論外 : Tsuka noma

今夜は「紀茂登」の大将が不在の間若手達にお店を任されている「つかのま」さんにお邪魔いたします

閑静な住宅街の中、黒門の奥には東京都は思えぬエントランスは大変素敵です

中に入り、ご挨拶
「宜しくお願い致します」と爽やかな青年が声をかけてくれますが目線が合わない、シャイボーイなのかしら？少し違和感

そんなこんなでゲストも揃い、スタート致しました
頂いたものは以下になります

●平貝と北寄貝　昆布のジュレ
大ぶりの貝がとても良い味です

●ハマグリご飯
一口で口の中一杯に蛤の香りが広がります、木の芽が寧ろ邪魔なくらい美味しい！
木の芽は酒のアテとして別で頂きます、春ですね


●ホタテのお吸い物
ホタテをボール状のかき揚げのような形状にし、丁寧に取られたお出汁の中へ
フワッと柔らかにとろける衣と中のホタテの甘さが堪りません

お料理はまあ美味しいのですが、この辺から最初感じた違和感が徐々に大きくなります

裏で作られた料理を給仕の2人が機械のように運び、その都度定型分の料理名を淡々と、しかも順繰りに8人全員にそれをやり、食べ終えたら何も言わずにサッサと下げる

お料理について少しお話をしたいなと思っても肝心の板前がまるで見えない

私はこのお皿を作った人がどんな人で、どんな想いで料理をしたのかを色々なヒントから想い馳せるのが好きなのですが、今回はなかなかそのヒントが頂けなかったです、何となく料理だけ見てお客は見てないのかな？と寂しい気持ちになります

●真鯛のお造り　煎り酒とポン酢で
この真鯛も大変美味しい鯛
分厚く切られた身の弾力、味わい共にめちゃんこ美味いです

煎り酒も塩分強めの梅を前面に押し出した男前な味わい、一点ポン酢はマイルドに鯛の身の甘みを存分に引き出し、交互に食べるとそのギャップでドンドンと美味しくなる素晴らしい一皿でした

が、ここでとても悲しい出来事が

日本酒に切り替えていたので、「この煎り酒をアテにお酒が飲めるではないか！！」

とちびりちびりと煎り酒を味わいながらいたのですが先ほど同様機械仕掛けの様な正確さと速さで目の前のお皿が片付けられていきます

あと残りわずかでしたが名残惜しかったので「まだ頂いているのです」とお伝えすると、まさかまさか回収済みの目の前に並べられた他の誰が使ったか分からない煎り酒（私のものでないことだけは残った量で確かでした）をスッと出されて行ってしまわれました

これは衛生面でも、対人のサービスとしても私はとても許容できません、呆然としているともう1人の給仕の方がこれまた何も言わずに煎り酒を持って行ってくれました（なんなんだもう）

怒りを通り越して笑ってしまい、この後の食事は何を頂いても心に響かず

甘味もそこそこにお会計、サービス料ってなんだろう？美味しいもの？

お見送りと名刺渡し、次回の予約のお願いはキッチリとされましても心は萎れるばかり

他のお客様にご迷惑になるので現場では申し上げず、この様な形でしかお伝えする術を知りませんが、
1度食とは？衛生管理とは？人に物を提供することとは何なのかキチンとお店の中でお話をするべきだと思います

普段この様な事はレビューにもしないのですがあまりにも悲しかったので、未来ある若者へのエールもこめて書かせて頂きました

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