Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Ko kyu u
|
---|---|
Categories | Innovative cuisine、French |
Phone number (for reservation and inquiry) |
|
Reservation Availability |
Reservations available
ご予約はホームページから |
Address |
東京都墨田区横川2-13-9 |
Transportation |
錦糸町駅から950m 617 meters from Oshiage. |
Opening hours |
|
Budget |
¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥20,000~¥29,999
|
Method of payment |
Credit Cards Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
8 Seats ( カウンター8席) |
---|---|
Maximum party size | 8people(Seating) |
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space,Counter |
Drink |
Particular about cocktails |
---|
Occasion |
|
---|---|
Location |
Secluded restaurant |
Website | |
The opening day |
2022.8.23 |
4,972文字★
Menu Experimental アルコールペアリング(22,000円、内税)滞在時間:約2時間50分
「食の実験室」などと評されている同店(3.05)。
押上という筆者にとって身近な立地もあってオープン前からSNSでチェックしていました。
(モツ焼きが好きな人に分かるように伝えると「まるい」のすぐ近くにお店を構えます。)
なかなかタイミング合わず8月のオープンから3ヶ月経った2022年11月に初訪問。
下町の倉庫をリノベーションした店内はオープンキッチンを囲むL字カウンター8席のみ。
バーのように座高の高い椅子となります、男性3名、女性1名、計4名で切り盛り。
22,000円のペアリングコース一本というコース設定。
アルコールでもノンアルコールでも同じ金額となります。
感想を総論的に申し上げるとオープン当初のプレゼンテスギ(4.36)を思い出しました。
今でこそ食べログSILVERに輝く佐倉のプレゼンテスギですが、
オープン当初はガストロバックなど最先端の調理技術を駆使するも試行錯誤が続いていた状態。
料理の美味しさに関してブレが大きくてまだ原石を磨いている段階でした。
同店もスペシャリテの鴨こそ突き抜けて美味しかったのですが全体的にブレが大きくて、
もう一歩の料理と美味しい料理が混在している状態。
フレンチをベースに薬膳食材を多用しており独自性は高いのですが、
既に完成形に近いようなレストランと比べてしまうと粗削り。
フィンガーフード、金目の鱗焼き、プティフールにオガタ(3.60)を思い出したのですが、
(食べログGOLD「ロオジエ」出身シェフが腕を奮う木更津のレストランオガタ)
現状では上記3点全てに於いてオガタのほうが上回っているというのが筆者の感想。
とはいえ若いチームなので今後の精進次第では更なる進化を望めるでしょう。
(前述のプレゼンテスギも数年でメキメキ進化して予約困難店となってしまいました。)
Menu Experimental アルコールペアリング(22,000円)
・ペアリング(1.鰹節&へしこ 2.冬瓜 3.百合根 4.茸 5.金目 6.鴨 7.洋梨 8.小菓子)
1.杉・メース・杜松実(ジャパニーズクラフトウォッカHAKUベース)
2.蕪三葉・香母酢・馬告(ジンベース)
3.野生白茶・蛤・アルドイーノ(ノンアルコール蛤スープ)
4.当帰・棗・山査子(シャルトリューズベース)
5.トマト・昆布・茉莉花(コアントロー&杏露酒ベース)
6.柘榴・正山小種・扶桑花(ドライマディラ酒ベース)
7.葡萄酒・牛蒡・南薑(ホット赤ワイン)
8.凍頂金萱烏龍 炭焙 or グアテマラ アンティグアラコリーナ
・料理
01-1.鰹節 白肝/蜜柑
01-2.へしこ 梅干/フロマージュブラン
02.冬瓜 春菊/和蘭芥子
03.百合根 杏仁/酢橘
04.天然茸 黒文字/馬刀葉椎ノ実
05.パン
06.金目鯛 菊苦菜/勾玉ノ木
07.銀ノ鴨 トレビス/スマック
08.人参 柿/香水薄荷
09.洋梨 哀提伯珈琲/小豆
10.小菓子
食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税です
【3.4】鰹節 白肝/蜜柑
【3.9】へしこ 梅干/フロマージュブラン
まずはアミューズ・ブーシュとしてフィンガーフードの小さなタルト2種類。
鰹節のタルトには、白レバーと鰹節のムース、蜜柑ジャム、芋焼酎ジュレ、
トッピングに鰹節も散らしており魚臭さとレバー臭さが共演。
芋焼酎を使っている通り癖の強いタルトで、白レバーの臭みの強さが気になりました。
へしこタルトには、鯖とへしこのタルタル、フロマージュブランと梅干しのムース、〆鯖。
糠(ぬか)と青魚というこちらも癖の強そうな組み合わせですが、
上手く熟成されているのか嫌な臭みや癖はなくて糠の風味が鯖の旨味を引き立てていました。
【3.4】冬瓜 春菊/和蘭芥子
タイムやバジルで香り付けした冬瓜(適度なやわらかさに煮込んであります)。
サッと湯掻いた春菊とクレソン(和蘭芥子)、豚の肩ロースハム、韮とパセリのオイルを添え、
仕上げにテーブルで緑色(春菊、韮、パセリ)のソースを掛け回して完成。
ハムで動物性の旨味を補完しているとはいえハーブと野菜がメインとなる料理構成。
野菜より肉やモツを、淡麗な料理より濃厚な料理を好む筆者としては、
パンチ不足に思ってしまって何か料理を引き立てる要素が欲しくなります。
【3.5】百合根 杏仁/酢橘
蛤(はまぐり)の貝殻を器にして、貝のムース、百合根のピュレ、杏仁風味のメレンゲ、
ペンタス(食べられる白い花)、酢橘の皮、百合根そのものを盛り付けています。
白い薔薇でも咲いているかのような美しさ。
今が旬の百合根と春が旬の蛤を合わせた(ペアリングが蛤スープ)そうですが、
しかし百合根がやや小振りでホクホクしたような百合根ならではの食べ応えに物足りなさ。
大振りな蛤が入ったスープのほうが個人的には気に入りました。
【3.7】天然茸 黒文字/馬刀葉椎ノ実
長野産のムキタケやクリタケといった天然雑キノコ、山形産のナメコをトッピング。
ソースにはナラタケとクリタケを使用、サリエットというハーブを効かせて。
クロモジで香り付けしたフランには豚足の煮凝りと葛打ちしたパセリ入り。
周囲にマテバシイというドングリを飾っているのですが、
その中にマテバシイパウダーで作ったクッキーも忍ばせてあります。
天然キノコ、フラン、マテバシイというワードに前述プレゼンテスギを思い出します。
同じ月にプレゼンテスギでトラフグのフランを食べているのですが、
ガストロバックしたトラフグや白子ソースの旨味に比べてしまうと同店のフランは淡麗。
ムキタケ、クリタケ、ナラタケといった雑キノコは旨味がそこまで強くないので、
個人的にはもっと旨味を補完するような構成を求めたくなってしまいます。
下北沢salmon&trout(3.58)は雑キノコと薬膳とジビエで凄まじい鍋を作り上げていました。
そういう好例に比べるともう一歩に思ってしまいます。
【3.5】パン
国産小麦粉の自家製フォカッチャ(おかわり自由)。
ふわふわサクサク食感。
【3.2】金目鯛 菊苦菜/勾玉ノ木
直火で焼いたという金目鯛の鱗焼き、鱗ごと焼いたアラのソースで。
カシューナッツ(勾玉ノ木)のピュレ、チコリー(菊苦菜)、カイエンペッパー、
パプリカパウダー、白インゲン豆、マリーゴールドを付け合わせて。
炭ではなくガス火力の上に台を置いてホイルの上で火を入れているように見えました。
ブリブリ感を残す身と、一部が黒く焦げた鱗。
どうしても黒焦げになった部分に雑味を覚えてしまって鱗自体も硬くて障ります。
前述オガタではもっと軽やかに焼き上げており火入れに疑問を抱きました。
【4.4】銀ノ鴨 トレビス/スマック
食べログGOLDロオジエもヴィアンド(主菜)に使う青森産の銀の鴨(バルバリー種)。
シェフ曰く日本で育てている鴨にしては血の主張が強いそう。
300℃に熱した油を吊るした鴨に掛け回して火入れ。
来客時から油を掛けては休ませて余熱で火を入れ、また掛けてを繰り返して完成。
そして首の部分は中骨を抜いて血と内臓を詰めブーダンノワールに。
首皮のパリパリ感も一緒に味わえる、腸詰めとはまた異なるブラッドソーセージ。
まずはコンソメスープ、ささみ、クレープを組み合わせた1皿が先行して出てきます。
鴨の骨、野菜、水だけで出汁を取って、一番出汁が主菜のソースに。
二番出汁と三番出汁に鴨の端肉を加えてコンソメスープを作っているのだそう。
コニャックを効かせラプサンスーチョン(中国紅茶)のクレープをスープに浮かべ、
レアー感を残すささみをトッピングしています。
個人的に鴨のささみはもっとレアーなほうが活きると思うのですがまずまず美味しい。
スープに浸りながらフワフワ食感を維持するクレープも良いです。
しかしコンソメのアタリ(塩)が強い点だけ画竜点睛を欠きました。
主菜は油を掛け回すことでパリパリした皮の付いたロース。
ブーダンノワール、砂肝・腿肉・ハツの串焼き、前述一番出汁のソース、
付け合わせに赤ワインや赤ワインビネガーでマリネしたトレビス。
スマックというスパイスや鴨のラルド(脂身)をトレビスで巻いています。
余熱でジワジワ火を入れた銀の鴨はシェフがおっしゃるように血の味が強くて、
国産の鴨の中ではかなり野生に近い味わいを楽しめると思います。
つまりジビエを好む筆者にストライク。
レアー感を残す火入れなので肉質やわらか滑らかで食感も良いです。
首皮のパリパリ感や脂の旨味も楽しめるブーダンノワールも絶品。
こちらは逆にブーダンノワールならでは血の癖が少なくて食べやすいです。
ブーダンノワールをスペシャリテとする銀座のLe Manoir D’HASTINGS(3.81)。
個人的には同店ブーダンノワールのほうが好印象。
シンプルに鴨の旨味を味わえる串焼きも下手な焼鳥百名店を凌駕しますし、
油脂添加した(ラルドと合わせた)トレビスも美味しい。
ワインやビネガーでマリネした酸味と脂身が良い塩梅で合うのです。
一番出汁のソースはフォン・ド・ボーや赤ワインなど使わずとも濃厚。
コンソメほどではないですが、少し塩が強めな点だけは気になるところ。
とはいえ同店スペシャリテの名に恥じない美味しさ。
西麻布のフレンチ百名店Takumi(3.95)ヴィアンドのシャラン鴨。
日本橋のフレンチ百名店LA BONNE TABLE(3.81)ヴィアンドのシャラン鴨。
これら百名店でヴィアンドに出てきた鴨より満足度が高かったです。
ソースの塩の強さ以外に苦言を呈すると、まずはナイフの切れ味がイマイチ。
肉もソーセージも皮付きなのでスパッと切れるナイフを求めたいです。
(前述プレゼンテスギはランチ5,000円の時代から龍泉刃物を使っていました。)
またペアリングが柘榴ジュースとマディラ酒のカクテルで鴨と合わせるには甘過ぎ。
シャンベルタンとまでは申しませんが料理に釣り合う濃厚な赤ワインが欲しくなりました。
同店はコース一本でこういうとき赤ワインを注文できないのは弱点かも知れません。
まだ新しいお店なので期待を込めてグチャグチャ申し上げましたが、
他の料理もスペシャリテに近い完成度となっていけば同店への評価もっと高くなります。
季節ごと年4回ぐらいメニューを変えるそうで日替わりメニューのお店より開発は楽なはず。
【3.7】人参 柿/香水薄荷
アヴァンデセールは細かく刻んだ柿、レモンバームの香り、エルダーフラワーゼリー、
人参のアイス、ココアの焼き菓子(天辺の細かな細工)という構成。
ヴィアジュアル重視アイテムは美味しさに寄与していないように思ってしまいますが、
それ以外は組み合わせ良くて後述のグランデセールより気に入りました。
【3.5】洋梨 哀提伯珈琲/小豆
グランデセールはレーズンとエチオピア(哀提伯)コーヒーと自家製漉し餡の羊羹、
洋梨の赤ワインコンポート、コーヒーとチョコレートのムース、葉っぱ状の焼き菓子、
クローブのアイスクリームという和洋折衷な組み合わせ。
ヴィジュアル重視かつ和洋折衷が同店のコンセプトのように思うのですが、
最後のデセールにまでそれは徹底されているようです。
組み合わせ方が重厚に過ぎるように思いましたが悪くはないです。
【3.5】小菓子
1.キャラメル風味のチョコレートタルト
2.花椒(ホアジャオ)サブレ
3.フランボワーズのマカロン
4.ディアマンクッキーとレモンクリーム
5.フィナンシェ
シェフが硬めな食感を好むのかマカロン生地まで硬く焼き上げているように思いました。
普通に美味しいですが前述オガタのプティフール(小菓子)は4.5と評価しています。
まだまだ改良の余地があるのではないでしょうか。
若いチームで可塑性は高いはず、筆者を唸らせるような進化を遂げて欲しいです。