おまけ】長芋の椀物
【おまけ】菜の花
【おまけ】〆は海苔巻き(干瓢)
調味料は塩だけ
別の日の しらす干し二態
しらすおろし
冬は大根がおいしい
ご飯に載せる。醤油は使わず、しらすの塩味だけで食べるとそれぞれの味と香りがよく分かる
【おまけ】或る日の朝食
【おまけ】自家製の白菜漬け
【おまけ】新潟のコメは旨いね
【おまけ】山形県産のなめこの味噌汁
大谷酒造 <鷹勇> 純米吟醸なかだれ
別の日の昼酒
清風与平の盃は楽しい
拡大
北海道産の蕎麦と小麦で作った乾麺を茹でる 80g
若干しうるめ、清兵衛あじ、のどぐろ(アカムツ)の開き & いただき物の乾麺、食べ比べ。
〈魚谷清兵衛〉↓ HPより:https://seibe-net118.raku-uru.jp/item-list?categoryId=30511
山陰・但馬にて、料理屋などに松葉かにをはじめ鮮魚や塩干物を納める江戸時代から続く網元【魚屋】
今では、『伊勢丹新宿店』『そごう横浜店』『伊勢丹浦和店』に店舗を構え、全国各地の旬の素材を吟味した干物や珍味など
老舗ならではの美味を多彩に取り揃えております。
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いよいよ、十七回目のレビューです。
それぞれの商品については、既に紹介済みですので添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
今回は、タイトルに書いたように、若干しうるめ、清兵衛あじ、のどぐろ(アカムツ)の開きについて比較をしました。
合わせて、晩酌の〆で食べた "味覚の確かな方" から戴いた蕎麦の乾麺について最後に感想を述べます。
鰯、鯵の旬は今ですが、脂質の強い "のどぐろ(アカムツ)" に関しては諸説あり、個体差によっておいしさが決まるようです。私が初めてこの魚を食べたのは、今から四十八年前、大学の友人と訪れた冬の山形市でした。今回食べた "のどぐろ(アカムツ)" は、若干しうるめ、清兵衛あじ、の二日後に晩酌の肴として食べたのですが、最初にインプレッションを書きます。
「口を開いて喉を覗くと黒いでしょ。ここから "喉黒 (のどぐろ)" と呼ばれるのですが、東京の方は初めてかもしれません。」
「はい、脂が乗っているこの塩焼きはとってもおいしいです。」
雪の散らつく山形で入った小料理屋の女将が言いました。
二十歳を過ぎて公に酒が飲めるようになったのですが、親の脛を齧っていた学生分際が何と贅沢なことをしたのでしょうか。思い出しても恥ずかしくなります。この時いただいた青菜漬けも芋煮も玉こんにゃくもおいしかったのですが、もう一度食べたいのは "のどぐろ" ではなく "納豆汁" です。
食べ物は "好みの問題" であり、多様性があるから面白いです。マイノリ党の私は、すし屋で烏賊、貝類、白身、青魚を好んで食べ、鮪(しび)のトロ、中トロや鰤の腹身、鮃のエンガワなど脂質の強いすし種を頼みません。これを好む方は多く、Y幸やI司などの仲卸から仕入れたトロ、中トロを売りにしている "超高額予約困難各馬一斉ゲートインおまかせカウンター割烹料理" と、勝手に命名したすし屋のレビューがこのSNSでも散見されます。ガスバーナーを使った のどぐろの火刑、もとい、炙りなど虐めが好きな方もいらっしゃいますが、魚が可哀想です。
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「魚谷清兵衛」の "のどぐろの開き" は、塩梅もよろしく軽く干されているので微発酵が進み、炙られることで油脂も適度に落ち、ふわっとした身が口に穏やかで KILCHOMAN Sanaig:https://www.kilchomandistillery.com/our-whisky/sanaig/ の sherry and bourbon casks が香るウイスキーのオーバーアイスで口中の油脂を拭いながら食べるとサッパリします。
これに対して 若干しうるめ と清兵衛あじ は、のどぐろ より脂質が少なく私好みです。備長炭の強火の遠火で炙れば尚おいしいのでしょうが、そこは "内食" ですから炉内の温度分布、火加減、火除けなど工夫を施し添付写真にあるように焼きます。これに合うアルコールは断然、日本の "酒" です。どちらも箸で少しずつ食べるのですが、「オレ、酒の肴は少ないほうがイイんだよ。」と、言いたくなるほど酒が進んで止まりません。素晴らしくおいしい!!!!!
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さて、"味覚の確かな方" から戴いた蕎麦の乾麺です。
結論を先に書くと「どちらもおいしいです」。それぞれ十割そばと謳っていますので蕎麦の香りと甘みがあり、つなぎが無くとも喉越しも良いです。好みから言えば「山本食品」より「山本かじの」が、より甘みが強く、自分で打った蕎麦のようにおいしいです。ただ、大きな鍋で湯掻いている間に灰汁というか蕎麦粉というか泡がたくさん生じ、これをレードルで掬うのが大変です。"そば湯のとれる本格派" とポリ袋に書かれていますので何か工夫がされているのでしょう。
日本で食べられている蕎麦の自給率は10%ぐらいだと言われています。"外食" にかける費用が毎年少なくなる中、安い中国産やアメリカ産の蕎麦が使われるのは仕方がないのですが、食品表示法によって原材料表記が義務付けられている乾麺の場合、その表示方法に惑わされてはいけません。
そば "粉" は "国産"・"国内製造" となっていますが、蕎麦の "実" は何処で栽培されたのか記載がないです。外国産の蕎麦の "実" を日本で蕎麦粉にすればこのような表示ができます。こんなことを考えていると自分でそばを栽培して手廻しの石臼で粉にして手打ちにするしかないのですが、私はそこまで凝るほどの "蕎麦食い" ではありません。蕎麦つゆは、自分で辛つゆと甘つゆを作って "もり" と "かけ" を楽しんでいます。
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若干しうるめを "内食" で焼く時は、グリルではなく ステンレス・スティールのフライパンを使うとおいしく仕上がる
<鷹勇> "ひや" (常温、室温) で合わせるのがマナーです
頭からガブリと齧り、一杯目の酒はグイッと煽る
清兵衛あじ (山口県産真鯵)
これを "内食" で焼く時は、ガスのグリルの弱火で六分間とする
表から食べると身が解し易い
干物なのにふわっとして瑞々しい
手を使わず、箸だけで解す
おいしいので尾頭すべてを食べる
京都羽束師の茄子の煮浸し
いただき物の乾麺食べ比べ (左:山本食品、右:山本かじの)
そば粉は "国産" となっているが、蕎麦の実は何処で生産されているのか記載がない
山本食品 (66g)
魚谷 清兵衛のエソ100%の蒲鉾
香り良く、喉越しも良い
刻み海苔を使ってみる
本山葵
自家製のそばつゆ (辛汁)
山本かじの (66g)
そばの色は濃く、茹でていると泡がたくさん出た
香り良く、甘く、喉越しも良い
或る日の朝食
明太子、しらす
これは旨い!
妻の弁当に
のどぐろ(アカムツ)の開きと南瓜で一杯 (夕食はこれだけ)
身がふわっとしておいしいのだけれど、のどぐろの脂質は私に強過ぎる
石川県の発酵食品「糠(こんか)鰯・鯖」をご存知でしょうか?
5月下旬、ISETAN 新宿店の「フロマージュリー・ヒサダ」で入荷待ちをしていた "ヴァランセ (Valençay)"を引き取り、"おきまりコース"「魚谷清兵衛商店」 で数品を選び、「簡易包装で結構です。食品売り場をひと回りして来ます。」と、伝えて店を後にしました。チーズも干物類も一点ずつに保冷剤が添付され、これに「グランドカーブ」で KILCHOMAN MACHIR BAY Sanaig や The Sipsmith / London Dry Gin を買うと結構な重量になり、La macchina でなくては肩が抜けてしまいます。
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購入の翌日、どういう巡り合わせなのか不思議です。普段、TVは朝の NHK-BS 海外ニュースしか見ないのですが、点けっぱなしになっている画面を見ると石川県で日本の食材を使った外国人料理家の映像が流れていました。何気なく音声を聴いていると「こんかいわしバター」なる単語が耳に入り、画面を見るとナスの料理に使っていました。ちょうどイタリアのアッチューゲ (Acciughe、アンチョビ) にバターを合わせてソースにしているように見えます。『ナルホドネー。』
トリノ郊外にある「La Sacra di San Michele (サン・ミケーレ礼拝堂) https://it.wikipedia.org/wiki/Sacra_di_San_Michele 」へ向かう山の中腹に「Hotel Ristorante Hermitage」https://tabelog.com/rvwr/000124517/rvwdtl/B226416847/ があり、そこで食べた "茄子とズッキーニのパルミジャーノ焼き" https://tabelog.com/imgview/original?id=r0345358058759 に掛かっていた Bagna càuda (バーニャ・カウダ=熱く濡れる) のようでした。(↑写真右下のモノ、凄くおいしい。)
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料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
糠(こんか)鰯 を使ってパスタ料理にしてもおいしいと感じました。アッチューゲ (Acciughe、アンチョビ)の代わりに糠(こんか)鰯 + ニンニク + オリーブオイル + ペペロンチーノかなぁ。
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何はなくとも "魚谷清兵衛商店の酒盗"
TVがモノクロの時代、桃屋の「何はなくとも江戸むらさき」(三木のり平) という CMがありました。
https://www.youtube.com/watch?v=_Zac1fW_34E
https://www.youtube.com/watch?v=Q6M_nhcjZug
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さて、現在の Apartamento に引っ越した理由は、バリアフリーであり高齢の母の安全を第一に考えてのことだったのですが、エントランスに管理人がいて防犯カメラが作動し、戸建てよりセキュリティが高いということに気付きました。それでもイタリアの建物の防御に比べたら隙はあり、侵入しようと思ったら簡単です。日本は未だ性善説に基づいた防御の緩い国です。海外では電車のシートで熟睡している人を見たことがありません。歩いている時でも常に「善い人、怖い人」を確認しないと酷い目に遭います。中学生までは登下校時に親か祖父母が送り迎えしなければなりません。誘拐されてしまうからです。孫娘が通うトリノの小学校へ行くと、朝夕、必ずパトカーが停まっていて銃を携えたシュワルツネッガーのような警察官が二人います。
二年前の引っ越しと同時に "断捨離" をしました。たくさん持っていた戦闘服 (スーツやワイシャツ) は 用済みとなったのでス・ミズーラ (Su Mizura) だけを残して古布として廃棄しましたが、食器類は流行がなく、昔の職人や作家が作ったもので現在購入しようと思っても手に入らないものばかりですから大切に梱包して食器棚に仕舞いました。未だ開梱していないものがたくさんあり、購入した時の包装紙のまま一度も使っていない酒器も幾つかあります。そのひとつが、「清風与平 染付 唐子遊図 酒盃」です。京都へ行くと必ず寄る陶器屋で二十年ほど前に見つけたものなのですが、店主に尋ねると「これは、京大の教授が欲しいと言っているものでお売りすることができない。」とのこと。大小二つがあり、どちらも先約済みでした。毎年確認するのですが、鍵の掛かったガラス棚に並んでいます。
「未だ購入されないのでしょうか?」
「そやな、金の工面ができないことはないでっしゃろうが、十年以上、お見えななりませんなぁ。」
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この盃に注ぐべき酒 <鷹勇> に出会ったこともあり、初めて真田紐を解きました。
良い器は、夜ではなく昼間の自然光の中で使い始めると気持ちが良く、旬の山菜や肴で盃を傾けるのが楽しいです。
料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。(鮮魚と山菜は他店で購入)
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トリコローレ (Tricolore italiano、イタリア国旗) のお弁当、蛍烏賊とオレンジのサラダ
「しらす」、「明太子」に新緑鮮やかな「こしあぶら」を加えたトリコローレ (Tricolore italiano、イタリア国旗) のお弁当
・こしあぶら(山形県産天然物) ・・・緑 verde (これは別の店で購入)
・白素干(静岡県産いわしの稚魚)・・・白 bianca
・明太子(北海道産助宗鱈の卵巣)・・・赤 rosso
蛍烏賊とオレンジのサラダ
・蛍烏賊(富山湾のホタルイカ)
・オレンジ(米国産ミネオラタンジェロ) (これは別の店で購入)
厳選された素材で作る料理は、リーズナブルでおいしく、少量でも満足感を得ることができる。
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陳列されている品を全て購入したくなるのですが、いつも決まった物を手にしてしまう。
私は、このSNSを "ガストロノミー" (食事・料理と文化の関係を考察すること) と捉え、飲食店を紹介するだけに留めていません。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されるとしても "外食" を控えている方は多いです。
去年は多かった "持ち帰り" (take away、to go、take out) や "内食" の投稿も減ってしまいました。私は反感を買いながらもパンや菓子を買ってレビューをあげるのと同じように「魚谷清兵衛商店」や「紀ノ国屋」の食材を載せています。
イタリア料理も洋食も好きですが、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae、ニホンコウジカビ) 由来の味は自身の DNA に刻まれているようです。最近目覚めた "本物" のインド料理は序の口段階であり、スパイスの使い方や素材の選び方を学びながら少しずつ体得して参ります。インドの発酵食品 (ナン=酵母、ラッシー=乳酸菌) と日本、中国、韓国、東南アジアの発酵食品の違いから考え始めるのが良さそうですが、手っ取り早くお酒で比べても良さそうです。と、書いたところで気づいたのですが、インド古来のお酒って何だろうか? イスラム教では飲酒が禁じられていますし、ヒンドゥー教の酒はどうなのでしょうか。ヨーロッパとの交易で作られるようになったビールやワイン、ウイスキー以外のインドの地酒というのはどんなものがあるのでしょうか?
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殆ど酒の肴「魚谷清兵衛商店」の食材については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。(笑
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あなた、世間は仕事始めなのよ!
六十二歳で若隠居して五年も経つと「〜〜をしなければならない」「PDCA を回さなくてはならない」と、いうことが次第に少なくなり、「山中與幽人對酌」李白 の如く
兩人對酌山花開 (両人対酌すれば山花開く)
一杯一杯復一杯 (一杯一杯また一杯)
我醉欲眠卿且去 (我酔うて眠らんと欲す卿且く去れ)
明朝有意抱琴來 (明朝意あらば琴を抱いて来たれ)
という気分になり、鏡で自分の顔を見ると現役の頃より穏やかになった キガシマス (©︎KYTさん)。 そうかと言って流されているのではなく、柵(しがらみ)が無くなった分、寧ろ世の中のことがよく見えていますので、眼光は衰えていません。タブン
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元旦に食べようと考えて買った「魚谷清兵衛商店」の瓶入り "このわた" と "酢だこ" を食べ忘れていました。元旦の夜、余ったお節料理を冷蔵庫に仕舞うために隙間を見つけていると、この二つの小さな包みが現れました。
「今日の昼は、これで隠居の特権を行使しよう。」
徳利に金鵄正宗の普通酒を注ぎ、ぬる燗に整え、気に入った盃を選び、トクトクと注げば、生きることに真面目だった開高 健 の顔が浮かんできます。https://www.youtube.com/watch?v=j0ClzXbDAbg
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カナダ産の天然紅鮭がおいし過ぎて、珍しく夕飯にご飯を食べてしまった。
我が家では、妻と私がアルコールを嗜むので晩酌の後に米飯を食べることはありません。
酒類を全く飲まない母(93)も夕食にたくさん食べると眠れなくなるというのでおかずだけしか食べません。
ところが、この日買ってきた「魚谷清兵衛商店」のカナダ産天然紅鮭の切り身は、焼く前からいつもに増して艶があり、おいしそうです。
「今晩は、これでご飯を少しだけ食べたいわ。」
と、母が嬉しそうに言うので、二合だけ炊きました。
炊飯は母が担当していたのですが、重たいう内釜を持ち上げるのが辛いというので、三年前から Casalingo である私の役目です。
米は、二十年以上前に偶然知り合った魚沼の契約農家からコシヒカリを都度精米して送ってもらっています。
二合を計り、浄水器を通したたっぷりの水で洗うようにして精米時の僅かな粉を落とし、笊に上げ、三十分後に炊飯を始めます。この時、大切なことは、計量カップで正確に水の量を計ることです。新米の頃と夏場では若干の調整が必要ですが、炊飯釜の目盛りに頼っていては誤差が大きく、炊き上がりにバラツキが生じます。
ふっくらしているのですが、粒のしっかりした甘みのあるご飯に炊き上がりました。
「魚谷清兵衛商店」で買った エソ100%の蒲鉾、焼いたカナダ産紅鮭の切り身、そして自家製蕪の糠漬け、しらすと九条葱、ほうれん草のお浸し という酒の肴でキンシ正宗の普通酒 "銀閣" をやっていたのですが、大きな焼き鮭がおいし過ぎて、珍しく夕飯にご飯を食べてしまいました。
こんな簡単な夕食ですが、一つひとつの素材が良く、楽しく、ゆっくり時間をかけて飲み、食べるので大きな満足感を得ることができます。我が家には「いゃーね、酒飲みは。いつまでもダラダラ飲んでいて。」と、小言を放つ人はひとりも居ません。
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干した "むきえび" の おいしい出汁
中華料理トーシローの私は、これを "外食" として好んで食べることはなく、ここに頭を突っ込んだら "病膏肓に入る" 状態になり、抜け出せなくなるのではないかと避けています。
何度も訪れた香港で食べた中華料理の数々を超えるものを日本で食べることができないと考えるのは、「フレンチは、フランスで食べなはれ」「イタリアンは、イタリアで食べなはれ」「日本では、和食を食べるのが一番です」を信条のひとつとしている私にとっては仕方のないことです。
母は、今や日本食となった 焼き餃子、焼売、春巻き、肉団子、肉野菜炒め、青椒肉絲、酢豚、麻婆豆腐、etc. を上手に作ってくれましたので、子供の頃からこれらの味には慣れているのですが、 "外食" で中華料理を食べると "あれ" (MSG、Monosodium Glutamate) の味がベタベタと口に残るのが厭で中華料理店へは会食に誘われる時ぐらいしか行かなくなりました。
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料理の基本は、「出汁・フォン・湯」です。
和食の昆布や鰹節の出汁、フレンチのフォンやジュ、イタリアンのブロードやソフリット。中華料理でしたら 毛湯、清湯、上湯、白湯です。慣れてしまえば、これらを引くのは大した手間ではなく、力のある良い素材を選べば、注意力が必要なだけです。(日本の味のない野菜でフォンを引こうとするとタイヘンです)ただし、本場の水(硬水、軟水)を使えない環境では完璧な味を引き出すのは難しいです。ドイツやイタリアで和の出汁を引いても全くの別物になります。
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この日、ISETANに用事があり、帰り際に「魚谷清兵衛商店」でいろいろ買いました。
今回初めて干した "むきえび" を手にし、『中華 "擬き" を作ってみようかな。』と、意欲が湧きました。
先日作った比内地鶏のフォン・ド・ヴォライユ(fond de volaille) はストックがあるのですが、香味野菜、ニンニク、胡椒が入っているのでこれは使わず、和の出汁を引いて、干した "むきえび" からの出汁を加え、添付写真の中華 "擬き" を作りました。
とてもおいしく、優しい味に仕上がりましたので、ご紹介いたします。(調味料は塩と酒だけ、素材の味が生きている)
料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
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やっと店頭に並んだ山口県産 "清兵衛あじ" 、待ってました!
妻がまだ幼い頃、鯵は "ひらき" の状態で海を泳いでいるのだ思っていたそうです。
ある時、腹開きになっている鯵の "ひらき" を背鰭を中心にして折り畳んだところ魚の形になって驚いたとのことです。
可笑しいですね。
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ここ「魚谷清兵衛商店」で扱っている鯵の "ひらき" は、通常五種類あります。
・清兵衛あじ(真あじ 山口県産)
・真あじ(長崎県産)
・真あじ(相模湾産)
・ムロあじ(伊豆諸島沖)
・豆あじ
いずれも甲乙付け難く、それぞれのおいしさがあります。順位をつけることが許されるならば、1、真あじ(相模湾産)2、ムロあじ(伊豆諸島沖)3、清兵衛あじ(真あじ 山口県産)となるのですが、第一位と第二位が店頭に並ぶことは殆どなく、たいへん希少な鯵の "ひらき" となっています。
東京人ですから "くさや" にも使われ、決してすし種にはならない ムロあじの独特な香りと淡くも口に広がる旨味が好きです。
巷では "出水の鯵" (近くの養殖生簀から流れて来る撒き餌を食べているので湾内に根付いてしまった鯵) のように黄金色して脂が乗ってぷっくり太った鯵が食通の間で持て囃されていますが、これらは A5級の霜降り牛肉や鮪の大トロを好む方に向いています。
鯵、鰯、鯖、秋刀魚は、"黄金魚" ではなく "青魚" ですから半養殖ではない、天然物で香りが良く、身の厚い、旨味の乗った青く銀色に光ったものが一番おいしいです。鯵は回遊魚ゆえ "良いもの" がいつでも獲れるということはなく、運が良ければ「魚谷清兵衛商店」に入荷があり、"ひらき" に加工され店頭に並びます。
購入した品の料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
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山口県産 "清兵衛あじ"
Zoom
料理屋の盛り付け
家庭の盛り付け
頭から丸ごと齧る
決して手を使わず箸で身を解す
これも時季の極細かな "しらす(白素)干"
静岡県産いわし稚魚
やっぱり酒が合う
エソの蒲鉾と白素干
偶には、純米大吟醸(ひや=常温のこと)もいいね!
辛子明太子一切れでコピリンコ
魚卵の粒が小さい方が上等。魚卵はいくらでも出汁や添加物を吸い込ませて大きく出来る。
別の日の晩酌は紅鮭で
今宵は真ん中部分をチョットだけ摘んでにぎりめし用に残す
それでも〆のご飯を
カツオの塩辛と千葉県産山芋で
サラッと腹を満たす
一番出汁の旨味と山芋の香りと白米が渾然一体となる。おいしい!
白素干 (しらす干) は イワシの稚魚 素面 (しらふ) は 酒に酔っていない普段の私
私は、東京地区で販売されていない伏見の酒「金鵄正宗」を自分のために定期的に購入しています。暮れにはドイツから取り寄せているカレンダーとこの酒を二本持って挨拶にお伺いする人生の先輩がひとりいます。
今年も「お中元」の時季になりましたのでキンシ正宗堀野記念館から夏季感謝セールのお知らせDMが届きました。
・金閣荒武者 (普通酒、辛口) 定価 2,399円 (1.8L)
・松屋久兵衛 (純米大吟醸) 定価 11,000円 (1.8L)
・金鵄正宗純米大吟醸 定価 5,500円 (1.8L)
を少しずつ注文し、過日 ISETAN新宿店へ行った際に「魚谷清兵衛商店」でこれらの酒に合う肴を購入しました。
・白素干 (しらす干)
・明太子
・エソの蒲鉾
・カツオの酒盗 (塩辛)
・松前するめ (北海道産するめいか)
・山口県産アジの開き
・カナダ産鮭の甘塩鮭切り身
今回は、最初に挙げた白素干 (しらす干) について書きます。
イワシは日本だけでもマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシがあり、食物連鎖に於いては、バクテリア → 植物プランクトン → 動物プランクトン・魚卵 → イワシの稚魚 → 小型の魚や甲殻類 と連なり、イワシ (鰯) は大量に生息している「弱い魚」です。
人間が口にする加工食品としてのイワシは、しらす、ちりめんじゃこ、じゃこ、ちりめん山椒、たたみいわし、いりこ、煮干し、メザシ、丸干し、オイルサーディン、アンチョビ、アッチューゲ、すし種、つみれ、缶詰、etc. と、世界中で食べられています。
私はどれも好きですが、添付写真一枚目「魚谷清兵衛商店」の白素干 (しらす干) を見ていただくとお分かりのように魚体がとても小さく、大きさが揃っていて、色が真っ白です。京都の高級料亭で使われる薄口醤油で炊いた ちりめん山椒にも同じように小さいものが使われていますが、これと同じイワシの稚魚です。
これを箸の先で少し摘んで口に運び、ふわっとした食感に続く淡い甘味と塩味を愛でながら金鵄正宗の "ひや" (常温) をコピリンコとやると「嗚呼〜、日本人で良かった。」と、つい本音が出てしまいます。
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さて、今年の暑中見舞いは、二十四節気でいう小暑 (7月6日) から立秋 (8月7日) の間に行われ、これを過ぎると残暑見舞いとなります。と、ここに書かなくても「そんなのジョーシキ。」と言われるのは承知しています。スマソ。
国家公務員倫理法が制定された1999年以降「虚礼廃止」と言われながら20年が過ぎました。
官官接待を含む公務員の贈収賄、お食事券もとい汚職事件は後を断ちませんが、民間人においても心の籠もっていない義理で行う儀礼を廃止する傾向は個人の間に浸透しています。「年賀状」「バレンタインデーの義理チョコ」「お中元、お歳暮」「葬儀への参列」「オフ会、飲み会」が見直され、これを商機として捉えてきたJP、百貨店、物品販売会社、各種イベント業者、飲食店の売り上げも減少しています。
一方で優位な取引き関係を維持するために民間企業や芸能関係などでは依然として「就任祝い」「昇進祝い」「襲名祝い」etc. 冠婚葬祭のたびに贈り物、接待、ゴルフ会、食事会、他が行われています。日本を代表する大企業トヨタ自動車が協力会社に自粛を要請したのは、なんと2018年のことです。↓
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33292720T20C18A7L91000/ 「乾いた雑巾をさらに絞る」と言われる原価低減要請を創業時から続いているこの会社は財務的にはエクセレント・カンパニーなのでしょうが、未だこのような企業文化を有しているということでコンプライアンスにおいてフェアな企業とは言えませんね。「だから、改革しているのだ!」という声が聞こえてきましたのでこの辺で失礼いたします。
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白素干 (しらす干)
白素干 (しらす干) 、明太子、エソの蒲鉾
エソの蒲鉾、本山葵
Zoom(醤油は不要)
カツオの酒盗 (塩辛)
蕎麦を啜りながら
朝ご飯にもカツオの酒盗
山口県産アジの開き
身の薄いエラと尾がちょっと焦げた
アジの鯵
松屋久兵衛 (純米大吟醸) 定価 11,000円 (1.8L)
金閣荒武者 (普通酒、辛口) 定価 2,399円 (1.8L)
全国靖國献酒会には
金鵄正宗も加わっている。 新潟 "こしのはくせつ" の名前もある。
松前するめ
原材料名:するめいか (北海道産)
【撮り忘れたので再登場】この写真は今年三月のものです。
【追加】これは紀ノ国屋 青山の 白素干 (しらす干) で少し大きい
鮒寿司はお好きですか? 私は大好きです。
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ − 島崎藤村「初恋」−
昨年の引越しの際、林 ゆふ さんの喜寿のお祝いとして縁のある方に配られた盃が出てきました。父は生前、この藤村初恋の人「おゆふさん」にお茶を点ててもらったと話をしていました。父の友人の母親で色白の上品なとても美しい女性だったそうです。妻籠の脇本陣「奥谷」は「おゆふさん」の嫁ぎ先です。http://tumago.jp/blog/1/post-1056.html 父の実家も同じく囲炉裏が切られ木曽檜の柱や床が黒光りしている旧家です。
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通常、私が「あの店」で食料品を買うのは 三回/月 です。来客に合わせて追加する時もありますが、現在のところ春日部方面へのデリバリーサービスは行っていません (笑 のでこの頻度で充分です。冷凍可能な食材は冷凍庫に収めますが、買い物に出る前の冷蔵庫はいつも空っぽです。
「アルコール類はセラーや戸外の物入れに腐る程あるのだけれど冷蔵庫は空っぽだよ。」
と、言うことでチルド室の奥に手を入れたら昨年末に買った「魚谷清兵衛商店」の鮒寿司がありました。賞味期限はとうに過ぎているのですが品質に問題はありません。否、庫内発酵が進みよりおいしくなっている キガシマス (©︎KYTさん)。
琵琶湖に生息する二ゴロ鮒で作る鮒寿司は、嫁 (長男の連れ合い) と私の好物なのですが、匂いの強いチーズは問題ない妻と母は淡水魚独特の発酵臭が苦手で「それは遠慮しておきます。」と言ってちょっとしか食べません。酒の肴に、茶漬けに、粥と一緒に、いただくと鮎と同じ柑橘の香りと酸味と旨味があり日本酒が直ぐに蒸発してしまいます。
「総本家 喜多品老舗」https://www.400-kitashina.com 「喜多品老舗」あるいは、料理屋の「比良山荘」「徳山鮓 」で鮒寿司のレビューをご覧になられていると思いますが、皆さんはタイやミャンマーが起源といわれ米作と共に北上したこの "熟れ寿司" は、お好きでしょうか?
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糖質制限は、本当に身体に良いのだろうか。
私はひとりで食料品を買いに出掛けるのですが、正午前に自宅を車で出ると昼食を食べ損なってしまうことがあります。店に予約をして決まった時刻に暖簾をくぐるというのが苦手でして、朝起きて『今日はほかけ のすしでも摘もうか。それとも 神田まつや でかしわ南蛮でも手繰ろうか。』と、いう具合に思いついたままに行動しています。
偶に首都高速道路で追突事故が発生していて想定していた時刻に目的地に着かないことがあり、こんな時は、『食べなくても問題ない。』と、頭を切り替えれば空腹感は何処かへ消えてしまうのですが、帰宅して妻から
「あなた、お昼は何処でおいしいものを食べたの?」
「今日は、胡桃のパンとフランスのチーズとコーヒーだった。」
「それって試食メニューじゃないの。」
「お昼を抜いたりしないで、三食ちゃんと食べないと太るわよ。」と、バレバレです。
朝昼晩の三食を私と同じように食べて飲んでいる妻の体重は、39kg前後です。(身長158cm)
もう少し太って43kgぐらいになれば「歩くレントゲン写真」とか「動く骨格標本」と呼ばれなくなるのですが、「この歳になって太ると付いて欲しくない箇所に脂肪が付くだけだからこれでいいの!」と、言われて話はお終いとなります。
人それぞれの新陳代謝ですから同じように飲食していても身体にストックされる量は異なってくるのでしょうが、”霞を食べている仙人” や "人を喰っている政治家" ではありませんので自分の体調が良いと思うところでバランス良く食べるのが一番イイんじゃないかなぁ。
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魚谷清兵衛商店の明太子は粒が小さい
凄くおいしい!
酒盗を角小皿に
盛る
炊き立てのご飯に載せて
並べる
カナダ産鮭を魚谷清兵衛商店で仕込む甘塩鮭
皮目もきれいに焼けた
三人家族で三切れ
腹身を解してご飯に混ぜる
これは神田明神「天の屋」の芝崎納豆
九条葱、辛子を添えて納豆だけで食べるのが好き
菊乃井の木綿豆腐
手前味噌
今日の出汁は利尻昆布と鰹節削り節
自家製なので豆味噌が残っている
果物で
ビタミンCと
ミネラルを
補給する
パッションフルーツと
今頃のあまおうは酸味があるのでグラッパに合う
【追加写真】エソだけで作った蒲鉾
本山葵
【追加写真】別の日の鮭
おいしい!
おいしい筋子と甘塩鮭で日本酒をコピリンコ (©︎小泉武夫先生) の後に茶漬けをさらさら
銀座並木通りにあった「KETEL’S RESTAURANT」https://ginzamag.com/culture/small07/ ↓ でシュペックカルトッフェルン (Speckkartoffeln、巷ではジャーマンポテト) とソーセージ(wurst ;ヴルスト)の盛り合わせでドイツビアを飲んでいたのが、昨日のように思えるのですが、二十年以上も前のこととは信じられません。
小津安二郎監督作品「秋刀魚の味」(1962) に出てくる岩下志麻は未だ篠田 正浩監督と結婚(1964)する前だった。
https://www.youtube.com/watch?v=kp2S77LARkg 美しいひとだなぁ。
今でもドイツ語圏へ行くと Klassisches Leberkäs Brät + Brötchen + Bier https://tabelog.com/imgview/original?id=r12483105127205 をパクついて「やっぱり、おいしいね!」なんて一人呟くのですが、日本では同じ味を提供してくれる店がないので只管、アスペルギルス オリゼ(Aspergillus oryzae、ニホンコウジカビ) 由来の酒の肴で日本酒をいただいています。
この日、ISETAN新宿店に用事があり、チーズ売り場で英国の青カビチーズ Stiltonやオランダの Gouda de Mai (5月のゴーダチーズ)を買ってここ「魚谷清兵衛商店」に「こんにちは。」すると手ぶらで帰ることができなくなり、「それを五枚とこれを八本とあれを三パック包んでください。」となり、車だから良いものの両手が塞がり、これ以上買うとレッドカードが悲鳴を上げるので家路を急ぐこととなりました。
今回の飲食については、添付写真のコメントをご覧いただければ嬉しいです。
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いいなぁ、フランクフルトで飲むドイツビアとBratwurst Brötchen (パンに挟んだ焼いたソーセージ) も。
https://tabelog.com/imgview/original?id=r3809669030624
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日本の食材、やっと出会えた おいしい蒲鉾と山葵で日本酒をコピリンコ (©︎小泉武夫先生)
私の場合、日本を離れるとその土地の食材を使った料理の方がおいしいので和食を食べたいとは思わないのですが、長く日本に帰ってこない家族のために日本から持ち込んだ食材を使って現地で作ることがあります。
ところが、水と空気が違うのでおいしさは半減です。空気中に漂っている酵母の作用というのは、普段、日本にだけ留まっている人には分かりづらいと思います。特に短期の出張ベースではなく、二ヶ月間以上滞在すると体内酵素や腸内菌が全て現地のものに入れ替わりますので、これが顕著です。
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この日、ISETAN 新宿店の「魚谷清兵衛商店」でアスペルギルス・オリゼAspergillus oryzae、ニホンコウジカビ) 由来のいろいろを購入しました。商品を眺めているとその場で酒が欲しくなり、急いで帰宅しました。
今回、"エソ" という魚を100%使用した蒲鉾(1,200円)が秀逸です。 https://tsurihack.com/1261
ISETAN 新宿店の野菜売り場で "生山葵" も求め、おろし金で擂ると根菜であるこの薬味の "粘り" が質の良さを教えてくれます。
「唐の大詩人 "李白" は、山に溶け込んで仙人になることを夢見た。」と、開高 健は サントリーのコピーを書きました。"平凡で安泰" な時代が続くことを願いながら「一杯或一杯」。
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今朝も元気だ、ご飯がおいしい!
フォロー中のムササビヒンソーさんがアップしたhttps://tabelog.com/rvwr/motobusu/rvwdtl/B411352726/ の真似っ子です。オリジナリティーの無さに些か気恥ずかしいのですが、お付き合いいただければ幸甚です。(糸井重里の "オトナ語の謎" 超基本用語そのもの) https://www.1101.com/otona/
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この日、伊勢丹新宿店で少しずつ買い物をしました。
「あら、oggetiさん、いつも横浜店をご贔屓にしていただき、ありがとうございます。」
「いえいえ、今日は何をいただこうかなぁ。」「娘が好きな明太子を一腹ください。」
「今、ご用意できるのは、いつもより大きめの物しかないのですが、よろしいでしょうか?」
「はい、いただきます。」
娘たちが亭主のクリスマス休暇に合わせ、シチリア・カターニア(Catania) に帰省した直後にエトナ火山(Etna) が噴火しました。日本のNHK BSニュースで報道されていましたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。早速、Facetimeすると写真を送ってくれました。(末尾4枚)
カターニアの街の中心地に開かれる市場はとても大きく、何でも揃います。
2012年の訪問した時には、地中海クロマグロの生が赤身でも大トロでも20EUR/kg、日本の1/10以下)でした。最後の写真の雑魚も買ってブイヤベースhttps://tabelog.com/imgview/original?id=r8095767091823を作ると「まるで地中海」(Mar di Mediterraneo) です。(笑
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午前五時に起床。
IH炊飯器(タイガー炊きたて)と味噌汁用の出汁(昆布といりこ)をセットしてして一番風呂にゆっくり浸かる。現役の妻が入浴中に彩りのきれいな "標準弁当" を作り、同時進行で三人分の朝食を用意します。テーブルのセッティングが最初の仕事です。(和食は箸を並べ、洋食はカトラリーを揃えます)
午前六時五十分、朝食開始。
今日は豪華です。妻が明太子の一番大きな一片を摘み「いただきまーす。」これだけで飯盛り茶碗が空になってしまいそうになるのでゆっくり味わいます。おいしい!!!
午前七時四十分、「ありがとう、行ってきまーす。」と妻が出勤。
Casalingo (主夫) の一日は、今日も穏やかに始まりました。
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ちょっと大き過ぎる明太子
拡大
色々なものが添加されている
たたみいわし
少し炙って晩酌に
これは純粋
或る日の朝食
えのき茸の味噌汁
母の椀
契約農家から送られてくる 魚沼産コシヒカリ
ちりめんじゃこを載せて
拡大
ちりめんじゃこ
丸山海苔 "ゴクジョー佐賀のはしり" ©︎MSSBHNS氏
これだけでご飯がなくなる
瓢亭本店の "土佐醤油" をちょっと付ける
母の漬けた白菜もおいしくなった
ミュンヘン土産のドイツパンは別の日に
昨年末に噴火した時のシチリアのエトナ(Etna)火山
カターニア(Catania) 魚市場
カジキ、地中海クロマグロ(20EUR/kg)、鱈(?)
ティレニア海(Mar Tirreno) で獲れる魚介は、新鮮で凄くおいしい!
私が作った妻の "標準弁当"
しらす、じゃこ、厚岸の時鮭(甘塩) と 新潟五泉の里芋
「魚谷清兵衛商店」は、新宿伊勢丹店 と 横浜そごう店 へ行った時に必ず覗くのですが、手ブラで帰ることができず、いつも同じ品物を買ってしまいます。
カナダ産の紅鮭を使った甘塩の鮭が好みなのですが、1年以上前から輸出制限され、これを加工した厚切りの甘鮭が店頭から消えてしまいました。仕方ないのでかなり高価な厚岸産の時鮭(甘塩)を買うようにしています。これは厚岸の沿岸で獲れた鮭を甘塩に加工した上品な味の鮭です。
冬の味覚としては、新潟県村上市の塩引き鮭も超一流です。
これを弱火の遠火でじっくり焼いて、日本酒をいただくと『嗚呼、日本人で良かったなぁ。』としみじみ思います。
浦和に住む妻の母親は新潟県塩沢の生まれなので、新年の挨拶に行くと、この塩引き鮭のアラで出汁を引いた雑煮を作ってくれます。汁の殆どない野菜と鮭の田舎雑煮ですが、これには何とも言えない旨味があり、いつも少し太って帰ってきます。私の父の郷里である木曽に比べ、新潟は豊かな土地です。
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さて、この日、”しらすご飯”が食べたくなり、柔らかいしらすと九条葱を炊き立てのご飯に載せていただきました。おいしい!!!!!
野菜は、新潟県五泉市の帛乙女 (きぬおとめ) を「瓢亭」の海老芋の調理方法で作った小鉢です。面取りをして丁寧に茹でこぼししながら、八方出汁を基本とした汁でいただきます。
別の作り方もあり、これは家庭料理研究家の小林カツ代さんがラジオで喋っていた調理法です。
皮付きのまま蒸し、皮を剥き、素揚げをするところに特徴があります。五泉の”帛乙女 (きぬおとめ)”は、きめ細やかでほっくりしていますので、そのまま茹でただけでおいしいのですが、素揚げすることによって里芋の水分が飛び、一層、芋の味が強くなります。おいしい!!!!!
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大間の鮪、間人のズワイカニ、南風泊の天然河豚、氷見の鰤、出水の鯵、A5級の黒毛和牛、滋賀の月の輪熊、アルバの白トリュフ、ベルーガキャビア 等と 食べログサイト上には豪華で高価な食材が踊っていますが、それはそれ。 里芋のような素朴な素材でも超一流の料理にすることは難しいことではありません。
酒の肴に困りません。
ここで販売されている干物類はどれを食べても素晴らしい味です。
私の好みは、鯵の干物(特に長崎産、小田原産)、かますの生干し、辛子明太子、烏賊の塩辛、からすみ、煮干です。
大きくしっかりしたからすみをちぎって食べるのが醍醐味です。
プリン体の摂り過ぎが心配ですが、日本酒がどんどん進みます。日本人で良かったなぁ。
煮干もとても良い味噌汁の出汁が取れます。
頭とはらわたを丁寧に除いて水から浸しゆっくり温度を上げて最後に煮立たせますが、まったく生臭いところがなく、お吸い物にしても良いぐらいの美味しい出汁に仕上がります。
まだ食べていないものがたくさんあるので楽しみです。
점포명 |
Uotani Iseibei Shouten
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종류 | 기타 |
03-3352-3407 |
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예약 가능 여부 |
예약 불가 |
주소 |
東京都新宿区新宿3丁目14-1 |
교통수단 |
신주쿠산초메 역에서 64 미터 |
영업시간 |
영업시간/휴무일은 변경될 수 있으니 방문 전에 점포에 확인해주시기 바랍니다. |
가격대 |
¥1,000~¥1,999 |
가격대(리뷰 집계) |
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지불 방법 |
카드 가능 전자 화폐 불가 |
개별룸 |
불가 (없음) |
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카시키리(기간을 정하여 빌려줌) |
불가 (없음) |
금연・흡연 |
완전 금연 |
주차장 |
가능 (있음) |
이럴 때 추천 |
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서비스 |
테이크아웃 가능 |
홈페이지 |
http://local.yahoo.co.jp/detail/spot/d6b25d23c8a6eb015cca8837bd67229e/ |
비고 |
伊勢丹内の店舗 |
料理の基本は、新鮮で "質の良い" 食材を揃えることです。神の創った天然の素材を壊すことは簡単ですが、素材を超える料理に仕上げるのはとても難しいです。大事に取り扱い、丁寧に仕事を施すことが大切です。
皆さんは料理の基本である出汁(一番出汁、フォン、ブロード、ソフリット、湯/タン など) をどのように引いていらっしゃいますか?
「そんなこと訊かれたって、忙しいから顆粒の化学調味料をササッと振るか、Tea Bag に入った酵母エキス入りの出汁の素を使うか、
キューブの洋風だしを鍋にポトンよ。簡単でおいしいわよ。」
それも結構なことです。
私は、化学調味料や酵母エキスを全面否定するのではないのですが、使い方を間違えると素材が持っている "本物" の味を見極めることができなくなると考えています。また、これらに頼り過ぎてしまうと生産者がおいしく力のある素材を作る努力をしなくなり、大手商社が「化学調味料添加で誤魔化したって分からないから #いんだよ儲かれば! 」と、地球の反対側や大きな陸の農場で作らせ運んできて売り捌いていることに問題があります。日本の消費者はイタリア人に比べて従順です。
参考:http://www.ichigu-doc.jp/2011/11/1-1.html より抜粋 ↓
「スローフードを立ち上げた彼らは、不味いものを食わされたので腹を立てて、現場を見に行った。そして、そこで食の矛盾を目の当たりにしたわけです。スローフードは、「おいしくない、それはなぜ?」から始まったアプローチなんです。
ところが、これが日本だと、たとえば偽装表示された松坂牛の肉を食べさせられたといってみんなで叩きます。それは、情報の偽造であり倫理的な問題ですよね。でも、イタリア人にとっては、食はもっと感覚的な問題なんです。「不味いじゃん、何とかしてくれ」と。
――イタリア人のほうが食べ物に対する執着が強いと。
そうです。許せんのですよ、不味いものを食べさせられたことが。松阪牛の偽物を食べさせられたと言って怒る日本人を見たイタリア人はきっと、「それはわからなかったお前が悪い」と言うと思います。
食べ物が本物か偽物かというのは、ラベルの問題ではないはず。ラベルに偽物の名前が書いてあったと、そんなリアリティのない物に怒ることができる日本人の感覚が、イタリア人にはわからない。日本人は、食べ物でなく、そこに付加されている情報を食べているだけなんです。」
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白菜、ほうれん草、小松菜などの葉物野菜や大根などの冬野菜は、自らが凍らないよう細胞に糖類やアミノ酸などを蓄える(低温馴化)ので 旨味(甘味)が増しておいしくなります。今回は、瀬戸内海産「干しむきえび」の出汁と少々の塩だけで大根を炊きましたが、化学調味料に慣れ親しんだ方は、「何やコレ、味が無いなぁ。チョットそこの赤いキャップの小瓶と醤油瓶、貸してみぃ。」と、なるかもしれません。
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